JPS621841A - 低熱膨張を有する非晶質合金 - Google Patents

低熱膨張を有する非晶質合金

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JPS621841A
JPS621841A JP9948486A JP9948486A JPS621841A JP S621841 A JPS621841 A JP S621841A JP 9948486 A JP9948486 A JP 9948486A JP 9948486 A JP9948486 A JP 9948486A JP S621841 A JPS621841 A JP S621841A
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究 白川
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繁弘 大沼
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清行 江刺
Masateru Nose
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鉄族元素とジルコニウムを基本成分として含
有する低熱膨張係数を有する非晶質合金に関する。
従来低膨張係数を有す゛る合金として結晶質のインバー
(Ni約36wtZ、 F e約64wtZ)や、スー
パーインバー(Ni約32wtZ、 Co約5wtz、
  Fe約63wt2)あるいはステンレスインバー(
Co約54wtLCr約9.5wtZ、  F e約3
6.5wtX)が主として用いられている。これらの合
金はキューリ一温度(以下キューリ一温度をTcと記載
する)以下の温度で正の大きな自発体積磁歪をもつため
に熱膨張係数が一般の金属の数分の1以下に低下するこ
とを利用している。
しかるにこれら結晶質インバー合金は、機械的強度、詩
に引張強度や硬度が低(、その向上のためには、冷間加
工による加工率を増すなどして使用しなければならない
難点がある。しかしこの冷間加工によって熱膨張係数に
異方性が生ずるいわゆるΔα効果が発生するなどの不利
があり、この点に未解決の問題が残されていた。
また、従来の結晶質インバー合金は液体窒素温度までに
相変態があるために低温領域ではインバー特性を示さな
い。一方、Tcが比較的低いために100℃以上の高温
では良好なインバー特性を示さな(なるなどの欠点を持
っている。
低膨張係数を有する合金としては、前述のインバー系合
金の他にFe−Pd合金、Fe−Pt合金やCr基合金
などもあり、いずれも膨張係数の点では優れた特性を示
すが、前2者は貴金属を主成分として含有するため価格
が非常に高く、また後者は加工性に劣るという欠点があ
る。
一般に低膨張係数合金は主として計測材料、電磁材料、
制御機器材料などとして細線または薄板状で用いられる
ことが多いが、現存の結晶質インバー合金は比較的展延
性に冨むものの鋳塊から所要厚みの薄板とするまでに多
段階の加工や熱処理を行なう複雑な製造工程を必要とし
ており、それらに要する燃料費、電力費も多大なものと
なる。
一方、本発明者の一人が他の発明者と共に発明し、特開
昭53−147604号公報に開示した「低熱膨張係数
非晶質合金とその製造方法」にはFeおよびBを主成分
とする非晶質インバー合金が上述の結晶質インバー合金
の有する諸問題を解決し得ることの記載がある。しかし
Fe −82元系非晶質合金は耐蝕性、耐熱性に劣り、
これらの性質を改。
善するために、Fe、B以外の元素を添加すると急激に
インバー特性が低下するという欠点があった。
ところで、低熱膨張係数合金すなわちインバー合金のイ
ンバー特性はその合金の磁化の発生に伴う大きな自発体
積磁歪によるものと考えられている。従って非晶質合金
であればすべてのものがインバー特性を有するものでな
く、非晶質合金がインバー特性を存するようになるため
には所定の物理的要件を必要とする。すなわち、その成
分組成としては、まず非晶質合金になり得る成分組成範
囲であると同時に大きな自発体積磁歪を有する成分組成
範囲であることが、必要である。
ところが、前記特開昭53−147604号公報に記載
の合金は同公報第5頁左欄下段第18行〜同頁右欄下段
第4行に、「Bは合金組織の非晶質化に必要な元素であ
り、かつ強度の増大に寄与する元素であるが、原子%で
8%より少なくまたは30%より多いときは非晶質化が
困難で脆化し、熱膨張係数が+8X10−’以上、ある
いは−3X10−”以下になりインバー材料に適さない
ので、8〜30原子%にする必要がある。」と記載され
ているように、Bが8%未満では非晶質化が困難であり
、かつインバー材料には適しなかったことが明らかにさ
れている。
一方、本発明者らは他の発明者と共に先にZrが非晶質
化元素として有効であることを見い出し特開昭54−4
3838号公報により、「鉄族元素とZrを含む非晶質
合金」の発明を開示した。
そしてさらに研究の結果Fe−Zr系非晶質合金の一部
が大きな自発体積磁歪を有し、これらの合金に8%未満
のBおよび/又はPを添加した合金が優れたインバー特
性を有すること、および前述の結晶質インバー合金並び
にFe −B系非晶質インバー合金の有する諸問題を解
決し得る優れたインバー合金であることを新規に知見し
て本発明に想到した。
本発明は、従来実用されている結晶質−インバー合金に
比べて、広範な温度範囲で、極めて低い熱膨張。係数を
有し、しかも既に知られているFe −B系非晶質イン
バー合金が持つ問題点をも同時に解決した非晶質合金を
提供することを目的とするものであり、原子%でZr 
6〜15%と8%未満のBおよび/又はPと残部Feよ
りなる非晶質合金、あるいは前記合金においてFeの一
部をCo、Niのうちいずれか1種又は2種で置換して
なる非晶質合金を基本組成とする低熱膨張係数を有する
非晶質合金に関するものである。
次に本発明の詳細な説明する。
通常の固体の金属、合金は結晶状態であるが液体より超
急冷(冷却速度は合金の組成に依存するが、およそ10
4〜10” ℃/秒である)もしくはスパッタ法等によ
り気相より超急冷すれば、液体に類似した周期的原子配
列を持たない非結晶構造の固体が得られ、このような金
属は非晶質金属あるいはアモルファス金属と呼ばれる。
一般に、この種の金属は2種以上の元素からなる合金で
あり、通常遷移金属元素と半金属元素の両者の組み合わ
せ(半金属量は約10〜30原子%)、あるいは原子半
径が異なる2種又は3種以上の遷移金属元素の組合わせ
よりなる。
前記Fe−B系非晶質インバー合金は、半金属の1つで
あるBを非晶質形成元素として8〜30原子%含み、前
者すなわち遷移金属元素と半金属元素の組合わせよりな
る非晶質合金の1種である。
一方、本発明は本質的に後者、すなわち遷移金属である
鉄族元素とジルコニウムからなる非晶質合金であり、鉄
族元素とジルコニウムおよびB及び/又はPを主成分と
し、さらに特定の副成分を含有する非晶質合金が極めて
広範な温度領域で非常に低い熱膨張係数を有するとの新
規な知見に基づき本発明を完成するに至ったものである
本発明の非晶質合金ならびに比較例として、既に知られ
ているFe −B系非晶質合金及び結晶質インバー合金
の数例について熱膨張係数と硬度を第1表に示す。
第1表において磁1〜N[120の合金は本発明の熱膨
張係数の低い非晶質合金であり、患21〜25は比較例
である。比較例のうち患21〜23は発明者の一人が既
に特開昭53−147604号によって開示したFe−
B系非晶質合金であり、阻24および25は従来の結晶
質インバー合金である。
本発明合金中、Ni、Co、を含まない合金(第1表1
1kL1〜4.患8〜11)はキューリ一温度Tcが一
30℃〜+80℃と比較的低いため高温での熱膨張係数
は大きいが一100℃〜+50℃の温度領域においては
小さく、特に−100℃〜0℃では負の値を有している
またGo、Niを含む合金(第1表寛5〜7.隘12〜
20)は−100℃〜+300℃の広い温度範囲で低い
熱膨張係数を有し、例えば患7の本発明合金と!l1l
124の結晶質Fe−Niインバー合金を比較すると、
阻7の合金の熱膨張係数の絶対値は室温付近で、rlh
24の合金のそれに比べて175以下と小さく、しかも
広い温度範囲でその値がほとんど変化しないという優れ
たインバー特性を有していることが判り、患21のFe
 −B系非晶質合金と比べても同等あるいはそれ以上の
インバー特性を有することが判る。
また、Fe −82元系非晶質合金は耐蝕性あるいは耐
熱性が低く、これらの特性はFe、B以外の第3元素の
添加により改善されるが、例えば陽23のFe−B−C
o合金のごとく熱膨張係数が急激に増大するという欠点
がある。−5本発明合金はN18〜11およびN111
2〜20にみられるように、鉄族元素とB、PおよびZ
r以外の元素を5〜10%程度添加しても合金の熱膨張
係数はほとんど変化しないことが判る。このことはまた
本発明合金の他の大きな特長である。
また第1表中患6合金に見られるごとく、必要により溶
融状態から超急冷して得られた本発明の非晶質合金をさ
らに結晶化温度未満の温度で焼鈍した後、急冷あるいは
徐冷することによっても本発明の低膨張係数を有する非
晶質合金を得ることができる。この場合焼鈍雰囲気は非
酸化性あるいは真空とすることは有利である。
前記本発明の合金の結晶化部・度はその成分組成によっ
て異なるが、大兄400〜600℃の範囲内にあり、結
晶化温度以上の温度で焼鈍すると結晶化して、熱膨張係
数は急激に増大する。前記焼鈍ならびにそれに続く急冷
あるいは徐冷は急冷凝固時の歪を除去させ、熱膨張特性
を安定化させる効果があり、このような熱処理は特に1
00℃乃至結晶化温度未満の温度範囲に1分乃至500
時間保持することによりさらにすぐれたインバー特性を
有する本発明の合金を得ることができる。
次に本発明合金を研究データに基づいて説明する。以下
で説明するすべての合金は溶融状態から超急冷し凝固さ
せて非晶質化したもので、第1図(alに示す片ロール
法によって得た幅約2am、厚さ約20μ鳳のテープ状
試料である。
本発明合金の成分組成のうち、Bの効果について説明す
る。
第2図はZrtM度を10原子%一定とした本発明に係
る合金および類似の合金について約−200℃から+2
00乃至400℃まで加熱しながらリボンの熱膨張率を
測定した結果を示す図である。同図中()内に示した合
金は本発明の合金に類似した非晶質インバー合金である
。例えばFe、。Zr、oと本発明の合金であるFee
s Bs ZrIo合金の熱膨張曲線を比較すると、B
の添加によりキューリ一温度が上昇すると共に熱膨張率
の温度変化がより緩やかになりかつインバー特性を示す
温度範囲が拡大していることがわかる。
又、Feyz Cots Zr+o合金と本発明のFe
&11Coat Bs ZrIo合金に比較すると、本
発明合金。
は比較合金に比ベキューリ一温度は若干低下しているが
、やはり、熱膨張率の温度変化がより緩やかになってい
ることがわかる。
第3図にはZrを10原子%と一定にし、Feの一部を
Bで置換した合金の室温における磁化(σ8ア)キュー
リ一温度(Tc)および結晶化温度(Tx )におよぼ
すB?14度の影響を示す。本発明の合金に係るB濃度
8%未満においても、磁化、キューリ一温度を上昇させ
ると共に結晶化温度も向上させる効果を有することがわ
かる。キューリ一温度の上昇により第2図に示したよう
に、Fe−Zrのインバー特性を示す温度範囲がより高
温側に拡がる。また、結晶化温度の上昇はインバー特性
をより安定化させる為の熱処理を容易にする効果を有す
る。
さらに、(Fe6.1lco+1.2)90 Zrro
非晶質合金を基本にし、Fe、Coの一部をBまたはP
でそれぞれ置換し、(FeO,1lCOO,り90−x
 Mx Zr+。
(M2R,P)なる式で表される各種合金の、室温にお
ける熱膨張係数と各添加元素濃度との関係を測定し、そ
の結果を第4図に示す。熱膨張係数は各添加元素によっ
てそれぞれ異なるが、いずれの場合も本発明の合金の濃
度範囲で熱膨張係数の値は一13X10−6〜+8X1
0−bの間で変化していることが判り、特に、Bの場合
は8%程度添加しても室温における熱膨張係数はほとん
ど変化しないので、他の特性、例えば耐熱性、耐酸化性
等を向上させるのに極めて有利である。
次に、本発明の合金の成分組成を限定する理由を述べる
Zrが6%より少ないと超急冷しても非晶質化が困難で
あり、15%より多いと結晶化温度がかえって低下し安
定な非晶質合金が得にくいので6〜15%の範囲内にす
る必要があり、さらにZrが9〜13%の範囲ではより
安定した熱膨張係数の小さな非晶質合金が得られる。
P、Bは合金の非晶質化を容易にし、Fc、−Zr2元
系非晶質合金のキューリ一温度を上昇させる効果を有す
るが、8%以上添加すると、室温付近の熱膨張係数が十
axio−6より大となったり、合金が脆化し易くなっ
たりするので、8%未満にする必要がある。
また、非晶質合金を安定して得る為には前記Zrと、上
記P、Hの中から選ばれる何れか少なくとも1種との合
計が10%以上であることが必要である。
Ni、Co量については約40%迄の添加により熱膨張
係数が一13X10−15×1.0−’の範囲に調節す
ることができ、しかもキューリ一温度を上昇させる効果
があるので低熱膨張係数を有する温度範囲を拡げること
ができる。しかし、Co、Ni、を40%を超えて添加
すると、熱膨張係数が+8×10−’以上に増大するの
で40%以下にする必要があり、さらに8〜30%の範
囲内では室温付近の熱膨張係数が一13X10−”〜+
4X10−hとより小さい値を得ることが出来る。
本発明の特許請求の範囲第2あるいは4項記載の合金に
あっては: (イ)  Be、Al、Si、Ge、Sn、Sb、In
は合金の非晶質化を容易にしFe −Zr 2元系非晶
質合金のTcを上昇させる効果を有するが、Be、Al
、Si。
Ge、Sn、Sb、Inについては25%を超える量を
添加すると、室温付近の熱膨張係数が+8X10−6よ
り大となるので、25%以下とする必要がある。またN
i、Coを同時に含む合金については上記の(イ)群の
元素は合金の非晶質化を容易にし、一定値の低熱膨張係
数を有する温度範囲を拡げる効果を有するが、25%を
超えると、室温付近の熱膨張係数が著しく増大するので
、25%以下とする必要があり、望ましくは15%以下
、さらに望ましくは10%以下が良い。
周期律表第V1++およびV、族の元素である、CrM
o、W、v、Nb、Taは結晶化温度を高める合金の耐
熱性を向上させると同時に耐蝕性を向上させる効果を有
するが、20%より多くすると非晶質化が困難となりし
かも熱膨張係数が増大するので20%以下とする必要が
あり、望ましくは15%以下、さらに望ましくは10%
以下が良い。
Mn、Cuは合金の耐蝕性を向上させるが、15%より
多くすると、やはり熱膨張係数を増大させるので15%
以下とする必要があり、望ましくは10%以下が良い。
Tc、 Ru、 Rh、 Pd、 P t、 Os、 
I rはいずれも合金を非晶質化させ易い元素であるが
、これらのうちから選ばれる少なくとも1種が15%を
超える場合には熱膨張係数を増大させるので15%以下
にする必要があり、望ましくは10%以下が良い。
Ti、Hf、Sc、Y、ランタニド元素はいずれも10
%以下の添加では合金の非晶質化を助長する効果がある
が、10%より多くすると合金が酸化され易くなるので
10%以下とする必要があり、望ましくは5%以下が良
い。
また(イ)乃至(ホ)群の元素を添加することにより合
金の非晶質化が助長されるので、Zr量が6〜15%の
範囲で安定な非晶質合金が得られるが、−13X10−
15×10−6の熱膨張係数を得るためには、P、Bの
中から選ばれる少なくとも1種および(イ)〜(ホ)の
群の中から選ばれる何れか少なくとも1種の合計が25
%以下である必要があり、かつこれらの元素とZrの合
計が10〜35%の範囲内にあることが必要である。
Ni、Co量については約40%迄の添加により熱膨張
係数が一13X10−6〜+8X10−’の範囲に調節
することができ、しかもキューリ一温度を上昇させる効
果があるので低熱膨張係数を有する温度範囲を拡げるこ
とができる。しかし、Co、Niを40%を超えて添加
すると、熱膨張係数が+8X10−’以上に増大するの
で40%以下にする必要があり、さらに8〜30%の範
囲内では室温付近の熱膨張係数が一13X10−’〜+
4X10−’とより小さい値を得ることが出来る。
次に本発明を実施例により説明する。
実施例1 高圧送電線は気温の上昇、あるいは送電量の増加による
ジュール熱等により熱膨張し弛度(たるみ具合)が増大
し、地上から送電線までの距離が適正に保てなくなるほ
か、鉄塔に加わる荷重も変化するので、場合によっては
鉄塔そのものを建設し直す必要がある等の問題がある。
そこで最近、送電線の鋼心として熱膨張係数の小さいイ
ンバー合金を使用した低弛度耐熱アルミニウム合金より
線が知られるようになった。ジュール熱による温度上昇
に対しても弛度があまり増大しないため、普通の鋼心を
使用した同一断面積のアルミニウム合金より線に比べ約
2倍の電流を流すことができるというものである。
しかしながら、従来のFe−Niインバー合金は引張強
度が45kg/mo+”程度と低く、大口径送電線の荷
重に耐えるためには普通の鋼心材に比べ断面積の大きな
鋼心が必要になるという欠点があり、しかも上記送電線
の最高使用温度である230℃ではFe−Niインバー
合金の熱膨張係数は4〜6XIO−’と比較的大きい。
一方、本発明合金の中には熱膨張係数が1.0×10−
b以下と小さく、しかも−100℃〜+300℃という
広い温度範囲に渡ってほとんど変化しないという極めて
優れたインバー特性を示すものが数多くあり、さらに、
引張強度が200 kg/mm2〜250kg/mm”
と従来のFe−Niインバー合金のそれに比べ3〜5倍
以上という優秀な機械的性質を示す。
その数例を第2表に示す。
同表中、脆化温度とは、非晶質合金のリボン状試片を各
種温度で100分間加熱し、徐冷後リボン状試片を完全
に密着させるまで曲げた時に破壊を起す開始温度のこと
であり、脆化温度が高い程、その非晶質合金は耐熱性に
優れている事を示す。
この表からも判るように、本発明合金は優れたインバー
特性、高い引張強度に加え、Fe −B非晶質合金に比
べて優れた耐熱性を有し、送電線用鋼心材として最適で
あることが判る。
以上本発明合金の研究データならびに実施例から判る如
く、本発明の非晶質合金において、低熱膨張係数が得ら
れる温度領域は一195℃から約300℃まで、(組成
によっては400℃まで)であるが、これに対し現用イ
ンバー合金にあっては低熱膨張係数が得られる温度領域
は常温付近を中心として約100℃であるのに比べて本
発明の非晶質合金の温度領域は非常に広範であり、かか
る広範な温度領域で一13X10−15×10−6とい
う小さな熱膨張係数を有する合金は本発明者の一人が既
に特許出願したFe −B系非晶質合金を除いては全く
知られていなかった。
本発明の非晶質合金はまた、結晶化温度、脆化温度共に
高く、従来より知られているFe −B系非晶質合金に
比べて耐熱性に優れている。
さらに引張強度および硬度は結晶質Fe −Niインバ
ー合金に比べてそれぞれ5倍および4倍以上になってお
り、機械的強度を必要とする用途に適し、かつ加工や張
力を加えても前記特性は一定で殆んど不変であり、すな
わち外部応力に対して不感性である。さらに本発明の合
金は製造される際に非晶質化するため少なくとも104
℃/秒以上の冷却速度で超急冷される必要があり、した
がって薄板もしくは薄膜状で容易に得られる点からして
切断、打ち抜きなどの加工が容易であることは、製造工
程の複雑な従来の結晶質インバー合金に比べて極めて有
利である。
本発明の急冷状態の非晶質合金は低温焼鈍によってその
熱膨張特性がさらに改善されると共に、繰返しの加熱冷
却に対してその性質が安定化し、0XIO−6の熱膨張
係数をもつものをも得ることができる。
以上本発明の合金は送電線用鋼心材、電磁気材料、精密
計測材料、制御機器材料などとして非常に好適に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)、 (b)は本発明合金の製法の1つであ
る液体急冷法の装置を模式的に示した図、第2図は本発
明の合金および比較例の合金の数種について、それぞれ
の熱膨張曲線を示す図、第3図はFeqo−x Bx 
Zr+o合金の磁化、キューリ一温度および結晶化温度
におよぼすB濃度の影響を示す図、第4図はFe −C
o −Zr 3元系非晶質合金にP又はBを添加した非
晶質合金の熱膨張係数と添加元素の量との関係を示す図
である。 1・・溶湯、 2・・非晶質リボン。 3・・冷却ドラム、 4・・冷却ロール。 特許出願人  増  本    健 同   住友特殊金属株式会社 代理人 弁理士  村 1)政 治 第1図 (a)               <b>第2図 ↓廣(C) 第3図 0   2   4   6    B    TO’
12  14  168濃贋、X(aぜl・)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、原子%でZr6〜15%、P、Bの何れか少なくと
    も1種8%未満を含み、前記ZrとP、Bの何れか少な
    くとも1種との合計が10%以上であり、残部実質的に
    Feより成り、熱膨張係数が−15×10^−^6〜+
    8×10^−^6の範囲内にある低熱膨張係数を有する
    非晶質合金。 2、原子%でZr6〜15%、P、Bの何れか少なくと
    も1種8%未満、下記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)
    、(ホ)の群の中から選ばれる何れか少なくとも1種を
    含み、但しP、Bの何れか少なくとも1種と下記(イ)
    、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)の群の中から選ばれ
    る何れか少なくとも1種との合計は25%以下で、さら
    にZrとの合計は10〜35%の範囲内にあり、残部実
    質的にFeよりなり、熱膨張係数が−15×10^−^
    6〜+8×10^−^6の範囲内にある低熱膨張係数を
    有する非晶質合金。 (イ)Be、Al、Si、Ge、Sn、Sb、Inの中
    から選ばれる何れか1種または2種以上25%以下 (ロ)Cr、Mo、W、V、Nb、Taの中から選ばれ
    る何れか1種または2種以上20%以下 (ハ)Mn、Cu、の中から選ばれる何れか1種または
    2種15%以下 (ニ)Tc、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Irの中
    から選ばれる何れか1種または2種以上15%以下 (ホ)Ti、Hf、Sc、Y、ランタニド元素の中から
    選ばれる何れか1種または2種以上10%以下 3、原子%でZr6〜15%、Ni、Coの何れか少な
    くとも1種40%以下、P、Bの何れか少なくとも1種
    8%未満を含み、前記ZrとP、Bの何れか少なくとも
    1種との合計が10%以上であり、残部実質的にFeよ
    りなり、熱膨張係数が−15×10^−^6〜+4×1
    0^−^6の範囲内にある特許請求の範囲第2項記載の
    合金。 4、原子%でZr6〜15%、Ni、Coの何れか少な
    くとも1種40%以下、P、Bの何れか少なくとも1種
    8%未満、下記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ
    )の群の中から選ばれる何れか少なくとも1種を含み、
    但しP、Bの何れか少なくとも1種と下記(イ)、(ロ
    )、(ハ)、(ニ)、(ホ)の群の中から選ばれる何れ
    か少なくとも1種との合計は25%以下で、さらに上記
    P、Bの群と(イ)〜(ホ)の群とZrとの合計は10
    〜35%の範囲内にあり、残部実質的にFeよりなり、
    熱膨張係数が−15×10^−^6〜+8×10^−^
    6の範囲内にある低熱膨張係数を有する非晶質合金。 (イ)Be、Al、Si、Ge、Sn、Sb、Inの中
    から選ばれる何れか1種または2種以上25%以下 (ロ)Cr、Mo、W、V、Nb、Taの中から選ばれ
    る何れか1種または2種以上20%以下 (ハ)Mn、Cu、の中から選ばれる何れか1種または
    2種15%以下 (ニ)Tc、Ru、Rh、Pt、Pd、Os、Irの中
    から選ばれる何れか1種または2種以上15%以下 (ホ)Ti、Hf、Sc、Y、ランタニド元素の中から
    選ばれる何れか1種または2種以上10%以下
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