JPS6219816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、引違い、４本引き、片引き等の横
引きサツシにおける障子引寄装置に関するもの
で、障子の閉鎖方向への移動によつてその障子を
室内側又は室外側へ円滑に引寄せることができ、
しかも障子や窓枠が傷付き易いアルミニウム材料
から成る場合でもこれらの障子や窓枠に傷が付く
のを防止でき、その上障子や窓枠への組付手数を
最小にするばかりでなく、既設サツシの改装又は
現場での取付も容易で、かつ、引寄せ量の調整も
自由に行ない得るようにした横引きサツシにおけ
る障子引寄装置を提供しようとするものである。

以下本願の実施例を図面に基いて説明する。図
面では引違いの横引きサツシに実施した場合を示
し、１は窓枠で、上枠２、下枠３、内障子戸当り
枠４及び外障子戸当り枠５とで構成されている。
６，７は上記窓枠１に嵌込まれた内、外障子で、
夫々上框８，９、下框１０，１１、戸先框１２，
１３、召合せ框１４，１５及びガラス１６，１７
等にて構成されている。上記内障子６の召合せ框
１４にはクレセント１８が、また外障子９の召合
せ框１５にはクレセント受け１９が夫々取付けら
れ、内、外障子６，７を閉じてクレセント１８を
回動させると、このクレセント１８がクレセント
受け１９に係合して内、外障子６，７を閉鎖方向
へ引分け移動させると共に召合せ框１４，１５ど
うしを引寄せ合うようになつている。また図示を
省略したが、内障子６の召合せ框１４の上下部に
はクレセント１８の回動操作によつて昇降される
閉塞部材が付設され、召合せ框１４上、下端と
上、下枠２，３間の隙間を塞ぎ得るようになつて
いる。なお、これらの閉塞部材は上、下枠２，３
に固定しても良い。

次に、上記上枠２部分について第２図及び第３
図により説明すると、２０は天板で、第２図に示
すように中央部分に上方へ窪む凹部２１が全長に
亘つて形成されている。２２，２３は障子案内レ
ール、２４は室内側垂片で、これらは天板２０か
ら下向きに突出成形されている。なお上記障子案
内レール２２，２３は天板２０とは別体に形成し
てこの天板２０に取付けても良い。上記室内側垂
片２４と凹部２１の室内側段部とには夫々パツキ
ング嵌着溝２５，２６が全長に亘つて形成されて
いる。この一方のパツキング嵌着溝２５には、閉
鎖状態の内障子６と対向する略片側半分にのみ枠
パツキング２７が装着され、他方のパツキング嵌
着溝２６には、閉鎖状態の外障子７と対向する略
片側半分にのみ枠パツキング２８が装着され、残
りの略片側半分には第３図に示すように枠パツキ
ング２８が装置されずに余裕空間２９が形成され
ている。次に、下枠３部分について説明すると、
３０は基板で、中央付近に室内側が高くなつてい
る段部３１が形成されている。３１，３２は障子
案内レール、３３は雨返し片で、基板３０から上
方へ立上げられている。上記雨返し片３３と段部
３１には夫々パツキング嵌着溝３４，３５が全長
に亘つて形成されている。この一方のパツキング
嵌着溝３４には、閉鎖状態の内障子６と対向する
略片側半分にのみ枠パツキング３６が装着され、
他方のパツキング嵌着溝３５には閉鎖状態の外障
子７と対向する略片側半分にのみ枠パツキング３
７が装着され、残りの略片側半分には上枠部分と
同様に余裕空間が形成されている。上記枠パツキ
ング３６，３７は夫々その室外側面が上枠部分の
枠パツキング２７，２８の室外側面と同一平面上
に位置されている。なお、図示を省略したが、内
障子戸当り枠４には枠パツキング２７，３６に連
続する枠パツキングが、外障子戸当り枠５には枠
パツキング２８，３７に連続する枠パツキングが
装着されている。

次に、上記内、外障子６，７は戸先框１２，１
３と召合せ框１４，１５との上端部に形成された
嵌合溝３８，３９が上枠２の障子案内レール２
２，２３に、戸先框１２，１３と召合せ框１４，
１５との下端部に形成された嵌合溝４０，４１が
下枠３の障子案内レール３１，３２に夫々嵌合さ
れ、この状態で戸車４２（外障子用戸車は図示省
略）が障子案内レール３１，３２上に乗載されて
いる。これらの内、外障子６，７はこれらを閉鎖
したとき次に示す障子引寄装置によつて室内側へ
引寄せ移動され、これにより内障子６と外障子７
の室内側面が枠パツキング２７，３６と枠パツキ
ング２８，３７とに圧着されるようになつてい
る。先ず、内、外障子６，７における戸先框１
２，１３の障子引寄装置は、戸先框１２，１３に
回動自在に取付けられた周知の回動カム或は戸先
框１２，１３に固着された周知の楔片等にて構成
され、また内障子６における召合せ框１４の障子
引寄装置は召合せ框１４の上、下部に夫々上記ク
レセント１８の回動によつて昇降可能に備えられ
た周知の楔片或は回動可能に備えられた周知の蹴
片等にて構成されているが、これら従来の障子引
寄装置は本願の特徴とする部分ではないので詳し
い説明を省略する。次に、本願を構成し外障子７
の召合せ框１５の上下部に取付けられる引寄具４
３について第２図〜第４図によつて説明するが、
召合せ框１５上部と召合せ框１５下部との引寄具
４３は同一構成であるので、召合せ框１５上部の
もののみ説明し、召合せ框１５下部のものについ
ては対応する部分に同一符号を付して重複説明を
省略する。先ず、４４はダイキヤスト等によつて
構成された台座で、側面に取付ねじ孔４５が形成
され、この取付ねじ孔４５を利用して召合せ框１
５の室内側框板１５ａ上端部内面に取付ねじ４６
によつて固着されている。この台座４４にはばね
止孔４７ａを有する掛止部４７が一体に成形され
ているが、台座４４の所定の位置にばね止孔４７
ａを直接穿孔しても本願の目的を達する。上記台
座４４の上面には上下方向の支軸４８が植設さ
れ、この支軸４８にダイキヤスト製の回動カム９
が回動自在に枢着されている。この回動カム４９
には障子案内レール２３の側面に沿う方向へ延出
しかつ回動カム４９の第３図における反時計回り
方向への回動によりその障子案内レール２３側面
に当接可能な蹴腕５０と、障子案内レール側とは
反対側方向即ち室内側方向へ延出し、召合せ框１
５の室内側框板１５ａの上端部に形成された切欠
部１５ｂから召合せ框１５へ突出されている当接
腕５１とを備え略Ｌ形状をなしている上記蹴腕５
０における障子案内レール２３側面と当接可能な
当接部には樹脂材料によつて形成された当接片５
２が埋設されている。上記回動カム４９にはばね
止孔４９ａが形成されている。また上記台座４４
の側面にはばね支持ピン５３が突設され、このば
ね支持ピン５３に捩りばね５４の中央部が嵌合さ
れている。この捩りばね５４の一端部は台座４４
のばね止孔４７ａに、他端部は回動カム４９のば
ね止孔４９ａに夫々掛止され、これにより回動カ
ム４９を第３図において時計回り方向へ付勢して
回動カム４９のストツパー部４９ｂを召合せ框１
５の室内側框板１５ａに当接させている。この状
態において、上記回動カム４９の当接片５２は第
３図に示すように障子案内レール２３の側面と間
隔をおいて対向し、また当接腕５１の先端は上記
上枠２における余裕空間２９内に位置するように
設定されている。一方、５５は上枠２のパツキン
グ嵌合溝２６内に長手方向へ移動可能に嵌合され
て召合せ部に取付ねじ５６によつて固定された受
止具で、上記余裕空間２９内に存置されている。
この受止具５５は室外側へ突出する受止部５５ａ
を備え、この受止部５５ａが外障子７の閉鎖近く
で上記当接腕５１を受止めて回動カム４９を第５
図に示すように反時計方向へ回動させ得るように
なつている。この受止部５５ａの先端は枠パツキ
ング２８の室外側面より少なくとも引寄せ時の枠
パツキング２８の圧縮分だけ室内側に位置するよ
うに設定されており、この受止具５５の取付位置
を調節することにより、外障子７の引寄量を任意
に調整することができる。

上記構成のものにあつては、内、外障子６，７
を閉鎖した後クレセント１８をクレセント受け１
９に係合させてこのクレセント１８を施錠方向へ
回動させると、内、外障子６，７はこのクレセン
ト１８の働きによつて周知の如く閉鎖方向へ引分
け移動される。この内、外障子６，７の閉鎖方向
への移動によつて戸先框１２，１３はこの戸先框
１２，１３の障子引寄装置によつて周知の如く室
内側へ引寄せられ、また内障子６の召合せ框１４
はこの召合せ框１４の障子引寄装置によつて周知
の如く室内側へ引寄せられる。また、外障子７が
上記のように閉鎖方向へ移動されると、召合せ框
１５の引寄具４３における回動カム４９の当接腕
５１が受止具５５の受止部５５ａに当接して回動
カム４９が第５図に示すように反時計回り方向へ
回動され、これにより蹴腕５０の当接片５２が障
子案内レール２３の側面に当接してその反作用に
よつて召合せ框１５の上部が室内側へ引寄せら
れ、同時に召合せ框１５の下部も上記と同様にし
て室内側へ引寄せられる。従つて、内障子６は枠
パツキング２７，３６に、外障子７は枠パツキン
グ２８，３７に夫々圧着される。上記のように回
動カム４９の当接片５２が障子案内レール２３に
当接する場合、この当接片５２が合成樹脂材料に
よつて構成されているので、障子案内レール２３
がアルミニウム材料によつて構成されている場合
でもこの障子案内レール２３に傷が付くことを防
止し得る。また外障子７の召合せ框１５の引寄量
を調整したい場合には、受止具５５の取付ねじ５
６をレンチ等によつて締めて受止具５５の位置を
調整し、その後取付ねじ５６を再び締付けて固定
すれば良く、外障子７を取外すことなく調整し得
る。次にクレセント１８を開錠方向へ回動させて
クレセント受け１９から外すと、回動カム４９は
戻りばね５４によつて戻り回動され、これにより
外障子７を軽い力で開放させることができる。

次に上記引寄具４３をサツシに取付ける場合に
は、予め第４図に示すように台座４４に回動カム
４９や戻りばね５４を組付けてユニツト化してお
き、その後この台座４４を召合せ框１５の上、下
部に夫々取付け、また受止具５５を上、下枠２，
３に夫々取付けることで行うことができる。そし
て、その受止具５５の調整は現場で窓枠１に内、
外障子６，７を嵌め込んだ後、この外障子７の引
寄量を目視しつつレンチ等によつて簡単に調整し
得る。

なお、本願にあつては回動カムの全部を樹脂材
料によつて構成しても良い。

以上のように本考案にあつては、障子の上部又
は下部に回動カムを回動自在に備え、窓枠の上枠
又は下枠に受止具を備え、障子の閉鎖近くで受止
具が回動カムの当接腕を受止めて回動カムを回動
させると共に回動カムの蹴腕を障子案内レールの
側面に当接させるようにしたので、障子を閉鎖方
向へ移動させることによつて障子を室内側又は室
外側へ引寄せることができ、これによりクレセン
ト等による障子の閉鎖方向への移動を利用して障
子を引寄せ得る操作上の利点がある上に、装置全
体の構造を簡単化できてコスト低減を図り得る経
済上の利点がある。また上記のように回動カムの
蹴腕が障子案内レールの側面に当接することによ
つて障子を引寄せるようにしたので、障子の引寄
せを軽い力で円滑に行うことができて障子の開閉
操作をスムーズに行うことができる。また上記の
ように蹴腕が障子案内レールの側面に当接するよ
うにしたものでも、その蹴腕の当接部を樹脂材料
にて構成してあるので、部品点数を増やすことな
く障子案内レールの側面に傷が付くことを防止し
得ると共に障子引寄装置の横引きサツシへの組付
手間を少なくし得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示すもので、第１図は横
引きサツシの正面図、第２図は−線拡大断面
図、第３図は第２図の横断面図、第４図は一部を
省略して示す障子引寄装置の斜視図、第５図は第
３図の作動状態を示す断面図である。 １……窓枠、２……上枠、３……下枠、７……
外障子（障子）、２３，３２……障子案内レー
ル、４３……引寄具、４４……台座、４８……支
軸、４９……回動カム、５０……蹴腕、５１……
当接腕、５２……当接片、５５……受止具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓枠の上枠又は下枠に障子案内レールを備え、
   この障子案内レールに障子を案内させて横移動さ
   せるようにして成る横引きサツシにおいて、障子
   案内レールの側面に沿う方向に延出し回動した時
   に上記レールの側面に当接する蹴腕と、該蹴腕の
   先端部から室内側に延出する当接腕とを有する略
   Ｌ形状の回動カムを台座に枢着し、台座と一体に
   形成した係止部と回動カムが室内側に回動する如
   くに付勢してなる引寄具を、召合せ框の室内側框
   板の上下両端部内面に台座を固着することにより
   外障子に装着するとともに、パツキン嵌合溝に移
   動可能に嵌合した受止具を、外障子を閉鎖した上
   記引寄具の当接腕を受止め得る位置に固定してな
   る横引きサツシにおける障子引寄装置。