JPS6143612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車ドアの窓枠部に装着される
ウエザストリツプモールデイング（便宜上ドア用
モールともいう）を固定するためのクリツプに関
するもので、本考案の目的は、ドア側に対するド
ア用モールの着脱交換の際に同モールから不用意
に離脱しないように工夫した、取扱いの簡単なク
リツプを提供することにある。

即ち、本考案たる自動車のドア用モールのクリ
ツプは自動車ドアのモール装着部に係合し得る一
方、所要のウエザストリツプモールデイングの係
合基部とも当接し得る基板と、上記モールデイン
グの装飾縁部に当接し得る保持片とを有し、前記
基板の下部には、前記係合基部用の差込み口を形
成する抱持片を折曲可能に連設し、基板と抱持片
とによる係合基部の抱持部位において、基板又は
抱持片の一方に、係合基部を挿通して突出する突
片を形成し、他方に該突片と係合する係合口を形
成すると共に、突片に係合口縁に係止する係止部
を形成したことを特徴として成るものである。

このような構成により係合基部に対する抱持片
の抱合当接時に突片が係合口内に突入し、係止部
が係合口縁に係止されてドア用モールとクリツプ
とが強固にロツク結合されている。

実施例 以下本考案を各実施例毎に説明する。ただし各
例のクリツプについては、防錆そしてドアの塗装
面の破損防止を考慮して全体に適度の弾性変形が
可能な合成樹脂製とし、各例において同一又は均
等部分には共通符号を付すことにする。

（第１実施例） 第１〜３図に示す本例のクリツプＣ１は、断面
ほぼ形に成形されたドアのモール装着部Ｄに適
用されるタイプとして使用前（自由時）ではほぼ
７の字形を呈するもので、モール装着部Ｄにおけ
る補助側片ｄ１及びドア用モールＭの係合基部Ｍ
１にそれぞれ当接し得る基板１の上縁に、モール
装着部Ｄの支持縁部ｄ２及びドア用モールＭの装
飾縁部ｍにそれぞれ当接嵌合し得る保持片２を鈎
形に折曲している。上記基板１の中央部には口３
を利用して押圧片４が形成され、また基板の中央
両側（口３の両縁）には一対の突片６たる係合片
６ａが形成されている。両者４，６ａはともに弾
性変形可能とされ、押圧片４の中央部には前記補
強側片ｄ１の係合孔Ｈに対する突起５を形成して
おり、一方双方の係合片６ａの内側には係止部７
たる爪７ａを形成している。

前記基板１の下縁には薄肉の連接縁８を介して
抱持片９が形成されている。この抱持片９は、通
常（自由時）では基板１から一連垂下状態にあ
り、連接縁８を利用して折返すことにより前記係
合基部Ｍ１用のＵ溝状の差込み口１０を形成する
ようになつており、そしてその両側縁には前記各
係合片６ａに対する爪１２付きの係合口１１を
形に開口している。なお前記係合基部Ｍ１の下部
には各係合片６ａが圧入し得る差込み孔ｈが形成
されている。

前述のように構成された本例のクリツプＣ１
は、第３図に例示するように簡単な手順に基づい
て全体をほぼＺ形にして実施できる。すなわちま
ず対象とするドア用モールＭに対してクリツプＣ
１を内側から嵌め込んで基板１を係合基部Ｍ１に
当接するとともに保持片２を装飾縁部ｍに当接嵌
合し、そして各係合片６ａを当該差込み孔ｈ内に
圧入して仮付け状態としたもので図イのように抱
持片９を矢印方向へ折曲げながら係合基部Ｍ１に
押し当てる。これにより各係合片６ａが当該の係
合口１１内に突入して互いの爪７ａ，１２を係合
し、この結果ドア用モールＭ１とクリツプＣ１と
が強固にロツク結合される（図ロ，ロ′参照）。

次いで前述のドア用モールＭとともにクリツプ
Ｃ１を、前記モール装着部Ｄに対して上方から被
せるように合せそのまま強めに押込む。これによ
り図ハのように基板１が補強側片ｄ１に密接し保
持片２が支持縁部ｄ２に嵌合したもとで、補強側
片ｄ１に圧接した押圧片４の突起５が係合孔Ｈに
突入係合し、この結果両者Ｃ１，Ｄがロツク結合
される。このように本例のクリツプＣ１は、モー
ル装着部Ｄに対して所要のドア用モールＭを、正
姿状態で長く安定に固定化保持し得るものであ
る。なおモール装着部Ｄに対するクリツプＣ１の
取着の際には予めドアガラスＧを引下げておくと
より簡単に実施できる。

さて前述のように実施し得る本例のクリツプＣ
１は、ドア用モールＭの内側に嵌込まれたもとで
係合片６ａ及び差込み孔ｈ、係合口１１をもつて
一体的に組付け得るので、モール装着部Ｄに対す
るドア用モールＭの装着時そして新旧交換等に伴
う既設モールの取外しにおいて例えば着脱操作が
強めになされること等に起因して不用意に離脱す
ることはない。従つてたとえ未熟練者であつても
クリツプの脱落の気遣いを不要にして安全にかつ
簡単に実施できるものである。

（第２実施例） 第４〜６図に示す本例のクリツプＣ２は、ドア
のアウタパネルｄ２とリンホースメントパネルｄ
１とからなるモール装着部D′に適用されるタイ
プとして自由時ではほぼＺ形をなすものであり、
基板１の下部中央にリンホースメントパネルｄ１
の係合孔Ｈに対する突起５を形成し、この反対面
の両側に一対の突片６たる係合片６ｂを突出して
おり、保持片２の下面に各々パネルｄ１，ｄ２と
圧接し得る押圧片４を垂設している。そして上記
各係合片６ｂに合せて基板１の下縁両側から一対
をなす抱持片９が折曲用の連接縁８を介してほぼ
直角状に形成されその内側に各係合片６ｂに対す
る係合口１１を形成している。なお各係合口１１
の内側縁は当該係合片６ｂに形成された係止部７
たる鈎部７ｂに対する係合縁１２′とされる（第
６図イ′参照）または抱持片９先端には係合基部
Ｍ１の凹溝Ｓに対する係合突条１３が形成されて
いる。その余は前例のクリツプＣ１と同様に形成
される。

かかるクリツプＣ２についても前述と同様な手
順で簡単に取扱い得、ドア用モールＭに対しては
第６図イ，イ′のように基板１、保持片２をモー
ル内側に当て込んだもとで、抱持片９、係合片６
ｂそして係合突条１３をもつて係合基部Ｍ１に強
固に抱合ロツクし得る。そしてモール装着部
D′に対しては図ロのように基板１、押圧片４そ
して突起５をもつてリンホースメントパネルｄ１
に挟持ロツクするとともに保持片２、押圧片４を
アウタパネルｄ２に係合し得る。従つて本例クリ
ツプＣ２についてもドア用モールＭからの不用意
な脱落をなくして適切に実施し得、ドア用モール
Ｍを安定に固定化保持できるものである。

なお本案の対象とするクリツプについては、図
示のものに限定せず適宜変更すればよく、特にド
ア用モールに対するロツク手段では抱持片９側に
係合片、鈎片そしてピン状片等を突設してもよ
い。

このように本考案のクリツプは、ドア用モール
に対して基板、抱持片及び係合基部の三者を、適
宜突片及び係合口をもつて結合して強固に組付け
得るので、ドア用モールの取扱い中においてクリ
ツプ自体の離脱を積極的に防止できる。これによ
りドア用モールの新旧交換にあたり既設モールを
取外す際にクリツプがドア内に脱落するような不
都合が事前に回避できる。従つて本考案のクリツ
プは、未熟練者でも容易に取扱い得、そして所要
とするドア用モールをドアのモール装着部に対し
て適確に付設保持し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の各実施例を示すもので、第１図、
第２図は第１図のクリツプを外側、内側よりそれ
ぞれ示す斜視図、第３図イ，ロ，ロ′，ハは同上
クリツプの実施状態を示す説明図、第４図、第５
図は第２のクリツプを各側より示す斜視図、第６
図イ，イ′，ロは同上クリツプの実施状態を示す
説明図である。 １……基板、２……保持片、５……突起、６…
…突片、６ａ，６ｂ……係合片、７……係止部、
７ａ……爪、７ｂ……鈎部、９……抱持片、１０
……差込み口、１１……係合口、Ｍ……ドア用モ
ール、Ｍ１……係合基部、ｈ……差込み孔、ｍ…
…装飾縁部、Ｄ……モール装着部、Ｈ……係合
孔、Ｃ１，Ｃ２……クリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車ドアのモール装着部に係合し得る一方、
   所要のウエザストリツプモールデイングの係合基
   部とも当接し得る基板と、上記モールデイングの
   装飾縁部に当接し得る保持片とを有し、前記基板
   の下部には、前記係合基部用の差込み口を形成す
   る抱持片を折曲可能に連設し、基板と抱持片とに
   よる係合基部の抱持部位において、基板又は抱持
   片の一方に、係合基部を挿通して突出する突片を
   形成し、他方に該突片と係合する係合口を形成す
   ると共に、突片に係合口縁に係止する係止部を形
   成したことを特徴とするドア用モールのクリツ
   プ。