JPS6215636Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はたとえば石油ストーブなどの燃焼装
置において、芯出しを自動的に行なうようにした
燃焼制御装置に関する。

最近、石油ストーブなどにおいて、芯をギヤモ
ータにより自動的に予め定めた一定時間だけ上昇
させ、上記一定時間経過後、自動点火させる機能
を備えたものがある。このような機能を備えたも
のにおいて、芯を上昇させるに必要な時間はコン
デンサの充放電時間を利用したタイマ回路などに
より設定するものがあるが、このようなタイマ回
路を用いた場合、消火させると同時に上記タイマ
回路の内容をリセツトさせる必要がある。なぜな
ら、消火と同時にタイマ回路の内容がリセツトさ
れないと、消火して直ちに再点火する場合、正確
な設定時間が得られず、芯が定位置にまで上昇し
ないうちに点火動作がなされるという不都合が生
じるからである。したがつて、この種の装置にあ
つては、上記設定時間を常に一定にするような制
御が必要となる。

この考案は上記の点に鑑みてなされたもので、
予め定めた一定時間だけ自動的に芯を上昇させ、
上記一定時間経過後に自動的に点火させる機能を
備えたものにおいて、上記芯の上昇に必要な時間
の設定を常に一定なものとし得、確実なる芯出し
動作および点火動作を可能とした燃焼制御装置を
提供することを目的としている。

以下この考案の一実施例を図面を参照して説明
する。図において、１１はコンセント差込み用の
プラグ、１２はヒユーズ、１３は過電圧が加わつ
たとき後段の回路部への電源供給をしや断する保
護器である。また、PSW１は常閉接点NCと常開
接点NOおよび可動接点Ｓを持つ電源オン／オフ
用の切換スイツチで、この切換スイツチPSW１
の上記常閉接点NCと常開接点NOは、一方の主電
源供給ラインＬに介在され、上記可動接片Ｓは一
定以上の振動を検知するとオフする感震スイツチ
ASW、ダイオードD₁、抵抗R₁、第１のリレーRY
１を介して他方の主電源供給ラインL′に接続され
ている。なお、上記第１のリレーRY１_１は通電
されると、その常開接点RYS１ａを閉、常閉接
点RYS１ｂを開とするものである。この第１の
リレーRY１の両端にはダイオードD₂、コンデン
サC₁がそれぞれ並列に接続されている。また、
上記主電源供給ラインＬ，L′間にはダイオード
D₃、抵抗R₂、第２のリレーRY２、トランジスタ
Ｑのコレクタ・エミツタが直列に介在されてい
る。上記第２のリレーRY２は通電されると、そ
の切換接点RYS２を端子ａ側から端子ｂ側に切
換えるように動作する。そして、この第２のリレ
ーRY２の両端にはダイオードD₄が接続されてい
る。また上記主電源供給ラインＬ，L′間には、上
記第２のリレーRY２の切換接点RYS２およびこ
の切換接点RYS２の端子ａに接続された芯上昇
用のギヤモータGMが介在されるとともに、切換
接点RYS２の端子ｂに接続された点火装置IGが
介在されている。

また、l₁は第１の補助電源供給ライン、l₂は第
２の補助電源供給ラインで、上記第１の補助電源
供給ラインl₁は抵抗R₃、前記ダイオードD₃を介し
て主電源供給ラインＬに接続され、第２の補助電
源供給ラインl₂は抵抗R₄、前記抵抗R₂、前記ダイ
オードD₃を介して主電源供給ラインＬに接続さ
れている。

上記第１の補助電源供給ラインl₁と主電源供給
ラインL′との間には、芯下降用ソレノイドLSと
リレーRY１の常閉接点RYS１ｂとの直列回路が
介在され、さらに芯下降用ソレノイドLSを駆動
するための第１のコンデンサとしての消化用コン
デンサC₂が介在されている。また、上記常閉接
点RYS１ｂには前記電源オン／オフ用の切換ス
イツチPSW１と連動する連動スイツチPSW２が
並列に接続されている。また上記第２の補助電源
供給ラインl₂と主電源供給ラインL′との間には、
ツエナダイオードZD、コンパレータIC、抵抗
R₅，R₆の直列回路、第２のコンデンサとしての
時限用コンデンサC₃と抵抗R₇の直列回路がそれ
ぞれ並列に介在されている。上記コンパレータ
ICの正入力端は上記抵抗R₅，R₆の接続点P₁に接
続され、負入力端は上記コンデンサC₃と抵抗R₇
との接続点P₂に接続されている。そして、その正
負入力端間にはコンデンサC₄が接続されてい
る。また、上記接続点P₂と主電源供給ラインL′間
には前記時限用コンデンサC₃の放電回路を構成
する放電用ダイオードD₅が接続されている。ま
た、コンパレータICの正側入力端と出力端間に
はダイオードD₆が接続され、この出力端と第２
の補助電源供給ラインl₂間には抵抗R₈が接続さ
れ、さらにこの出力端は抵抗R₉を介してトラン
ジスタＱのベースに接続されている。そしてこれ
らコンパレータIC、抵抗R₅〜R₉、コンデンサ
C₃，C₄、ダイオードD₄，D₅，D₆、ツエナダイオ
ードZD、トランジスタＱ、リレーRY２などでタ
イマ回路TMを形成している。

次に上記のように構成されたこの考案の動作を
説明する。まず通常の燃焼動作について説明す
る。プラグ１１を図示しないコンセントに差込む
と（このとき切換スイツチPSW１、連動スイツ
チPSW２はNC側となつている）、自己保持電流
が切換スイツチPSW１、感震スイツチASW、ダ
イオードD₁、抵抗R₁の経路で流れ、第１のリレ
ーRY１を励磁させ、その常開接点RSY１ａを閉
じ、常閉接点RYS１ｂを開く。常開接点RYS１
ａが閉じることにより、この第１のリレーRY１
は自己保持される。次に切換スイツチPSW１を
NO側（オン側）に切換えると、この切換スイツ
チPSW１の後段の各回路に電源が供給される。
なお、このとき連動スイツチPSW２もNO側（オ
フ側）に切換わる。したがつて、芯下降用ソレノ
イドLSには電圧は印加されず、コンデンサC₂に
電圧が蓄積される。このコンデンサC₂に蓄えら
れた電圧は、のちに芯下降用ソレノイドLSを駆
動するための電圧として使用される。

上記コンデンサC₂に蓄えられた電圧は、抵抗
R₃，R₂，R₄を通して、ツエナダイオードZDにも
印加される。したがつて、ツエナダイオードZD
の両端には定電圧が発生する。これにより、抵抗
R₇を通して時限用コンデンサC₃に電圧が蓄えら
れてゆく。このコンデンサC₃への電圧の蓄積が
開始された当初は、蓄積電圧が低いため、P₂の電
位はP₁の電位（抵抗R₅とR₆の分圧点電位）より
高いため、コンパレータICの出力はローレベル
である。したがつて、トランジスタＱはオンせず
オフの状態を保持している。このため、第２のリ
レーRY２は動作せず、その接点RYS２は端子ａ
側に切換わつたままである。これにより、ギヤモ
ータGMが駆動され、芯が上昇し始める。そし
て、上記時限用コンデンサC₃に蓄えられた電圧
が高くなつて、一定時間経過後、P₂の電位がP₁の
電位より低くなると、コンパレータICの出力が
ハイレベルとなり、帰還用ダイオードD₆がオン
して抵抗R₈を通してコンパレータICの正側入力
端に帰還電流が流れ込むため正側入力電圧が高く
なり、コンパレータICの動作を安定させる。こ
のようにコンパレータICの出力がハイレベルと
なると、トランジスタＱがオンして、第２のリレ
ーRY２が動作する。これにより、切換接点RYS
２は端子ｂ側に切換わり、ギヤモータGMの作動
が停止して、点火装置IGが作動して、芯への点
火がなされる。ところで、上記芯上昇用のギヤモ
ータGMが作動し始めてから点火装置IGが作動す
るまでの時間は、コンパレータICの出力が反転
するまでの時間であり、これは、芯上昇機構が正
常に作動して芯が所定位置に達するまでの時間に
ほぼ等しく設定しておく。

上記のようにして点火され、正常に燃焼動作し
ている燃焼装置を消火させるには、切換スイツチ
PSW１をNC（オフ）側にすれば良い。切換スイ
ツチPSW１をNC側に切換えると、後段の各回路
部への電源供給はしや断される。この動作と同時
に連動スイツチPSW２もNC側に切換わるため、
コンデンサC₂に蓄えられていた電圧は一瞬にし
て芯下降用ソレノイドLSに印加され、これによ
り芯は直ちに下降して消火動作がなされる。この
コンデンサC₂が一瞬にして放電してしまうこと
により、タイマ回路TMに印加されていた定電圧
も一瞬にして消滅する。これによりタイマ回路
TMでは時限用コンデンサC₃に蓄えられていた電
圧だけが残るが、この電圧は放電用ダイオード
D₅を通して放電され、タイマ回路TMのリセツト
が行なわれる。また第２のリレーRY２が非励磁
状態となるため、切換接点RYS２は端子ａ側に
切換わる。このように瞬時にタイマ回路TMがリ
セツトされるため、直ちに切換スイツチPSW１
を再投入しても正確なタイマ設定時間つまり芯の
上昇に必要な時間をとることができる。

次に燃焼動作中に地震および停電が発生した場
合の動作をそれぞれ説明する。地震が発生した場
合は、感震スイツチASWがオフするため、コン
デンサC₁に蓄えられた電圧が第１のリレーRY１
を通して放電して行き、第１のリレーRY１は非
励磁状態となり、常開接点RYS１ａを開いて自
己保持を解除する。同時に常閉接点RYS１ｂが
閉じられ、これによりコンデンサC₂に蓄えられ
た電圧は一瞬にして放電され、芯下降用ソレノイ
ドLSが動作して芯を強制的に降下させて消火さ
せる。また燃焼動作中に停電が発生した場合に
は、感震スイツチASWがオフしたときと同様に
第１のリレーRY１が非励磁状態となり、常開接
点RYS１ａが開、常閉接点RYS１ｂが閉とな
る。したがつて、コンデンサC₂に蓄えられてい
た電圧が一瞬にして放電され、芯下降用ソレノイ
ドLSが動作して芯を強制的に降下させ消火状態
とする。なお、上記感震スイツチASWが開いた
場合および停電が発生した場合も、コンデンサ
C₂に蓄えられた電圧が、芯下降用ソレノイドLS
を通して、一瞬にして放電するため、上記通常の
消火動作と同様に、タイマ回路TMのリセツトが
行なわれ、第２のリレーRY２の切換接点RYS２
は端子ａ側になる。またこの場合、電源オン／オ
フ用の切換スイツチPSW１がNO側（オン側）で
あり、しかも第１のリレーRY１の自己保持が解
除されているので、その後、感震SWが閉じて
も、又停電が終わつて電源復旧しても、各回路に
電源は供給されず再び動作してしまうことはな
い。

以上説明したようにこの考案によれば、予め定
めた一定時間だけ自動的に芯を上昇させ、その一
定時間経過後に自動的に点火させる機能を備えた
ものにおいて、上記芯の上昇に必要な時間の設定
を常に一定なものとすることができ、これにより
確実なる点火芯出し動作および点火動作が可能と
なり、安全性、機能性の面で大幅な改善が図れる
燃焼制御装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示す回路図である。 IC……コンパレータ、Ｌ……芯下降用ソレノ
イド、GM……ギヤモータ、IG……点火装置、C₂
……消化用コンデンサ、C₃……時限用コンデン
サ、TM……タイマ回路、RY１……第１のリレ
ー、RY２……第２のリレー、PSW１……電源オ
ン／オフ用の切換スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電源スイツチ投入後、芯を上昇させる芯上昇機
   構を作動させ、芯が所定位置まで上昇すると点火
   機構を作動させて芯に着火させるようにした燃焼
   制御装置において、上昇した位置にある芯を下降
   させる芯下降用ソレノイドと、上記電源スイツチ
   の投入動作に応動して、上記芯下用ソレノイドに
   対して放電電流による駆動電圧を供給するための
   電圧を充電開始する第１のコンデンサと、この第
   １のコンデンサの上記芯下降用ソレノイドに対す
   る電源供給路に介挿され、上記電源スイツチの投
   入動作に連動して上記電源供給路を開放するとと
   もに開放動作に連動して閉成する連動スイツチ
   と、上記第１のコンデンサの充電電圧を電源とし
   て充電を開始する第２のコンデンサと、上記第１
   の電源スイツチの開放動作に応動して上記第２の
   コンデンサの充電電圧を放電させる放電回路と、
   上記第２のコンデンサの充電電圧が所定値になつ
   たとき出力が反転するコンパレータと、このコン
   パレータの上記反転出力によりオンするスイツチ
   ング素子と、このスイツチング素子がオンするこ
   とにより作動するレリーと、このリレーが作動し
   たとき通電経路を芯上昇機構側から芯点火装置側
   へ切換える切換接点とを備えたことを特徴とする
   燃焼制御装置。