JPS6138388Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構成の簡略化とコストダウンを図つた
薄型モータに関する。 従来の円筒整流子を用いた薄型モータは主とし
て第１図ないし第３図に示すように構成されてい
る。すなわち、薄皿状の磁石取付用ヨーク１′の
中心には焼結軸受２′が圧入固定され、かつこの
磁石取付用ヨーク１′の内空部には半円板状の一
対の永久磁石３′を収容している。この半円板状
の一対の磁石３′の外径は、モータヨーク４′より
小さめに形成されており、モータヨーク４′内周
部と永久磁石３′外径部間には空隙５′が設けられ
ている。 従来の円筒整流子用の刷子ブロツクの構成は詳
しくは第２図イ，ロに示すように、刷子保持部
６′がリング状に形成され、このリング状の刷子
保持部６′は絶縁物によつて構成され、このリン
グ状刷子保持部６′に刷子取付端子７′が構成さ
れ、かつリング状の刷子ブロツクの中心線状に一
対の刷子ばね８′が対象に配置されている。この
リング状刷子保持部６′はモータヨーク４′と磁石
３′外径との間に作つた空隙５′部分に納められ刷
子保持部６′はモータヨーク４′中に納められるも
ので、このモータヨーク４′と磁石取付用ヨーク
１′の間に絶縁物を介してはさみこまれてなつて
いる。 しかるに上記の如く刷子保持部６′をリング状
にして永久磁石３′の外周側に配置すると、永久
磁石３′の外径をモータヨーク４′の内径より小さ
くして、この間に空隙部５′を形成する必要があ
る。これはモータの体格の外径寸法からすると、
外軸半径の大きい、つまりトルクの大きくなる部
分を寸法を小さくして構成しようということにな
つてしまう欠点が含まれている。そしてまたこの
刷子保持部のリング状の径方向の厚みを薄くする
ため刷子保持部の厚みはきわめて薄くしなければ
ならず製造し難いという欠点を伴なつている。 本考案は上記の欠点を改善し、固定子中に配置
されている永久磁石と刷子の位置によつて決るモ
ータの電流角度を調整する部分をモータの取付孔
と兼用させるように構成することによりモータ構
成の簡略化とコストダウンを図つた薄型モータを
提供することを目的とするものである。 以下、図面に沿つて本考案の実施例を説明する
と、第４図イ，ロは本考案にかかる薄型モータに
適用されるヨークの平面図および断面図を示すも
ので、本考案のモータヨーク１はおわん形または
断面がほぼＵ字形に加工構成され、このモータヨ
ーク１の中心部には孔３を有する焼結含油軸受２
が圧入固定されている。しかして、モータヨーク
１の側面は段付部４，５が形成されており、内周
面ほぼ中央に形成した段付部４には後述する刷子
保持板が当接固定され、また内周面開口部に形成
した段付部５はこのヨーク１の開口部に取付けら
れる磁石取付用ヨークのはめ込部となつている。
この段付部５は磁石取付用ヨークをはめ込だ後、
カシメまたは溶接加工が施されるものである。ま
た、モータヨーク１の側面には後述する刷子ブロ
ツクのリード線を引き出すための孔１ａが形成さ
れている。 第５図イ，ロは本考案の回転子Ｒを示すもの
で、回転子Ｒは主として円筒整流子６の周囲に複
数個の自己融着用コイル７を多層巻付けて構成さ
れ、前記のモータヨーク１内に収納されるもので
ある。すなわち、回転子Ｒを構成する円筒整流子
６には中心に軸取付孔があいていてその部分に回
転子軸８が圧入固定されている。また、円筒整流
子６は整流子面９がスリツトによつて３極に分割
され、かつ整流子面９の一部から自己融着線コイ
ル７の整流子６部への接続用端子１０が３個突出
している。自己融着コイル７と整流子６は樹脂及
び接着剤で一体固定され、このようにして回転子
Ｒが構成され、かつ整流子６の軸方向にはワツシ
ヤ１２，１３が付いている。この場合ワツシヤ１
２，１３とも焼結軸受２のスラスト面と接触す
る。なお、回転子Ｒ中１４は自己融着コイル７内
の空隙部または鉄片挿入部である。 しかして、本考案の刷子ブロツクを第６図、第
７図イ，ロおよび第８図イ，ロに示す。このうち
第６図は刷子ブロツクにおける永久磁石１５と焼
結軸受１７との取付位置の関係を示すもので、説
明の便宜上まず第６図から説明すると、永久磁石
１５は半円板状の一対の永久磁石１５ａ，１５ａ
からなり、薄皿状の磁石取付ヨーク１６中に収容
されている。磁石取付用ヨーク１６の中心には焼
結軸受１７が圧入固定されている。そして、２極
の永久磁石１５ａ，１５ａ間には磁石１５厚みと
同じ高さの空隙部１８が形成され、この空隙部１
８に刷子ブロツク１９を配設して構成されてい
る。 上記構成を第７図および第８図イ，ロに沿つて
更に詳述すると、２０ａは刷子バネ部２０を有す
る刷子板で、この刷子バネ部２０は刷子端子２１
と一体曲げ加工によつて形成され、刷子端子２１
は圧入端子２２と、かつ必要に応じ一枚の絶縁シ
ートを用いて刷子保持端子部２３のスリツト溝２
４に圧入固定される。刷子保持板２５は両端に刷
子保持端子部２３を有し、かつこの刷子保持板２
５は絶縁物からなる保持片２６の中央部を弧状に
形成することによつてこの保持片２６の軸受逃げ
部２６′を形成し、これらは一体で形成されてい
る。保持片２６の上面は銅等の導電部２７によつ
て覆われ、刷子保持端子部２３の端々を導電部２
７で結合している。刷子端子２１は刷子保持端子
部２４のスリツト溝２４に圧入されるが、このと
き圧入端子２２を添えて固定される。しかして、
一方の端に設けられる刷子端子２１と、刷子保持
板２５上の導電面とは電気的にハンダ付等で接続
され、また、他方の端に設けられる刷子端子２１
の刷子の電気端子はリード線２８によつてそれぞ
れ同一方向に取り出される。 ここで刷子保持板２５は第７図イ，ロに示すよ
うに、１枚の銅面積層板から打抜き加工によつて
構成したり、あるいは第９図イ，ロに示すように
刷子保持端子部２３が刷子保持片２６より厚みを
厚く立体的に構成したものを用いることも可能で
ある。 第９図に示す実施例では刷子板２０ａの基部、
すなわち端部の刷子端子２１はほぼコ字状に形成
され、刷子保持板２５の長さ方向に対し垂直に延
びるようその両端に一体形成された刷子保持端子
部２３に嵌合し得るように構成されている。刷子
保持板２５の片面、すなわち上面は第８図に示し
た実施例と同様に導電部２７が形成され、この導
電部２７は刷子保持端子部２３の上面および一側
面部にわたつても形成されている。このため、刷
子板２０ａの基部を刷子保持板２５の両端の刷子
保持端子部２３に嵌合して圧接すると導電部２７
と刷子板２０ａとが電気的に接続されるようにな
つている。 なお、刷子保持片２６の形状は永久磁石１５
ａ，１５ａ間の空隙部１８の内部に収容されると
いう制約はあるが、この他刷子保持片２６の焼結
軸受１７の軸受逃げ部２６′の形状については円
弧形状でもまた、第１０図に示すような多角形形
状でも任意に考えられる。 上記のようにして構成した刷子ブロツク１９は
モータヨーク１と磁石取付用ヨーク１６とからな
るヨーク内空部に配設されるものであるが、この
場合刷子ブロツク１９を磁石取付用ヨーク１６の
空隙部１８内に取付けるには、第１１図イ，ロに
示すように、両端の刷子保持端子部２３からそれ
ぞれ対向するように延びる一対の刷子板２０ａの
刷子バネ２０、すなわち刷子の自由端間が磁石取
付用ヨーク１６およびモータヨーク１の中央に圧
入されている焼結軸受２，１７上に位置するよう
に取付ける。すなわち、刷子ブロツク１９はヨー
クの直径方向に沿つた中央部付近に配置されるも
ので、刷子保持端子部２３が位置するモータヨー
ク１の深さ方向に段付部４を形成し、この段付部
４内に刷子保持端子部２３を挿入して刷子保持板
２５を支持せしめ、刷子ブロツク１９を前記モー
タヨーク１内に収納固定する。刷子ブロツク１９
はモータヨーク１の段付部４によつてモータ厚み
方向の位置決めがなされ、その後に磁石取付用ヨ
ーク１６がヨーク段付部５に挿入されるので、こ
の磁石取付用ヨーク１６により上から押され刷子
保持端子２３は完全に固定される。なお、刷子ブ
ロツク１９のリード線２８はヨーク１の孔１ａを
介し外部に引き出す。 刷子保持板２５を以上のようにヨーク中に完全
に固定してしまうと、永久磁石１５と刷子の位置
によつて決まるモータの整流角度の調整は、永久
磁石１５を動かして行うことになる。この整流角
度調整としては第１２図イ，ロおよび第１３図に
示すように磁石取付用ヨーク１６に電気角度調整
用の４つの孔１６ａをあけておき、この部分にピ
ン２９等を差し込んでモータ組立後、磁石取付用
ヨーク１６を矢印のように回動させ整流角度の調
整を行う。 なお、電気角度調整用孔１６ａはこの孔１６ａ
内にネジ加工をしてモータをネジ止め固定する場
合にも利用することができる。 以上の通り本考案によれば、モータヨークとこ
のヨークの開口部に取付けられる磁石取付用ヨー
クにてなるヨークの内空部に、刷子保持板と刷子
板とからなり、整流子面と当接する刷子を有する
刷子ブロツクを配置し、この場合刷子ブロツクは
モータヨーク側の直径方向に沿つた中央部付近に
配置固定されると共に、２分割され、かつ前記磁
石取付用ヨーク上に空隙部を介し対向配置された
一対の永久磁石の前記空隙部内に位置せしめられ
る構成となつているから、このような簡単な構成
によつて前記磁石取付ヨークを回動させることに
より容易に永久磁石と刷子との位置関係を調整す
ることができ、もつてコストダウンを図ることが
できる。 また、モータヨークに段付部を形成したから、
刷子ブロツクの組込み時の位置決めが容易とな
り、よつて組立が容易となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の薄型モータの断面図、第２図は
同じく従来例の円筒整流子用刷子ブロツクを示
し、イ図はリング状刷子保持部の上面図、ロ図は
その裏面図、第３図イ，ロはヨークと永久磁石の
関係を示す説明図、第４図ないし第１３図は本考
案の薄型モータを示し、第４図イはヨークの平面
図、ロ図はイ図Ａ−A′線断面図、第５図イは回
転子の平面図、ロ図はイ図Ｂ−B′線断面図、第６
図は刷子ブロツクの永久磁石と焼結軸受との取付
位置関係を示す説明図、第７図イは刷子ブロツク
の平面図、ロ図は側面図、第８図イは刷子ブロツ
クの組立斜視図、ロ図は分解斜視図、第９図は刷
子ブロツクの異なる態様の実施例を示し、イ図は
刷子ブロツクの組立斜視図、ロ図は分解斜視図、
第１０図は刷子ブロツクの更に異なる態様の実施
例、第１１図イは刷子ブロツクをモータヨークに
取付けた状態を示す平面図、ロ図はイ図Ｃ−
C′線断面図、第１２図イは磁石取付ヨークに永
久磁石を取付けた状態を示す平面図、ロ図はイ図
Ｄ−D′線断面図、第１３図は本考案にかかる薄
型モータの断面図で、整流角度の調整状態を示
す。 １……モータヨーク、１５……永久磁石、１６
……磁石取付用ヨーク、１６ａ……回動調節用の
孔、１９……刷子ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータヨーク１と磁石取付用ヨーク１６とから
   なるヨーク内空部であつて一対の永久磁石１５
   ａ，１５ａ間の空隙部１８内に刷子ブロツク１９
   が設けられるモータにおいて、刷子ブロツク１９
   は、両端部に刷子保持端子部２３が形成され、か
   つ中央部に軸受逃げ部が形成された刷子保持板２
   ５と、この刷子保持板２５に取付けられる一対の
   刷子バネ部２０および刷子端子２１等を有する刷
   子板にてなり、かつ前記モータヨーク１の内周部
   には段付部４が形成され、この段付部４を介し前
   記刷子保持端子部２３が位置決め支持されて回転
   子Ｒを収納せる開口部を有する前記モータヨーク
   １の内空部に前記刷子ブロツク１９が配設され、
   前記モータヨーク１の開口部に前記永久磁石１５
   ａ，１５ａを有する磁石取付用ヨーク１６を回動
   可能に配設し、該磁石取付用ヨーク１６を前記モ
   ータヨーク１側に固定された刷子に対し回動せし
   め、前記刷子と永久磁石１５ａ，１５ａ間の位置
   調整をなすことを特徴とした薄型モータ。