JPS6130188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案はシヤーシダイナモメータ台上試験で被
試験車のミツシヨンにおけるコラムタイプのチエ
ンジレバーを人間の運転どおりまたは規定どおり
に操作する必要があり、この操作のためのミツシ
ヨン操作装置に関する。

Ｂ 従来の技術 従来の例えば実開昭52−43201号公報に開示さ
れているものと同様のミツシヨン操作装置の一例
を第１図ないし第３図に示す。このミツシヨン操
作装置はフロアタイプの装置である。チエンジレ
バー１の先端はボールジヨイントを介してスプリ
ングロツド２に連結され、このスプリングロツド
２はリンクを介してシフト用アクチユエータ３と
このシフト用アクチユエータ３に対しほぼ直角に
配置されたセレクト用アクチユエータ４とに連結
されている。

リンクとしての構成は、シフト用アクチユエー
タ３の出力軸５と、この出力軸５に連結され中間
に自在継手６を有し先端にてユニボール７でスプ
リングロツド２に連結された揺動アーム８からな
り、またセレクト用アクチユエータ４の出力軸９
と、先端を自在継手１０によりスプリングロツド
２の基端に連結された揺動アーム１１とからな
る。また、１２，１３はそれぞれアクチユエータ
への油の供給と排出を行なう給油パイプおよび排
油パイプ、１４はサーボ弁、１５は短絡用電磁弁
である。したがつて、上記構成によれば、シフト
用アクチユエータ３を作動させスプリングロツド
２の先端を第１図に示すシフト方向に揺動させて
チエンジレバー１にシフト操作を行なわしめる。
また、セレクト用アクチユエータ４を作動させス
プリングロツド２を該スプリングロツド２の軸方
向に移動させるとチエンジレバー１にセレクト操
作を行なわしめる。

Ｃ 考案が解決しようとする問題点 ところが、かかる構造のミツシヨン操作装置の
場合、動力源であるアクチユエータをも被試験車
内に据付けているため、重量が重く着脱作業が大
変であり、また被試験車内にて油圧パイプを引き
回すために油の漏洩によつて車内を汚すことがよ
くあり、さらに取付時に位置調整が必要であるが
セレクト用アクチユエータ４とシフト用アクチユ
エータ３がほぼ直角で独立して配置されるため占
有平面換言すれば設置面積が大きくなつて、長孔
内の移動による前後・左右調整、ボルトによる上
下調整が面倒でむつかしく、また座席を取外す必
要があるため取付け作業が非常に煩雑になるなど
の欠点が存在する。

上記欠点はフロアタイプのミツシヨン操作装置
に関してであるが、コラムタイプのミツシヨン操
作装置は従来より好適なものは存在せず、上記フ
ロアタイプのものを応用したとしても上述の欠点
は除かれず、油の漏洩による汚れ、大重量に係る
着脱作業の大変さ等の外、特にチエンジレバーの
位置に関係する設置位置の位置調整の面倒さ、困
難さはコラムタイプのチエンジレバーの場合チエ
ンジレバーが上方にあるので被試験車室内の上方
空間に位置するようにミツシヨン操作装置を持ち
上げなければならず甚だしく大変なものである。

そこで、本考案は上述の欠点に鑑み、コラムタ
イプの好適なミツシヨン操作装置を得るととも
に、フロアタイプを応用した場合の如き位置調整
の面倒さ・困難さを除くようにしたミツシヨン操
作装置の提供を目的とする。

Ｄ 問題点を解決するための手段 上述の目的を達成する本考案は、固定ベースに
植立された支持体に穴を設けると共にこの支持体
上にねじが切られたリングナツトを載せ、上下ベ
ースより突出するねじ体を上記リングナツトに螺
合させると共に上記穴に回転自在に嵌入させ、上
記ねじ体を支持体に対して固定する固定部材を備
え、上記上下ベースの一端に傾斜ベースの端を回
動可能に取付けると共に、この傾斜ベースと上下
ベースとの間にこの両者がなす角度を変化させる
長さ調節可能な支持体を介在させ、上記傾斜ベー
ス上に載せられたスライドベースを傾斜方向に沿
い移動可能に配置し、このスライドベース上にチ
エンジレバーと連結されるスプライン軸を備え、
このスプライン軸をシフト用のレバーを介して回
動させるシフトケーブル及びこのスプライン軸を
セレクト用のレバーを回動させて、長手方向に移
動させるセレクトケーブルそれぞれのインナーケ
ーブルをそれぞれのアウタケーブルに対して移動
可能に上記スライドベース上に備えたことを特徴
とする。

Ｅ 作用 上下調節可能な上下ベース、傾斜角度の調節可
能な傾斜ベース、ステアリングシヤフト方向の位
置調節可能なスライドベースと、このスライドベ
ース上に備えたチエンジレバーを操作させるスプ
ライン軸やこのスプライン軸を動かすシフトケー
ブル、セレクトケーブルとにより、それぞれが簡
単に調節でき、しかも車内にアクチユエータを持
ち込む必要がなくなる。

Ｆ 実施例 ここで、第４図および第５図を参照して本考案
の実施例を説明する。シヤーシダイナモメータの
台上試験に使われる被試験車としては、チエンジ
レバー１６がステアリングコラム１７から突出し
ている、いわゆるコラムタイプのものを対象とす
る。この種チエンジレバー１６はステアリングホ
イール１８の直下にあるので、このチエンジレバ
ー１６を動かすための操作装置もこのチエンジレ
バー１６の位置に対応して配置される。また、車
種によつてチエンジレバー１６の設置位置等も若
干変化するために操作装置の位置調整も自在にで
きる必要がある。被試験車の助手席を外した空間
には、固定ベース１９が取付けられる。この固定
ベース１９には支持体２０が植立されており、支
持体２０には後述する上下ベースのねじ体が遊嵌
し得る中空が存在すると共に上端部内周側にはス
リツトが複数本設けられている。支持体２０の上
部には内周にねじが切られたリングナツト２１が
載せられ、支持体２０とは別にリングナツト２１
自体が自在に回転し得る。２２はバンドで、この
バンド２２は支持体２０の上端部外周に設けら
れ、締付けることにより後述のねじ体の回転を止
めるものである。

固定ベース１９上には上下ベース２３が支持さ
れる。この上下ベース２３にはねじ体２４が突出
され、このねじ体２４は支持体２０内に回転自在
に嵌入されるとともにリングナツト２１と螺合し
ている。したがつて、上下ベース２３は支持体２
０すなわち固定ベース１９に対して自在に回転す
るとともにリングナツト２１の回転で上下方向に
移動し得る。上下ベース２３の一端には傾斜ベー
ス２５の端が回動自在に取付けられている。この
傾斜ベース２５は上下ベース２３が水平に配置さ
れるので、傾斜ベース２５上に載せられるシフト
及びセレクト用の機構をステアリングシヤフト１
７ａに沿わせるべく傾斜させるものである。傾斜
ベース２５には支持棒２６の一端が取付けられ、
その他端は上下ベース２３に支持棒２６を螺合し
ている筒体２６ｂを介して係止されている。この
ため、傾斜ベース２５は支持棒２６によつて支持
されることになる。支持棒２６自体はナツト２６
ａの回転によりその長さを変化できるので、その
長さの程度により傾斜ベース２５の傾斜角θを変
えることができる。傾斜ベース２５上にはスライ
ドベース２７が載せられ、このスライドベース２
７はねじ２８に螺合しているのでこのねじ２８を
回すことにより傾斜方向に移動され得る。

スライドベース２７上には軸受２９ａ，２９ｂ
により回動自在でしかも軸方向移動が可能なスプ
ライン軸３０が軸支され、このスプライン軸３０
に固着した２個の止め具３１ａ，３１ｂ間に先端
が挿入され基端がピン３２で軸支されたセレクト
用のレバー３３を有し、レバー３３にリンク３４
ａ，３４ｂを介して先端が連結され基端は図示し
ないアクチユエータに連結されるインナーケーブ
ル３５ａおよび固定板３６の切込穴３７に挿入さ
れて固定されるアウタケーブル３５ｂを有するセ
レクトケーブル３５が配置されている。また、ス
ライドベース２７上にはスプライン軸３０に嵌合
するシフト用のレバー３７ａ、このレバー３７ａ
にリンクボール等の連結具３８を介して先端が連
結され基端は図示しないアクチユエータに連結さ
れるインナーケーブル３９ａ，固定板４０の切込
穴４１に挿入されて固定されるアウタケーブル３
９ｂを有するシフトケーブル３９を備えている。
この場合、シフト用のレバー３７ａはスプライン
軸３０と同じ回転軸心を有してスプライン結合さ
れ、レバー３７ａの上部に備えた連結具３８を介
してインナーケーブル３９ａにつながり、インナ
ーケーブル３９ａの伸縮にてシフト用のレバー３
７ａがスプライン軸心を中心として回動する。

スプライン軸３０の一端には操作アーム４２が
連結され、操作アーム４２の先端はリンクボール
等からなる連結具４３が取付けられる。すなわ
ち、操作アーム４２の先端にシフトロツド４４が
回転自在に嵌入され、シフトロツド４４は球面軸
受４５、ピン４６、レバーキヤツチ４７を介して
チエンジレバー１６に連結される。

したがつて、セレクトケーブル３５のインナー
ケーブル３５ａがアクチユエータにより長手方向
に移動されるとリンク３４ｂが移動しピン３２を
中心としてレバー３３が回動するので、スプライ
ン軸３０が軸方向に移動し操作アーム４２の移動
によりチエンジレバー１６がセレクト方向に移動
する。また、シフトケーブル３９のインナーケー
ブル３９ａがアクチユエータによつて長手方向に
移動されるとレバー３７ａがスプライン軸３０と
一体に回転し、操作アーム４２の回動でチエンジ
レバー１６がシフト方向に回動する。

スプライン軸３０、セレクトケーブル３５、シ
フトケーブル３９等が載せられたスライドベース
２７は、その上下調整としてリングナツト２１の
回転により上下ベース２３の上下移動に伴ない上
下方向に調整ができ、矢印Ａの向きの調整として
ねじ体２４ひいては上下ベース２３の回動により
調整され、また傾斜調整としてナツト２６ａを回
して支持棒２６の長さが調整され、そして傾斜方
向の調整としてねじ２８により調整され得る。

Ｇ 考案の効果 以上実施例にて説明したように本考案によれ
ば、固定ベース、リングナツト、上下ベース、傾
斜ベース、スライドベース等の設置および調整に
てコラムタイプの試験車に適用して操作部の位置
調整が極めて容易となり、車種に関係なく最適位
置に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図はフロアタイプの従来のミ
ツシヨン操作装置の一例で、第１図は平面図、第
２図および第３図は側面図、第４図および第５図
は本考案によるコラムタイプのミツシヨン操作装
置の一例で、第４図は側面図、第５図は平面図で
ある。 図面中、１９は固定ベース、２０は支持体、２
１はリングナツト、２３は上下ベース、２４はね
じ体、２５は傾斜ベース、２６は支持棒、２７は
スライドベースである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定ベースに植立された支持体に穴を設けると
   共にこの支持体上にねじが切られたリングナツト
   を載せ、上下ベースより突出するねじ体を上記リ
   ングナツトに螺合させると共に上記穴に回転自在
   に嵌入させ、上記ねじ体を支持体に対して固定す
   る固定部材を備え、上記上下ベースの一端に傾斜
   ベースの端を回動可能に取付けると共に、この傾
   斜ベースと上下ベースとの間にこの両者がなす角
   度を変化させる長さ調節可能な支持体を介在さ
   せ、上記傾斜ベース上に載せられたスライドベー
   スを傾斜方向に沿い移動可能に配置し、このスラ
   イドベース上にチエンジレバーと連結されるスプ
   ライン軸を備え、このスプライン軸をシフト用の
   レバーを介して回動させるシフトケーブル及びこ
   のスプライン軸をセレクト用のレバーを回動させ
   て長手方向に移動させるセレクトケーブルそれぞ
   れのインナーケーブルをそれぞれのアウタケーブ
   ルに対して移動可能に上記スライドベース上に備
   えたミツシヨン操作装置。