JPS6160802B2

JPS6160802B2 -

Info

Publication number: JPS6160802B2
Application number: JP2033081A
Authority: JP
Inventors: Sumyoshi Nagai
Original assignee: Sansho Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Sansho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1981-02-13
Filing date: 1981-02-13
Publication date: 1986-12-23
Also published as: JPS57134409A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロ
ン化合物を含有せしめた美白効果および日焼防止
効果の大なる色白化粧料に関する。

色白の美しい肌にしたいと願うのは女性の常で
あり、従来より過酸化水素、過酸化亜鉛、過酸化
マグネシウム、過酸化ナトリウム、過ホウ酸亜
鉛、過ホウ酸マグネシウムまたは過ホウ酸ナトリ
ウムなどの過酸化物を配合した化粧料が使用され
ていた。しかしながら前記のごとき過酸化物はき
わめて不安定な物質であるため、保存性あるいは
化粧料への配合性などの点に問題があり、かつそ
の美白効果も充分ではなかつた。近年になつて、
ビタミンＣ、システイン、コロイド硫黄などを配
合した化粧料が開発され賞用されているが、これ
らとてもなお充分に満足しうるものとはいいがた
い。

しかるに、本発明者は人体に好ましくない副作
用を有せず、かつすぐれた美白効果を奏する配合
剤を見出すべく永年にわたつて研究を重ねてきた
ところ、一般式：（式中、Ｒは低級アルキル基である）で示され
る２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロン化合物
がとりわけすぐれたメラニン生成抑制作用を有
し、絶大なる美白効果および日焼防止効果を奏す
るというまつたく新たな事実を見出し、本発明を
完成するにいたつた。

すなわち本発明は適宜の化粧料基材に２−アル
キル−５−オキシ−γ−ピロン化合物を含有せし
めることを要旨とする色白化粧料であつて、ここ
に化粧料基材としては従来より多用されている
種々の基礎化粧料基材、たとえば各種アルコール
類、動植物脂肪、界面活性剤、ペクチン、カルボ
キシメチルセルロース、アルギン酸塩、さらには
安定剤、色素、香料およびその他の成分を適宜配
合し、要すれば加熱溶融または溶融撹拌したもの
などがすべてそのまま採用可能である。

本発明に美白剤として用いられる２−アルキル
−５−オキシ−γ−ピロン化合物は、従来のその
作用効果についてほとんど未知の物質であり、か
かる２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロン化合
物が人体皮膚のチロジナーゼの作用を阻害し、メ
ラニン生成を抑制して顕著な美白効果を奏するこ
とは従来何人も予期しえなかつたことであり、本
発明者によとつて初めて明らかにされたものであ
る。

好適に採用される２−アルキル−５−オキシ−
γ−ピロン化合物としては、たとえばアロマルト
ールなどが代表例としてあげられる。これらのγ
−ピロン化合物のメラニン生成抑制作用につい
て、つぎに実験例をあげて説明する。

実験例 0.01％（重量％、以下同様）マロマルトール水
溶液を調製した。

ついで、試験管にＬ−チロジン溶液（0.3mg／
ml）を１ml、マツクルベイン氏の緩衝液（PH
6.8）を１mlおよび前記アロマトール水溶液を0.9
ml入れて37℃の恒温水槽中で10分間インキユベー
トしたのち、これにチロジナーゼ溶液（１mg／
ml）を0.1ml加えてよく撹拌し、ただちに分光光
度計にセツトして475ｍμにおける吸光度を経時
的（分単位）に測定し、生成してくる赤色のドー
パクローム（メラニン色素の前駆物質）の生成量
と時間との関係を求めた。

添付図面は以上の実験結果を示すグラフである
が、このグラフからアロマルトールがメラニン色
素の前駆物質であるドーパクロームの生成を強力
に抑制する作用を有しており、したがつてすぐれ
た美白効果、日焼防止効果を奏するものであるこ
とがわかる。

かかる３（または５）−オキシ−γ−ピロン化
合物は、前記実験結果からわかるように通常0.01
％水溶液ですぐれたドーパクローム生成抑制効果
を発揮するものであり、化粧料基材に２−アルキ
ル−５−オキシ−γ−ピロン化合物を含有せしめ
て本発明の色白化粧料をうるばあい、その含有量
は５％以下、なかんずく0.01〜2.0％程度で充分
であり、このように微量であつても本発明の目的
を完全に達成することができる。

またかかる２−アルキル−５−γ−ピロン化合
物は一般に化粧料基材に対する配合性が良好であ
り、かつPH、熱、脱色などに対する経時変化が小
さく安定性が良好であるから、これを含有せしめ
た本発明の色白化粧料は保管中に効能が低下した
り、変質したりすることのない優秀な製品であ
る。

つぎに本発明の色白化粧料の処方例を列挙する
が、本発明はもとよりこれらの処方例のみに限定
されるものではない。

処方例１〔ローシヨン〕（成分）（重量部）アロマルトール 0.5 アミノ酢酸 0.20 塩酸ピリドキシン 0.05 フエノールスルホン酸亜鉛 0.30 プロピレングリコール 8.00 エタノール 5.00 精製水 86.35 香料および防腐剤少量処方例２〔パツク〕（成分）（重量部）ピロメコン酸 0.25 アミノ酢酸 0.20 フエノールスルホン酸亜鉛 0.30 プロピレングリコール 13.00 カルボキシビニルポリマー 1.20 水酸化ナトリウム 0.14 エタノール 2.50 酸化チタン 0.02 精製水 82.54 香料および防腐剤少量処方例３〔パツク〕（成分）（重量部）ポリビニルアルコール 15.00 ポリビニルピロリドン 4.00 プロピレングリコール 6.00 エタノール 10.00 アロマルトール 0.5 精製水 69.70 香料および防腐剤少量処方例４〔ミルクローシヨン〕（成分）（重量部）ステアリン酸 2.00 セタノール 0.50 ラノリン 2.00 オレイルオレエート 2.00 スクワラン 3.00 流動パラフイン 8.00 乳化剤 2.60 ピロメコン酸 0.2 トリエタノールアミン 1.00 プロピレングリコール 4.00 精製水 74.90 香料、酸化防止剤および防腐剤少量処方例５〔バニシングクリーム〕（成分）（重量部） MCステアリン酸 8.00 ミツロウ 5.00 セタノール 3.00 ラノリン 2.00 ミリスチン酸イソプロピル 6.00 流動パラフイン 7.00 オリーブ油 2.00 乳化剤 5.50 ピロメコン酸 0.4 トリエタノールアミン 0.60 プロピレングリコール 3.00 精製水 57.70 香料、酸化防止剤および防腐剤少量処方例６〔コールドクリーム〕（成分）（重量部）ミツロウ 10.00 セレシン 7.00 白色ワセリン 3.00 ラノリン 3.00 ミリスチン酸イソプロピル 3.00 スクワラン 4.00 流動パラフイン 40.00 ポリオキシエチレンセチルエーテル 2.70 乳化剤 2.30 アロマルトール 0.3 プロピレングリコール 2.00 精製水 23.00 香料、酸化防止剤および防腐剤少量（メラニン生成抑制試験）処方例５のクリームを用いて20〜50才の女性65
人の色素沈着症患者に対して３カ月間にわたつて
１日１回患部に塗布した。

その結果、被検患者のうち症状が完治したもの
21名、症状の改善をみたもの32名、および変化の
なかつたもの12名であつた。

この試験結果から、何らかの症状の改善をみた
ものは81％にも達し、顕著なメラニン生成抑制効
果があることが判明した。

また処方例６のコールドクリームについても同
様の試験を行なつたところ、同程度の結果がえら
れた。

【図面の簡単な説明】

図面はアロマルトールのメラニン生成抑制効果
を示すための、ドーパクロームの生成量と時間と
の関係を示すグラフである。

Claims

【特許請求の範囲】１一般式：（式中、Ｒは低級アルキル基−である）で示さ
れる２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロン化合
物を含有せしめたことを特徴とする色白化粧料。２２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロン化合
物の含有量が５重量％以下である特許請求の範囲
第１項記載の色白化粧料。３２−アルキル−５−オキシ−γ−ピロン化合
物がアロマルトールである特許請求の範囲第１項
または第２項記載の色白化粧料。