JPS6142653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はダウンコイラー入側に置かれる圧延材
曲げ制御用等のロールが２組以上ある場合におい
て隣接する２本の上ロール間に配置するガイド装
置に関するものである。

仕上圧延機から出た熱間圧延材をダウンコイラ
ーのマンドレルに巻き付ける場合、圧延材を適確
にマンドレルに巻き付かせるため、近年、ダウン
コイラー入側に、圧延材に張力付与効果を与える
目的だけの一組の上下ピンチロールを配設すると
共に、ダウンコイラーのマンドレルと上記一組の
上下ピンチロールとの間に、圧延材に曲げ効果を
与える仕事をさせるだけの目的で一組の上下ピン
チロール又は一組のカーリングロールを配設し、
圧延材の張力付与と曲げの両作用を別々の組のロ
ールで行わせ、圧延材に充分な曲げが与えられる
ようにすることが提案されている。

又、最近では、張力付与の目的だけで配設して
ピンチロールは圧延材を強力に押し付けているの
で、この強力な押付力により圧延材の形状を乱す
ことがあることをなくし、且つ圧延材に充分な曲
げが与えられるようにするため、ダウンコイラー
入側に２組のカーリングロールのみを配設し、カ
ーリングロールのみで圧延材に塑性曲げを行うよ
うにすることが考えられている。

上述のように圧延材の曲げ効果が充分に得られ
るようにするために、ダウンコイラー入側に２組
以上のピンチロールあるいはカーリングロールが
配設してある構成においては、圧延材が高速で進
行して来て上流側の一組のロール間を通過した
後、下流側の一組のロール間に噛み込まれる際
に、圧延材の先端が反つたり、板厚が厚くなると
曲げ剛性が高くなつて圧延材が浮上つたりする。
そのため、２組以上ある上下各一対のロールの少
なくとも２本の上ロール間には、ガイド板が置か
れ、圧延材先端の案内、圧延材の浮上り防止が図
られるようにされている。

本考案は、上記の少なくとも２本の上ロール間
に配置されるガイド板により圧延材先端を正確に
ガイドさせるため、ガイド板のエツジ部が上ロー
ルの変位時にも常に上ロール外面と一定間隙とな
るようにすることを目的としてなしたもので、ダ
ウンコイラーの入側に２組以上のロールが配設し
てある構成において、隣接する２本の上ロールの
各両軸端部にリンクプレートを回転自在に嵌着し
て該異なるロール軸のリンクプレート同志をピン
結合し、且ついずれか一方のロール側のリンクプ
レート間にガイド板を配設したことを特徴とする
ものである。

以下、図面にもとづき本考案の実施例を説明す
る。

第１図及び第２図では、一例としてダウンコイ
ラー入側に２組のカーリングロールを配し、上カ
ーリングロール間にガイド板を配した場合を示し
ている。

上下一対のロール１と２からなる一組のカーリ
ングロールと、同じく上下一対のロール３と４か
らなる一組のカーリングロールとを、近接して配
設し、圧延材６を両カーリングロールの組により
曲げ作用を与えて圧延材に塑性曲げを行い、マン
ドレル５の方向へ進行させるようにした構成にお
いて、上下方向に別個に変位可能な軸箱７，８に
両軸端部を軸受を介して支持させてある上ロール
１と３のうち、一方の上ロール１の両軸端部に、
ロール軸に対し回転自在なリング９を嵌入し、該
リング９に所要の長さを有するリンクプレート１
０を固定し、リング９とともにリンクプレート１
０がロール軸まわりを回転できるようにし、且つ
上記相対峙して取り付けられた両軸端部のリンク
プレート１０間にエツジ部が両上ロール１，３の
表面にできるだけ近づくようにしてガイド板１２
を図示の如く介在せしめる。又他方の上ロール３
の両軸端部にも、ロール軸に対し回転自在なリン
グ９を介して上記リンクプレート１０よりも長さ
の短かいリンクプレート１１を取り付け、該リン
クプレート１１の先端と上記リンクプレート１０
の先端とをピン１３にて連結して、ガイド板１２
を、両ロール１，３の軸とピン１３の連結点の３
点で支持し、上ロール１又は２が上下方向へ変位
してもガイド板１２とロール１，２の外面との間
隙は常に一定となるようにする。

上記構成であるから、圧延材６の進行方向に並
設してある上ロール１と３が実線の位置にあると
きは、圧延材６の先端はガイド板１２に案内され
て上下のロール間に送り込まれる。この際、ガイ
ド板１２の端辺は上ロール１，３の外面に近接し
ているので、圧延材６の先端がガイド板１２と上
ロール１及び２間に入り込むようなことはない。

今、圧延材６をマンドレル５とは別のダウンコ
イラーのマンドレルに巻き付ける場合等で一方の
上ロール１を上方へ移動させ、一点鎖線の位置ま
で変位させると、リンクプレート１０と１１は互
にピン１３で連結されているので、各々ロール軸
を中心に回動して一点鎖線の状態となる。このと
きガイド板１２の端辺はロール１，３の外面に沿
う動きをし、ロール外面との間隙は変化しない。
従つて圧延材６の先端がガイド板１２とロール１
及び２の間に入り込むようなことはない。

又他方の上ロール３を二点鎖線で示す位置へ変
位させた場合には、リンクプレート１０，１１は
二点鎖線の状態となり、ガイド板１２は端辺がロ
ール外面に沿つた動きをする。

このように、一方のリンクプレート１０間に取
り付けられているガイド板１２は、リンクプレー
ト１０と１１の先端が連結され且つ各リンクプレ
ート１０，１１が各々の上ロール軸に取り付けら
れている構成上、上ロール１，３のいずれが上下
方向に変動してもガイド板１２のエツジ部は常に
ロール外面に沿つて動く。

次に、第３図及び第４図は、圧延材６に張力付
与効果を与える目的だけの上下ピンチロール１
４，１５と、圧延材６に曲げ効果のみを与えるだ
けの上下ピンチロール（又はカーリングロール）
１６，１７が配設してある構成において、上ロー
ル１４と１６の間にガイド板１２を前記実施例と
同様に配した例であつて、上ロール１４又は１６
が上下方向へ変位したときのガイド板１２の位置
を示すものである。

この例においても、ガイド板１２は、端辺が上
ロールの変動にかかわらず常に上ロールの外面に
沿つた動きをするので、圧延材６の先端がガイド
板と上ロール間に入り込むことを防止できる。

尚、本考案は上記実施例にのみ限定されるもの
ではなく、ガイド板１２は上流側の上ロールに設
けるリンクプレートを変形させてこれに取り付け
るようにしてもよい。

以上述べた如く、本考案のロール間ガイド装置
は、圧延材の進行方向に沿つて少なくとも上ロー
ルが２本以上ある構成において、上ロールの間に
配するガイド板を、各上ロール軸に取り付けたリ
ンクプレートのいずれか一方のプレートに取り付
けると共に、両リンクプレートの先端同志をピン
結合した構成にしてあるので、上ロールの変動時
も常にガイド板の端辺が上ロール外面に沿つた動
きをすることができてガイド板と上ロール外面間
の間隙を一定に保つことができ、高速で進行して
来る圧延材の先端を円滑に案内させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一例を示す切断側面
図、第２図は第１図の平面図、第３図及び第４図
は本考案の他の例におけるガイド板の動きを示す
側面図である。 １，３……上ロール、２，４……下ロール、５
……マンドレル、６……熱間圧延材、１０，１１
……リンクプレート、１２……ガイド板、１４，
１５，１６，１７……ピンチロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダウンコイラーの入側に２組以上のロールが配
   設してある構成において、隣接する２本の上ロー
   ルの各両軸端部にリンクプレートを回転自在に嵌
   着して該異なるロール軸のリンクプレート同志を
   ピン結合し、且ついずれか一方のロール側のリン
   クプレート間にガイド板を配設したことを特徴と
   するロール間ガイド装置。