JPS62118008A - ラビリンスシ−ル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、蒸気タービンにおけるロータ軸の蒸気の蘭洩
を防止するラビリンスシール装置に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

一般に、軸流形と称せられる蒸気タービンは、第７図に
示されるように、動翼と静翼とからなる多数の段落をロ
ータ軸の軸方向に沿って列設されている。

即ち、第７図において、符号１は、蒸気タービンにおけ
るロータ軸であって、このロータ軸１は、一対をなす軸
受２によって回転自在に支承されており、この両軸受２
の間に位置する上記ロータ軸１には、大きさを異にした
複数の動翼３とこれに連結した各シュラウド４が一定の
ピッチ間隔を存して放射方向に突出して設けられている
。又、上記ロータ軸１の外がわには、ケーシング（ター
ビンケーシング）５が上記各動翼３やシュラウド４を収
容するようにして設けられており、このケーシンク５の
内がわには、各ノズルダイヤフラム６と一体をなす静翼
７が上記各動翼３との間に位置するようにして配設され
ている。しかして、この多動１１３と各静翼７とは各段
落部を構成しており、上記ケーシング５内に流入した蒸
気は、静翼７から動翼へ順に導き出すことによって、ロ
ータ軸１に対して動力としての回転力を与えるようにな
っている。

一方、上記ケーシング５の両端部に形成されたシール部
５ａ、５ｂには、か各ラビリンスシール装置■が設けら
れており、この各ラビリンスシール装置■は、上記ケー
シング５の両端部におけるシール部５ａ、５ｂとロータ
軸１との間隙から蒸気の漏洩を阻止するようになってい
る。ざらに又、上記各シュラウド４の外周面と上記ロー
タ軸１に向き合った位置の上記各ノズルダイヤフラム６
にはチップフィンと称する各ラビリンスシール装置Ｉが
設けられている。

特に、上記ラビリンスシール装置Ｉは、第８図に拡大し
て示されるように、蒸気タービンのロータ軸１を嵌装し
たケーシング５にリング状をなす各ラビリンスシール部
材８を抜は落ちないようにして設け、この各ラビリンス
シール部材８の内周面８ａに複数のシールチャンバー９
を区分して形成する複数のシールフィン１０を付設して
構成したものである。

従って、上述したラビリンスシール装ｆｉｌは、第８図
に示されるように、蒸気が示矢方向Ｕに示されるように
、上流側から下流側へ向かって流入すると、上記各シー
ルチャンバー９の圧力は下流側に向って降下し、最終的
に蒸気の漏洩を阻止するようになっている。

しかしながら、上述したラビリンスシール装置Ｉは、ロ
ータ軸１を取り巻くラビリンスシール部材８の部分で蒸
気の圧力分布が円周方向に不均一となることがあり、こ
の不均一な円周方向の圧力分布に起因して、上記ロータ
軸１がその固有振動で揺れ回る不安定現象を引き起すこ
とが知られている。この不安定現象はスチームホワール
現象と呼ばれ、タービン負荷の増加につれて励振力を増
す傾向を示すものである。

即ち、第９図に示されるように、上述したラビリンスシ
ール装置■は、ラビリンスシール部材８に対してロータ
軸１が偏心ｆｆ１ｅだけ偏心して回転すると、各シール
チャンバー９内における円周方向の圧力分布は、偏心方
向の最も大きい圧力を示す左右対称な圧力分布となり、
円周方向に積分することにより、垂直方向にして下向き
の力Ｐが求められる。この下向きの力Ｐは、軸受荷重を
増加する力となり、この下向きの力Ｐは、上記スチーム
ホワール現象を抑制するようになるけれども、上記ラビ
リンスシール部材８の各シールチャンバー９へ流入する
蒸気は、ロータ軸１の回転により、この０−夕軸１０回
転と同一方向の旋回流となり、第１０図に示されるよう
に、ロータ軸１の回転方向（矢印Ｔ）と同じ旋回流Ｗと
なる。これによって、上記ロータ軸１の偏心方向に対し
て最小間隙点からロータ軸１の圧力のピーク点がずれた
圧力分布となる（第９図及び第１０図参照）。又、この
圧力分布を円周方向に積分すると、垂直方向にして下向
きの力Ｐと水平方向の力Ｑが求められるが、上述したよ
うに、垂直方向にして下向きの力Ｐは、軸受荷重を増大
するのに対して、水平方向の力Ｑは、軸受荷重を低減す
るものとなる。

又一方、上記ロータ軸１が示矢方向Ｕに振れ回っている
とき、水平方向の力Ｑが上記ロータ軸１に加わると、こ
の水平方向の力Ｑは、上記ロータ軸１の振れ回り方向Ｗ
と同一方向に作用するので、上記ロータ軸１の振れ回り
を増大させる励振力となり、ロータ軸の回転を不安定に
する（第１１図参照）。

（発明の目的） 本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって
、スチームホワール現象による励振力を防止すると共に
、蒸気の漏洩を有効適切に阻止するようにしたことを目
的とするラビリンスシール装置を提供するものである。

〔発明の概要〕

本発明は、蒸気タービンのロータ軸を嵌装した静止部材
にラビリンスシール部材を設け、このうビリンスシール
部材の内周面にシールチャンバーを区分して形成する複
数のシールフィンを付設し、上記ラビリンス部材の一側
部に蒸気を導入する流入路を設け、この流入路に連通ず
る流出口を上記シールチャンバーの上流側へ流出するよ
うにして設けてスチームホワール現象による励振力を防
止するように構成したものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を図示の一実施例について説明する。

なお、本発明は、上述した具体例と同一構成部材には、
同じ符号を付して説明する。

第１図及び第２図において、符号１は、蒸気タービンに
おけるロータ軸であって、このロータ軸１は、一対をな
す軸受によって回転自在に支承されており、このロータ
軸１の外がわには、静止部材としてのケーシング（ター
ビンケーシング）５がロータ軸１に設けられた動翼やケ
ーシング５内に設けられた静翼を収容するようにして設
けられている。又、上記ケーシング５の両端部にはフラ
ンジ１１ａを有する周溝１１が形成されており、この周
溝１１にはリング状をなすラビリンスシール部材８が上
記フランジ１１ａによって抜は落ちないようにして設け
られている１、ざらに、このラビリンスシール部材３の
内周面８ａには複数のシールフィン１０が複数のシール
チャンバー９を区分して形成するようにして付設されて
いる。

一方、上記ラビリンスシール部材８の一側部も、つまり
、蒸気の上流側には、流入路１２が蒸気Ｗを導入するよ
うにして設けられており、この流入路１２の奥端部の上
記ラビリンスシール部材８には、上記流入路１２に連通
する流出口１３が上記シールチャンバー９の上流側へ流
出するようにして穿設されており、しかも、この流出口
１３は、蒸気をロータ軸１の回転方向に向き合って流出
するように傾斜して形成されている。

従って、上記ラビリンスシール部材８の流入路１２に流
入した蒸気は、第３図及び第４図に示されるように、流
出口１３からシールチャンバー９の上流側へ流出すると
共に、上記ロータ軸１の回転方向へ向き合って流出する
ので、上記シールチャンバー９内で蒸気の流れとロータ
＠１の回転に伴なう流れ（旋回流）とが衝突し、第４図
に示すように乱流状態となり、上記ロータ軸１の旋回流
は乱れて旋回性を失い、これによって、スチームホワー
ル現象による自動振動を抑制すると共に、ラビリンスシ
ール部材８のシールフィン１０の壁面抵抗が増加して蒸
気の漏洩を阻止す゛るようになる。

次に、第５図に示されるグラフは、漏洩量増加率と旋回
流による水平方向の力の割合を示したものであって、旋
回流による水平方向の力Ｑを減少するために、旋回流時
の水平方向の力Ｑを１００％とし、旋回流に対抗する流
れを増して水平方向の力Ｑを最終的に０％としたとき、
本発明によれば、旋回流時の漏洩量に対して僅かに０．
０６％程度の増加にすぎないから、蒸気の漏洩を充分に
阻止することができることが明らかである。

次に、第６図に示される本発明の他の実施例は、リング
状をなすラビリンスシール部材８を複数の円弧部材に分
割し、この各円弧部材に各流入路１２及び各流出口１３
を設けて蒸気の流れを増加して旋回流による水平方向め
力Ｑを大幅に低減するようにしたものである。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明によれば、蒸気タービンのロー
タ軸１を嵌装した静止部材５にラビリンスシール部材８
を設け、このラビリンスシール部材８の内周面８ａにシ
ールチャンバー９を区分して形成する複数のシールフィ
ン１０を付設し、上記ラビリンスシール部材８の一側部
に蒸気を導入する流入路１２を設け、この流入路１２に
連通ずる流出口１３を上記シールチャンバ−９の上流側
゛へ流出するようにして設けであるので、スチームホワ
ール現象による励振力を防止することができるばかりで
なく、蒸気の漏洩を阻止することができるし、さらに、
構成も簡素であるから既設のラビリンスシール部材に設
けることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるラビリンスシール装置の断面図
、第２図は、第１図中の鎖線Ｉ−Ｉ［に沿う断面図、第
３図及び第４図は、本発明の詳細な説明するための各図
、第５図は、本発明による蒸気の漏洩量増加率と旋回流
による水平方向の力との関係を示すグラフ、第６図は、
本発明の他の実施例を示す図、第７図は、既に提案され
ているラビリンスシール装置を備えた蒸気タービンの半
分を示す断面図、第８図は既に提案されているラビリン
スシール装置の一部を示す断面図、第９図乃至第１１図
は、上記ラビリンスシール装置の作用を説明するための
各図である。 １・・・ロータ軸、５・・・ケーシング、８・・・ラビ
リンスシール部材、９・・・シールチャンバー、１０・
・・シールフィン、１１・・・周溝、１２・・・流入路
、１３・・・流出口。 出願人代理人　　佐　　藤　　−離 地６図 第５図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、蒸気タービンのロータ軸を嵌装した静止部材にラビ
   リンスシール部材を設け、このラビリンスシール部材の
   内周面にシールチャンバーを区分して形成する複数のシ
   ールフィンを付設し、上記ラビリンスシール部材の一側
   部に蒸気を導入する流入路を設け、この流入路に連通す
   る流出口を上記シールチャンバーの上流側へ流出するよ
   うにして設けたことを特徴とするラビリンスシール装置
   。 ２、流出口は、蒸気をロータ軸の回転方向に向き合って
   流出するように傾斜して形成したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のラビリンスシール装置。