JPS6153376B2 - - Google Patents

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JPS6153376B2
JPS6153376B2 JP8998880A JP8998880A JPS6153376B2 JP S6153376 B2 JPS6153376 B2 JP S6153376B2 JP 8998880 A JP8998880 A JP 8998880A JP 8998880 A JP8998880 A JP 8998880A JP S6153376 B2 JPS6153376 B2 JP S6153376B2
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JP
Japan
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polysilane
reaction
skeleton
present
organosilicon polymer
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JP8998880A
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JPS5716029A (en
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Yoshio Hasegawa
Takeo Kobori
Kazushige Fukuda
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KUROSAKI YOGYO KK
TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
Original Assignee
KUROSAKI YOGYO KK
TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO
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Publication date
Application filed by KUROSAKI YOGYO KK, TOKUSHU MUKI ZAIRYO KENKYUSHO filed Critical KUROSAKI YOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、主としてカルボシラン骨格とポリシ
ラン骨格とからなる新規な有機ケイ素重合体の製
法に関する。 ケイ素原子と炭素原子が交互に結合した骨格を
有し、ケイ素原子に側鎖有機基を有する重合体
は、ポリカルボシランと呼ばれ、その用途として
は、この重合体が非酸化性雰囲気下で焼成するこ
とによつて炭化ケイ素を主成分とする無機物に転
換することから、炭化ケイ素の原料として用いら
れ、例えば、炭化ケイ素繊維、焼結助剤、含浸
剤、炭化ケイ素微粉末などとして利用されてい
る。 従来知られているポリカルボシランとしては、
モノシランを、リサイクルのできる流通式装置に
より600−800℃の高温で熱分解縮合反応させるこ
とにより合成されるFritz;Angew.Chem.、79
p657(1967)等により開示されたもの、またオ
ルガノポリシランをオートクレーブのような加圧
容器を用いて高圧下で400−470℃で熱分解縮合反
応させることにより合成される、特願昭50−
50223号、特願昭50−149468号および特願昭51−
21365号等により開示されたものがある。さら
に、本発明者らが先に特許許出願した特願昭52−
127630号に記載される、オルガノポリシランに、
Siの側鎖の少なくとも一部にフエニル基を有する
ポリボロシロキサンを反応促進剤として添加して
常圧下で250−500℃で熱分解縮合反応させる方法
によつて、シロキサン結合を一部含むポリカルボ
シランを合成することができる。これらの合成方
法では、リサイクルのできる流通装置でしかも高
温を必要としたり、加圧容器を用いた高圧下での
反応であり工業的には不利である。またポリボロ
シロキサンのような特殊な反応促進剤を使う場合
は、生成したポリマー中にシロキサン結合を含む
ために焼成物中の酸素をできる限り少なくしたい
場合には適当でない。 これら従来のポリカルボシランは、非酸化性雰
囲気で焼成することによつて炭化ケイ素に転換で
きることから、耐熱無機材料の原料としてきわめ
て有用であり、特に通常の有機溶媒に可溶で、し
かも熱可塑性であるために、様々な形状を有する
成型体とすることができる。しかし、これら成形
体をその形状を保持したまま加熱焼成するために
は、前処理として、成型したポリカルボシランを
キユアリングにより不融化しなければならない。
この不融化の最適な方法は空気中で加熱すること
であるが、そのためには、ポリカルボシランの軟
化点付近まで徐々に加熱するか、低温で非常に長
時間加熱することが必要であつた。しかしながら
従来のポリカルボシランにおいては、不融化のた
めの加熱中に成型体が溶融するという欠点や、あ
るいは成形体内部まで不融化が充分に達成されな
い等の欠点があり、これらの欠点を解決すること
は極めて困難であつた。 本発明者らは、従来法における上記の欠点を克
服するために鋭意研究を行つた結果、リサイクル
のできる流通式装置や、加圧容器等の特殊な装置
を用いず、また、ポリボロシロキサンの如き特殊
な反応促進剤を用いる必要がなく、それ故、シロ
キサン結合を含まない、主としてカルボシラン骨
格とポリシラン骨格とからなる新規な有機ケイ素
重合体の製造法を発明した。更に、本発明者らは
上記の方法によつて得られる主としてカルボシラ
ン骨格とポリシラン骨格とからなる有機ケイ素重
合体は、ポリシラン骨格を有するために従来法で
得られるポリカルボシランより不融化し易くしか
も非酸化性雰囲気中での焼成残留率が高いという
すぐれた性能の新規な有機ケイ素重合体であるこ
とを見出した。 本発明によれば、 なる構造を有するポリシランに対して、一種ある
いは二種以上の無水ハロゲン化金属を0.5〜10重
量%添加混合し、反応に対して不活性な雰囲気下
において、該混合物を加熱して反応させることを
特徴とする、カルボシラン骨格とポリシラン骨格
を有する有機ケイ素重合体の製造方法が提供され
る。 上記の方法によつて得られる本発明の有機ケイ
素重合体は下記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)および(F)なる
構造単位から主としてなるものと推定され、
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】 (RはCH3またはHを表わす) 該構造単位が、鎖状、分枝状、および、環状構
造を形成し、さらに主鎖骨格中に
【式】(2≦n≦10)、のポリシラン骨格 を有する有機ケイ素重合体である。 本発明の有機ケイ素重合体は、450−300cm-1
遠赤外領域に吸収を有し、紫外吸収スペクトルに
おいて吸収末端が340−370nmに生じ、数平均分
子量が400−5000である。 以下に本発明をより詳細に説明する。 本発明の方法において使用する出発原料の一つ
なる構造を有するポリシランであり、鎖状あるい
は環状のいずれであつてもよく、更にこの種の構
造が混合したものであつてもよいが、10≦nの直
鎖状ポリシランが好ましく末端基はOH又はCH3
であることが好ましい。またメチル基の一部がエ
チル基、フエニル基、あるいは水素であるポリシ
ランも使用できるが、生成物の収率が低下した
り、また水素を一部有するポリシランは不安定で
発火しやすいので好ましくない。 本発明で使用するポリシランは例えば三枝武
夫・伊藤嘉彦・熊田誠著による「有機金属化合物
を用いる合成反応(下)」丸善や、M.Kumada
and K.Tamao、Advan.Organometal.Chem.、
、19(1968)等に記載されている種々な方法に
よつて合成することができ、鎖状ポリシランはメ
チルハロゲノシランのナトリウム、カリウム、ナ
トリウム・カリウム合金、あるいはリチウムなど
のアルカリ金属による縮合反応を利用して合成さ
れる。 本発明の方法において使用するもう一つの出発
原料は、無水ハロゲン化金属であり、族(アル
カリ土金属および亜鉛族)、族、炭素を除く
族、族(鉄族)、および、、族の各b亜
族に属する元素と、さらにアンチモンおよびビス
マスのハロゲン化物の一種あるいは二種以上の混
合物を用いることができる。ハロゲン化金属とし
てはフツ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化物
のいずれも用いることができるが、塩化物と臭化
物が好ましく、特に塩化物が好ましい。また無水
ハロゲン化金属が好ましく、含水塩を用いると、
反応が進行しなかつたり、生成する有機ケイ素重
合体の骨格に酸素が含まれるようになるので好ま
しくない。使用できるハロゲン化金属としては、
例えばBeCl2、SrCl2、NdCl3、ThCl4、TiCl4
ZrCl4、HfCl4、VCl3、VCl4、NbCl5、TaCl5
CrCl3、MnCl2、FeCl3、CoCl2、ZnCl2、AlCl3
GaCl3、TlCl、SiCl4、GeCl4、SnCl4、PbCl2
SbCl5、SbCl3、BiCl3、AlBr3、GaBr3がある。こ
れらのなかで、AlCl3、GaCl3、MnCl2、ZrCl4
TiCl4、VCl3、CrCl3、が生成物を高分子量化す
るめには特に好適であるが、これらの一種とこれ
ら以外の塩化物の混合物を使用することにより、
さらに必要であれば微量のハロゲン化水素の存在
下で反応を行なわせることができ、得られる有機
ケイ素重合体の分子量分布の制御を容易に行なう
ことができる。 本発明の方法においては、前記 なる構造を有するポリシランに対して、前記無水
ハロゲン化金属の一種または二種以上の混合物を
0.5〜10重量%添加混合し、反応に対して不活性
な雰囲気下において該混合物を加熱して反応させ
る。 本発明の方法の重要な利点の一つは、混合物を
加熱反応させる装置として、特殊な装置を必要と
せず通常の電気炉等による加熱炉で例えばステン
レス製の缶状の反応容器を加熱し、その際反応中
に生成する低沸点成分を冷却還流できる還流器具
と、反応に不活性なガスの流入口と流出口が装備
されていればよく、従来のポリカルボシランの製
法における如く、加圧容器やリサイクル可能な流
通式装置等を使用しなくてもよい点であり、もう
一つの利点は、ポリボロシロキサンのようなきわ
めて特殊な反応促進剤を用いなくても、容易に入
手できる無水ハロゲン化金属を使用できるという
点である。 本発明の方法においては、加熱による反応を、
反応に不活性なガス雰囲気下において行うことが
必要である。反応を空気中の如き酸化性雰囲気中
で行うと、原料のポリシランが酸化され好ましく
ない。反応に不活性なガスとしては窒素、アルゴ
ンが特に好適である。 また反応は、一般に常圧で行うことが好まし
く、真空中や減圧下で反応を行うと生成した低分
子量成分が系外に留出し著しく収率が低下するの
で好ましくない。本発明の方法を実施するために
は、不活性ガスを反応部に気流として送りこみな
がら反応させることが好ましく、その理由は、こ
れにより反応器内の圧力が常圧に保たれ、温度上
昇や、反応中に生成する例えば水素、メタンのよ
うなガスによる圧力上昇を防ぐことができるから
である。 本発明の方法における加熱温度は従来法に比べ
て低温であり、通常250℃以上好ましくは280〜
400℃であることが本発明の方法の利点の一つで
ある。反応温度が250℃以下では反応が十分進行
せず、450℃以上では、生成した有機ケイ素重合
体のゲル化が生じるので好ましくない。 また本発明の方法における反応時間は通常3時
間以上であり、使用するハロゲン化金属の種類に
よつて異なるが一般的に20時間以上反応させて
も、得られる有機ケイ素重合体に何ら実質的な向
上は見られない。 本発明の方法において無水ハロゲン化金属の添
加量は、ポリシランに対して0.5〜10重量%とす
る。その理由は、0.5%以下では、生成する有機
ケイ素重合体中のポリシラン骨格の割合がカルボ
シラン骨格に比較して非常に大きく、通常の有機
溶媒に不溶となつたり、また非酸化性雰囲気中で
の焼成残留率がきわめて小さくなるので好ましく
ない。他方10重量%以上加えることは、生成物が
ゲル化したり、また10重量%以上加えてもゲル化
しない無水ハロゲン化を使用することは、実際に
本発明の有機ケイ素重合体を製造する上で不経済
であり、その場合には二種以上の無水ハロゲン化
物の混合物を使用することが実用的である。好適
な無ハロゲン化物の添加量は1.0〜8.0重量%の範
囲である。 以上のような反応により得られた有機ケイ素重
合体は、溶媒に溶かして過し、必要に応じて加
熱過し、その後溶媒を蒸発させて精製すること
ができ、必要ならば50〜450℃の温度範囲で、常
圧、あるいは減圧下で低分子量成分を蒸留により
除去し、平均分子量を上げることができる。かか
る溶媒としては、例えばn−ヘキサン、シクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラ
ヒドロフランなどがある。また蒸留以外に平均分
子量を上げる方法として、上記良溶媒と例えばア
セトン、メタノール、エタノール等の貧溶媒の混
合溶媒により、高分子量成分を選択的に沈殿させ
て分別する方法もある。 本発明の方法の新規な特徴は、ポリシランに小
量の無水ハロゲン化金属を添加した混合物から、
主としてカルボシラン骨格とポリシラン骨格とか
ら成る有機ケイ素重合体を製造するという点にあ
り、特殊な反応装置および、特殊な反応促進剤を
必要とせず、加熱温度も比較的低いという利点を
もたらしたものと考えられる。以下に、ポリシラ
ンに小量の無水ハロゲン化金属を添加することに
よつて何故上記のような利点がもたらされるかと
いう機構についての考察を述べるが、これは単に
一つの推論を述べたに過ぎないものであり、この
考察によつて本発明がなんら限定されるものでは
ない。 本発明の方法の一つの出発原料であるポリシラ
ンは、非酸化性雰囲気中においては、通常約180
℃以上の加熱温度によつて徐々に熱分解を始め約
250℃から熱分解が盛んになつて、280℃以上では
熱分解により、大部分が例えばモノシラン、
【式】低分子量のポリシラン、 、または一部カルボシラン化した低分子量ポリシ
ランの混合物に転換され、そして熱分解は約400
℃で終了する。これら低分子量生成物は反応系外
に放出され易いものであり、重合反応を収率よく
実施するためには、従来、低分子量生成物の飛散
を防止するために、加圧密閉容器、または低分子
量成分を高温に加熱した部分にリサイクルして
徐々に高分子化するための流通式装置等の特殊な
装置、あるいはこれら低分子量成分とシロキサン
結合により中間生成物を形成して捕獲することが
できるポリボロシロキサンの如き特殊な反応促進
剤が必要であつた。 然しながら本発明の方法に従いポリシランと無
水ハロゲン化金属の混合物を出発原料として使用
すると、低分子量生成物が効率よくカルボシラン
骨格とポリシラン骨格から成る有機ケイ素重合体
へと転換される。その機構は、無水塩化アルミニ
ウムによつて代表されるハロゲン化金属が、いわ
ゆる広義のFriedel−Crafts反応、すなわち、ア
ルキル化、ケトン合成、カルボン酸合成、アルデ
ヒド合成、ハロゲン化、異性化、重合などの触媒
として用いられていることから単純には推定でき
ないが例えば次のような推論を述べることができ
る。 本発明で用いるポリシランは約180℃以上の温
度で徐々に熱分解を始め、低分子量成分を生成す
るが、主にこれらはSi−Si結合のラジカル切断に
よるもので生成したラジカルはポリシランのメチ
ル基から水素原子を引き抜く。 水素を引き抜かれたメチル基がラジカル転移反
応により
【式】なるカルボシラン結合を形成する 場合もあるが、反応系内にはラジカルが多数生成
するために、ラジカル同士の再結合が主として起
り、安定なモノシラン、ポリシラン、一部カルボ
シラン化したポリシランの如き低分子量生成物と
なつていくが、この時ハロゲン化金属が存在する
とポリシランのメチル基のハロゲン化が起きる。
その機構は不明 だが、おそらく微量に含まれるハロゲン化水素が
存在するためだと考えられる。このようにハロゲ
ン化されたメチル基を有するポリシランはハロゲ
ン化金属の触媒量の存在下で分子内転移によつて
容易にカルボシラン結合 を生成し、しかもケイ素原子上に移動したハロゲ
ン原子は反応系内に存在する水素によつて引き抜
かれてハロゲン化水素となつて再生し、メチル基
のハロゲン化を繰り返す。こうして本発明で使用
するポリシランは、安定な低分子量生成物に分解
する前に、熱分解しにくいカルボシラン骨格を多
く含む重合体へと転換される。しかし、ハロゲン
化金属のポリシランに対する触媒作用は、直鎖状
ポリシランの分岐状ポリシランへの分子内転移
や、環状ポリシラン環縮小反応にも働き、これら
の反応は一般的に最も分岐度の高い、熱的に最も
安定な異性体を生成する方向に進行するために、
本発明の方法により合成される有機ケイ素重合体
はカルボシラン骨格とポリシラン骨格より形成さ
れる。 次に上記の製造法によつて得られる本発明のカ
ルボシラン骨格とポリシラン骨格から成る有機ケ
イ素重合体について説明する。本発明の有機ケイ
素重合体のIR吸収スペクトルは例えば第1図に
示すごとく波数830cm-1付近と1250cm-1にSi−
CH3、1410、2900、2950cm-1にC−H、2100cm-1
にSi−H、1030、1355cm-1にSi−CH2−Siに基づ
く吸収を示す。また第2図に600〜250cm-1の遠赤
外部の吸収スペクトルを示すが、300〜450cm-1
及ぶ、ブロードな吸収を示す。この吸収はSi−Si
結合に基づく吸収で例えば(Me2Si)5で400cm-1
(Me2Si)6で383cm-1、(Me2Si)7で362cm-1に吸収ピ
ークを示すことから環状ポリシランに特有で、勿
論本発明で用いる直鎖状ポリシランは遠赤外部に
吸収を示さない。従つて本発明で得られる有機ケ
イ素重合体の骨格中に例えば5員環、6員環、7
員環の如きポリシラン部分を含んでいることがわ
かつた。また第3図に紫外線吸収スペクトルを示
す。このスペクトルにおいて吸収末端は340−
370nmに生じており、紫外部に大きな吸収を有
する。比較のために本発明で用いるポリシランを
オートクレーブ中470℃で14時間、最終圧力110
Kg/cm2で合成した数平均分子量1800のポリカルボ
シランの吸収スペクトルを破線で示してある。ポ
リシランは下表に示す如く
【表】
【表】 紫外部に吸収極大を示す場合が多いが、第3図に
示す吸収スペクトルは、得られた有機ケイ素重合
体の骨格中に
【式】(2≦n≦10)の鎖 状、及び/または環状のポリシラン部分を含むこ
とを示している。ヘキサン、シクロヘキサン、ベ
ンゼン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラ
ン等の通常の有機溶媒可能なものはnが10以下で
ある。nが10以上の重合体は上記する通常の有機
溶媒に不溶である。さらに1H NMRスペクトルお
よび13C NMRスペクトルの測定より、テトラメ
チルシランを標準物質として吸収ピークを化学シ
フト値を用いて示せば1H NMRスペクトルでは4
〜5.5ppmにSi−H、−1〜1.5ppmにSiMe2
SiMe、Si−CH2−、
【式】の混合した巾 広い吸収ピークを示し、13C NMRにおいても−
7〜20ppmに巾広いブロードな吸収ピークのみ
を示し、SiMe2、Si−CH2−、
【式】等の 混合していることを支持している。 化学分析による元素比率は一般にSi:40〜55、
C:30〜40、O:0.1〜3.5、H:6.5〜8.5重量%
であり、ハロゲン化金属に起因するポリマー中の
金属元素は、0.1重量%以下、通常は0.05重量%
以下である。 上記のIRスペクトル、紫外吸収スペクトル、
NMRスペクトルおよび化学分析の結果より、本
発明の有機ケイ素重合体の構造について次の如き
結論が得られる。すなわちIRスペクトルの結晶
より有機ケイ素重合体を構成する要素が、
【式】 【式】
【式】で あり、さらに遠赤外吸収スペクトルより
【式】
【式】
【式】等の環状ポリシラン部分、また 紫外吸収スペクトルより上記環状ポリシラン部分
以外に
【式】(2≦n≦10)、の鎖状ポリ シラン部分であり、さらに1H NMRスペクトル及
13C NMRスペクトルより
【式】
【式】 【式】
【式】 であると結論される。勿論カルボシラン骨格とポ
リシラン骨格より形成される例えば
【式】
【式】の如き構成要 素も存在し得る。従つて、本発明の有機ケイ素重
合体は、その構成単位が実質的に下記(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)および(F)からなるものであると推定さ
れ、 (RはCH3またはHを表わす) これら該構造単位が鎖状、分枝状、および環状
構造を形成し、さらに主鎖骨格中に
【式】(2≦n≦10)、のポリシラン骨格を 有し、例えば下記のような分子構造が推定でき
る。 本発明の方法で得られた有機ケイ素重合体は、
蒸気圧浸透法により測定した数平均分子量は400
−5000である。 本発明の方法で得られたカルボシラン骨格とポ
リシラン骨格とから成る有機ケイ素重合体は、従
来法により製造したポリカルボシランに比べ、ポ
リシラン骨格を有するために、不融化処理がしや
すいという優れた特性を有している。すなわちポ
リシラン骨格は低温度で加熱すると酸素と容易に
反応してシロキサン結合を生成することにより、
また紫外線によつても容易にラジカルを生成する
ことにより分子間に架橋を形成し不融化する。 これは、(1)本発明において、ポリシラン100g
に無水塩化アルミニウム1.5gを添加し、355℃で
16.5時間加熱して得た有機ケイ素重合体と、(2)従
来の、ポリシランをオートクレーブ中、470℃で
14時間、最終圧力110Kg/cm2で反応させて得たポリ
カルボシランと、および(3)ポリシランにポリボロ
ジフエニルシロキサンを3.2重量%添加して350℃
で6時間反応させて得たシロキサン結合を含むポ
リカルボシランとを比較した下記表より明らかで
ある。
【表】 上記表に示される如く、本発明の方法で得られ
た有機ケイ素重合体は、焼成残留率が大きく、し
かも、様々な形状の成型体が作り易いという優れ
た特性を有している。すなわち、本発明の方法で
得られた有機ケイ素重合体は、室温で粘稠な液体
から、300℃の加熱で溶融する熱可塑性の固体ま
での形状を有し、またn−ヘキサン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒ
ドロフラン等の溶媒に可溶であるので、様々な形
状の成形体とすることができ、これを不融化し、
800℃以上の非酸化性雰囲気中で加熱焼成してそ
の形状を保たせたまま、主としてSi Cよりなる
成形体に転換させるためにきわめて有利である。
このような例として主としてシリコンカーバイド
よりなる連続繊維、フイルム、被覆膜などが挙げ
られる。 以下実施例によつて本発明を説明する。 実施例 1 5の三口フラスコに無水キシレン2.5とナ
トリウム400gを入れ、窒素ガス気流下でキシレ
ンの沸点まで加熱し、カクハンしながらジメチル
ジクロロシラン1を45分で滴下した。滴下終了
後、10時間加熱還流し、沈殿物を生成させた。こ
の沈殿を過し、まずメタノールで洗浄した後、
水で洗浄し乾燥後、さらにアセトンとベンゼンで
洗浄して白色粉末で
【式】(n≧10)、な るポリシランを380g得た。 このポリシラン100gに無水ハロゲン化アルミ
ニウム、AlCl3、を、1.00、1.25、1.50、又は1.60
gを添加混合し、還流管を備えた1の石英管中
で、窒素気流下で加熱し8時間、あるいは16.5時
間反応させ、反応終了後、キシレン溶液として
過し、不純物を除去後320℃まで窒素雰囲気中で
蒸留し、キシレン及び低沸点成分を除去して濃縮
して本発明の有機ケイ素重合体を得た。この結果
を下表に示す。反応温度とは以下すべて最終反応
温度を示す。
【表】 実施例 2 実施例1で合成したポリシラン100gに無水塩
化ジルコニウム、ZrCl4、を1.96、2.50、3.00、又
は5.00g添加混合して実施例1と同様にして16.5
時間反応させて本発明の有機ケイ素重合体を得
た。この結果を下表に示す。
【表】 実施例 3 実施例1で合成したポリシラン100gに
MnCl2、CrCl3、VCl3、TiCl4、又はGaCl3を添加
混合し実施例1と同様の方法で16.5時間反応させ
て本発明の有機ケイ素重合体を得た。この結果を
下表に示す。
【表】 実施例 4 実施例1で合成したポリシラン100gに、
CnCl2、PbCl2、BiCl3、ZnCl2、SiCl4、TlCl、
TaCl5、FeCl3、SnCl4、又はSrCl2を添加混合
し、実施例1と同様な方法で16.5時間反応させて
本発明の有機ケイ素重合体を得た。この結果を下
表に示す。
【表】 実施例 5 実施例1で合成したポリシラン100gに
CoCl2、PbCl2又はSiCl4、3.00gとAlCl3を1.00g
加えて、実施例1と同様な方法で8時間反応させ
て本発明の有機ケイ素重合体を得た。この結果を
下表に示す。
【表】 この結果と実施例1を比較すると得られる有機
ケイ素重合体の数平均分子量を連続的に変化させ
る場合このような混合ハロゲン化物の使用が有利
であることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1のAlCl3を1.50g添
加して合成した有機ケイ素重合体のIR吸収スペ
クトル(KBr錠剤法)、第2図は第1図と同じ有
機ケイ素重合体の遠赤外吸収スペクトル(KI錠
剤法)、第3図は第1図と同じ有機ケイ素重合体
の紫外吸収スペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 【式】(n≧3)なる構造を有するポ リシランに対して、一種あるいは二種以上の無水
    ハロゲン化金属を0.5〜10重量%添加混合し、反
    応に対して不活性な雰囲気下において、該混合物
    を加熱して反応させることにより、 赤外吸収スペクトルにおいて450−300cm-1の遠
    赤外領域に吸収を有し、紫外吸収スペクトルにお
    いて吸収末端が340−370nmに生じ、1HNMRスペ
    クトルにおいて−1〜1.5ppmに、13CNMRスペ
    クトルにおいて−7〜20ppmに吸収ピークを有
    し、数平均分子量が400〜5000であり、且つ主と
    してカルボシラン骨格とポリシラン骨格とからな
    り、ポリシラン骨格は【式】(2≦n≦10) である有機ケイ素重合体の製造方法。
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