JPS6217154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造設備におけるサポートロール
厚み替え装置に関する。

従来、鋳片の厚み替えをおこなう場合には、モ
ールドを取り換えることはもちろんのこと、サポ
ートロール装置を吊り上げて整備台上に載せた
後、前後両サポートロール間の間隔を調整すると
共に両サイドガイドロール間の間隔を調整し、次
にその調整済みのサポートロール装置を吊り上げ
てオンラインに配置しているが、この従来方法で
は、大重量のサポートロール装置を吊り上げなけ
ればならないので危険をともなうと共に手間がか
かるものである。また調整に比較的時間がかか
り、その間操業ができないという問題がある。

そこで本考案はかかる問題点を解消した連続鋳
造設備におけるサポートロール厚み替え装置を提
供するものであつて、その特徴とするところは、
筒状サポートロールフレームの後縁部内側面に鋳
片搬送方向に沿つて適当間隔ごとに基準ロールを
配設し、サポートロールフレームの両側縁部に、
それぞれ鋳片搬送方向とは直交する面内でしかも
左右方向の長溝が形成されたガイドブロツクを設
けると共に、該長溝内に摺動自在に嵌入された凸
部を外側面に有する側縁フレームを、該凸部を介
してサポートロールフレームの両側縁部にそれぞ
れ支持し、各側縁フレームの内側面に鋳片搬送方
向に沿つて適当間隔ごとにサイドガイドロールを
配設し、上記サポートロールフレームの前縁部
に、前縁フレームを摺動軸を介してサポートロー
ルフレームの後縁部に向つて移動自在に支持し、
該前縁フレームの内側面に鋳片搬送方向に沿つて
適当間隔ごとに前縁ロールを配設し、一端部がサ
ポートロールフレームの後縁部に軸支されると共
に他端部が前縁フレーム側に突出された長尺アー
ムの中間部を一方の側縁フレーム外側面に連結ピ
ンを介して連結し、一端部が他方の側縁フレーム
の外側面に連結ピンを介して連結されると共に他
端部が前縁フレーム側に突出された短尺アームの
中間部を、サポートロールフレームの側縁部に軸
支し、上記各連結ピンを、各アームに形成された
穴内に前後方向で移動自在に挿入配置された摺動
ピースに取付け、上記両アームの他端部同志を連
動軸を介して連結すると共に該連動軸をウオーム
機構を介して左右方向で移動させる駆動モータを
設け、且つ上記ウオーム機構のウオーム軸に連動
連結されて上記摺動軸を前後方向で移動させるギ
ア機構を設けたことにあり、この構成によれば、
厚み替えを短時間で容易におこなうことができる
ものである。

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明す
る。この実施例は断面円形のビレツトイ，ロ，ハ
を連続鋳造する設備に関する。１はモールド直下
に配設された四角筒状のサポートロールフレーム
であつて、後縁部１Ａ、前縁部１Ｂ、両側縁部１
Ｃ，１Ｄから構成され、その後縁部１Ａの上下の
腕２に支持された各トラニオン３および各トラニ
オン受４を介して鋳造スタンド（図示せず）に支
持されている。５は上記後縁部１Ａの内側面に鋳
片搬送方向Ａに沿つて適当間隔ごとに配設された
軸受６に回転自在に支持された基準ロール、７は
サポートロールフレーム１の後縁部１Ａと前縁部
１Ｂとを互いに連結するトラバース、８は各側縁
部１Ｃ，１Ｄの上面と下面のビレツト対向箇所に
形成された凹部にはめ込み固着されたコの字形ガ
イドブロツクであつて、中央に形成した長溝８Ａ
は鋳片搬送方向Ａとは直交する面内でしかも矢印
Ｂ，Ｃ方向（左右方向）に沿つている。９は各側
縁部１Ｃ，１Ｄの内側面に対向して設けられた一
対の側縁フレームであつて、その外周面の上部と
下部とに固定した摺動ブロツク１０の凸部は上記
各ガイドブロツク８の長溝８Ａ内に摺動自在に嵌
入している。１１は各摺動ブロツク１０に対向し
て各側縁フレーム９に固定された支持ブラケツ
ト、１２は基端部が後縁部１Ａの一方側縁の上下
端の切欠部内にそれぞれ配設された支軸１３に矢
印Ｄ，Ｅ方向回動自在に支持されると共に先端部
が一方の側縁フレーム９の支持ブラケツト１１と
摺動ブロツク１０との間および前縁部１Ｂの切欠
部内を通る計２本の長尺アーム、１４は中央部が
他方の側縁フレーム９の上下面に軸受１５を介し
て設けられた支軸１６に矢印Ｆ，Ｇ方向回動自在
に支持されている一対の短尺アームであつて、そ
の基端部は他方の側縁フレーム９の支持ブラケツ
ト１１と摺動ブロツク１０との間に挿入され、先
端部は前縁部１Ｂの切欠部内を通つている。１７
は各アーム１２，１４の支持ブラケツト１１と摺
動ブロツク１０との間の箇所に形成された四角形
穴、１８は該各四角形穴１７に挿入された摺動ピ
ースであつて、このピース１８と四角形穴１７の
内周面との間には、各摺動ピース１８が各アーム
１２，１４の長手方向に沿つて若干往復移動でき
るように〓間を形成してある。１９は各摺動ピー
ス１８の中央穴内に回転自在に嵌入すると共に両
端が支持ブラケツト１１と摺動ブロツク１０とに
支持された連結ピン、２０は各側縁フレーム９の
内側面に鋳片搬送方向Ａに沿つて適当間隔ごとに
配設された軸受２１に回転自在に支持されたサイ
ドガイドロール、２２は前縁部１Ｂの上端近傍お
よび下端近傍を鋳片搬送方向Ａとは直交する方向
Ｈ，Ｉ（前後方向）に沿つて貫通する貫通孔に挿
通固着されたボス、２３は該各ボス２２内に軸受
を介して摺動自在に挿通された摺動軸、２４は外
側面の上端近傍および下端近傍に形成した貫通穴
が上記各摺動軸２３の先端に嵌合すると共にボル
ト２５止めされた前縁フレーム、２６は該前縁フ
レーム２４の内側面に鋳片搬送方向Ａに沿つて適
当間隔ごとに配設された軸受２７に回転自在に支
持された前縁ロール、２８は前縁部１Ｂの外側面
の前記各摺動軸２３に対向する箇所に配設された
前縁ギヤ機構であつて、各摺動軸２３を介して前
縁フレーム２４を矢印Ｈ，Ｉ方向へ移動させるも
のである。２９は前縁部１Ｂの外側面の水平方向
において互いに対向する両アーム１２，１４間の
箇所にそれぞれ配設された側縁ギヤ機構であつ
て、その矢印Ｊ，Ｋ方向（左右方向）へ移動可能
な連動軸３０の両端のコの字枠３１は前記各アー
ム１２，１４の先端部を挟んでいる。３２は各ア
ーム１２，１４の先端部に形成された四角形穴、
３３は該各四角形穴３２に挿入された摺動ピース
であつて、このピース３３と四角形穴３２の内周
面との間には、各摺動ピース３３が各アーム１
２，１４の長手方向に沿つて若干往復移動できる
ように〓間を形成してある。３４は各摺動ピース
３３の中央穴内に回転自在に嵌入すると共に両端
がコの字枠３１に支持された連結ピン、３５は上
下に対向する側縁ギヤ機構２９と前縁ギヤ機構２
８の両ウオームギヤの軸どうしを互いに連結する
カツプリング、３６は前縁部１Ｂの外側面の中央
部に配設されたベベルギヤ機構であつて、駆動モ
ータ（図示せず）により入力軸３７を介して作動
させられ、両前縁ギヤ機構２８のウオームギヤの
軸をカツプリング３８を介して正逆転させるもの
である。

上記構成において、図に実線で示す状態は中径
のビレツトロを連続鋳造している状態を示してい
る。この状態から第３図２点鎖線で示すごとく大
径のビレツトハを連続鋳造する場合には、モール
ドを大径のものと取り換えると共に駆動モータに
より入力軸３７を介してベベルギヤ機構３６、側
縁ギヤ機構２９および前縁ギヤ機構２８を作動さ
せればよい。これによつて前縁ギヤ機構２８を介
して両摺動軸２３が矢印Ｉ方向へ摺動させられ、
前縁フレーム２４を介して各前縁ロール２６も同
方向へ移動させられて各前縁ロール２６と各基準
ロール５との間の間隔が大径のビレツトハの外径
と同寸法に設定される。また側縁ギヤ機構２９を
介して連動軸３０が矢印Ｊ方向へ移動させられ、
各アーム１２，１４が矢印Ｅ，Ｇ方向へ回動させ
られて各摺動ブロツク１０が矢印Ｃ方向へ摺動
し、各側縁フレーム９も同方向へ移動させられて
水平方向に沿つて互いに対向するサイドガイドロ
ール２０間の間隔が大径のビレツトハの外径と同
寸法に設定される。次にモールド内に溶湯を注入
し、ダミーバを引つ張れば、大径のビレツトハが
引き抜かれ、このビレツトハは上記各ロール５，
２０，２０，２６に外周面を支持され、矢印Ａ方
向へ搬送されるものである。

ここで第５図ａに示すごとく、側縁フレーム９
をアーム１２，１４に固定したとすると、中径ビ
レツトロから大径ビレツトハに厚み替えをした場
合、両側サイドガイドロール２０は仮線線で示す
状態となり、大径ビレツトハに作用する両側のサ
イドガイドロール２０の負荷の方向が一致しなく
なり、大径ビレツトハが変形するおそれがある。
これに対して同図ｂに示すごとく本実施例の構成
によれば、中径ビレツトから大径ビレツトハに厚
み替えをしても、仮想線のように両側のサイドガ
イドロール２０は矢印Ｂ，Ｃ方向に沿つて移動す
るだけで、大径ビレツトハに作用する負荷の方向
は変わらず、相対向して一致するものである。し
たがつて大径ビレツトハが変形するおそれがな
く、確実に支持することができる。

小径ビレツトイについても、上記と同様の手順
により連続鋳造することができるものである。

上記実施例では、断面円形のビレツトイ〜ハを
連続鋳造する場合を例に上げて説明したが、これ
以外に断面正四角形の鋳片を連続鋳造することが
できるのはいうまでもない。また断面円形や正四
角形以外の断面の鋳片（たとえばスラブ）につい
ても連続鋳造することができるものである。

以上述べたごとく本考案の連続鋳造設備におけ
るサポートロール厚み替え装置によれば、駆動モ
ータによりウオーム軸を介して前縁フレームを前
後方向で移動させると共に各アームを回動させる
だけで、基準ロールと前縁ロールとの間の間隔お
よび水平方向に沿つて互いに対向するサイドガイ
ドロール間の間隔を所定値に設定することがで
き、特に各側縁フレームの凸部がサポートロール
フレームの側縁部に左右方向で形成された長溝内
に嵌入されると共に、各側縁フレームと各アーム
との連結ピンは、アームに前後方向で形成され穴
内に嵌入された摺動ピースに設けられているた
め、アームの回動によつて各側縁フレームが移動
された場合でも、その向きが変化しないので、鋳
片の大きさがどのように変更されようとも鋳片に
作用する両側のサイドガイドロールの負荷の方向
が相対向して一致し、確実に鋳片を支持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は一部切欠き正面図、第３図は第１図
の−矢視図、第４図は第１図の−矢視
図、第５図ａは従来の概略平面図、第５図ｂは本
考案実施例の概略平面図である。 １……サポートロールフレーム、１Ａ……後縁
部、１Ｂ……前縁部、１Ｃ……側縁部、１Ｄ……
側縁部、５……基準ロール、９……側縁フレー
ム、１０……摺動ブロツク、１２……長尺アー
ム、１４……短尺アーム、２０……サイドガイド
ロール、２４……前縁フレーム、２６……前縁ロ
ール、２８……前縁ギヤ機構、２９……側縁ギヤ
機構、３６……ベベルギヤ機構、３７……入力
軸、Ａ……鋳片搬送方向、イ……小径ビレツト、
ロ……中径ビレツト、ハ……大径ビレツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状サポートロールフレームの後縁部内側面に
   鋳片搬送方向に沿つて適当間隔ごとに基準ロール
   を配設し、サポートロールフレームの両側縁部
   に、それぞれ鋳片搬送方向とは直交する面内でし
   かも左右方向の長溝が形成されたガイドブロツク
   を設けると共に、該長溝内に摺動自在に嵌入され
   た凸部を外側面に有する側縁フレームを、該凸部
   を介してサポートロールフレームの両側縁部にそ
   れぞれ支持し、各側縁フレームの内側面に鋳片搬
   送方向に沿つて適当間隔ごとにサイドガイドロー
   ルを配設し、上記サポートロールフレームの前縁
   部に、前縁フレームを摺動軸を介してサポートロ
   ールフレームの後縁部に向つて移動自在に支持
   し、該前縁フレームの内側面に鋳片搬送方向に沿
   つて適当間隔ごとに前縁ロールを配設し、一端部
   がサポートロールフレームの後縁部に軸支される
   と共に他端部が前縁フレーム側に突出された長尺
   アームの中間部を一方の側縁フレーム外側面に連
   結ピンを介して連結し、一端部が他方の側縁フレ
   ームの外側面に連結ピンを介して連結されると共
   に他端部が前縁フレーム側に突出された短尺アー
   ムの中間部を、サポートロールフレームの側縁部
   に軸支し、上記各連結ピンを、各アームに形成さ
   れた穴内に前後方向で移動自在に挿入配置された
   摺動ピースに取付け、上記両アームの他端部同志
   を連動軸を介して連結すると共に該連動軸をウオ
   ーム機構を介して左右方向で移動させる駆動モー
   タを設け、且つ上記ウオーム機構のウオーム軸に
   連動連結されて上記摺動軸を前後方向で移動させ
   るギア機構を設けたことを特徴とする連続鋳造設
   備におけるサポートロール厚み替え装置。