JPS6131285B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、シリンダの冷却に用いたオイルを、
オイルクーラで冷却した後に再度シリンダの冷却
に用いるようにしたエンジンの冷却装置に関する
ものである。

空冷エンジンにおいては、シリンダやシリンダ
ヘツドの外面に放熱フインを突設して、この放熱
フインから熱を放散させることにより、シリンダ
やシリンダヘツドの冷却を行なうようにしている
のが普通である。ところが、その冷却効率は必ず
しも満足できるものではなかつた。このためその
冷却効率を向上させる工夫をするとよいが、この
場合できるだけ既存の部品を用いて簡単に構成す
るのが望ましい。

本発明は、この要望に沿うエンジンの冷却装置
を提供することを目的とするものである。

以下、本発明の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図において、１はオートバイのシリンダブ
ロツクである。このシリンダブロツク１は、第２
図に示したように、シリンダ２と、シリンダ２の
上部に取り付けられたシリンダヘツド３を有す
る。このシリンダヘツド３は、ヘツド本体４と、
ヘツドカバー５を有する。図中、２ａはシリンダ
２に設けられた放熱フイン、４ａはヘツド本体４
に設けられた放熱フイン、５ａはヘツドカバー５
に設けられた放熱フイン、６，７，８，９，はシ
リンダ２内に設けられたシリンダライナー、１
０，１１，１２，１３はシリンダライナー６，
７，８，９内に挿入されたピストン、１４はシリ
ンダヘツド３に回転自在に支持された吸気カムシ
ヤフト、１５は吸気カムシヤフト１４に取り付け
られたスプロケツトである。このスプロケツト１
５と図示を省略した排気カムシヤフトのスプロケ
ツトは、チエン１６を介して図示しないクランク
シヤフトに連動している。なお、吸・排気バルブ
は図示を省略してある。

１７はチエン１１を配設した空隙で、この空隙
１７はシリンダ２、ヘツド本体４、ヘツドカバー
５に跨つて形成されている。この空隙１７によつ
て、叙上のシリンダブロツク１は左のシリンダブ
ロツク部Ｌと右のシリンダブロツク部Ｒに分けら
れている。第３図中、２ａは左のシリンダ部、２
ｂは右のシリンダ部である。シリンダブロツク部
Ｌには図示しないクランクケース側からシリンダ
ヘツド３側に向う第１のオイル通路１８，１８が
形成されている。シリンダブロツクＲにも同様な
第２のオイル通路１９，１９が形成されている。
第３図に示したように、第１のオイル通路１８，
１８はシリンダライナー６，７間のほぼ側部を通
つており、第２のオイル通路１９，１９はシリン
ダライナー８，９間のほぼ側部を通つている。２
０はボルト螺合用のネジ穴である。

第１のオイル通路１８，１８のクランクケース
側の端部は第１図に示したように可動部に潤滑オ
イルを供給するオイルポンプ２１の吐出側に接続
されている。オイルポンプ２１の吐出側は、図示
しないがエンジンの潤滑部分に接続される潤滑系
路と冷却部分に至る冷却系路とに分岐されてお
り、潤滑系路は図示しないシリンダヘツドや動弁
系等の潤滑部分に接続され、冷却系路は、次に説
明するように、第１、第２のオイル通路１８，１
８または１９，１９のいずれか一方に連通するよ
うにしてある。第１のオイル通路１８，１８のシ
リンダヘツド３側の端部と第２のオイル通路１
９，１９のシリンダヘツド３側の端部との間に
は、オイルクーラ２２が介装されている。第２の
オイル通路１９，１９のクランクケース側の端部
はオイルパン２３を介してオイルポンプ２１の流
入側（オイルパン内）に連通している。叙上のオ
イルクーラ２２は、本実施側ではシリンダヘツド
３上に装着してある。なお、オイルクーラ２２
は、本実施例では第２図に示すようにパイプを蛇
行させたものを用いたが、必ずしもこれに限定さ
れるものではない。

次に、このような構成のエンジンの冷却装置の
作用を説明する。

エンジンを始動するとシリンダブロツク１の温
度が上昇する。一方、エンジンの始動に伴なつて
オイルポンプ２１が作動して、このオイルポンプ
２１から吐出させる潤滑オイルがエンジンの図示
しない可動部に供給される。また、このオイルポ
ンプ２１から吐出させた潤滑オイルの一部は、冷
却オイルとして第１のオイル通路１８，１８を流
れて左のシリンダブロツク部Ｌを冷却した後、オ
イルクーラ２２内に流入する。このオイルクーラ
２２内に流入したオイルは、オイルクーラ２２内
を通過する際に放熱して冷却された後、第２のオ
イル通路１９，１９を流れてシリンダブロツクＲ
を冷却する。この後、この冷却オイルはオイルパ
ン２３内に流入して、再びオイルポンプ２１に吸
入される。以上説明したオイル通路は、シリンダ
ブロツク、シリンダヘツド（特に燃焼室の周囲
部）の、特に冷却したい高熱個所を引きまわすの
がよい。なお、本発明は、実施例のような複数気
筒のエンジンに限られるものではなく、単気筒の
エンジンにも実施できることは言うまでもない。

本発明は、以上説明したように構成したので、
既存の部品を用いてエンジン冷却のためのオイル
循環回路を簡単に構成することができると共に、
オイルクーラとオイル通路の接続に用いるホー
ス、パイプ等が短くなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示すエンジンの
冷却装置の配管系統図。第２図は、第１図の冷却
装置を備えたエンジンの部分断面図。第３図は、
第２図に示したシリンダの端面図。 １…シリンダブロツク、Ｌ…左のシリンダブロ
ツク部、Ｒ…右のシリンダブロツク部、２…シリ
ンダ、２ａ，２ｂ…シリンダ部、３…シリンダヘ
ツド、１８…第１のオイル通路、１９…第２のオ
イル通路、２１…オイルポンプ、２２…オイルク
ーラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オイルポンプによりオイルパン内の潤滑オイ
   ルを吸い上げ、潤滑個所を流したのち再びオイル
   パンに戻すようにしたエンジンにおいて、該エン
   ジンのシリンダにクランクケース側からシリンダ
   ヘツド側に向う第１、第２のオイル通路を形成
   し、前記オイルポンプの吐出側をエンジンの潤滑
   部分に接続される潤滑系路と冷却部分に至る冷却
   系路とに分岐し、該冷却系路に前記第１、第２の
   オイル通路のうちの一方のクランクケース側の端
   部を連通させ、他方のクランクケース側の端部を
   オイルパンに連通させると共に、第１、第２のオ
   イル通路のシリンダヘツド側の端部間にオイルク
   ーラを介装したことを特徴とするエンジンの冷却
   装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載のエンジンの冷却
   装置において、第１のオイル通路を左右のシリン
   ダ部の一方に形成すると共に、第２のオイル通路
   を前記左右のシリンダ部の他方に形成したもの。