JPS61266542A - 無機摩擦材料 - Google Patents

無機摩擦材料

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JPS61266542A
JPS61266542A JP13289185A JP13289185A JPS61266542A JP S61266542 A JPS61266542 A JP S61266542A JP 13289185 A JP13289185 A JP 13289185A JP 13289185 A JP13289185 A JP 13289185A JP S61266542 A JPS61266542 A JP S61266542A
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sliding
graphite
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、有機系成分を含まないメタリック摩擦材や
サーメット摩擦材などの無機摩擦材料に関する。
2つの物体が相互に接触を保って運動する場合、その接
触する面上においては滑りや転がりなどの運動が生じ、
そこに摩擦力が発生する。この摩擦力を積極的に利用す
る機械要素としてブレーキやクラッチがある。
ブレーキにあっては、接触して摺動する2面の運動を、
この2面間に発生する摩擦力によって静止させる役目を
果す、その結果、摺動面には摩擦熱が発生する。換言す
れば、ブレーキは摩擦力によって運動エネルギーを熱エ
ネルギーに変換する役割を演じている。
他方、クラッチの役割は、互いに接触する2面に作用す
る摩擦力を利用し、静止する物体に運動エネルギーを付
与することにある。別の表現をとるならば、クラッチは
摩擦力によって一方の面から他方の面に運動エネルギー
を伝達する働きを持っていると言うことができる。
このことから、ブレーキやクラッチのような機械要素に
組込まれて相対向する一方の面を構成する摩擦材料は、
当該摩擦材料の摺接面が他の面と接触しながら互いに摺
動し、そこに摩擦力を発生させる役割を演じるものであ
る。このように、摩擦材料は、摩擦熱と加圧力に耐えつ
一相千面と摺動して使用されるものであり、したがって
、比較的高くかつ一定した摩擦力或いは摩擦係数を要求
されるだけでなく、自分自身の摩耗は勿論のこと、相手
面をも極力少ない摩耗で抑えることのできる材料でなけ
ればならない。
この発明は、以上述べたようなブレーキやクラッチなど
の摩擦パッド材としての使用に適した摩擦材料、特に、
メタリック摩擦材やサーメット摩擦材などの無機摩擦材
料の改良に関する。
(従来の技術) これまでブレーキやクラッチに使用されてきた摩擦材料
の大部分は、耐熱性のあるアスベスト繊維を必須成分と
し、これに用途に応じて炭素粉末、金属粉末、金属酸化
物粉末、ゴム粉、及びナツツ殻粉末などの各種粉末を加
え、有機バインダー(多くはフェノール樹脂)で固めた
複合材料によって占められていた。しかし、ブレーキや
クラッチの軽量化、小型化及び使用条件の過酷化に直面
して、このような材料では、耐熱性からもまた耐圧強度
的にも十分社会的ニーズに応じきれなくなってきた。
そこで、耐熱性の向上と強度の増大とをはかって、金属
成分を多く含んだセミメタリック摩擦材や、耐熱性に劣
る有機系成分を全く含まないメタリック摩擦材、或いは
金属とセラミックスとからなるサーメット摩擦材などの
無機摩擦材料が1価額的不利にも拘らず前記のアスベス
ト系摩擦材料に代ってブレーキやクラッチの一部に使用
されるようになってきた。
すなわち、摩擦材料が相手材と摺動されて使用される両
名の接触面上では、摩擦熱に由来する顕著な温度の上昇
がみちれる。一方、物体が接触する場合1面の凹凸に基
づき両面の接触は、全面積に均一に当たるものではない
、その一部分で行われているに過ぎない、これがいわゆ
る真実接触点であり、見掛けの接触面積よりは真実接触
面積が重要な意味をもつのである。換言すれば、摺動時
の真実接触点には高温と高圧とが作用することになる。
このために、過酷な摺動と言われる油なしのいわゆる乾
式摩擦では耐熱性と強度が重要になる。
航空機や新幹線のブレーキライニングの例を挙げるまで
もなく、有機物を含有しないメタリック摩擦材やサーメ
ット摩擦材が高価にも拘らず賞用される理由がこの点に
ある。
そして、以上述べたメタリック摩擦材やサーメット摩擦
材は、いづれも金属(銅合金或いは鉄合金)を材料構成
の基本成分とし、これに鉛、黒鉛等の固体潤滑成分と、
シリカやアルミナのような硬質で耐熱性のあるセラミッ
ク成分とをその中に分散保持した構造をもっている。中
でもサーメット摩擦材は、特に耐熱性を高めるために金
属成分を少なくし、高融点の非金属成分を増量してこれ
に対応している。したがって、サーメット摩擦材と言っ
ても、材料組織的にはメタリック摩擦材と基本的に異な
った材料ではない。
(発明の背景) このような認識の下に、これら材料における固体潤滑成
分の役割に注目するならば、その作用は、摺動面に介在
して相接触する2面の真実接触点の過大な増大を防止し
、真実接触面積を調整することを目的とすることがわか
る。摩擦力とは、真実接触点における2面間の凝着や、
一方の軟らかい面に対する他方の硬い面の凸部による掘
起し作用によるものであること、すなわち、「全摩擦力
=凝着摩擦力十掘起し摩擦力」であることは。
広く認められた事実と言える。
摩擦材料にとっては、摺動時の摩擦力の高いことも勿論
必要であるが、それにも増して摩擦力が安定し、可能な
らば一定であることが望ましいのである0例えば、ブレ
ーキ制動時の静止直前における摩擦係数の急激な増大は
ブレーキのチャタリング現象を惹起し、運動体の停止直
前における異常振動を生起させる。また、クラッチにお
ける2面の相対運動停止直前の同様な現象は、クラッチ
のシャダーや兎飛び現象を引起す原因ともなっている。
したがって、摩擦材料には、摺動速度の変化に拘らず安
定して変動の少ない摩擦係数を有することが強く望まれ
るのである。摩擦材料に含有される固体潤滑成分は、こ
のような性能改善のために添加される極めて重要な成分
なのである。
(発明が解決しようとする問題点) 固体潤滑成分の中で最も一般的な材料は鉛と黒鉛である
。鉛の潤滑性は、軟質金属としての低剪断力と金属に対
する低溶解度特性によるものである。一方、黒鉛の潤滑
性は、その結晶の層状構造に基づく低剪断力と銅合金に
対する低溶解度特性に由来するものである。特に、鉛は
、低温からその融点近傍の300℃付近にかけて優れた
潤滑特性を示す、また、黒鉛は、低温から1,000℃
と言った高温にかけて潤滑作用を呈する。このような理
由で、殆どのメタリックやサーメット摩擦材には鉛と黒
鉛が含まれ、300℃付近迄の比較的低温の摺動には鉛
の潤滑性が性能を発揮し、それ以上の高温では、専ら黒
鉛の潤滑性に倹存するという方式がとられてきた。
なお、最近では固体潤滑剤に関する技術が進歩し、多く
の優れた材料が開発されてきた。特に、MoS2やWS
eなどは、油で潤滑できない潤滑部分や過酷な摺動部分
に使われ、したがって、摩擦材料にも、これらの固体潤
滑剤が応用されて好成績を収めているが、これらの固体
潤滑剤は価格の点で不利であるばかりか、摩擦材料の製
造過程で材料の主要構成成分である金属成分と反応(例
えば銅合金の場合に、2 Cu+ MoS 2−h 2
 CuS + No)するために潤滑特性を十分発揮し
難く、かつ、金属マトリックスを脆化させて摩擦材料の
強度を劣化させるという欠点もあった。
そうかといって、過酷な摺動条件に曝されて使用される
耐熱性のサーメット摩擦材にあっては、鉛を含有した場
合に300℃以上の高温では含有された鉛が液化し、金
属マトリックスの脆化を招いて摩擦材料の強度を低下さ
せる欠点があった。
このような理由から、鉛に代りかつ鉛に劣もない潤滑作
用を、低温から300℃以上の高温に至るまで保持する
ような固体潤滑剤を求めて種々の試みが行われてきた。
 pboが鉛に劣らない潤滑時    ・ “性を30
0℃以上の高温でも有する点に着目して、これを含有さ
せる試みも企てられてきた。しかし、pboも金属成分
と反応(PbO+ 2 Cu −Pb+Cu20) シ
、その目的を達するのは困難であった。pboの反応性
を防止するためにPbOに5i02を溶かし込み、融点
の低下を図ってPbO−SiO2系の低融点のガラスと
して添加する試みも行われているが、思わしい成果は得
られていない。
上記PbO−SiO□系ガラスを固体潤滑成分として使
用する試みは、その後1種々のガラスに展開されている
。金属の熱間加工用のガラス潤滑剤の先例に倣って、多
くのガラスを利用して行われてきた。しかし、ガラスは
、低温では極めて硬い粒子として作用するため、室温か
ら300℃付近にかけて実用できる摩擦材料用の低温潤
滑性を備え、十分鉛に代替できる固体潤滑剤は現在のと
ころ開発されていない。
(問題点を解決するための手段) この発明は、メタリック摩擦材やサーメット摩擦材など
の無機摩擦材料における潤滑成分の重要性に注目して、
その改善を図ることを目的とする。すなわち、穏やかな
摺動条件から高温、高圧の出現する過酷な摺動条件と広
い使用条件に耐えて、安定した摩擦係数と優れた耐摩耗
性とを有する無機摩擦材料を提供することを目的とする
(構成) この目的達成のために、この発明にあっては、銅合金或
いは鉄合金をマトリックスとし、これに重量パーセント
で黒鉛粉末を10〜20%、従来の材料において含有さ
れる鉛の代りに後述する組織を備えた燐酸ガラスを3〜
lO%含有させ、さらに、相手材の面の掘起こし効果を
狙った増摩擦性物質としてムライト(3AhO3・2S
i02)或いはシリカを3〜20%含有させることによ
り、摺動面に好ましい潤滑作用を呈する低剪断性物質を
形成させ、低温から高温、低速から高速、低面圧から高
面圧と、広い範囲の摺動条件に亘って安定した摩擦係数
と優れた耐摩耗性とを摩擦材料に与えるようにしたので
ある。
(発明の作用) すなわち、この発明に用いた燐酸ガラスは、NaFを添
加したためにガラスの軟化温度が低い。
しかも、含有するLi20の作用により温度が上昇して
600℃付近に達すると、結晶の析出が進行するために
昇温に伴うガラスの粘度の急激な低下が阻止される。こ
のような粘度特性を備えた燐酸ガラスの潤滑作用によっ
て、300℃付近から著しくなる鉛に由来するメタリッ
ク摩擦材やサーメット摩擦材などの無機摩擦材料の摩擦
係数の低下と摩耗の増大を防止することが可能になる。
さらに、摩擦熱のために摺動面温度が上昇して500〜
600℃を越えると、摩擦材料及び相手材料とも酸化が
顕著となる。その結果、摩擦材料からは組成に応じて酸
化銅、酸化錫或いは酸化鉄が、相手材料からは酸化鉄が
それぞれの摺動面に形成される。
これらの金属酸化物は、摩擦材料から摩耗分離した黒鉛
やセラミックスの粉砕物と共に、前記の燐酸ガラスの軟
化物と混合かつ練り合わされ、低剪断性の混合物となっ
て摺動面に介在する。この混合物は、低剪断性のために
潤滑作用を呈し、摺動面における真実接触面積を調整し
て摩擦係数の一定化に役立つことになる。
摺動条件がさらに過酷化して摺動面温度が1.000℃
にも達すると、前記混合物の形成を待つまでもなく摩擦
材料と相手材の酸化はさらに進み、多量の酸化鉄、酸化
銅、酸化錫などが形成される。これらの金属酸化物は摺
動面で高温と高圧にさらされ、流動性をもった金属酸化
物混合物となって、摩擦材料の成分として含まれる黒鉛
やセラミックスの摩耗した粉砕物をもその中に取込み、
多量に摺動面に存在することになる。このことは、摺動
面が低剪断性の流動性物質によって広く覆われることを
意味し、結果的には、潤滑過剰となって摩擦係数の低下
は著しくなるが、しかし、この発明の摩擦材料では、前
記特性を備えた燐酸ガラスを潤滑成分として含むために
このような潤滑過剰の現象は生起しない、それは、50
0〜600℃から形成される燐酸ガラスを含有する低剪
断性混合物が摺動面に存在してこれを薄く覆うため、摩
擦材料と相手材の両方の酸化が防止されて酸化鉄、酸化
鋼、酸化錫などの生成量が少なくなり、これにより、前
記の高温になればなる程増加する流動性の金属酸化物混
合物の量が少なくなるからである。
さらに、この発明の燐酸ガラスは、その中に存在するL
i20の作用によって600℃付近からガラスの結晶化
が進むため、摺動面に形成された低剪断性の混合物は温
度が上昇すると却って粘度を増し、剪断力の顕著な低下
がない、その結果、この発明の特徴とする燐酸ガラスの
不存在の場合に形成される酸化鉄、酸化銅、酸化錫など
の金属酸化物を主体とした混合物のように、多量にしか
もそれに加えて全摺動面に被覆されるような過剰潤滑の
状態は出現しない、すなわち、好ましい割合の真実接触
面積が確保されて摩擦力の低下がないことになる。換言
すれば、過酷な摺動条件にさらされて摺動面が1,00
0℃前後の高温に達しても、jI!擦係数の低下を防止
することが可能になるのである。
(発明の実施例) 以下、実施例を説明するに当って、まづ、この発明によ
る摩擦材料の詳細と組成範囲の選定理由とについて述べ
る。
前のも述べたように1発明者らは、銅合金或いは鉄合金
をマトリックスとし、これに重量パーセントで10〜2
0%の黒鉛粉末と、後述する組織を備えた燐酸ガラスを
3〜10%含有させ、さらに、相手材の面の掘起こし効
果を狙った増摩擦性物質としてムライト(3AI2o3
・2Si02 )或いはシリカを3〜20%含有させる
ことにより、摺動面に好ましい潤滑作用を呈する低剪断
性物質を形成させ、低温から高温、低速から高速、低面
圧から高面圧と、広い範囲の摺動条件に亘って安定した
摩擦係数と優れた耐摩耗性とを摩擦材料に与えることに
成功したのである。
すなわち、黒鉛は、鉛を含有しない無機摩擦材料におい
て極めて重要な潤滑成分であって、この黒鉛を10〜2
0%含有させることにより、静止状態の低温から600
℃付近の潤滑は黒鉛によってその殆どが分担されるばか
りか、それ以上の温度では後述する燐酸ガラスと協同し
て潤滑作用を呈する、なお、10%以下では潤滑効果が
不十分となるし、また、20%以上では摩擦材料自体の
強度が落ち、摩擦係数が低下すると共に耐摩耗性も劣化
する。
析出性の燐酸ガラスは、400℃付近から軟化して低剪
断性の潤滑成分として作用し、特に、600℃付近から
1,000℃にかけて黒鉛との協同作用により、好まし
い潤滑性能を保持しつづける役割を演じる。従来、添加
されたガラス性の潤滑成分は、軟化点付近から潤滑作用
が顕著となるとはいえ、その反面、温度の上昇に伴って
粘度を減じることから、これが摺動面に介在して好まし
い潤滑作用を保持することが不可能であった。
これにより、特に、高温では摩擦係数が低下し、摩耗も
増大するなどの欠点があった0以上の欠点を取除いて好
ましい潤滑作用を呈させるために、この発明においては
、P20s * B 203及び’   Al2O,の
3成分によってガラスを構成し、これにNa20を加え
て軟化温度を下げ、さらに、NaFの添加によってガラ
スの流動性の改善を図り、400℃付近の低温から潤滑
作用を呈しさせることが可能になった。また、 Li2
0の添加によって600℃付近から結晶を析出させ、昇
温に伴うガラスの粘度の低下を防ぎ、1,000℃もの
高温にかけての潤滑作用を持続させることに成功した。
上記高温潤滑性のガラス成分としては1重量パーセント
でP2O5を25〜35%、B2O3を20〜30%、
Al2o3を10〜20%、 Na20を4〜10%、
 Li20t−4〜10%、 NaFを2〜6%、 Z
nOを 1〜5%、アルカリ土類金属酸化物の1種類以
上を3〜15%含有するものである。
上記成分において、P2O5はガラスの網目形成成分で
あって、25%以下では軟化温度が高くなり、35%を
越えると耐水性が劣化して実用性を失う、B2O3もガ
ラスの網目形成成分であって、20%以下では軟化温度
が高くなり、30%を越えると耐水性が低下する。Al
2o3もガラスの網目形成成分であって、10%以下で
は耐水性が不足し、20%以上では軟化温度が上昇して
流動性が低下する0以上の成分によってSiO2を含有
しない低融点のガラスが構成される。
Na20添加の目的は、軟化温度を下げてガラスの流動
性を増し、金属面に対する濡れ性を増進して潤滑性を改
善するが、4%以下では添加効果がなく、10%を越え
ると耐水性が劣化する。 Li20は、燐酸ガラスの結
晶化を促進する成分であって、4%以下ではその効果が
ないが、10%を越えるとガラスの硬度を増して400
℃以下の低温において相手材を損傷して好ましくない、
また、NaFは、ガラスの流動性を改善する役割を演じ
るが、2%以下では添加効果がなく、6%を越えると耐
水性が低下する。アルカリ土類金属酸化物としてはMg
O、CaO、BaOが好ましく、ガラス化温度範囲を広
げる作用をもつが、3%以下では耐水性が劣化し、15
%を越えると軟化温度が上昇して潤滑作用が低下する。
 ZnOは、燐酸ガラス中のB203F&分を安定化す
るが、1%以下では添加効果がなく、5%以上では軟化
温度が上昇して流動性が下がる。
ムライト或いはシリカの役割は、摩擦材料による相手面
掘起こし作用による摩擦係数の増大と耐熱性の改善とに
貢献する。3%以下では添加効果が乏しく、20%以上
では相手材に対する攻撃性を高め、相手材摩耗を増大さ
せて好ましくない。
実施例1 200メツシユ以下の銅粉、200メツシユ以下の錫粉
、100メツシユ以下の黒鉛粉末。
lOOメツシュ以下の鉛粉末、100メツシユ以下のム
ライト粉末、200メツシユ以下のシリカ粉末、325
メツシユ以下のモリブデン粉末、及び150メツシユ以
下の各種潤滑性ガラス粉末を次頁表1に示す割合に混合
し、いづれも3 t/cm2の圧力を加えて成型した後
、H2ガス雰囲気中で最高温度800℃に30分間加熱
保持し、次で、これを室温に冷却した後、6 t/cm
2の加圧力で再加圧してそれぞれの摩擦材料を製造した
同表1に示した比較例1は、この発明で用いられる潤滑
性の燐酸ガラス(G−3)の代りに鉛が用いられたクラ
ッチ用摩擦材料の代表例の組成であり、また、比較例2
は、鉛添加による高温摩擦性能の劣化を防いだ重負荷の
クラッチ用摩擦材料として広く使用されている組成であ
る。それに対し、比較例3及び4は、この発明に至るま
での試作品の組成で、これらはいづれも発明品と同一条
件で製造した。また、この発明で使用した潤滑性のガラ
ス成分G−3、及び比較例として使用した他の潤滑性ガ
ラス成分組成表を21頁の表2に示した0表2中の比較
例1は、PbO−9f02ガラスであり、比較例2と3
は、この発明に至るまでの試作ガラスである。
実施例で得られた試料について、鋳鉄(FC−25材)
製ディスクを相手材とし、摺動速度20m/s 、荷重
7 、5 kg/am2.摺動温度200℃の条件で2
5秒間摺動させ、5秒間摺動を休止させる一連の操作を
50回反復する摩擦試験を行い、その性能を比較した結
果を18頁の表3に示した。
この表3から明らかなように、この発明による摩擦材料
は、潤滑が適度に行われているために摩擦係数が0.4
8と高いにも拘らず安定した値を示し、摩耗は、摩擦材
料自身と相手材ともに少ない。
これに対し、比較例1の摩擦材料は、鉛の溶解のため摩
擦係数が低下し、相手材への摩擦材料の凝着もあって摩
耗も比較的多く、また、比較例2の摩擦材料は、無鉛の
ため耐熱性がありかつ摩擦係数も高いが、潤滑作用が不
足し、摩擦係数の変動が激しく、相手材の摩耗も多い、
さらに、比較例3の摩擦材料は、潤滑成分として加えた
鉛量を減らして4%としたため、低温域での鉛による潤
滑が不十分となった。また、300℃を越えると鉛の溶
解のため摩擦材料の強度が低下した。そのため、摩擦材
料の摩耗も増え、摩擦係数は低下し、その変動も激しく
なった。すなわち、この材料に加えたPbO−9i02
ガラスの潤滑作用は期待した効果を示さなかった。比較
例4の摩擦材料は、この発明に達する直前の試作組成で
、燐酸ガラスの添加による潤滑性能改善の効果はかなり
認められ、摩擦係数も0.45と比較的高く、安定した
値が得られたが、相手材に対する攻撃性が若干残り(ス
クラッチの発生)、摩耗量も予想以上に多かった。
実施例2 200メツシユ以下の銅粉、20Gメツシユ以下の錫粉
、150メツシユ以下の鉄粉、100メツシユ以下の黒
鉛粉末、100メツシユ以下の鉛粉末、325メツシユ
以下のモリブデン粉末、及び前記21頁の表2に示した
組成をもつ150メツシユ以下の各種潤滑性ガラス粉末
を次頁の表4に示す割合に混合し、いづれも3 t/c
m2の圧力を加えて成型した後、H2ガス雰囲気中で最
高温度t、o o o℃に30分間加熱保持し、次で、
室温まで冷却した後に6 t/cm2の加圧力で再加圧
し、この発明による摩擦材料を製造した。
同24頁の表4に示した比較例1は、この発明の摩擦材
料において用いられた潤滑性の燐酸ガラスG−3の代り
に鉛が用いられたディスクブレーキパッド用摩擦材料の
例であり、比較例2は、鉛を含有しない耐熱性の重負荷
クラッチ用の摩擦材料として使用されているものである
。また、比較量3と4は、この発明に至るまでの試作品
組成であり、これらはいづれも、この発明による摩擦材
料と同一条件で製造した。
この実施例で得られた試料については、鋳鉄製(FC−
25材)ディスクを相手材とし、実施例1で行った試験
と同一条件の下で摩擦試験を行い、その性能を評価した
結果を前頁の表5に示す、比較例1は、鉛潤滑による低
温摩擦の安定を狙った製品であるが、摺動面温度が30
0℃を越えると前記実施例1における比較例1の鉛潤滑
の場合と同様に摩擦係数が低下し、相手材に対する摩擦
材料の転移が認められた。比較例2は、鉛を除去して黒
鉛のみの潤滑とした耐熱性の優れた摩擦材料である。但
し、潤滑成分が不足するために相手材の摩耗が多く、摩
擦係数は比較的変動が多かった。比較例3は、PbO−
3i02系のガラスによる潤滑性能の改善を図った試作
品であるが、期待した効果が得られず、初期摩耗の段階
で相手材に対する攻撃性がみられ、その結果、相手材に
スクラッチ痕が発生し、摩擦材料の摩耗も多くなった。
比較例4は、試作段階にあった燐酸ガラスG−2により
潤滑性能の向上を図ったもので、摩擦係数の点でかなり
改善効果はあったが、まだ潤滑が不足して摩耗も比較的
多く、相手材にスクラッチの発生がみられた。それに対
し、これらの比較例に比べてこの発明による摩擦材料は
、燐酸ガラスG−3による潤滑効果が顕著であって高い
摩擦係数が得られ、摩耗の点でも摩擦材料、相手材とも
減少した。
(発明の効果) 以上のように、この発明によれば、穏やかな摺動条件か
ら高温、高圧の出現する過酷な摺動条件と広い使用条件
に亘り、安定した摩擦係数と優れた耐摩耗性とを備えた
摺動摩擦材料を提供することが可能となったのである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 金属マトリックスが銅合金または鉄合金からなるメタリ
    ック摩擦材或いはサーメット摩擦材において、重量パー
    セント表示でP_2O_5が25〜35%、B_2O_
    3が20〜30%、Al_2O_3が10〜20%、N
    a_2Oが4〜10%、Li_2Oが4〜10%、Na
    Fが2〜6%、ZnOが1〜5%、アルカリ土類金属酸
    化物の1種以上が3〜15%の組成からなる潤滑性ガラ
    スを3〜10%、黒鉛を10〜20%、シリカ或いはム
    ライトを3〜20%含有させたことを特徴とする無機摩
    擦材料。
JP13289185A 1985-05-20 1985-05-20 無機摩擦材料 Granted JPS61266542A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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