JPS6211685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車が走行中に路面から受ける
衝撃を吸収する車両用サスペンシヨン構造に関す
る。

従来のこの種の車両用サスペンシヨン構造とし
ては、例えば、第１，２図に示すようなものが知
られている。同図において、１は車軸懸架式リヤ
サスペンシヨン２の主リーフスプリングであり、
この主リーフスプリング１の前端は車体側部材３
のブラケツト４に、後端はシヤツクル５を介して
車体側部材３のブラケツト６に、取付けられてい
る。主リーフスプリング１の中央部上面には補助
リーフスプリング８が固定されている。前記スプ
リング１および８の中央部はリヤアクスルケース
９に取付けられている。１１は前記サスペンシヨ
ン２のシヨツクアブソーバである。１４は車体側
部材３に固定された断面略Ｕ字形の一対のブラケ
ツトであり、各ブラケツト１４は基部としての第
１折り曲げ部１５を有する。１８は防振ゴム１９
を介して補助リーフスプリング８の先端部に全面
的に係合するパツドであり、このパツド１８は第
１折り曲げ部１５と同一形状に折り曲げられた第
２折り曲げ部２０を有する。そして、パツド１８
は、第２折り曲げ部２０の中央に固定されたボル
ト２２とナツト２３とによつて、第１折り曲げ部
１５と第２折り曲げ部２０とが密着するようにブ
ラケツト１４に取付けられている。

しかしながら、このような従来の車両用サスペ
ンシヨン構造にあつては、次のような問題点があ
つた。第１折り曲げ部１５または第２折り曲げ部
２０が加工誤差を生じた場合、第１折り曲げ部１
５と第２折り曲げ部２０との前端部同士の間およ
び後端部同士の間に隙間が生じることがある。こ
のような状態で自動車が走行し、補助リーフスプ
リング８がリヤアクスルケース９を介して上方へ
の断続的な衝撃力Ｆを受けると、補助リーフスプ
リング８の先端部は第３図に示すように衝撃力Ｐ
の反力によつて相対的に下方に変形する。したが
つて、第２折り曲げ部２０のリヤアクスルケース
９側の端部に、衝撃力Ｆの分力ｆが下方から断続
的に加わることになる。このため、第１折り曲げ
部１５と第２折り曲げ部２０とは一点ｐのみで接
触したりあるいは中央部で全面的に密着したり
し、ボルト２２は大きな引張力が断続的に働くこ
とによつて伸縮させられる。この結果、ナツト２
３がゆるむという問題点があつた。さらに、第１
折り曲げ部１５と第２折り曲げ部２０とが一点ｐ
のみで接触している状態では、ボルト２２はリヤ
アクスルケース９側に傾けられる。したがつて、
ボルト２２には繰り返し曲げ応力が作用し、この
結果、ボルト２２が折損するといる問題点があつ
た。

この考案は、前述の問題点に着目してなされた
もので、ブラケツトの第１底壁部の両端からそれ
ぞれ外方に離れるに従つて同方向に傾斜する第１
斜壁部の外端に、パツドの第２底壁部の両端から
それぞれ外方に離れるに従つて同方向に前記第１
斜壁部より大きく傾斜する第２斜壁部を係合させ
ることにより、前記問題点を解決することを目的
とする。

以下、この考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。第４，５図において、３１は車体に固定
された断面略Ｕ字形の後側のブラケツトであり、
このブラケツト３１は、中心に孔３２が形成され
た第１底壁部３３と、第１底壁部３３の前端およ
び後端にそれぞれ連続し前方上側および後方上側
にそれぞれ傾斜する第１斜壁部３４，３４と、第
１斜壁部３４および３４の前端および後端からそ
れぞれ上方に突出する第１縦壁部３５，３５と、
を有する。前記第１底壁部３３、第１斜壁部３４
は全体として基部３６を構成する。３９は断面略
Ｕ字形をしたパツドであり、このパツド３９は、
孔３２に収納されたボルト４０の基端部が固定さ
れた第２底壁部４１と、第２底壁部４１の前端お
よび後端にそれぞれ連続し前方上側および後方上
側にそれぞれ傾斜する第２斜壁部４２，４２と、
第２斜壁部４２および４２の前端および後端から
それぞれ上方に突出する第２縦壁部４３，４３
と、を有する。第２縦壁部４３の内側面間の距離
Ｌは、第１縦壁部３５の外側面間の距離L′に等し
い。第２縦壁部４３の内側面から第２底壁部４１
と第２斜壁部４２との連続部までの距離Ａは、第
１縦壁部３５の外側面から第１底壁部３３と第１
斜壁部３４との連続部までの距離A′より、短
い。第２底壁部４１の上面から第２斜壁部４２と
第２縦壁部４３との連続部までの高さＨは、第１
底壁部３３の下面から第１斜壁部３４と第１縦壁
部３５との連続部までの高さH′より、高い。し
たがつて、第２底壁部４１と第２斜壁部４２との
なす角θは、第１底壁部３３と第１斜壁部３４と
のなす角θ′より、大きい。この結果、第２斜壁
部４２は第１斜壁部３４より大きく傾斜すること
になる。そして、パツド３９は、第１底壁部３３
の下面と第２底壁部４１の上面とが密着するよう
に、ザガネ４５を介してボルト４０とナツト４６
とによつて、基部３６に取付けられている。ま
た、第２底壁部４１は、第２底壁部４１および第
２斜壁部４２の下面に被覆された防振ゴム４９を
介して、車軸懸架式リヤサスペンシヨンの補助リ
ーフスプリング５１の後端部に、全面的に係合し
ている。

次にこの考案の一実施例の作用について説明す
る。まず、ブラケツト３１とパツド３９とを組み
立てる場合、ボルト４０が孔３２に挿入されるよ
うに基部３６を一対の第２縦壁部４３の間に収納
する。次に、ナツト４６をザガネ４５を介してボ
ルト４０のねじ部にねじ込み、第１底壁部３３の
下面と第２底壁部４１の上面とを密着させる。こ
こで、前述の如く、距離Ｌは距離L′に等しく、距
離Ａは距離A′より短く、高さＨは高さH′より高
い。したがつて、第２斜壁部４２は第１斜壁部３
４の外端に確実に係合する。

このような状態で自動車が走行し、補助リーフ
スプリング５１の図示していない中央部が上方へ
の断続的な衝撃力を受けると、補助リーフスプリ
ング５１の後端部は第６図に示すように相対的に
下方に変形する。したがつて、前側に位置する第
２斜壁部４２に、前記衝撃力の分力ｗが下方から
加わる。しかし、上述のごとく、第２斜壁部４２
は第１斜壁部３４の外端に確実に係合しているた
め、第１底壁部３３と第２底壁部４１とが離れる
ことがない。したがつて、ボルト４０は伸縮させ
られたり繰り返し曲げ応力を受けることもない。
この結果、ナツト４６がゆるんだり折損したりす
ることもない。

以上説明したように、この考案によれば、車体
に固定された断面略Ｕ字形のブラケツトと、該ブ
ラケツトの基部に取付けられ補助リーフスプリン
グに係合するパツドと、を備えた車両用サスペン
シヨン構造において、第１底壁部と第１底壁部の
両端からそれぞれ外方に離れるに従つて同方向に
傾斜する第１斜壁部とからなる基部を有する前記
ブラケツトと、第２底壁部と第２底壁部の両端か
らそれぞれ外方に離れるに従つて同方向に前記第
１斜壁部より大きく傾斜する第２斜壁部とを有す
る前記パツドと、を備え、前記第２斜壁部が前記
第１斜壁部の外端に係合するようにしたので、前
記ブラケツトとパツドとを固定するナツトのゆる
みおよびボルトの折損を未然に防止することがで
きるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の車両用サスペンシヨン構造を示
す正面図、第２図は第１図の要部拡大図、第３図
は従来の車両用サスペンシヨン構造の問題点を説
明する断面図、第４図はこの考案の一実施例に使
われているブラケツトおよびパツドの組立断面
図、第５図は第４図の分解断面図、第６図は前記
一実施例の作用説明図である。 ３……車体、８，５１……補助リーフスプリン
グ、１４，３１……ブラケツト、１５，３６……
基部、１８，３９……パツド、３３……第１底壁
部、３４……第１斜壁部、４１……第２底壁部、
４２……第２斜壁部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体に固定された断面略Ｕ字形のブラケツト
   と、該ブラケツトの基部に取付けられ補助リーフ
   スプリングに係合するパツドと、を備えた車両用
   サスペンシヨン構造において、第１底壁部と第１
   底壁部の両端からそれぞれ外方に離れるに従つて
   同方向に傾斜する第１斜壁部とからなる基部を有
   する前記ブラケツトと、第２底壁部と第２底壁部
   の両端からそれぞれ外方に離れるに従つて同方向
   に前記第１斜壁部より大きく傾斜する第２斜壁部
   とを有する前記パツドと、を備え、前記第２斜壁
   部が前記第１斜壁部の外端に係合するようにした
   ことを特徴とする車両用サスペンシヨン構造。