JPS621965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は家具の一部に仏壇部を一体的に組み
こみ設けた仏壇付家具に関する。

旧来の仏壇はかなりの容積の独立したもので、
座敷、仏間等一定の場所に安置されるのが普通
で、最近では建家自体の柱間の左右壁面構造の凹
所に仏壇セツトを組込形成するものもあるが、こ
れらはいづれも相当の場所と経費を要し、最近の
狭い住宅においては生活スペースが圧迫されてい
るのみならず家具との調和性を欠き、又この頃は
狭い住宅向きの小サイズの仏壇もあるが、これと
ても独立のもので、それなりに場所を要し、或い
はタンスや本棚の上など不安定な場所に置かれて
安置性を欠き何かと不都合であるのみならず、他
の家具との調和もとれず、部屋の整合性や美観上
問題があり、従つて最近の小規模の洋風化住宅、
マンシヨン等においては仏壇の安置場所に困り、
果ては仏壇が置けなくなり、心ならずも日常の礼
拝や先祖への供養を怠る傾向にあつて、社会的に
も憂慮されている。

本考案の目的とするところは前記のような従来
のものの不都合や問題点を解消し、誰もが使用す
る家具の内部に仏壇を組みこみ構成し、最近の狭
隘なアパート、マンシヨン等の小規模住居におい
ても自然に日常不断の勤行ができるようにした便
利で、安定性と調和性に富み、荘厳性もある、コ
ンパクトで経済的な仏壇付家具を提供するにあ
る。

本考案の要旨とするところは前扉又は前戸を有
する唐木製等の書棚、箪笥、飾り棚等の家具の一
部に、その高さ、奥行を等しくした仏壇部を一体
的に組みこみ形成し、該仏壇部の上部に、任意数
の棚段により組成され、各宗派に共通して適用で
きる簡素な祭壇を設けた宮殿を形成し、該宮殿の
下部に仏事用の小物収納用の抽斗を任意数設備し
て成るものである。

本考案は上記の通りの構成のものであるが、次
にその実施例を添付図面に基いて具体的に説明す
る。なお、図面は一例であつて、これに限定され
るものではない。

実施例 (1) （書棚Ａによる場合）（第１図〜第６図参照） ガラス張りの前扉１′を有する唐木製等の書棚
Ａの中間部の任意部に書棚部１と同一高さ、奥行
の仏壇部２を形成して家具（書棚Ａ）内に一体的
に仏壇を組みこみ構成したもので、前後面ともに
面一状に一体となつた仏壇、書棚であるをもつ
て、この考案を採用することにより仏壇の備付け
が容易に実施し得られ、殊に小規模住宅において
も合理的、かつコンパクトに仏壇を祀り設けられ
るものである。

しかして仏壇部２は第４図、第５図に示す通り
その上部に本尊安置用棚イ、三具足（燭台、香
炉、花立）載置用棚ロ，ハ，ニ等により組成され
る各宗派共通用の祭壇４を設けて宮殿５を形成
し、それに書棚部１の前扉１′と面一になる仏壇
部の前扉２′を取付け、該宮殿５の下部に仏事用
の小物収納用の抽斗６を複数個設備し、前記宮殿
内は各宗派毎に所要の荘厳を施しうるものとする
もので、その仏壇部２と書棚部１とで一体の仏壇
付書棚Ａが完成される。

なお、書棚部の前扉１′はガラス張に代え仏壇
部の前扉２′と同質の木製にしてもよい。図中３
は書棚の背面、７は書棚の棚板である。

実施例 (2) （洋服タンスＢによる場合）（第６図〜第８図参
照） 木製の観音開き式前扉８′を有する唐木製等の
洋服タンスＢの右側部に洋服タンス部８と同一高
さ、奥行の仏壇部２を形成して家具（洋服タンス
Ｂ）内に一体的に仏壇を組込み構成したものであ
つて、仏壇部２は実施例(1)と同様に形成される。
これにより仏壇部２と洋服タンス８とで前後面と
も面一状の一体の仏壇付洋服タンスＢが完成され
る。

なお図中９は洋服タンスの洋服掛、１０は同タ
ンスの内部の抽斗、１１は同タンスの下部の抽斗
である。

実施例 (3) （飾り棚Ｃによる場合）（第９図〜第１１図参
照） 透明硝子張りの引違式前戸１２′を有する唐木
製等の飾り棚Ｃの右側部に飾り棚部１２と同一高
さ、奥行の仏壇部２ａを形成して家具（飾り棚
Ｃ）内に一体的に仏壇を組みこみ構成したもので
あつて、仏壇部２は第１０図、第１１図に示す通
り各宗派に共通適用できる簡素な祭壇４ａを設け
た宮殿５ａとその下に小物収納用抽斗６ａを一体
的に形成し、それに前扉２a′を飾り棚部の前戸１
２′と面一状にして取付け構成することにより、
その仏壇部２ａと飾り棚部１２とで一体の仏壇付
飾り棚Ｃが完成される。なお図中１３は飾り棚の
棚板、１４は飾り棚下部の抽斗である。

この考案は誰もが住居に置く書棚、箪笥、飾り
棚等の家具に仏壇を組みこみ構成されたものであ
るから、この仏壇付家具を採用することにより、
仏壇の備付が容易に実施し得られ、なにびとも朝
夕の礼拝や日常の勤業を怠らず行うことができ、
仏事に無関心となりつゝある最近の風潮を防止し
得る効果がある。又この考案は独立の仏壇又は柱
間組込式の仏壇に比し住居内スペースを合理的に
活用でき、居住スペースを圧迫しない効果がある
ことから小規模住宅用に最適な仏壇といえる。

又本考案による仏壇は、構造的に安定してお
り、かつ宮殿内は所要の荘厳が施せるので仏壇の
荘厳性は十分護持されるものである。

又本考案における仏壇の宮殿内部は各宗派に共
通する簡素な構成としているので、宗派にかかわ
らず汎用できる効果があり、宗派によつて更に独
自の荘厳を追加実施できるように構成されている
ことも本考案の一つの特徴である。

又仏壇部の下部には小物収納用抽斗をそれぞれ
設備しているので仏事用の小物を十分収容できる
便益がある。

又本考案のものは他の調度ともよく調和がとれ
て整合性があり、部屋の美観上にも効果がある。

更に本考案は家具内に仏壇を組みこんだコンパ
クトのものであつて、多量生産に適し低コストで
製作できるので安価に提供し得ると共に利用者に
とつては家具と共に一挙に仏壇が得られるという
著しい経済的効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であつて、第１図は仏壇
付書棚の外観正面図、第２図は同外観斜視図、第
３図は同背面図、第４図は同各前扉を開いた状態
における正面図、第５図は同Ｓ矢視部一部縦断面
図、第６図は仏壇付洋服タンスの場合の外観正面
図、第７図は同各前扉を開いた状態における正面
図、第８図は同S′矢視部一部縦断面図、第９図は
仏壇付飾り棚の場合の外観正面図、第１０図は同
前戸および前扉を開いた状態における正面図、第
１１図は同Ｘ矢視部一部縦断面図である。 図において Ａ……書棚、Ｂ……洋服タンス、
Ｃ……飾り棚、１……書棚部、１′……書棚部の
ガラス張前扉、２，２ａ……仏壇部、２′，２
a′……仏壇部の前扉、４，４ａ……祭壇、イ……
本尊安置用棚、ロ……燭台載置用棚、ハ……香炉
載置用棚、ニ……花立載置用棚、５，５ａ……宮
殿、６，６ａ……仏壇部の小物収納用抽斗、８…
…洋服タンス部、８′……洋服タンス部の外扉、
１２……飾り棚部、１２′……飾り棚部のガラス
張引違式前戸、を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前扉又は前戸を有する唐木製等の書棚、箪笥、
   飾り棚等の家具の中間部又は左右両側の何れかの
   一部に、家具部とその高さと奥行を等しくした仏
   壇部を一体的に組みこみ形成し、該仏壇部の上部
   に任意数の棚段により組成され各宗派に共通して
   適用できる簡素な祭壇を設けた宮殿を形成し、該
   宮殿の下部には任意の小物収納用の抽斗を設備し
   て成ることを特徴とする仏壇付家具。