JPS6219662Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は円筒の周囲を螺旋式に囲いながら昇降
する螺旋型エスカレータのガイドローラ列支持装
置の構造に関するものである。

従来より螺旋型エスカレータについては種々の
提案がなされているが、最近出願人は扇形の踏板
を有するステツプの中心を、乗客輸送部及び帰路
部において螺旋状のガイドローラ列により支持案
内された１本の駆動チエーンで駆動し、上層部に
ある上部スプロケツトでステツプを反転させ、乗
客輸送部の下側の帰路部を同じく螺旋状に逆行さ
せ、下層部の下部スプロケツトで反転させて無端
状に構成する螺旋型エスカレータを提案した。

以下、図面を用いてこの装置について説明す
る。第１図は螺旋型エスカレータ全体の側面図、
第２図は第１図の平面図、第３図は第１図及び第
２図におけるステツプの拡大斜視図、第４図は第
１図の円筒１の中心Ｏより見た展開図の一部、第
５図は第２図の一部を拡大した拡大図、第６図は
第４図における−線断面図である。

第１図において、１４はエスカレータの下方の
床、１５はエスカレータの上方の床であり、この
間に螺旋型エスカレータの重量及びエスカレータ
駆動装置より加わる機械的な力を支持するにたる
強度を有する内側円筒１が取り付けてある。前記
床１４と１５との間の高さ即ち建築の高さをＨで
示す。２はエスカレータのステツプで、螺旋型エ
スカレータの中心線１３を通る２本の半径方向直
線と、この中心線１３を中心とする２個の同心円
で囲まれた扇形の平面形を有しており第３図〜第
５図に示す１本の駆動チエーン１８により支持さ
れ且つ移動されるようになつている。４は内側手
摺、３は外側手摺であり、この螺旋型エスカレー
タの中心線１３の周囲をステツプ２と同一角速度
で運動するようになつている。

今ステツプ２、手摺３，４が第２図で時計方向
に回転すればこのエスカレータは上昇用となり、
反時計方向に回転すれば下降用となる。以下の説
明ではエスカレータが時計方向に回転するものと
する。

５は床板で床板６と勝手違いの平面形をもつて
いて、図示はしていないが、案内板７と勝手違い
の案内板もついている。乗客は床板５の上からエ
スカレータの水平運動部のステツプ２に乗る。ス
テツプ２の移動に従つて上昇してＨだけ上がつた
ところで16線部に達して、17線部まで水平部を通
過して上方の床板６に進んでエスカレータを降
り、上方の床１５に到着する。案内板７は乗客を
床１５上に導くものであり、且つこの下方のステ
ツプは遥かに低いのでその上に落下するのを防止
するためのものである。

床板６の下方中央部には第４図〜第６図に示す
チエーン用スプロケツト１９があり、これにより
駆動チエーン１８は駆動され且つ180゜反転して
上方から見えるステツプ２の下方をステツプ２が
下、駆動チエーン１８が上の状態となつて下がつ
て行く。下層部の床板５の下方には同じくチエー
ン用スプロケツト（図示しない）があり、これに
よりステツプ２が再び180゜反転して第１図、第
２図に示す状態に戻り上昇を始め、前記の動作を
反復する。１１は下層部のチエーン用スプロケツ
トを収容する空間である。このチエーン用スプロ
ケツトは従動形であり、ステツプ２の駆動チエー
ン１８の移動により回転するものである。これに
は駆動チエーン１８に張力を与えるための緊張装
置（図示せず）が取り付けてある。２０はステツ
プ２の左右前両端に設けられた前輪、２１はステ
ツプ２の下方左右後両端に設けられた後輪で、そ
れぞれエスカレータの昇降区間に螺旋状に設けら
れたガイドレール２２，２３上を走行する。２４
は前輪２０と後輪２１とのほぼ中間部のステツプ
２の下方両端に設けられたローラーピン、２５は
チエーン用スプロケツト１９の軸３０と同軸で回
転するステツプ２の反転部分に設けられた案内用
スプロケツトで、ローラーピン２４と噛み合い、
反転中のステツプ２を案内する。２ａは一端がス
テツプ２の踏板のほぼ中央部の裏面に直角方向に
取り付けられ、他端がピン２ｂにより駆動チエー
ン１８の噛み合い部１８ａに回動自在に結合され
ている長寸物からなる連結棒である。

次に、この螺旋型エスカレータを駆動する寸法
の一例を示す。

今、簡単のために昇り運転状態について説明す
る。まず駆動源２６がチエーン２７を介してスプ
ロケツト２８を駆動することにより、スプロケツ
ト２８と同軸のチエーン用スプロケツト１９は時
計方向に回転し、それに噛み合う無端状の駆動チ
エーン１８が駆動される。駆動チエーン１８は螺
旋状のガイドローラ列２９により支持案内され、
駆動チエーン１８に張力が加わつた場合に作用す
る円筒中心方向力の支持及び駆動チエーン１８に
連結棒２ａを介して連結したステツプ２の中心線
Ｘ−Ｘが円筒中心１３を通るように（ステツプ２
の内外の角速度が等しい）案内される。つまりス
テツプ２の乗客輸送部及び帰路部での左右方向の
支持は駆動チエーン１８とガイドローラ列２９に
よつて行ない、ステツプ２の上下方向の支持は螺
旋状のガイドレール２２，２３の上を前輪２０及
び後輪２１が各々走行することによつて行なう。

反転部ではチエーン用スプロケツト１９と同軸
で回転する案内用スプロケツト２５にステツプ２
の左右両端に設けられたローラーピン２４が噛み
合い、反転中のステツプ２を案内する。反転部で
は前輪２０及び後輪２１はガイドレール２２，２
３で支持案内せず自由な状態になつている。この
ため傾斜部ではステツプ内外の周速度比は円筒半
径比であるが、反転部では内外の周速度比は同一
となる。反転部では案内用スプロケツト２５とロ
ーラーピン２４との係合によりステツプ２は円筒
の接線方向に反転し、乗客輸送部の下方に平行に
架設された螺旋状の帰路部を駆動チエーン１８に
より螺旋形状で逆行して無端状のステツプ循環経
路を昇降駆動され、これを繰り返す。

ところで、ステツプの略中央に連結棒を介して
駆動チエーンを取り付け、この駆動チエーンをガ
イドローラ列により支持案内し、かつ上昇軌道の
下側を逆さまの状態で螺旋状に逆行してゆくこの
ような特殊な螺旋型エスカレータでは、ステツプ
の両側のトラスよりブラケツトを伸ばしてガイド
ローラ列を支持することが困難であり、又反転部
に於いてはガイドローラ列をスプロケツト１９の
略真上と真下まで伸ばす必要がある。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、螺旋
状の乗客輸送部と、該乗客輸送部の下方に並行に
架設された螺旋状の帰路部と、該乗客輸送部と該
帰路部を結ぶ反転部、とで構成されたステツプ循
環経路にそつて、扇形踏板を有するステツプの該
踏板裏面中央部に設けられた長寸物からなる連結
棒を介して駆動チエーンにより該ステツプが駆動
される螺旋型エスカレータにおいて、乗客輸送部
と帰路部のガイドローラ列を同時に支持できる最
適なガイドローラ列支持装置を提供することを目
的とする。

第７図は本考案の一実施例のガイドローラ列支
持装置を示す斜視図、第８図はその平面図であ
り、第１図〜第６図と同一符号のものは同一のも
のを示すが、図中２９′は反転側の駆動チエーン
１８を支持案内するガイドローラ列、４０は内側
円筒１内の空間に立設された支持柱、４１は支持
柱４０より外側へ水平方向に延びた横梁で、上段
のガイドローラ列２９と下段のガイドローラ列２
９′との略中間部分に設けられている。

４２は横梁４１の外側の一端に略中央部が固定
され、垂直状態に取り付けられた支柱で、上段の
ガイドローラ列２９と下段のガイドローラ列２
９′との間隔の長さを有する。４３は一端が支柱
４２の上端に固定され支柱４２の上端よりチエー
ン用スプロケツト１９側へ水平方向に延びた上梁
で、上梁４３には上段のガイドローラ列が取り付
けられる。４３′は同じく一端が支柱４２の下端
に固定され支柱４２の下端よりチエーン用スプロ
ケツト１９側へ水平方向に延びた下梁で、下梁４
３′には下段のガイドローラ列が取り付けられ
る。したがつて、支柱４２と上梁４３と下梁４
３′とはコ字状に形成された梁を構成する。

以上のような構成であれば、反転部ではステツ
プが円筒の接線方向に反転して、上昇軌道の下側
を逆さまの状態で螺旋状に逆行してゆく螺旋型エ
スカレータであつても、上段駆動チエーンと下段
駆動チエーンを支持案内するガイドローラ列を単
一の支持装置により支持できるだけでなく、垂直
面内で回転するチエーン用スプロケツトの略真上
と真下まで設けることができるため、駆動チエー
ンをチエーン用スプロケツトで円滑に駆動でき、
振動及び騒音を誘発することもない。

尚、以上の説明では内側円筒空間内に設けられ
た支持柱より横梁を外側に伸ばし、この横梁に上
梁と下梁からなるコ字状に形成された梁を設けて
上段及び下段のガイドローラ列を支持する支持装
置について述べたが、外側円筒空間がある場合に
は、この外側円筒空間内に設けられた支持柱より
横梁を内側に伸ばしコ字状に形成された梁を設け
てガイドローラ列を支持するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は螺旋型エスカレータ全体の側面図、第
２図は第１図の平面図、第３図は第１図及び第２
図におけるステツプの拡大斜視図、第４図は第１
図の円筒１の中心Ｏより見た展開図の一部、第５
図は第２図の一部拡大図、第６図は第４図におけ
る−線断面図、第７図は本考案の一実施例の
ガイドローラ列支持装置を示す斜視図、第８図は
第７図の平面図である。 １……円筒、２……ステツプ、１８……駆動チ
エーン、１９……チエーン用スプロケツト、２
９，２９′……ガイドローラ列、４０……支持
柱、４１……横梁、４２……支柱、４３……上
梁、４３′……下梁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扇形踏板を有するステツプの該扇形踏板裏面中
   央部には、前記扇形踏板面に対し直角方向に延び
   た長寸物からなる連結棒を備え、該連結棒の下端
   には駆動チエーンが連結され、該駆動チエーンは
   円筒の周囲を螺旋状に設けられたガイドローラ列
   により支持案内され、前記円筒の周囲に設けられ
   た螺旋状の乗客輸送部と、該乗客輸送部の下方に
   平行に架設された螺旋状の帰路部と、該乗客輸送
   部と該帰路部を結ぶ反転部、とで構成されたステ
   ツプ循環経路にそつて、複数の前記ステツプ群が
   前記駆動チエーンにより昇降駆動されるものにお
   いて、前記反転部には、前記駆動チエーンと噛み
   合つて垂直面内で回転するチエーン用スプロケツ
   ト設け、前記円筒内に支持柱を立設して、該支持
   柱より水平方向に横梁を延ばし、該横梁の先端に
   支柱を介して垂直面内に上梁及び下梁を前記チエ
   ーン用スプロケツトの方向に延設し、前記上梁と
   下梁に前記ガイドローラ列を設けたことを特徴と
   する螺旋型エスカレータのガイドローラ列支持装
   置。