JPS6131255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は過流出防止用のヒユーズを内蔵したガ
スコツクの改良に関するものである。

従来におけるヒユーズを内蔵したガスコツクの
場合には、コツク（閉子）を半開きにしたままで
も使用可能であることから、コツク全開を前提に
設計されているヒユーズ内蔵型ガスコツクにおい
ては、緊急時にヒユーズが作動しないという欠点
がある。

そこで、従来公知のガスコツク（実公昭56−
55496）に於いては、ガスコツク内に蓄勢用のス
プリングを装入し、閉子は全開位置以外に於いて
はハンドルから手を離すと独りでに全閉に戻つて
しまうという工夫がなされているものもある。し
かし、この公知例の場合、スプリングやその他の
回動部品が必要になると共にハンドルを廻わすこ
とで毎回スプリングに蓄勢を行うため、ハンドル
が重くなるという欠点がある。又、従来のヒユー
ズ内蔵型ガスコツクの場合、作動したヒユーズを
リセツトするために、別にこのリセツト機構を組
み込む必要があり、ガスコツクが複雑化、大型
化、高価になるという欠点がある。

本考案は上記指摘した欠点のないガスコツクを
提案するのが目的であり、その構成は内部にたて
方向のガス流入口とこれに続いて水平方向のガス
流出口を設けると共にガス流入口と流出口間に閉
子組込用のテーパーをたて方向に向けて設けて成
るガスコツク本体と、前記ガスコツク本体内のテ
ーパーに対して上方から挿入して組み込まれる内
部にガス通路を有する閉子と、前記閉子のガス通
路の入口内に挿入されるものであつて、内部にヒ
ユーズを内蔵すると共に上部中央に弁シートを、
上面に軸受を、更に上面をガスコツク本体のガス
流出口側に下げて傾斜面を形成し、固定リングに
よりガスコツク本体１側に固定されるシリンダー
と、前記シリンダーの軸受に係合する軸を有し、
この軸上にスライド溝を形成し、前記シリンダー
の傾斜面に密着自在で、密着したときにガス通路
を閉塞し、かつ弁シートにヒユーズボールが密着
しているときにはヒユーズボールを上から叩いて
下方に落下させる補助弁と、前記閉子内のガス通
路の天井に組み込まれるものであつて、中心から
外周方向に偏心した偏心溝を形成して成る案内板
と、前記案内板の偏心溝内に頭部が係合し、この
頭部の下に設けた支軸がシリンダーにて支持さ
れ、下端にスプリングで出入り自在の先端部を形
成し、この先端部を前記補助弁のスライド溝内に
係合せしめて成る補助弁開閉部材と、から成り、
案内板と補助弁開閉部材の作用により、シリンダ
ーの傾斜面に密着自在に設けた補助弁を作動させ
るもので、閉子を全開にしたときに補助弁は全開
し、閉子を全開から少しでも閉方向に廻わすと直
ちに補助弁は全開になるものである。この結果、
仮に閉子を半開きに維持しても、補助弁は常に安
全サイド、つまり全閉になつているため、この補
助弁がコツク内を流れるガスを遮断し、ヒユーズ
の作動流量以下に於いてコツクが使われることは
ない。又、補助弁は閉じたときに作動したヒユー
ズボールを叩くので、リセツト機構としても機能
する。

図は上記構成から成る本考案について、その実
施例を示したもので、１は内部に立上がりのガス
流入口２とこれに続く水平方向のガス流出口３を
設け、このガス流入口２とガス流出口３間にたて
方向に閉子組み込み用テーパー４を設けて成るガ
スコツク本体である。

５は前記ガスコツク本体１のテーパー４内に組
み込まれた閉子にして、この閉子５内には前記ガ
スコツク本体１内のガス流入口２とガス流出口３
とを連通又は遮断することの出来るガス通路６が
形成してある。

７は前記閉子５のガス通路６内にその大部分を
挿入してガスコツク本体１側に固定リング２５を
用いて固定されたシリンダーにして、このシリン
ダー７内下部にはピン８上にヒユーズボール９が
内蔵してあり、シリンダー７内上部には弁シート
１０が、シリンダー７の上面には軸受１１，１
１′が更に上面はガス流出口３側に向つて下がつ
た状態で傾斜面１２が形成してある。

１３は前記シリンダー７の軸受１１，１１′に
対して軸１４，１４′により転自在に取り付けら
れた補助弁（リセツト弁）にして、この補助弁１
３の上面であつて前記軸１４，１４′を含む範囲
にはスライド溝１５が形成してあり、補助弁１３
は前記シリンダー７の傾斜面１２に密着自在であ
る。

１６は前記閉子５内に形成したガス通路６の天
井６′にビス１７により固定した案内板にして、
この案内板１６には中心から外周方向に偏心せし
めて偏心溝１８が形成してある。

１９は前記シリンダー７に設けた軸受１１，１
１′の軸孔２０，２０′に対して軸２１により回転
自在に取り付けられた開閉部材にして、この開閉
部材１９の頭部２２は前記偏心溝１８内に係合
し、先端（下端）部２３は前記スライド溝１５に
係合している。なお、先端部２３はスプリング２
４により常時スライド溝１５側に弾発されてい
る。図中２６は閉子５上に固定されたハンドルを
示す。

本考案に係るガスコツクは以上の如き構成から
成り、次にその作用を第３〜５図に基づいて説明
する。

第３図イ，ロは閉子５が全閉の場合であり、こ
の際における開閉部材１９の頭部２２は、第３図
イに示すように偏心溝１８内に於いて中心から最
も遠い位置にあり、先端部２３は補助弁１３のス
ライド溝１５内において第３図中右端にあり、補
助弁１３はシリンダー７の傾斜面１２に密着し、
シリンダー７の上部（弁シート１０上）を完全に
密閉している。

次に、この状態からハンドル２６を持つて閉子
５を開方向に廻わすと、案内板１６は閉子５と一
緒に回転し、開閉部材１９の頭部２２は偏心溝１
８内を徐々に中心方向に変位する。この結果、開
閉部材１９は支軸２１を中心として傾斜を始め、
先端２３側はスライド溝１５内を外方向に移動す
る。そして、閉子５が全開寸前のとき、開閉部材
１９の先端部２３は丁度補助弁１３の軸１４，１
４′上に位置し（第４図イ，ロ）、閉子５が全開と
なつたときに開閉部材１９の先端部２３は軸１
４，１４′を越える。そして、この先端部２３が
軸１４，１４′を越えると、スプリング２４の作
用で先端部２３が突出し、補助弁１３を軸１４，
１４′を中心として図中反時計方向に回転し、第
５図に示すように補助弁１３を全開にする。

ガスコツクは第５図の状態にて使用される。そ
して、この使用を止めるときには、ハンドル２６
を先程とは反対方向に廻わす。このようにする
と、開閉部材１９の頭部２２は再び偏心溝１８内
を外方向に変位し、開閉部材１９は支軸２１を中
心として回転し、先端部２３が軸１４，１４′を
スライド溝１５内に於いて越えると補助弁１３は
急激に閉じ、第３図に示す状態に戻る。

本考案は以上の如き作用により閉子５の開閉と
は別に、補助弁１３により閉子５内に於いてガス
通路６を開閉し、然もこの補助弁１３は閉子５を
全開にして始めて全開し、閉子５を閉方向に廻わ
し始めると開閉部材１９により独りでに全閉して
しまうので、仮に閉子５を半開きにして使用しよ
うとしても、これは出来ない。したがつて、本考
案に係るガスコツクは常に全開にしなければ使用
できないので、緊急時にヒユーズが作動しないと
いうことはなく、安全対策上有効である。

次に本考案は、補助弁１３を弁シート１０上に
密着するように構成したので、ヒユーズボール９
が作動して弁シート１０に密着した際、閉子５を
閉じると補助弁１３が前記のとおり閉じてヒユー
ズボール９を叩き、シリンダー７内に落下させる
ので、ヒユーズボール９のリセツト機構としても
機能する。したがつて、本考案によればリセツト
機構を別に取り付ける必要がないので、ガスコツ
クの構造を簡単に、そして小型に構成できると共
に安価に提供できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るガスコツクの組立断面
図、第２図はガスコツク本体とハンドルを除いた
各部品の分解斜視図、第３〜５図は作用説明図で
ある。 １……ガスコツク本体、７……シリンダー、９
……ヒユーズボール、１３……補助弁、１５……
スライド溝、１６……案内板、１８……偏心溝、
１９……開閉部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部にたて方向のガス流入口とこれに続いて水
   平方向のガス流出口を設けると共にこのガス流入
   口と流出口間に閉子組込用のテーパーをたて方向
   に向けて設けて成るガスコツク本体と、 前記ガスコツク本体内のテーパーに対して上方
   から挿入して組み込まれる内部にガス通路を有す
   る閉子と、 前記閉子のガス通路の入口内に挿入されるもの
   であつて、内部にヒユーズを内蔵すると共に上部
   中央に弁シートを、上面に軸受を、更に上面をガ
   スコツク本体のガス流出口側に下げて傾斜面を形
   成し、固定リングによりガスコツク本体１側に固
   定されるシリンダーと、 前記シリンダーの軸受に係合する軸を有し、こ
   の軸上にスライド溝を形成し、前記シリンダーの
   傾斜面に密着自在で、密着したときにガス通路を
   閉塞し、かつ弁シートにヒユーズボールが密着し
   ているときにはこのヒユーズボールを上から叩い
   て下方に落下させる補助弁と、 前記閉子内のガス通路の天井に組み込まれるも
   のであつて、中心から外周方向に偏心した偏心溝
   を形成して成る案内板と、 前記案内板の偏心溝内に頭部が係合し、この頭
   部の下に設けた支軸がシリンダーにて支持され、
   下端にスプリングで出入り自在の先端部を形成
   し、この先端部を前記補助弁のスライド溝内に係
   合せしめて成る補助弁開閉部材と、 から成るヒユーズ内蔵型ガスコツク。