JPS6130911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、エンジン部の後部にギアトランスミ
ツシヨンを配置してあるトラクタにおいて、前記
エンジン部からギアトランスミツシヨンへ向けて
配置した前後向き伝動軸に介在配設してあるクラ
ツチに対する操作部構造の改良に関する。

上記トラクタにおいては、前記前後向き伝動軸
に、クラツチと、前後に摺動可能なクラツチ操作
用シフターおよび前記伝動軸に対する軸受部材を
前方から後方に向けて順次配設するのが普通であ
る。

そして従来のものにあつては、前記シフターに
対する摺動操作用揺動アームの揺動支点構成用ブ
ラケツトを機体フレームに対し、前記軸受部材と
は別体に固着支持させてあつた。

しかしこの従来構成の場合には、前記ブラケツ
トの固着支持具を要するだけでなく、これらブラ
ケツトおよび固着支持具をそれ自体において、前
記揺動アームの枢支および機体フレームへの固着
のとつて必要な強度を有するものに構成しなけれ
ばならないとか、機体フレームに対し軸受部材と
は別途にブラケツトを固着する作業を要し、かつ
この作業において、軸受部材とブラケツトとの相
対姿勢を、これらおよびクラツチが共通の伝動軸
に関係づけられていることから、ある一定関係に
調整しつつ行なわなければならないといつた、構
造面、強度面ならびに取付け作業面での不都合を
有していた。

本考案によるトラクタのクラツチ操作部構造
は、かかる不都合を解消せんとすることを目的と
したものであつて、機体フレームに固着支持され
る前記軸受部材に、前記シフターに対する摺動操
作用揺動アームの揺動支点構成用ブラケツトを一
体連設してあることを特徴とする。

即ち、前記ブラケツトを軸受部材に一体連設す
ることにより軸受部材を機体フレームに固着支持
させるだけでブラケツトを機体フレームに対し軸
受部材を介して間接的に固着支持させるべく構成
してあるから、従来必要としていたブラケツトの
固着支持具、ならびにブラケツトの機体フレーム
に対する直接的な取付け作業を省略できるととも
に、軸受部材は本来的に、伝動軸を支承するに足
るだけの比較的大なる強度をもつているから、ブ
ラケツト自体に求められる必要強度を低減するこ
とが可能である。

更に、ブラケツトと軸受部材とが一体化されて
いる故に、この一体物を製造する段階で予め両者
の相対姿勢関係を決定しておくだけで、組付け後
において従来の如き面倒な調整作業が不要とな
る。

つまり、本考案によれば、必要強度を確保しな
がらも構造を簡単化できかつ取付け作業性の改善
および取付け精度の向上を図ることができるに至
つた。

本考案の実施例を図面に基づいて説明すると、
第１図に例示したトラクタは、前輪１および後輪
２を取付けた機体フレーム３に、前方から後方に
かけてエンジン部４、操縦部５、運転席６を装着
し、トラクタの後部に植付け装置７を平行四連リ
ンク８を介して連結してシリンダ９にてリンク８
を強制揺動可能に構成し、かつトラクタ側におい
て、エンジン部４の後部に配置したギアトランス
ミツシヨン１０からシヤフト１１を介して植付け
装置７に伝動すべく構成したものであつて、１２
および１３は植付け装置７に装着の苗のせ台およ
び植付け爪、１４はトラクタ前部に立設の予備苗
のせ台、１５は予備苗のせ台１４に付設のバツク
ミラー、１６は操縦回転ハンドルである。

前記シリンダ９に対する油圧ポンプ１７をエン
ジン部４に直結してある出力軸１８に対して平行
な前後向きの伝動軸１９を前記ギアトランスミツ
シヨン１０に連動連結してあり、この伝動軸１９
に、クラツチ２０と、前後に摺動操作可能なクラ
ツチ操作シフター２１および伝動軸１９に対する
軸受部材２２をこの順に前方から後方に向けて配
設してある。前記クラツチ２０は固定摩擦板と摺
動摩擦板とを交互に配置し、スプリングで両摩擦
板を圧接すべくなした多板クラツチに構成されて
おり、固定摩擦板と一体回転するケースに形成し
たプーリ２３と前記出力軸１８に付設のプーリ２
４との間にベルト２５を掛張してある。前記シフ
ター２０は、摺動摩擦板をスプリングに抗して固
定摩擦板から離間させるものであり、シフター２
１の周溝にはシフター２１を伝動軸１９に沿つて
摺動操作するためのアーム２６の先端二叉部が係
合されている。このアーム２６はその長手方向中
間部がブラケツト２７に対し横軸を支点にして揺
動自在に枢着され、アーム２６の遊端から延設の
ロツド２８がクラツチペダル２９に連結されてい
る。そして前記ブラケツト２７は前記の軸受部材
２２に一体連設されており、このブラケツト２７
付きの軸受部材２２を機体フレーム３に対してボ
ルトを介して固着支持させてある。尚、２２′は
クラツチ２０側に付設されたベアリングである。

本実施例の場合、伝動軸１９と出力軸１８とを
ベルト２５を介して連動したが、本考案は、この
構成に限られず、伝動軸１９を出力軸１８に直結
したものに適用しても良い。又クラツチ２０とし
て噛合いクラツチを用いたものでも良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るトラクタのクラツチ操作部
構造の実施の態様を例示し、第１図はトラクタに
植付け装置を装着した田植機の全体側面図、第２
図はエンジン部からトランスミツシヨンへの伝動
系を示す拡大側面図、第３図は要部の拡大断面図
である。 ３……機体フレーム、４……エンジン部、１０
……トランスミツシヨン、１９……伝動軸、２０
……クラツチ、２１……シフター、２２……軸受
部材、２６……揺動アーム、２７……ブラケツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン部４からその後部に配置のギアトラン
   スミツシヨン１０への前後向き伝動軸１９に、ク
   ラツチ２０と前後に摺動可能なクラツチ操作用シ
   フター２１および前記伝動軸１９に対する軸受部
   材２２を前方から後方に向けて順次配設するとと
   もに、機体フレーム３に固着支持される前記軸受
   部材２２に、前記シフター２１に対する摺動操作
   用揺動アーム２６の揺動支点構成用ブラケツト２
   ７を一体連設してあることを特徴とするトラクタ
   のクラツチ操作部構造。