JPS6213717Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フオージングプレスのノツクアウ
ト装置に関するものである。

従来のノツクアウト装置は、初期の押上げ即ち
金型から鍛造品を離す作業をカムとレバーとによ
り駆動する方式のため、カムの加工が面倒で、ま
たこの駆動機械をオーバロードから保護する装置
が必要である。

さらに金型から離された鍛造品を持ち上げるの
にエアシリンダを用いているので、機械式のリフ
ト量よりエヤシリンダ式のリフト量を大きく取る
と鍛造品が飛び上がり、フオージングプレスの自
動化を難しくしている。

この考案は、前述した事情に鑑み創案されたも
ので、その目的は、簡単な構造でかつオーバロー
ドを吸収できると共に、鍛造品の金型からの脱型
および持上げをスムーズに行なうことのできるノ
ツクアウト装置を提供することにある。

以下この考案を図示する実施例によつて説明す
る。

ノツクアウト装置１は、第１駆動部２と、第２
駆動部３とからなつている。

第１駆動部２は上端にベース４に設けられた透
孔５を上下に摺動可能なノツクアウトピン６が、
下端に後述する押上部７に当接している当接部８
がそれぞれ設けられているピストンロツド９と、
このピストンロツド９を上下動させるシリンダ１
０とからなつている。

シリンダ１０は、ベースに形成されており、上
端部および下端部にはベース４外からシリンダ内
に貫通する透孔１１，１２がそれぞれ設けられて
いる。そして上端部の透孔１１には、空気源１３
からの圧縮空気が電磁弁１４を介して送られるよ
うになつており、下端部の透孔１２には、エヤ・
ハイドロコンバータ１５から圧油が、逆止め弁付
の可変形流量調整弁で形成されるスピードコント
ローラ１６を介して送られている。エヤ・ハイド
ロコンバータ１５には、前述した空気源１３から
電磁弁１４を介して圧縮空気が送られており、こ
の圧縮空気を圧油に変換している。

第２駆動部３は、倍力機構１７と、この倍力機
構１７に先端が取付けられ倍力機構１７を作動さ
せるピストンロツド１８を有するシリンダ部１９
とからなつている。

倍力機構１７は、ブラケツト２０のベース取付
部２０ａに設けられている透孔２１を上下に摺動
可能な押上部７と、ブラケツト２０の底部２０ｂ
に設けられている固定部２２と、この固定部２２
と押上部７とを連結している両リンク２３，２３
とからなり、両リンク２３，２３の接合点にピス
トンロツド１８の先端がピン着されている。

シリンダ部１９は、ブラケツト２０の底部に揺
動可能にピン着されており、倍力機構１７側端部
には、第１駆動部２の透孔１１と同様に圧縮空気
が送られ、反対側端部にも透孔１２と同様に圧油
が送られている。

このような構成からなるノツクアウト装置１の
使用に際しては、まずプレスによる鍛造作業終了
後、プレスからの指令で電磁弁１４が切換わる
と、空気源１３からの圧縮空気がエヤ・ハイドロ
コンバータ１５の上部へ流入する。

エヤ・ハイドロコンバータ１５に流入した圧縮
空気は圧油に変換され、第１駆動部２のシリンダ
１０の透孔１２と、第２駆動部３のシリンダ部１
９の倍力機構１７側と反対側端部とに供給され
る。この時に、スピードコントローラ１６，１６
により第２駆動部３のシリンダ部１９が最初に駆
動するように制御する。

そしてシリンダ部１９のピストンロツド１８
が、圧油により倍力機構１７側に前進する。この
前進運動は、倍力機構により上下運動に変換・拡
大して押上部７に伝えられる。この押上部７の拡
大された上動力により、当接部８が押上部７に当
接している第１駆動部２のピストンロツド８が上
動し、上端に設けられているノツクアウトピン６
がベース４外に突出して、鍛造品（図示せず）を
金型（図示せず）から離す。

次に鍛造品が金型から離れて大きな力が必要で
なくなると、第１駆動部２のピストンロツド８を
シリンダ１０の透孔１２から送られる圧油によ
り、さらに上動させて鍛造品を持上げる。なお、
各シリンダ１０，１９の上動および前進スピード
は、スピードコントローラ１６，１６によりコン
トロールできるので、鍛造品の持上げスピードも
自由にコントロールできる。

次に前述した如くノツクアウト作業が終了する
と、電磁弁１４を切換えて第１駆動部２のシリン
ダ１０の透孔１１と、シリンダ部１９の倍力機構
１７側端部へ空気を供給してピストンロツド９を
押し下げると同時にピストンロツド１８を引戻し
てノツクアウトピン６を下げる。

第２図は、第２駆動部３の倍力機構１７の変形
例を示したものである。

倍力機構１７は、ベース４に形成されたシリン
ダ部１９のピストンロツド１８の先端に設けられ
た楔状の摺動片２４と、この摺動片２４により上
下動可能にベース４に設けられ、かつ下端面が摺
動片２４と当接できるように成形された押上部７
とからなつており、摺動片２４はベース４に取付
けられているブラケツト２０の摺動溝２５を摺動
可能に設けられている。

そしてピストンロツド１８の前進に伴い摺動片
２４が摺動溝２５をスライドすると、摺動片２４
上面の斜面に沿つて押上部７が上動する。この時
のピストンロツド１８の前進力は、摺動片２４上
面の斜面により拡大されて伝わる。

なお、その他の動きはノツクアウト装置１と同
じである。

このように倍力機構１７は、その他数種類の機
構が考えられる。

この考案は以上の構成からなり、次に述べる効
果を有する。

第１駆動部と、第２駆動部との２つの駆動部
に分け、それぞれシリンダにより駆動させるよ
うにしたので、簡単な構造でかつオーバロード
を吸収できる。

初期の押上げ即ち金型から離す作業は、第２
駆動部の倍力機構によりシリンダによる力を拡
大して行なうので鍛造品を容易かつ確実に離す
ことができる。また倍力機構があるため鍛造品
を離す際の大きな力の反作用が直接シリンダに
及ぼすことがない。

金型から鍛造品を離す作業および鍛造品の持
ち上げのみを、エヤ・ハイドロコンバータによ
つて変換された圧油により行なう。そのため持
ち上げ作業をスムーズに行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のノツクアウト装置を示す断
面図、第２図は倍力機構の変形例を用いたノツク
アウト装置を示す断面図である。 １……ノツクアウト装置、２……第１駆動部、
３……第２駆動部、４……ベース、５……透孔、
６……ノツクアウトピン、７……押上部、８……
当接部、９……ピストンロツド、１０……シリン
ダ、１１……透孔、１２……透孔、１３……空気
源、１４……電磁弁、１５……エヤ・ハイドロコ
ンバータ、１６……スピードコントローラ、１７
……倍力機構、１８……ピストンロツド、１９…
…シリンダ部、２０……ブラケツト、２０ａ……
ベース取付部、２１……透孔、２２……固定部、
２３……リンク、２４……摺動片、２５……摺動
溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端にノツクアウトピンが、下端に当接部がそ
   れぞれ設けられているピストンロツドと、このピ
   ストンロツドを上下動させるシリンダとを有する
   第１駆動部と、前記当接部に当接していると共
   に、前記ノツクアウトピンの上作動可能な押上部
   が上端部に設けられている倍力機構と、この倍力
   機構に先端が取付けられ倍力機構を作動させるピ
   ストンロツドと、このピストンロツドを進退させ
   るシリンダとを有する第２駆動部と、第１および
   第２駆動部の各シリンダに圧縮空気を供給してい
   る空気源と、前記ノツクアウトピンおよび押上部
   の上動時にのみ前記各シリンダに送られている圧
   縮空気を圧油に変換するエヤハイドロコンバータ
   とからなると共に、ノツクアウトピンの初期上動
   を第２駆動部で行ない引続き第１駆動部により上
   動を行なうように制御されていることを特徴とす
   るノツクアウト装置。