JPS6155188B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はビデオデイスク等の情報記録円板再生
用ピツクアツプに関する。

ビデオデイスク再生用ピツクアツプの針先はき
わめて微小かつ精密に加工されており、デイスク
との接触圧力（針圧）も数十ミリグラム程度であ
つて小さい。一方デイスクの回転数は通常900〜
1800回転であるため、誤つて針先をデイスク上に
落下させたり、デイスク端部に引掛けたりすると
針先が破損し、信号再生が不能となるため、針先
保護装置が必要となる。

第１図は従来のビデオデイスク再生用ピツクア
ツプの一例であり、１は先端に走査針２を有する
カンチレバー、３はカンチレバー１の後端に固定
されてカンチレバーの長手方向両側面を磁極とす
るマグネツト、４はカンチレバー１の先端附近に
接着された矩形状のヘツドダンパー、５はカンチ
レバー後部を保持する棒状のサポートダンパーで
あり、両ダンパー４，５の端部はベース６に固着
されている。７はトラツキング制御（デイスク面
上の情報トラツクに垂直な方向）およびジツタ制
御（情報トラツク方向の制御）を行うアクチユエ
ータであり、８，９はそれぞれトラツキング制御
およびジツタ制御用のコイル体でコイルホルダー
１０に固定されており、動作時にはトラツキング
制御用コイル体８の内部にマグネツト３が挿入さ
れる。１１はカンチレバー１の下側に設けられた
針先保護用のレバーであり、支軸１２のまわりに
回動可能となされている。１３はカムであり、ピ
ツクアツプアーム（図示しない）と連動し又は手
動によつてレバー１１の後端をＡ部に係合する下
方位置とＢ部に係合する上方位置との間に運動せ
しめる。レバー１１の後端が下方位置にあるとき
レバー１１の先端はカンチレバー１を実線位置、
すなわちサポートダンパー５を支点として上方に
回動した位置とする。このときヘツドダンパー４
は変形せしめられており、針先２はデイスク１４
の面よりも上方に位置し、針先の破損は防止され
る。レバー１１の後端がカム１３のＢ部と接触し
て上方位置を取ると、レバー１１は支軸１２のま
わりに回動して破線位置を取り、カンチレバー１
はレバー１１から解放されて破線位置を取り、針
先２がデイスク１４に接触して再生が行われる。

上記構成の装置にあつてはカンチレバー１と接
触するレバー１１の動きで針先の上下を行つてい
るので、針先の落下速度、落下位置が不安定とな
りやすく、カム部とデイスク位置との間に誤差が
あると針先がデイスクの端部や外部に落下するお
それもあり、走査針２やカンチレバー１を破損す
る危険性があつた。従つて加工および調整の精度
を高める必要があり、信頼度の高い機構を得るこ
とが困難であつた。

本発明の目的は上記した従来装置の欠点をなく
し、簡単な構造で針先を上下運動せしめ、これに
よつて安全確実に針先を保護すると共に、デイス
ク走査時に自由に針圧を変えることを可能とする
ピツクアツプを提供するにある。

本発明によれば、カンチレバー先端に設けた走
査針と、カンチレバー後端に設けたマグネツト
と、カンチレバーを保持するダンパーとから成
り、マグネツトに近接してトラツキング制御用コ
イル体およびジツタ制御用コイル体を設けた形式
の情報記録円板（デイスク）再生用ピツクアツプ
装置において、該マグネツトに近接して別のコイ
ル体を設け、該別のコイル体に電流を供給するこ
とによつて走査針をデイスク面に垂直方向に変位
させるように構成したピツクアツプ装置が提供さ
れる。

本発明の実施例を添付図面を参照して説明す
る。第２図および第３図において８はトラツキン
グ制御用コイル体、９はジツタ制御用コイル体、
１０は各コイル体が固定されるコイルホルダー、
１６はコイルリード線である。コイル体８，９に
隣接して本発明による垂直方向駆動用コイル体１
５が設けられ、これはその軸方向がマググネツト
３の着磁方向と一致しており、マグネツト３とコ
イル体１５の各垂直中心軸１７がほぼ一致する位
置に設置されている。コイル体１５に直流電流を
供給するとコイル体１５の周辺に第３図に矢印で
示す如く磁束φが発生し、コイル体１５は等価的
に図示の如くＮ極、Ｓ極を有する電磁石となる。
マグネツト３の着磁方向が図示の如くデイスク内
周方向にＮ極、デイスク外周方向にＳ極であつた
とすると、マグネツト３とコイル体１５との間に
反撥力が作用し、カンチレバー１の後端に固定さ
れたマグネツト３は垂直下方に移動し、カンチレ
バー１はサポートダンパー５を支点として回動
し、針２は上方に移動する。レバー１はサポート
ダンパー５の回動に対するばね定数、ヘツドダン
パー４の垂直方向ばね定数によつて定まる角度θ
だけ回動した位置で静止する。電流値を適当に選
ぶことにより針先をピツクアツプアームの底面よ
り所望の高さだけ上方に引上げることができ、針
先をデイスクの回転などから保護することができ
る。電流を徐々に減少させることにより走査針を
任意の緩かな速度で正確にデイスク面上におろす
ことができるので、針先の破損を防止することが
できる。さらに、デイスク走査時に小電流を供給
することにより針圧の微調整を行うこともでき
る。これら操作がすべてカンチレバーに接触する
ことなく、単に電流を制御することによつて容易
に行うことができる。

動作の態様を第４図、第５図を参照して説明す
ると、デイスクが静止してピツクアツプアームが
レスト位置にあるとき、垂直駆動用コイル体１５
には電流が流れず、カンチレバーは第４図の位置
にある。デイスクプレーヤーのスタートボタンを
押すとデイスクが回転を開始しピツクアツプアー
ムはデイスクに向つて移動しはじめる。同時にコ
イル体１５には電流が供給され、カンチレバー１
は第５図の状態に変位し、針先は被保護状態とな
る。ビツクアツプアームがデイスクの外周まで到
達して停止すると、コイル体１５への電流が徐々
に減少し、針先は静かにデイスク上に下降する。
ピツクアツプアームの高さを所定の値に調整して
おけばカンチレバー１が微小角度だけ変位した状
態で針先がデイスク面に接触し、針先に所定の針
圧が与えられる。なお、針先下降の始動は手動に
よつて行つてもよい。針圧を微調整したいときは
コイル体１５に小電流を供給してマグネツト３に
僅かな反撥力又は吸引力を与えればよい。

別の動作例としてはコイル体１５に電流を供給
しない状態でカンチレバー１が第５図の状態にな
るように設定しておき、デイスク走査時にコイル
体１５に電流を供給してマグネツト３に吸引力を
与えてカンチレバー１を第４図の状態とするよう
にしてもよい。

第６図、第７図はコイル体１５の他の実施例を
示している。第６図はマグネツト３の両側にコイ
ル体１５を設けて直列に接続したものであり、マ
グネツト３の各磁極に対向してカンチレバー１の
長手方向に平行なコイル部によつて発生する上下
方向の力の反力でマグネツト３を上方又は下方に
変位させるものである。

第７図は半円状のコイル体１５の両開口部がマ
グネツト３の各磁極の上方に位置するように配置
したものである。

本発明によるコイル体１５の形状、位置はコイ
ル体１５が発生する磁束によつてトラツキング方
向およびジツタ方向には何等の駆動力も生じない
ように構成されているから、トラツキング制御お
よびジツタ制御はコイル体１５の影響をうけるこ
となく正確に行うことができる。

本発明によればカンチレバーに接触することな
しにカンチレバーをデイスク面に対して垂直方向
に回動させることができるので、確実に針先を保
護でき、電流の制御によつて安全かつ正確に針先
をデイスク面に下降させることができるので針先
を破損するおそれがない。トラツキング制御およ
びジツタ制御に影響を与えることなく、針圧の調
整も容易である。従来のような複雑な機構が不要
となり、摩耗、摩擦のおそれもなく、信頼性が高
く且つ低コストな情報記録円板用ピツクアツプ装
置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のピツクアツプ装置の一例を示す
斜視図、第２図、第３図は本発明の一実施例の要
部を示す斜視図、第４図、第５図は本発明による
ピツクアツプの動作を示す概略側面図、第６図、
第７図は他の実施例の要部を示す斜視図である。 １：カンチレバー、２：走査針の針先、３：マ
グネツト、４：ヘツドダンパー、５：サポートダ
ンパー、６：ベース、８：トラツキング制御用コ
イル体、９：ジツタ制御用コイル体、１５：垂直
駆動用コイル体、１０：コイルホルダー、１６：
リード線、１４：デイスク（円板）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ カンチレバー先端に設けた走査針と、カンチ
   レバー後端に設けたマグネツトと、カンチレバー
   を保持するダンパーゴムとから成り、前記マグネ
   ツトに近接してトラツキング制御用コイル体およ
   びジツタ制御用コイル体を設けた情報記録円板再
   生用ピツクアツプ装置において、前記マグネツト
   に近接してコイル体を設け、該コイル体に電流を
   供給することによつてマグネツトを吸引又は反撥
   させることによつて走査針を円板の面に垂直方向
   に変位させるように構成したことを特徴とする前
   記情報記録円板再生用ピツクアツプ装置。