JPS6155963B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、電動歯ブラシの改良に関するもので
ある。

従来の電動歯ブラシのブラシ１４の運動には揺
動運動（第１図ａ）、楕円運動（第１図ｂ）、揺動
＋往復運動（第１図ｃ）などの３タイプの運動方
式があるが、いずれの方式もブラシ１４の毛先を
歯に当ててみがくわけであるが、ブラシ１４の毛
先が歯をこするよう適度な押付を与えてやらなけ
れば歯の清掃は行われず、押付けが不充分である
と清掃効果が悪い。また、常時押付けが必要であ
るから手が疲れる。さらにブラシ１４の毛先その
ものが振動しないから、細部の清掃が不充分であ
り、歯肉へのマツサージ効果が低い等の欠点があ
つた。更に、従来の電動歯ブラシのブラシ体１３
の運動として３タイプのものを示したが、揺動運
動の他に上下動運動もあり、また揺動運動＋上下
動運動あるいは振動運動がある。第２図は揺動運
動の場合を示しているが、揺動運動の場合は揺動
の折り返し点であるＸ点及びＹ点ではその運動が
止まるために、仕事がされないものである。ま
た、上下動運動の場合においてもその折り返し点
で仕事ができない死点が生じるという問題があ
る。

本発明は、かかる従来例の欠点に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、単に歯にブ
ラシを当てているだけで歯の細部までの清掃が十
分に行え、且つ歯肉のマツサージ効果が高い電動
歯ブラシを提供するにある。

以下、本発明を図示実施例に従つて詳述する。
把持部Ａは有底筒状のもので、蓋Ｂを底部に被嵌
してあつて下部に電池１９を内蔵しており、上部
に防振ゴムによつて被覆されたモータ１を内蔵し
ており、外周にモータ１開閉用のスイツチ１８を
配設してある。モータ出力軸２は把持部Ａの開口
方向（図中上方）に向けて突出してあり、モータ
出力軸２の基部に駆動歯車３を挿通固着してあ
り、先端部に伝達しバー５を回転自在に挿通して
ある。伝達レバー５の下面側にはモータ出力軸２
を中心として径方向に摺動長溝２０を凹設してあ
り、伝達レバー５の上面には上方に駆動側突部２
１を突出してあつて揺動用スプリング７の下端が
嵌着してある。また、摺動長溝２０の下方には支
持軸１６を立設してあつて支持軸１６に挿通した
復帰ばね１７上に伝達歯車４を回転自在且つ摺動
自在に挿通してあり、伝達歯車４の上面より突出
した偏心ピン２２を摺動長溝２０内に摺動自在に
配設すると共に伝達歯車４を駆動歯車３に噛合し
てある。また、伝達歯車４の胴部全周に係合凹溝
２３を凹設してあつて把持部Ａの外周面に露出す
るように配設されていて把持部Ａの長手方向に往
復運動する切換ハンドル１５を係合凹溝２３に係
合してある。尚、上記伝達歯車４、伝達レバー
５、揺動用スプリング７等で、モータ１の回転運
動を揺動運動に変換する変換装置を構成してい
る。９はブラシ取付台で、上方開口の上部筒部内
にはベアリング１０を配設してあり、下方開口の
内側の従動側突部２５には揺動用スプリング７の
上端が嵌着してある。また、８は防水用のカバー
で可撓性に優れており、その下端を把持部Ａの上
端外周に嵌着してあり、その上端をブラシ取付台
９の下部外周に嵌着してある。また、前記のベア
リング１０には回転軸１２を取付けてあり、回転
軸１２とモータ出力軸２１とを振動用スプリング
６にて接続すると共に回転軸１２の先端に偏心バ
ランサ１１を装着してある。尚、振動用スプリン
グ６、回転軸１２、偏心バランス１１等で、ブラ
シ体１３に振動を与える振動装置を構成してい
る。１３はブラシ体で、下方が開口しており、こ
の下方開口部２４がブラシ取付台９の上部外周に
着脱自在に嵌着してあり、ブラシ体１３の先端部
側面にブラシ１４を植設してある。

次に、この電動歯ブラシの動作状態について説
明する。ますスイツチ１８をオンにするとモータ
１が回転し、モータ出力軸２が振動用スプリング
６を介して回転軸１２を回転させる。すると回転
軸１２の回転に伴つて偏心バランサ１１も回転
し、振動を発生し、ブラシ取付台９を介して振動
をブラシ１４に伝達する。一方、モータ出力軸２
に嵌着された駆動歯車３は支持軸１６に遊嵌して
ある伝達歯車４を回動させる。すると伝達歯車４
の上面より突出している偏心ピン２２も支持軸１
６の回りを回動することになるが偏心ピン２２が
揺動長溝２０内に摺動自在に嵌り込んでいるため
伝達レバー５はモータ出力軸２を中心にして偏心
ピン２２の回転直径に等しい振幅をもつて揺動運
動する。この伝達レバー５の揺動運動は揺動用ス
プリング７を介してブラシ取付台９に伝達され、
ブラシ体１３が揺動する。このようにしてブラシ
体１３には揺動運動と振動とが同時に伝達され、
歯の細部まで磨くことになる。次にブラシ体１３
を振動運動だけさせる場合について言えば、切換
ハンドル１５を復帰ばね１７に抗して把持部Ａの
後方側に引くと伝達歯車４の偏心ピン２２が摺動
長溝２０から抜去され、伝達歯車４は空転するだ
けとなつて伝達レバー５を揺動させなくなる。し
かしながらモータ出力軸２と回転軸１２とは振動
用スプリング６にて接続してあるので、依然とし
て偏心バランサ１１による振動は発生しており、
ブラシ１４を歯肉又は歯に当てると歯肉マツサー
ジ又は歯みがきを行うことができるのである。ブ
ラシ１４の揺動運動を再開しようとすれば、切換
えバンドル１５のロツクを外す。すると復帰ばね
１７の弾発力にて伝達歯車４が伝達レバー５側に
摺動し、摺動長溝２０に偏心ピン２２が再度嵌り
込むことになる。このように、切換ハンドル１５
によつてブラシ１３に振動運動と揺動運動とを与
えたり、振動運動のみに切り換えることができる
ものであり、好みの使い方が可能であり、使い勝
手が良いものである。なお、ブラシ取付台９と把
持部Ａとは振動用及び揺動用スプリング６，７に
て接続してあるため、ブラシ体１３側の振動が把
持部Ａ側に伝達されず、振動による使用時の不快
感がない。

本発明は上述のように、モータを収容した把持
部と、把持部の側方に突出したブラシを有するブ
ラシ体と、該ブラシ体を駆動させるモータと、該
モータの回転運動を揺動運動に変換する変換装置
と、ブラシ体に振動を与える振動装置とを具備
し、モータの回転運動を揺動運動に変換する変換
装置の揺動運動を行なう伝達レバーにブラシ体を
揺動用スプリングを介して連結し、ブラシ体に振
動を与える振動装置を振動用スプリングを介して
モータの出力軸に連結した偏心バランサで構成し
たものであるから、ブラシ体が揺動運動又は上下
動運動あるいは揺動運動＋上下動運動又は振動運
動の従来と比べ、特に揺動運動及び上下動運動の
場合におけるその折り返し点で仕事がされず死点
が生じていて、折り返し点の部分で歯をみがくこ
とができなかつたのであるが、ブラシ体に振動運
動を与えることで、つまり、揺動運動と振動運動
とを併用することで、揺動運動の折り返し点でも
ブラシの毛先が振動するため、常に歯みがき効果
があるものであつて、歯みがきの仕事量が高いも
のであり、従つて、ブラシ体のブラシが歯を揺動
運動で磨くと共に、ブラシの毛先が振動に細かく
震え、歯の細部まで毛先が致達して歯みがき能力
を高める効果を奏するものである。更に、ブラシ
の毛先が振動しているため、ブラシの歯面への押
圧力にばらつきが生じても歯みがき効果に差異が
生せず、均一な歯みがきが行なえるものであり、
しかも、このようにブラシの毛先が振動している
ため、ブラシを歯面に強く押しつけておく必要が
なく、特に、手に力のない幼児、老人又は病人な
どにおいて手が疲れず、長時間の使用に耐えるこ
とができ、使い勝手が良いものである。また、上
述のように、ブラシには揺動運動と振動運動とが
伝達されるのであるから、口腔細部の清掃、清掃
時間短縮のみならず、歯肉のマツサージに効果的
であり、歯槽膿漏の予防、健康歯肉の維持に適し
ている効果を奏するものである。更に、ブラシ体
に揺動運動を与えたり、振動運動を与えるのに、
揺動用スプリング及び振動用スプリングを介して
行なつているため、ブラシ体の揺動運動や振動運
動が把持部には伝達されず、揺動運動や振動運動
による使用時における不快感はない効果を奏する
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブラシの運動状態を示す説明
図、第２図は従来例の揺動運動の場合の説明図、
第３図は本発明の一実施例の破断側面図である。 Ａは把持部、１はモータ、５は伝達レバー、６
は振動用スプリング、７は揺動用スプリング、１
１は偏心バランサ、１３はブラシ体、１４はブラ
シを示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モータを収容した把持部と、把持部の側方に
   突出したブラシを有するブラシ体と、該ブラシ体
   を駆動させるモータと、該モータの回転運動を揺
   動運動に変換する変換装置と、ブラシ体に振動を
   与える振動装置とを具備し、モータの回転運動を
   揺動運動に変換する変換装置の揺動運動を行なう
   伝達レバーにブラシ体を揺動用スプリングを介し
   て連結し、ブラシ体に振動を与える振動装置を振
   動用スプリングを介してモータの出力軸に連結し
   た偏心バランサで構成して成ることを特徴とする
   電動歯ブラシ。 ２ ブラシ体の周方向の揺動運動を把持部に設け
   た切換ハンドルによりオン・オフさせて成ること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の電動
   歯ブラシ。