JPS6145527B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流体を輸送する既設管などの管の内
面をライニングチユーブでライニングして流体の
漏洩を防ぐ管の内面ライニング方法に関する。

従来から地中に埋設されている管の内面が腐蝕
して流体が漏洩したり、あるいは管継手の接続不
良により流体が漏洩した場合には、その漏洩を防
ぐために漏洩個所の全てを地上から掘削して、各
漏洩個所を溶接または接着剤などで埋めて修繕が
行なわれている。したがつて多大の労力と時間を
要した。

本発明は、流体の漏洩個所の補修などのシール
作業が容易な管の内面ライニング方法を提供する
ことを目的とする。

本発明は、ライニングされるべき管の内径とほ
ぼ等しいかやや大きい外径を有する可撓性ライニ
ングチユーブを、そのライニングチユーブの内面
全面に接着剤が塗布された状態にして準備する工
程と、 前記ライニングチユーブの端部を前記管の開口
端側で固定位置に設け、そのライニングチユーブ
の前記接着剤塗布面を外側に折返して反転し、そ
の反転部分を管の前記開口部端側から流体で加圧
して前記管内に前進挿入する工程と、 前記管内に反転・挿入されたライニングチユー
ブの内径とほぼ等しいかやや大きい外径を有しか
つライニングチユーブよりも長い可撓性の拡張用
チユーブの端部を、前記管の開口端側で固定位置
に設け、その拡張用チユーブの内面を外側に折返
して反転し、その反転部分を、前記管内に挿入さ
れたライニングチユーブ内で管の前記開口端側か
ら流体で加圧して前進させ、それによつてライニ
ングチユーブを半径方向外方に拡張して、ライニ
ングチユーブの反転された外面全面を管の内面に
接着する工程と、 前記拡張工程後に、拡張用チユーブをライニン
グチユーブ内から取出す工程とを含むことを特徴
とする管の内面ライニング方法である。

好ましい実施態様では、前記加圧用流体は前記
管によつて輸送される流体と同一流体であること
を特徴とする。

第１図は、本発明の一実施例を示す断面図であ
る。地面１には流体を輸送するための鋼製、鋳鉄
製あるいは合成樹脂製の管２が埋設されている。
本発明に従つてライニングするために、管２が露
出するように単一の堅坑３が掘削される。堅坑３
に露出した管２を部分的に切除する。次に堅坑３
において管２内にライニングチユーブ５を送出し
装置６およびブロア７を用いて挿入する。ライニ
ングチユーブ５は、可撓性合成樹脂から成り、管
２の内径とほぼ等しいかやや大きい外径を有す
る。ライニングチユーブ５の内面には接着剤が予
め塗布されている。

第２図は、送出し装置６およびブロア７によつ
て管２内にライニングチユーブ５を挿入する原理
を示す断面図であり、第３図はライニングチユー
ブ５の斜視図である。ライニングチユーブ５の端
部８は、管２の堅坑３に臨む開口端側で、送出し
装置６のケーシング１３に形成された開口１６を
外囲して固定される。ライニングチユーブ５は、
その内面を外側に折返して反転される。ライニン
グチユーブ５の反転部分９には、管２の内方に向
けて管２の堅坑３側から、前進方向１０の後方１
１で流体たとえば圧縮空気を用いて加圧して矢符
１０の方向に前進させる。ライニングチユーブ５
の内面には前述のとおり接着剤が塗布されている
ので、ライニングチユーブ５の前進と同時に、ラ
イニングチユーブ５の反転部分９は管２の内面全
面に前記接着剤により接着される。

第４図は、送出し装置６の断面図である。送出
し装置６は密閉ケーシング１３内にリール１４が
設けられている。このリール１４には、偏平に折
りたたまれたライニングチユーブ５が巻回されて
いる。ライニングチユーブ５は、ガイドローラ１
５に案内されて開口１６から管２側に送出され
る。開口１６を囲んでケーシング１３にはライニ
ングチユーブ５の端部８が前述のとおり固定され
る。ケーシング１３内にはブロア７によつて圧縮
空気が送入される。ブロア７からケーシング１３
内に圧縮空気が送られることによつて、ライニン
グチユーブ５はリール１４からガイドローラ１５
に案内されて管２内に反転して挿入されて前進す
る。このようにしてライニングすべき距離に応じ
た長さを有するライニングチユーブ５を管２内に
送出することにより、第５図示のごとく管２にラ
イニングチユーブ５が接着される。

ライニングチユーブの遊端５ａは、半径方向外
方への拡張を強制されないので、図示のごとく管
２の内面にぴつたりと接着されない恐れがある。
そのためライニングチユーブ５の内径とほぼ等し
いかやや大きい外径を有し、かつライニングチユ
ーブ５よりも長い可撓性合成樹脂製の拡張用チユ
ーブ１７を第６図示のごとくライニングチユーブ
５内に反転して挿入する。拡張用チユーブ１７に
は、接着剤が塗布されていない。拡張用チユーブ
１７の端部１７ａは、ケーシング１３の開口１６
を外囲して固定される。そしてライニングチユー
ブ５の反転・挿入工程と同様に圧縮空気を用いて
加圧して、拡張用チユーブ１７の反転部分１７ｂ
をライニングすべき距離を超える位置まで矢封１
０の方向に前進させる。そうすると、第５図示の
ごとく接着が不完全であつたライニングチユーブ
５の遊端５ａが、拡張用チユーブ１７の反転部分
１７ｂによつて半径方向外方に拡張されて、管２
の内面にぴつたりと接着されるようになる。その
ためライニングチユーブ５が管２のライニングさ
れるべき距離全長にわたつて、管２の内面に完全
に接着されることができる。

拡張用チユーブ１７の反転・挿入後、拡張用チ
ユーブ１７を堅坑３側に引戻すことにより、ライ
ニング作業が完了する。その際、拡張用チユーブ
１７内の圧力を大気圧程度に減圧して拡張用チユ
ーブ１７をすぼめることにより、拡張用チユーブ
１７を堅坑３側に簡単に引戻すことができる。

第７図は、ライニングチユーブ５の内面に接着
剤を塗布するための工程を説明するための断面図
である。リール１８には内面に接着剤が塗布され
ていないライニングチユーブ５がロール状に巻回
されている。このライニングチユーブ５はローラ
１９，２０によつて案内される。ライニングチユ
ーブ５の途中にはライニングチユーブ５内に接着
剤が流入されて接着剤貯留部分２１が形成され
る。接着剤貯留部分２１よりもライニングチユー
ブ５の引張り方向２２の前方で、ライニングチユ
ーブ５は一対の絞りローラ２３間に挾まれるライ
ニングチユーブ５は、さらにもう一対の絞りロー
ラ２４に挾まれてもよい。ライニングチユーブ５
は、絞りローラ２３，２４の前方でリール２５に
巻回されて引張られる。絞りローラ２３，２４相
互のライニングチユーブ５に対する挾圧力によつ
て、ライニングチユーブ５の内面全面に塗布され
る接着剤の量が調整される。リール２５に巻回さ
れたライニングチユーブ５を第４図示のリール１
４の位置にもたらして上述のライニング作業を行
なうことができる。

第８図は、本発明の他の実施例の簡略化した断
面図である。この実施例では、接着剤が内面に塗
布されていないライニングチユーブ５をリール２
６から巻きほぐして接着剤の貯留部分２１を通過
させ、一対の絞りローラ２８によつてライニング
チユーブ５内面に適切な量の接着剤を付着させ、
このライニングチユーブ５を送出し装置６内に開
口２９から導入する。開口２９とライニングチユ
ーブ５の外周とは適宜の手段でシールされる。送
出し装置６にはブロア７が接続され、ライニング
チユーブ５の端部は送出し装置６に前述のごとく
反転されて固定される。ブロア７から圧縮空気が
送出し装置６内に導入されることによつて、ライ
ニングチユーブ５は管２内を前進走行し、それに
応じてリール２６からライニングチユーブ５が供
給される。

第９図は、本発明の他の実施例の簡略化した断
面図である。この実施例では、送出し装置６のケ
ーシング１３内に、接着剤の塗布されていないラ
イニングチユーブ５を設け、このケーシング１３
内においてライニングチユーブ内に接着剤貯留部
分２１を形成し、一対の絞りローラ３１によつて
接着剤の塗布量を調整する。こうして内面に接着
剤が塗布されたライニングチユーブ５の端部を折
返してケーシング１３に固定する。ケーシング１
３内にブロア７によつて圧縮空気を導入し、それ
によつて内面に接着剤が塗布されたライニングチ
ユーブ５を管２内に前進走行させる。

第１０図は本発明のさらに他の実施例の簡略化
した断面図である。送出し装置６のケーシング１
３内にはブロア７から圧縮空気が導入される。送
出し装置６の外方には、ライニングチユーブ５が
リール３２に巻回されている。ライニングチユー
ブ５の内面には、第７図示の工程によつて、接着
剤が塗布されている。リール３２からのライニン
グチユーブ５は、送出し装置６内に開口２９から
導入され、開口１６から管２内に反転されつつ前
進する。

ライニングチユーブ５および拡張用チユーブ１
７を、管２内に前進・走行させるための流体は、
圧縮空気の代りに圧力が加えられた水などの液体
であつてもよい。また管２で輸送される輸送ガス
（たとえば都市ガス）などの流体と同一の流体を
用いてもよく、この場合にはライニング施工すべ
き管２の部分にある輸送流体を抜いて放散するこ
となく、ライニング作業をすることができるので
経済的であり、しかも輸送流体の抜取り作業工程
が省けるので作業能率が向上するという利点があ
る。

本発明は、地中に埋設された管だけでなく、そ
の他たとえば空中に架設されたような管にも関連
して実施され得る。特に地中埋設管の場合には、
堅坑を１個だけ掘削すればよいので、作業性がき
わめて向上される。

ライニングチユーブ５、拡張用チユーブ１７
は、合成樹脂製のほかにゴムなどの材料から成つ
ていてもよい。

以上のように本発明によれば、ライニングチユ
ーブの内面に接着剤を塗布し、そのライニングチ
ユーブを反転して流体加圧によつて管内に挿入し
て接着し、その後、ライニングチユーブよりも長
い拡張用チユーブによつてライニングチユーブの
遊端を半径方向外方に拡張するものであるので、
前記遊端を管の内面に完全に接着することができ
る。しかもライニングチユーブがその拡張時に傷
つけられることが防がれる。また管の一端側でラ
イニング作業を行なうことができるので、作業性
が優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の全体の断面図、第
２図はライニングチユーブ５を管２内に挿入する
原理を示す断面図、第３図はライニングチユーブ
５の反転された形状を示す斜視図、第４図は堅坑
３付近の拡大断面図、第５図は管２内に挿入され
たライニングチユーブ５の状態を示す断面図、第
６図は拡張用チユーブ１７をライニングチユーブ
５内に挿入する原理を示す断面図、第７図はライ
ニングチユーブ５の内面に接着剤を塗布する工程
を説明するための断面図、第８図、第９図および
第１０図は本発明の他の実施例を説明するための
断面図である。 ２……管、３……堅坑、５……ライニングチユ
ーブ、５ａ……ライニングチユーブ５の遊端、６
……送出し装置、７……ブロア、９……ライニン
グチユーブ５の反転部分、１７……拡張用チユー
ブ、１７ｂ……拡張用チユーブ用チユーブ１７の
反転部分。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ライニングされるべき管の内径とほぼ等しい
   かやや大きい外径を有する可撓性ライニングチユ
   ーブを、そのライニングチユーブの内面全面に接
   着剤が塗布された状態にして準備する工程と、 前記ライニングチユーブの端部を前記管の開口
   端側で固定位置に設け、そのライニングチユーブ
   の前記接着剤塗布面を外側に折返して反転し、そ
   の反転部分を管の前記開口端側から流体で加圧し
   て前記管内に前進挿入する工程と、 前記管内に反転・挿入されたライニングチユー
   ブの内径とほぼ等しいかやや大きい外径を有しか
   つライニングチユーブよりも長い可撓性の拡張用
   チユーブの端部を、前記管の開口端側で固定位置
   に設け、その拡張用チユーブの内面を外側に折返
   して反転し、その反転部分を、前記管内に挿入さ
   れたライニングチユーブ内で管の前記開口端側か
   ら流体で加圧して前進させ、それによつてライニ
   ングチユーブを半径方向外方に拡張して、ライニ
   ングチユーブの反転された外面全面を管の内面に
   接着する工程と、 前記拡張工程後に、拡張用チユーブをライニン
   グチユーブ内から取出す工程とを含むことを特徴
   とする管の内面ライニング方法。 ２ 前記加圧用流体は前記管によつて輸送される
   流体と同一流体であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の管の内面ライニング方法。