JPS6127087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はシールド線の端末構造に関し、特に
簡単な構造によりプリント板への接続が容易で然
も確実にプリント板に支持することができるシー
ルド線端末構造を提供しようとするものである。

例えば高周波同軸ケーブルのように編束線を持
つシールド線をプリント板に直接接続する場合が
ある。従来は第１図に示すように編束線１の端末
を例えば２分割し、その２分割した編束線１をプ
リント板２の裏側に被着したアース導体に半田付
すると共に、中心導体３を所望の導体に半田付け
し、更にメツキ線４によりプリント板２にケーブ
ル５をクランプするようにしている。

このように従来は編束線１をプリント板２のア
ース導体に電気的に接続する作業と、ケーブル５
をプリント板２の板面にクランプする作業を別々
に行なつているため作業性が悪い欠点があつた。
またメツキ線４によりケーブル５の被覆に直接抑
え付け、その状態でメツキ線４をプリント板２に
半田付するものであるからメツキ線４が加熱され
ることにより被覆が溶ける。このためクランプ状
態にガタが生じ易く、そのガタにより編束線１及
び中心導体３の半田付部分に曲応力が与えられ、
編束線１と中心導体３の断線事故が起きるおそれ
があり、更にケーブルに強い力が与えられるとメ
ツキ線４が伸びたり或は外れたりすることがあ
り、信頼性が悪い欠点がある。

この考案の目的は取付作業が簡単で然も信頼性
の高いシールド線端末構造を提供するにある。

第２図にこの考案の一実施例を示す。図中１は
編束線、３は中心導体、５はケーブル全体を示
す。

この考案においてはケーブル５の端末に編束線
１の露出部を形成し、その露出された編束線１の
内側に芯部材６を挿入すると共に編束線１の外側
に筒状の圧着具７を装着し、この筒状圧着具７に
よりアース用具部材８を支持させるようにしたも
のである。

芯部材６は例えば第３図に示すように導電材に
よつて形成された筒状体の端部にフランジ６ａを
付した形状とすることができる。一方圧着具７は
例えば第４図に示すように円筒形状とされ、予め
折曲部７ａを形成しておくとよい。ケーブル５の
端末は予め第５図に示すように中心導体３と編束
線１を露出させ、編束線１を押広げて編束線１の
内側に芯部材６を挿入する。圧着具７には予めア
ース導体８をコ字状に折曲げて挿通しておき、こ
の状態で圧着具７を編束線１の上に被せる。圧着
具７を工具を使つて折曲部７ａを押しつぶし、編
束線１を介して圧着具７を芯部材６に加締付け
る。

このようにアース導体８を圧着具７によつて編
束線１に対して取付けることによりアース導体８
は編束線１に対し、電気的に接触して然も機械的
にも強固に支持される。

よつてこのアース導体８を第６図に示すように
プリント板２に半田付することによりケーブル５
の端末はプリント板２に対して確実にクランプさ
れる。特にアース導体８を半田付する際にアース
導体８に熱が伝わつてもアース導体８とケーブル
５との間の結合状態が緩むことはない。よつてア
ース導体８をプリント板２に半田付して後の状態
においてケーブル５のクランプ状態が緩むことは
なく、よつてケーブル５はプリント板２に対して
ガタなくクランプされるから芯線３の半田付部分
に折曲力が与えられることはなく、芯線３が断線
することはない。またアース導体８は圧着具７に
よつて編束線１の周面に抑え付けられている近傍
の位置においてプリント板２に半田付されるから
強い支持力を得ることができる。このため比較的
大きい力がケーブル５に与えられてもアース導体
８が破断するような事故が起きるおそれはなく、
信頼性の高いシールド線の端末構造を得ることが
できる。

尚上述ではメツキ線のような線材によつてアー
ス導体８を形成した例を説明したが、アース導体
８は例えば第７図に示すように圧着具７と一体に
形成してもよい。また芯部材６のフランジ部６ａ
にも一体に形成することができる。

以上説明したようにこの考案によればアース導
体８をプリント板２に半田付することによりケー
ブル５の端末をプリント板２にクランプすること
と、編束線１をプリント板２のアース導体に接続
することの双方を一挙に行なうことができ、配線
作業を容易に行なうことができる。またアース導
体８は圧着具７によつて抑えられている部分の近
傍でプリント板２に半田付されるから、その強度
を強く保つことができる。よつてケーブル５の端
末を強固にクランプでき、芯線３に断線事故が起
きることがなく信頼性の高いシールド線の端末構
造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシールド線の端末構造を説明す
るための斜視図、第２図はこの考案の一実施例を
示す断面図、第３図はこの考案の端末構造に用い
る芯部材の一例を示す斜視図、第４図はこの考案
の端末構造に用いる圧着具とアース導体の一例を
示す斜視図、第５図はこの考案の端末構造を装着
する前の状態のシールドケーブルの端末の状態を
示す側面図、第６図はこの考案の端末構造をプリ
ント板に実装した状態を説明するための断面図、
第７図はこの考案の他の実施例を示す斜視図であ
る。 １：編束線、２：プリント板、３：ケーブルの
芯線、５：ケーブル、６：芯部材、７：圧着具、
８：アース用導体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シールド線の端末に形成された編束線露出部と
   その内側の絶縁層との間に同軸心的に挿入され、
   上記シールド線の芯線が突出され、金属材よりな
   る筒状芯部材と、 上記編束線露出部上に同軸心的に被され、その
   編束線露出部を上記芯部材に向つて加締付ける筒
   状圧着具と、この筒状圧着具によつて支持される
   と共にこれと電気的に接続され、上記シールド線
   に対し半径方向に外部に突出しているアース用導
   体とより成るシールド線端末構造。