JPS6218629B2 - - Google Patents

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JPS6218629B2
JPS6218629B2 JP53154079A JP15407978A JPS6218629B2 JP S6218629 B2 JPS6218629 B2 JP S6218629B2 JP 53154079 A JP53154079 A JP 53154079A JP 15407978 A JP15407978 A JP 15407978A JP S6218629 B2 JPS6218629 B2 JP S6218629B2
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JP
Japan
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membrane
calcium
cation exchange
performance
magnesium
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JP53154079A
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Akihiko Nakahara
Masaki Shiromizu
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はアルカリ金属塩、例えば塩化ナトリウ
ム又は塩化カリウムの電解槽に隔膜として用いた
陽イオン交換膜の性能を回復させる方法に係わ
る。 イオン交換膜法アルカリ金属塩電解にあつては
使用されるイオン交換膜は使用期間と共に経時的
にイオン交換膜の性能が低下する。即ち一般に電
解電圧が上昇し、場合によつては苛性アルカリの
生成に対する電流効率も併せて低下する。通常は
装置の経済性から判断して、ある限度まで性能が
低下したイオン交換膜は取り替えることになる。
しかしながら、アルカリ金属塩の電解に用いる陽
イオン交換膜は相当に高価であり、経済性からい
つて性能がある程度低下した膜を再生する技術の
開発が望まれている。この課題は本発明の対象と
なる電解性能の秀れたスルホン酸基及び弱酸性基
を共存する陽イオン交換膜においても同様であ
る。かかる観点からすでに電解用陽イオン交換膜
の再生或いは性能回復法が提案されており、例え
ば特開昭51―67292号公報には、アノード液を酸
性化し、カソード液を稀釈し、電流密度を減少さ
せることによつて電解時の槽電圧の低下を図つて
いる。またこの特許公開公報にあつてはPHがアノ
ード液より1.5〜3.5低い酸水溶液中に浸漬する方
法も提案されている。 本発明者らは電解用イオン交換膜の研究を行つ
て来た結果、アルカリ金属塩電解の環境に耐え得
るパーフロロ系高分子物質よりなるイオン交換膜
においては、そのイオン交換膜としてスルホン酸
基のみならず、更にスルホン酸基よりも弱い酸性
基(以下本明細書においては単に弱酸性基とい
う)を共に存在させた陽イオン交換膜、中でもス
ルホン酸基と弱酸性基とが層状に存在する形態の
陽イオン交換膜が極めて高性能であることを知つ
た。しかるに、かかる陽イオン交換膜は使用条件
に鋭敏であり、特に電解用塩水中のカルシウムイ
オン、マグネシウムイオンに対して敏感であつ
て、例えば電解用塩水中のカルシウム濃度が
1ppm以上もあれば数ケ月を経ずして使用に耐え
られない程に膜の電気抵抗が上昇する。勿論塩水
中のカルシウムイオン濃度が1ppm以下であつて
もカルシウムイオンが或る濃度以上に存在すれ
ば、やはり膜の電気抵抗は徐々に上昇し、やがて
は使用に耐え難くなる。そこで本発明は、特にス
ルホン酸基と弱酸性基とを併せ有する陽イオン交
換膜の性能を回復させる方法を提供するもであ
る。 本発明の対象となる陽イオン交換膜は、すでに
述べた如く、スルホン酸基と弱酸性基とが共に存
在するものであれば特に制限はされない。特に好
ましくは使用時に陽極に面する膜面はイオン交換
基の全量又は支配的量がスルホン酸基であり、陰
極に面する膜面はイオン交換基の全量又は支配的
量が弱酸性基よりなる構造の膜である。また弱酸
性基としてはカルボン酸基が最も好ましく、他に
スルホン酸アミド基(―SO2NHR;Rは水素又は
他の置換基)、りん酸基、亜りん酸基、フエノー
ル性水酸基、第三級炭素に結合した水酸基等であ
る。 上記の如き陽イオン交換膜、即ちスルホン酸基
とカルボン酸基とが共に存在する陽イオン交換膜
で好ましくはパーフロロカーボンを骨格とするも
のは公知であり、本発明においてはこれら公知の
陽イオン交換膜に対して適用し得るものである。 本発明は使用により電気抵抗の上昇したスルホ
ン酸基と弱酸性基とを有する陽イオン交換膜を、
PH2〜10の範囲のハロゲン化アルカリ金属水溶液
中に浸漬することを特徴とするアルカリ金属塩電
解用陽イオン交換膜の性能回復方法である。 本発明を更に有効に実施するためには、陽イオ
ン交換膜に接する溶液の温度を10〜100℃程度と
し、30分以上好ましくは1時間以上或いは該接触
液を連続又は間けつ的に動揺或いは更新すること
である。また更に好ましい一態様は被処理膜面に
対して、実質的に直角方向に通電部分に存在する
膜内イオン交換基量(当量)の5倍以上に相当す
る電気量を通電することである。この場合、設定
電流値は特に限定はなく通電時間と設定した電流
値の積が上記通電量を満足する値であればよい。
例えば1A/dm2の電流密度下では上記通電量を
通電するために必要な時間は使用する膜の交換容
量に依存するが通常数十分で済む。一般に0.003
〜50A/dm2程度の電流密度となるように電流値
を調節し、性能回復に必要な通電量から算出され
る通電時間以上通電すればよい。勿論前記した電
流密度範囲外であつてもよいが、電気量を過剰に
通電してもその効果は余りない。この方法により
膜性能を回復する場合、注意すべきことは陰極室
で生成するOHイオンのため陰極室のPHが増加
し、本発明のPH範囲を越える場合がある。このよ
うな時は予め生成するOHイオン量計算により求
め、OHイオンを中和するのに必要な塩酸等の酸
分の添加又は陰極室の浸漬液置換等、その他PHを
最適範囲に維持できるようにすべきである。上記
に性能回復方法として2つの態様即ちハロゲン化
アルカリ金属水溶液に単に浸漬する方法及びハロ
ゲン化アルカリに浸漬して通電する方法を説明し
た。これ等のうち浸漬による方法も有効である
が、さらに通電による方法は設定する電流密度は
性能回復に必要な時間が短かくてすむという利点
を有する。 通電処理を併用する場合の装置は特に限定され
ない。従つてアルカリ金属塩電解槽にあつては、
電解槽の陽極室及び陰極室に本発明に用いるハロ
ゲン化アルカリ金属塩水溶液を導入し、該溶液に
陽イオン交換膜を浸漬して、微少の電流を通ずる
こともできる。この場合、例えば塩素酸塩類の製
造等にあつては、特に問題はないが、食塩の電解
による苛性ソーダの製造等では、陰極に導入され
るアルカリ金属塩類が陰極室内或いは配管類に付
着し、その後の電解によつて生成する苛性ソーダ
に不純物として混入する惧れがあること、及び場
合によつては装置類を腐食する等のため、できれ
ば別の処理装置内で浸漬又は通電することが好ま
しい。また電解槽を解体し陽イオン交換膜を取出
し該陽イオン交換膜を本発明の処理に供すること
も出来る。 次に本発明を更に詳細に説明する。 本発明の処理に用いるアルカリ金属塩溶液は一
般にアルカリ金属塩電解に使用されるものと同種
の塩水溶液が望ましい。従つて例えば食塩水の電
解に供する陽イオン交換膜にあつては、食塩水を
用い且つ塩酸或いは苛性ソーダによつて溶液PHを
2〜10好ましくは2〜6更に好ましくは2〜5に
調整するのが望ましい。また本発明における処理
液中の塩濃度は特に限定されないが、あまり稀薄
であつてはならない。従つて1規定乃至飽和濃度
とするのがよい。またPHについては、例えばスル
ホン酸基をイオン交換膜とするイオン交換膜の場
合、食塩の電解に供することにより経時的に電気
抵抗が上昇するが、これは塩酸水溶液に浸漬すこ
とによつて比較的容易に電気抵抗を下げることが
できる。しかるに本発明の対象である陽イオン交
換膜は単に塩酸水溶液中に浸漬しただけでは、わ
ずかの向上が期待されるに止まるのである。何故
向上しないのかその理由は必ずしも明確ではない
が、本発明者等の見解によればスルホン酸基と弱
酸性基とを併せ有する膜は1価のイオンに対して
カルシウム等の2価のイオンの透過性が小さく、
極めて低濃度で存在する2価のイオンを膜内に濃
縮し、且つこれが膜内のアルカリ性雰囲気により
沈澱することにより膜内流路を閉塞すること、ま
た場合によつては例えば―SO3Ca+或いは―
COOCa+の如く、むしろ膜にカチオン基を形成し
アルカリ金属イオンの透過を阻害することも考え
られる。そこで、これを酸水溶液で洗浄すれば―
SO3Ca+は比較的容易に―SO3 -H+の形に変わり
Ca++を放出するが、弱酸性イオン交換基例えば
―COOCa+は低PHではなかなかカルシウムを放出
しない。更に―COOHは低PHでは極めて解離し
ないため、極々表層の―COO-は―COOHの形と
なりイオン交換基の機能を失つてしまい、膜内部
のCOOCa+と一価イオンとの交換を困難にする等
の理由と考えられる。また弱酸性基が解離しやす
いアルカリ性溶液例えば苛性ソーダ水溶液中で
は、カルシウムは容易に放出されるかも知れない
が水酸化物の形で沈澱することにより当然好まし
くない。即ち本発明の対象となるイオン交換膜に
あつては、酸又はアルカリによるイオン交換はほ
とんど不可能であることがわかつた。 第1図は後述する実施例1で用いたスルホン酸
基及びカルボン酸基を各々一つの面に有する2層
構造のイオン交換膜のイオン交換基にカルシウム
イオン又はマグネシウムイオンを導入することに
より対イオンとして、カルシウム型、マグネシウ
ム型のイオン交換膜をつくり、これ等をPHを変え
た3.5規定食塩水中に一昼夜常温下で浸漬した場
合のPHとカルシウム又はマグネシウムの残存量と
の関係を測定した結果をグラフ化したものであ
る。 第1図において縦軸はカルシウム又はマグネシ
ウムが100%導入された場合(I0)に対する食塩水
中に浸漬後のカルシウム又かマグネシウム量
(I)(いづれも螢光X線の強度で表わす)の比で
あり、横軸はPH値を示している。第1図よりスル
ホン酸層は低いPHで十分にカルシウム及びマグネ
シウムを除去し得るが、マグネシウムの場合PH
10,カルシウムの場合PH12付近を越えると急激に
カルシウム、マグネシウムが除かれなくなる。又
カルボン酸層は意外にもPH2以下ではカルシウム
及びマグネシウムが除去できない。又カルボン酸
層においてはマグネシウムの場合PH11、カルシウ
ムの場合PH13を越えると徐去し難くなる。 第2図は膜内に析出した水酸化カルシウムと水
酸化マグネシウム量が3.5規定食塩水中に浸漬し
た場合、常温下でPH及び時間を変えることによ
り、どのように変化するか示したものである。第
2図において縦軸は浸漬前のカルシウム及びマグ
ネシウム量(I0)と浸漬後のカルシウム及びマグ
ネシウム量(I)(いずれも螢光X線強度)のそ
れぞれの比を加えたものである。又横軸は浸漬時
間である。この結果によれば、PH13付近において
は水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムは浸漬
時間を長くしても殆ど溶出しない。PH12付近では
スルホン酸層、カルボン酸層で少しの差はある
が、浸漬時間を長くした場合1付近まで到達する
が、これは水酸化カルシウムが溶出してしまい、
水酸化マグネシウムが殆ど残つているものと思わ
れる。PHを下げて10付近にすると浸漬時間と共に
徐々に減少するが、24時間浸漬しても、まだ浸漬
前に比べ数〜10%程度残存する。さらにPH8好ま
しくは5以下にすると数〜24時間位の浸漬で殆ど
が溶出してしまう。さらにPHを下げて2以下にす
ると第1図と同様にスルホン酸層内の残存量は数
時間の浸漬で殆どなくなるが、カルボン酸の層で
は急激に残存量が増えてくる。この結果から浸漬
用の食塩水のPHは2〜10好ましくは2〜6更に好
ましくは2〜5の範囲が適当であることが判る。
なお前記データを測定するに際し水酸化物を析出
させた膜は下記の方法で調整した。 (A) 隔膜の調整方法 後述する実施例1で用いた陽イオン交換膜と
同様のスルホン酸基及びカルボン酸基を各々一
つの面に有する2層構造のものを用い、カルシ
ウムイオン及びマグネシウムイオンを含む水溶
液中に上記イオン交換膜を浸漬しそのイオン交
換基にマグネシウム及びカルシウムイオンを導
入した(ケイ光X線でマグネシウムとカルシウ
ムの導入量比測定したところスルホン酸層で
Ca/Mg=1.1,カルボン酸層でCa/Mg=1.0で
あつた)。さらにカルシウム、マグネシウムイ
オンを導入した膜を室温下に25%の苛性ソーダ
水溶液に2日間侵漬した。膜は白濁し、膜内に
マグネシウム、カルシウムが水酸化物として析
出していることが判つた。又、ケイ光X線でマ
グネシウム、カルシウム量を測定したところ、
苛性ソーダ水溶液浸漬前後で殆ど変化はなかつ
た。 以下実施例により本発明の内容を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により制限
されるものではない。 なお、特に断らない限り実施例で用いた電解槽
は有効通電面積0.5dm2で陽極にはチタンのラス材
に二酸化ルテニウムをコーテイングしたもの、陰
極には軟鉄のラス材を用いたものを使用した。イ
オン交換膜は陰極室圧を陽極室圧より高くするこ
とにより、陽極に密着させ、膜と陰極の間隙は3
mmとした。又、電流密度は30A/dm2、電解温度
は85℃に保つた。又生成する苛性ソーダ濃度を一
定に調節するため陰極室には純水を添加した。 実施例 1 パーフルオロスルホン酸型の陽イオン交換膜ナ
フイオン425(dupont社製;商品名)を濃硝酸さ
らに4%アンモニア水に常温下、各々2日間浸漬
することにより、NH4 +型とした。NH4 +型の膜を
さらにステンレス製の膜の片面だけ反応可能な装
置に組込んだ。反応器を150℃に加熱し、反応室
を減圧下に1時間膜の乾燥を行つた。乾燥後反応
室を真空とし予め用意した150℃で加熱された五
塩化リンの蒸気を反応室に導入した。五塩化リン
導入時の反応空圧は23cmHgであつた。150℃で
30分間反応を行つたところ反応空圧の増加分は10
cmHgとなつた。反応後、反応室内を窒素で洗浄
し、反応器を解体して片面のみPCl5と反応を行
つた膜を取出した。膜の一部を切り取り、五塩化
リンと反応した面の赤外スペクトル及びクリスタ
ルバイオレツトの水・メタノール溶液による染色
を行つた。赤外スペクトルの結果、未反応の膜に
認められる1060cm-1のスルホン酸基吸収帯は殆ど
消失し、代りに1420cm-1に強い吸収帯が認めら
れ、スルホン酸基がスルホニルクロライド基に変
化していることが判つた。又染色後膜の断面を薄
く切り取り顕微鏡で観察したところ、五塩化リン
との反応面より内側に約20μが全く染色されず、
残りの部分は濃青色に染色されており、スルホニ
ルクロライド基が約20μの厚みで生成し、他の部
分はスルホン酸基として残つていることが判つ
た。このようにして得られたスルホニルクロライ
ド基を有する膜をさらに110℃の温度下でn―ブ
タノール中に浸漬し、n―ブタノール中に空気を
吹込みながら酸化反応を12時間行つた。なお空気
の吹込み量は1分間当り用いたn―ブタノールと
室温下で同容量とした。反応後、五塩化リン処理
面及び未処理面の赤外スペクトルを測定したとこ
ろ、未処理面のスペクトルは五塩化リンと反応前
と全く同一であつたが、五塩化リン処理面は1420
cm-1のスルホニルクロライド基の吸収帯は殆ど消
失し、代りに1780cm-1にカルボン酸基に起因する
吸収帯が強く認められ、スルホニルクロライド基
がn―ブタノール中での酸化処理によりカルボン
酸基に転化していることが判つた。さらに、得ら
れた膜を10%の苛性ソーダを含む水―メタノール
溶液(容量比1:1)中に室温下に24時間浸漬
し、未反応のスルホニルクロライド基を加水分解
した。加水分解後の膜の一部をクリスタルバイオ
レツトを0.5N―塩酸中に溶解した酸性染色液中
に室温下に1日浸漬した。染色後の膜の断面を薄
く切取り顕微鏡で観察したところ五塩化リンとの
反応面より約20μが全く染色されず残りの部分が
濃緑色に染色されていた。この結果から、片面か
ら約20μの厚みのカルボン酸層を有し、残りの層
がスルホン酸である2層構造の膜が得られたこと
が判つた。このようにして得られた2層構造の膜
を明細書記載の電解槽にスルホン酸層を陽極に向
けて組込み、明細書記載の条件下で食塩水の電解
を行つた。陽極室にはカルシウム、マグネシウム
イオンの総和が2ppm含まれる飽和食塩水を供給
し、3.5規定で排出した。又陰極室には苛性ソー
ダ濃度が20%となるように純水を供給した。 通電当初槽電圧は3.78V、苛性ソーダの電流効
率(以後電流効率は苛性ソーダに関するものとす
る)は94.2%であつたが、6日間の電解を継続し
たところ電流効率は殆ど変化しなかつたが、槽電
圧が4.05Vに上昇した。そこで通電を停止し、極
室を水で洗浄後、PH3.0の4.0規定の食塩水を膜が
充分浸漬するまで極室に加えた。10時間浸漬後食
塩水を抜き水洗して再び同じ条件で電解を行つた
ところ、槽電圧は3.77Vに低下し、電流効率は
94.1%で殆ど変化しなかつた。 実施例 2 実施例1で製造した膜、及び用いた電解装置、
電解条件で10日間通電を行い、槽電圧が増加した
膜をそれぞれ電解槽より取出し、PHを変えた2規
定の食塩水中に24時間撹拌下に浸漬した。水洗
後、再び電解槽に組込み20%苛性ソーダを取得し
た時の膜性能の再評価を行つた結果を表―1に示
す。
【表】 この結果によれば、浸漬液のPHが0.5では槽電
圧の低下は充分ではなく又PH10を越えPH12,13で
も同様である。PH範囲として2〜10好ましくは2
〜6さらに好ましくは2〜5であることが判つ
た。 実施例 3 実施例1で製造した膜を実施例1の電解槽を用
いて電解実験を行つた。陽極室にカルシウム、マ
グネシウムがそれぞれ1.0,0.5ppm含む4.0規定
の食塩水を供給し、3.0規定で排出した。その他
の電解条件は実施例1と同じとした。その結果、
通電当初槽電圧3.80V、電流効率95.1%であつた
が2週間通電したところ、槽電圧が4.20Vに増加
した。一方電流効率は94.8%で初期の値を維持し
ていた。そこで電流密度を30A/dm2から
0.01A/dm2下げ、陽極室、陰極室への食塩水、
純水の供給を停止し、代りにPH4.0の1規定の食
塩水を両極室にそれぞれ100c.c./分の流速を加え
ながら極室内を洗浄した。1時間洗浄したところ
陽極室及び陰極室のPHがそれぞれ4.1,5.2となつ
た。この状態で電流密度を1A/dm2にあげて1
時間通電を行つた。その後、性能が回復したかど
うか電解テストを行うために、電流密度を
0.01A/dm2に下げ、陽極室に前述の4.0規定の食
塩水を供給し、又、陰極室液を20%の苛性ソーダ
で1時間かけて置換した。その後純水を供給しつ
つ、電密を30A/dm2に増加した。この状態での
電解性能は槽電圧3.78V、電流効率94.9%であ
り、性能が回復していることが判つた。 同様の実験を陰極室洗浄液のPHを変えて行つ
た。その他の条件は同じとした。結果を表―2に
示す。なお、使用した膜の初期の電解性能は槽電
圧3.80〜3.82V、電流効率93.0〜94.0%であつた。
【表】
【表】 この結果から、通電下においてもPHが2〜10好
ましくは2〜6さらに好ましくは2〜5の範囲が
性能回復に適当であることが判つた。なお、性能
回復のために通電した通電量は用いた膜の交換容
量の約14倍に相当した。又、両極室の洗浄及び液
置換時の通電量は性能回復のための通電量の約2
%程度で性能回復のための通電量にくらべ無視し
うるものであつた。なお表中陰極室PHとは陰極室
より排出される食塩水のPHである。 実施例 4 実施例3と同様の実験を性能回復のための通電
量を変えてそれに伴う回復の程度を調べた。用い
た膜、電解装置、電解条件は実施例1と同じであ
る。又、性能回復処理時洗浄液のPHは2.0とし、
陰極室のPHは2〜4であつた。又通電量の変化は
電密を0.5A/dm2とし、通電時間を変えること
により調節した。結果を表―3に示す。なおこの
実験に用いた膜の初期性能は槽電圧3.79〜
3.81V、電流効率93.1〜94.2%であつた。
【表】 この結果から性能回復のために必要な通電量は
通電部分の交換容量の5倍程度に相当するもので
あれば充分であるということが判つた。 実施例 5 実施例1と同じ電解装置及び電解条件で、弱酸
基が異なる膜を用いて2週間電解を行つた。それ
ぞれ槽電圧が増加したので、本発明の性能回復処
理を行つた。その後再び電解することにより膜性
能が回復したかどうか調べた。結果を表―4に示
す。 この結果から、本発明の性能回復方法はスルホ
ン酸アミド基、ホスホン酸基等の弱酸基を有する
2層構造のイオン交換膜に適用できることが判つ
た。又、ハロゲン化アルカリとして塩化カリウム
を用いても本発明の効果が発揮できた。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図はカルシウムイオン又はマグネシウムイ
オンを陽イオン交換基に飽和した陽イオン交換膜
を食塩水中に浸漬した時の食塩水PHの変化に対す
る陽イオン交換膜に残存するカルシウムイオン又
はマグネシウムイオンの量の変化を示すグラフで
ある。また第2図は第1図と同様に食塩水中に陽
イオン交換膜を浸漬した時の浸漬時間に対する陽
イオン交換膜に残存するカルシウムとマグネシウ
ムとの和の変化を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 使用により電気抵抗の上昇したスルホン酸基
    と弱酸基とを有する陽イオン交換膜をPH2〜10の
    範囲のハロゲン化アルカリ金属水溶液中に浸漬す
    ることを特徴とするアルカリ金属塩電解用陽イオ
    ン交換膜の性能回復方法。 2 陽イオン交換膜をPH2〜10の範囲のハロゲン
    化アルカリ金属水溶液中に浸漬し該膜を通して直
    流電流を通ずることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載の方法。
JP15407978A 1978-12-15 1978-12-15 Washing method of ion exchange membrane Granted JPS5581745A (en)

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