JPS6143460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、眼科手術において手術野を清潔に保
つ為の覆布に関するものである。

〔考案の背景〕

広義の外科的手術を行う場合、手術野を清潔に
（無菌状態に）保つために覆布が用いられる。上
記の覆布は、基本的には消毒済の布であり、一般
にリネン、不織布などで構成される。

眼に関する外科的手術を行う場合は、施術すべ
き眼（右眼若しくは左眼）に覆い掛からぬよう、
その周囲を覆布で覆う。

従来技術において施術すべき眼の周囲を覆布で
覆う場合の例を第１図と第２図とにそれぞれ示
す。

第１図の従来例は患者の右眼に施術する場合を
示し、４枚の覆布１、２、３、４が用いられる。

右眼に掛からぬように覆布１で顔面の下半分を
覆うとともに、右眼に掛からぬように覆布２で眼
面の上半分を覆い、かつ、右眼に掛からぬように
覆布３で眼面の右側部分を覆うとともに、覆布４
で顔面の左半分を覆う。

上記の従来技術（第１図）においては、４枚の
覆布１、２、３、４を取扱わねばならないので手
数が掛かり、その上、これら４枚の覆布を相互に
留め付けてズレないようにしなければならないの
で一層手数を要する。

上記の不具合を解消するため、第２図に示す従
来技術においては開口５ａを設けた覆布５を用
い、上記開口５ａの中に施術すべき眼（右眼若し
くは左眼）を露出せしめるように該覆布５を顔面
に覆い掛ける。

上記の従来技術（第２図）によれば、１枚の覆
布５によつて、片方の眼を残して顔面を覆うこと
ができる。しかし、片方の眼の手術を終えて他方
の眼を手術しようとする場合は、最初の片方の眼
の手術に用いた覆布を取り去つて新しい覆布と取
り替えなければならない。このように覆布を交換
しなければならないということは、省力、省資
源、省時間の点から好ましくないことは勿論であ
るが、その上、最初の手術に用いた覆布を一旦取
り除くため、必ずしも完全に無菌状態でない部分
が露出されるので、もう一方の眼の手術の準備と
しての消毒に多大の時間と労力とを費さねばなら
ない。

〔考案の目的〕

本考案は上述の事情に鑑みて為されたもので、
１枚の覆布を用いて平方の眼の手術を行なつた
後、該覆布を交換することなく他方の眼の手術を
行い得る、眼科手術用の覆布を提供しようとする
ものである。

〔考案の概要〕

上記の目的を達成する為、本考案の眼科手術用
覆布は、顔面を覆い得る形状、寸法の布を用い、
上記の布を顔面に覆いかけたとき左、右の眼に対
向する個所にそれぞれ開口を設けるとともに、上
記の開口よりも大きいカバーを設けて該開口を覆
い、かつ、前記のカバーの周囲と開口の周囲とが
対向している部分を粘着剤で貼着して容易に剥が
し得るように構成したことを特徴とする。

〔考案の実施例〕

次に、本考案の１実施例を第３図乃至第６図に
ついて説明する。

第３図は本考案の眼科手術用覆布６を患者の顔
面に覆い掛けた状態の説明図、第４図は同じく斜
視図である。

左、右の眼に対向する個所にそれぞれ開口６
ｌ、６ｒを設ける。

上記の開口６ｌ、６ｒよりも大きいカバー７
ｌ、７ｒを構成する。

本実施例においては前記の覆布６及びカバー７
ｌ、７ｒを不織布で構成したが、本考案を実施す
る場合、綿布、合成樹脂シート、その他適宜の材
料を任意に選定して用いることができる。

カバー７ｌ、７ｒで開口６ｌ、６ｒを覆う。第
４図に斑点を付して示したように、カバー７ｌと
６ｌの周囲とが対向している個所について、対向
面に粘着剤を塗布して双方の部材を重ね合わせて
貼着する。上記の粘着剤は、手で容易に引き剥が
すことができ、かつ、剥がしたカバー７ｌを再度
重ね合わせて貼着できる性状のものを用いる。

カバー７ｌも前記と同様にして貼着する。

上記のようぬに構成した眼科手術用覆布を用い
て患者の右眼を手術した後に左眼を手術する用例
を第５図、第６図について次に述べる。先に左眼
を、次いで右眼を手術する場合も次記と同様にし
て行えばよい。

第５図に示すように、右側の開口６ｒを覆つて
いたカバー７ｒを引き剥がして取り捨てる。

開口６ｒの中に患者の右眼Ｒが露出するよう
に、覆布６を患者の顔面に覆い掛けて右眼を手術
する。

右眼の手術が終ると、左側の開口６ｌを覆つて
いたカバー７ｌを引き剥がし、第６図に示すよう
に上記の引き剥がしたカバー７ｌで右側の開口６
ｒを覆つて貼り付ける。上記の簡単な操作により
右眼Ｒが覆われ左眼Ｌが露出する。この操作は覆
布６の本体部分で患者の顔面を覆つてままで行う
ので、例えば患者の毛髪に不着していた塵埃が舞
い上がるなどといつた不具合が発生しない。この
ため、手術の途中で消毒をやり直す必要を生じな
い。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案眼科手術用覆布に
よれば、片方の眼の手術を行つた後、覆布を交換
することなく他方の眼の手術を行うことができる
という優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はそれぞれ眼科手術における
従来技術の説明図である。第３図乃至第６図は本
考案の眼科手術用覆布の１実施例を示し、第３図
は顔面を覆つた状態の説明図、第４図は斜視図、
第５図及び第６図は使用方法の説明図である。 １，２，３，４，５……覆布、５ａ……開口、
６……本考案に係る眼科手術用覆布、６ｌ，６ｒ
……開口、７ｌ，７ｒ……カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 顔面を覆い得る形状寸法の覆布において、上記
   の覆布を顔面に覆いかけたとき左、右の眼に対向
   する個所にそれぞれ開口を設けるとともに、上記
   の開口よりも大きいカバーを設けて該開口を覆
   い、かつ、前記のカバーの周囲と開口の周囲とが
   対向している個所を粘着剤で貼着して容易に剥が
   し得るように構成したことを特徴とする眼科手術
   用の覆布。