JPH109294A - 二輪車用ローラーブレーキとその製造方法 - Google Patents

二輪車用ローラーブレーキとその製造方法

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JPH109294A
JPH109294A JP8180032A JP18003296A JPH109294A JP H109294 A JPH109294 A JP H109294A JP 8180032 A JP8180032 A JP 8180032A JP 18003296 A JP18003296 A JP 18003296A JP H109294 A JPH109294 A JP H109294A
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JP
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ring
alloy
powder
copper
roller brake
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JP8180032A
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English (en)
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Katsuyoshi Kondo
勝義 近藤
由重 ▲高▼ノ
Yoshie Kouno
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D51/00Brakes with outwardly-movable braking members co-operating with the inner surface of a drum or the like
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62LBRAKES SPECIALLY ADAPTED FOR CYCLES
    • B62L1/00Brakes; Arrangements thereof
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D69/00Friction linings; Attachment thereof; Selection of coacting friction substances or surfaces
    • F16D69/02Composition of linings ; Methods of manufacturing
    • F16D69/027Compositions based on metals or inorganic oxides

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は二輪車ローラーブレーキをグリスや
オイル等の固体状あるいは半固体状潤滑成分を介在させ
ないような乾式摩擦摺動条件下において、ブレーキを構
成するリング、ブレーキシューに焼付きや摩耗損傷を生
じることなく、また鳴きや振動を生じることなく、0.
15〜0.5の摩擦係数に相当するブレーキ効力を安定
して発揮できるローラーブレーキを得る。 【解決手段】 ブレーキシュー2は400MPa以上の
引張強さを有する鉄系材料よりなり、このシュー2に対
応し、金属製ガイドケース1に圧入されたリング3は焼
結銅合金よりなり、この合金の素地となる銅合金粉末粒
子内部に硬質粒子が均一に分散する組織を有し、且つ2
00MPa以上の抗折力を有し、0.15〜0.5の摩
擦係数を発揮できるようにローラーブレーキを作製す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグリスやオイル等の
固体状または半固体状潤滑成分が介在することなく、い
わゆる乾式摩擦摺動条件下において制動した場合におい
て、ブレーキを構成するリングとブレーキシューは焼付
きや摩擦損傷することなく、また鳴きや振動等を生じる
ことなく、0.15〜0.5の摩擦係数に相当するブレ
ーキ効力(制動力)を安定して発現できる二輪車用ロー
ラーブレーキと該ブレーキを構成するリングとブレーキ
シューの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自転車や電動式自転車等の二輪車制動装
置には、例えば図2の平面(a)、縦断面図(b)に示
すようなローラーブレーキがあり、これらは車輪に嵌合
するスプライン歯部4を中心に有して車輪と共に回転す
るガイドケース1の内周面に対して、その内径と同一曲
率を外周面に有したブレーキシュー2を押し付けて車輪
を制動する構造のものである。 これまでのローラーブ
レーキでは、ガイドケースおよびシューは共に鋼材ある
いは鉄合金材でできており、ケースの内周面に溝加工を
施してその部分にグリスやオイル等の固形状あるいは半
固形状の潤滑剤を介在させることで、制動時の鳴きやび
びり・振動といった不快現象や、ケースとブレーキシュ
ーとの焼付き、さらには両者が凝着するロック現象を防
止する方法が採用されていた。
【0003】しかし、このようにグリスが介在すると潤
滑性が改善される一方、制動力が低下し、例えば、摩擦
係数に換算すると約0.1程度と小さな値しか発現させ
ることができない。また、グリス等の潤滑剤の補充とい
ったメンテナンスを怠るとケースとブレーキシューの間
のグリス等がなくなり、その結果、ロック現象を生じる
といった問題を抱えていた。最近の高性能二輪車では、
摩擦係数で約0.1以上を発現させるようにブレーキ制
動力を向上させるため、グリス等の潤滑剤の使用を廃止
することを検討した。しかしながら、従来のブレーキ材
料、例えば特開昭56−133441号「焼結ブレーキ
材」、特開昭56−120787号「ブレーキ用摩擦
材」や特開平2−11936号「セミメタリック摩擦
材」、さらには特開平5−331451号「非石綿系摩
擦材」等が提案する摩擦材料を用いた場合、グリスが介
在しない乾式摺動条件下が制御すると、上述したような
凝固によるロック現象が発生し、ブレーキ用材料として
実用できるものでないことが認められた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、下記のよ
うに従来に見当らない材料設計思想に基づきグリス等の
潤滑剤が介在しない乾式摺動条件下において焼付き現象
やロック現象を生じることなく、ハンドルレバーから伝
わるブレーキシューとリング間の押し付け力が50〜1
00kgf/cm2 のような高荷重であるような厳しい
条件で使用される高性能二輪車から約10〜50kgf
/cm2 程度の比較的小さい荷重が付与される一般の家
庭用や幼児用といった汎用二輪車まで幅広く装着できる
0.15〜0.5程度の摩擦係数を発現でき、且つ安価
なローラーブレーキを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々の実験、検討を行った結果、グリ
スやオイル等の潤滑剤が介在しない乾式摺動条件下にお
いて、約10〜100kgf/cm2 程度の押し付け力
が付与される場合に、焼付き現象やロック現象、また鳴
きや振動を生じることなく、0.15〜0.5の範囲
で、特に0.2〜0.4の間で安定した摩擦係数を有す
る二輪車用ローラーブレーキとその安価製造方法を開発
したものであって、具体的には、二輪車用ローラーブレ
ーキシューを構成するリングとブレーキシューについ
て、前者を微細な硬質粒子が旧粉末(焼結合金の素地を
構成する合金粉末)粒内に均一に分散した銅系焼結合金
により、また、後者を安価な鉄系材料により作製するこ
とで比較的低い押し付け荷重のもとで、グリス等の潤滑
剤のない乾式条件下で摩擦摺動した際に、両者の間でロ
ック現象や摩耗損傷等なく、0.15〜0.5の摩擦係
数に相当するブレーキ制動力を安定して発現できるよう
に構成したものである。
【0006】本発明による構成は以下の通りである。 (1)金属製ガイドケースの内側に圧入した焼結銅合金
リングと、該リングの内径に対して同一の曲率を外周面
に有し、且つリング内周面に押し付けることでブレーキ
効力を発現させる金属製シューから構成される二輪車用
ローラーブレーキにおいて、該シューは400MPa以
上の引張強さを有する鉄系材料よりなり、該リングに用
いる焼結銅合金はその旧粉末粒内部に硬質粒子が均一に
分散する組織を有し、且つ200MPa以上の抗折力を
有しており、更に固形あるいは/および半固形状潤滑剤
が存在しない乾式摺動環境下で制動した際に、該リング
と該シューの間の摩擦係数が0.15以上0.5以下と
なることを特徴とする二輪車用ローラーブレーキ。 (2)前記リングに用いる銅系焼結合金において、該合
金は重量基準で10〜50%の硬質粒子と5〜15%の
固体潤滑成分を含み、残部の素地が銅合金であることを
特徴とする前記(1)項記載の二輪車用ローラーブレー
キ。 (3)前記リングに用いる銅系焼結合金において、素地
を構成する銅合金の全体組成を100重量%とすると、
3〜20重量%のSnを含有し、残部が銅および不可避
的不純物からなることを特徴とする前記(2)項記載の
二輪車用ローラーブレーキ。 (4)前記リングに用いる銅系焼結合金の旧粉末粒内部
に分散する硬質粒子は、FeMo、FeCr、FeT
i、FeAl、FeSi、FeBの群からなる鉄系金属
間化合物中から選ばれた1種あるいは2種以上であるこ
とを特徴とする前記(2)項記載の二輪車用ローラーブ
レーキ。 (5)前記リングに用いられる固体潤滑成分は、天然燐
片状黒鉛粉末あるいは天然鱗状黒鉛粉末を厚み方向に膨
張させた膨張化黒鉛であることを特徴とする前記(2)
項記載の二輪車用ローラーブレーキ。 (6)前記の銅系焼結合金の素地を構成する旧粉末粒内
中に分散する硬質粒子の最大粒径は30μm以下、平均
粒径は15μm以下であることを特徴とする前記(4)
項記載の二輪車用ローラーブレーキ。 (7)前記リングに用いる銅系焼結合金において、素地
を構成する銅合金の全体組成を100重量%とすると、
必要に応じてAlを重量基準で3%以下含有することを
特徴とする前記(3)項記載の二輪車用ローラーブレー
キ。 (8)前記リングに用いる銅系焼結合金を構成する素地
において、素地を構成する銅合金の全体 組成を100
重量%とすると、必要に応じてZn、Niの少なくも一
方あるい は両方を40重量%以下含有することを特徴
とする前記(3)もしくは(7)項記載の二輪車 用ロ
ーラーブレーキ。 (9)前記ガイドケースは鉄基合金、アルミ合金、マグ
ネシウム合金、銅合金、チタン合金から選ばれた金属材
料からなることを特徴とする前記(1)項記載の二輪車
用ローラーブレーキ。 (10)前記シューは溶解・溶製法あるいは粉末冶金法
により作製し得た鉄基合金であることを特徴とする前記
(1)記載の二輪車用ローラーブレーキ。 (11)前記リングに用いる銅系焼結合金の製造方法
は、先ず硬質粒子が銅合金粉末の素地中に均一に分散す
る硬質粒子分散型複合銅合金粉末を主原料粉末として用
い、該粉末に固体潤滑成分である天然黒鉛粉末、さらに
必要に応じてAl粉末を所定量に配合した混合粉末を出
発原料とし、これを成形・焼結・固化することであり、
この製造方法により200MPa以上の抗折力を有する
リング用銅焼結合金を作製することを特徴とする二輪車
用ローラーブレーキのリング製造方法。 (12)前記出発原料をリング形状に成形した圧粉体を
700℃以上且つ合金素地の固相線温度以下に保持され
た還元性ガス、不活性ガス、真空のいずれかの雰囲気中
で加熱して得た焼結体を、続いて該焼結体の温度が10
0℃以上に保持された状態で閉塞金型内にて加圧・固化
することを特徴とする前記(11)項記載の二輪車ロー
ラーブレーキのリングの製造方法。 (13)前記出発原料をリング形状に成形した圧粉体を
700℃以上且つ合金素地の固相線温度以下に保持され
た還元性ガス、不活性ガス、真空のいずれかの雰囲気中
で加熱して得た焼結体を、続いて該焼結体の温度が10
0℃未満に保持された状態で閉塞金型内にて加圧・固化
し、さらに上記の制御された雰囲気内で焼結温度以下に
加熱・保持することを特徴とすることを特徴とする前記
(11)項記載の二輪車用ローラーブレーキのリング製
造方法。 (14)硬質粒子分散型複合銅合金粉末は、上記銅合金
素地を構成する所定の成分組成を有する銅系粉末と、上
記硬質粒子からなる混合粉末を準備する工程、続いて該
混合粉末に対して機械的合金化法(メカニカルアロイン
グ法)、機械的混合法(メカニカルグラインディング
法)、造粒法のいずれかの混合・粉砕処理を施す工程に
より、該硬質粒子を最大粒径30μm以下、平均粒径1
5μm以下に粉砕し、且つ同時に該硬質粒子を均一に分
散させることで得られる硬質粒子分散型複合銅合金粉末
であることを特徴とする前記 (11)項記載の二輪車
用ローラーブレーキのリング製造方法。 (15)前記銅系焼結合金製リングを前記金属製ガイド
ケースの内側に圧入することで該リングを該ガイドケー
スと結合することを特徴とする前記(11)項記載の製
造方法によるリングと前記(9)項記載の金属製ガイド
との結合方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は対象とする二輪車用ロー
ラーブレーキは図1の平面図(a)、縦断面図(b)に
示すように、ブレーキシュー2とリング3およびガイド
ケース1から構成されており、銅系焼結合金よりなるリ
ング3がガイドケース1の内側に圧入された2層構造体
である。前記リング3の内径に対して金属製のブレーキ
シュー2は同一の曲率を外周面に有している。以下、本
発明によるローラーブレーキの特徴をブレーキシューと
リングおよびガイドケースに分けて詳細に説明する。
【0008】(ブレーキシュー)汎用自転車において、
シューにはハンドルレバーからのブレーキ力によって約
10〜50kgf/cm2 程度の荷重が乾式条件下で数
秒間付与されるため、加圧によりブレーキシューにおい
て変形や摩耗損傷等が生じないことが要求される。具体
的には、材料の引張強さで400MPa以上必要であ
り、競走用の二輪車でも1000MPaまでの引張り強
さがあればよいことを種々の実験によって見い出した。
具体的には、材料の引張り強さで400MPa未満であ
る場合、ブレーキシューは摩耗損傷したり、また制動時
の押し付け荷重により変形して相手側のリングと局所的
な片当りを生じ、その結果、焼付き現象といった問題が
生じる。従って、ブレーキシューには400MPa以上
の引張強さを有した材料が適しており、さらに安価であ
ることが要求されることから鉄系材料の利用が経済性の
観点からは有利である。なお、鉄系材料としては溶製鋼
材や焼結合金のいずれであってもよいが、特にニアネッ
トシェイプあるいはネットシェイプ成形が可能な焼結合
金では機械加工費の削減あるいは省略できるので、より
経済性の面において有利である。また、後述する焼結銅
合金製リングと本ブレーキシューが摺動することで高い
摩擦係数を発現するわけであるが、両者が均一に接触す
るためには、すでに触れたようにリングの内径に対して
同一曲率を外周面に付与したブレーキシューが必要不可
欠である。つまり、曲率が異なるとリング内周面とシュ
ーの外周面が片当り現象を生じて、安定して高い摩擦係
数を確保することが困難となる。
【0009】(リング)本発明では、リングのベース材
料として、ブレーキシューとの耐焼付き(凝着)性の観
点から銅合金を選択し、さらに経済性の観点から製品作
製までの機械加工工程の簡略化あるいは省略化を考え
て、3次元形状付与が容易である粉末冶金法(成形・焼
結法)を選定した。しかし、従来の銅系焼結合金では、
耐摩耗性を向上させるべく添加する硬質粒子と、素材の
ベース粉末である銅合金粉末を単に配合(混合)した
後、成形・焼結による固化するため、硬質粒子7は図3
(b)に示すように、焼結体の旧粉末粒界5(粉末の3
重点)に存在する。また、混合の方法や条件によって硬
質粒子の凝集や偏析といった問題を生じる。よってこの
ような組織構造を有する焼結合金においては、硬質粒子
7と素地(銅合金)6との密着性は乏しく、隙間8が生
じその結果、摩擦摺動時に表面から硬質粒子7が脱落
し、かえってこれが摩耗粉となりリング自体や相手側を
攻撃して摩耗損傷を誘発する原因となる。さらに応力が
負荷された場合に、硬質粒子が旧粉末粒界に存在すると
それが亀裂の発生起点および伝播経路となるために、焼
結体の機械的特性を著しく低下させるといった問題を生
じる。そこで、本発明では上記の問題を解決できるよう
な理想的な組織構造として、図3(a)に示すような焼
結体の素地6を構成する旧粉末粒内中に微細な硬質粒子
7′が均一に分散した銅系焼結合金を考案した。具体的
には、成形・焼結する銅系粉末の内部に、事前に微細な
硬質粒子7′を均一に分散させた粉末、つまり、硬質粒
子分散型複合銅合金粉末を原料粉末に使用した。その結
果、耐焼付き性や耐摩耗性に優れ、且つ安定した摩擦係
数を長期的に発現できる銅系焼結合金を創製することに
成功した。
【0010】このような硬質粒子分散型複合銅合金粉末
において、詳細な素地の合金組成、硬質粒子の分散性
(大きさ・添加量)と種類、さらには銅合金粉末を固化
することにより銅系焼結合金製リングを創製する場合の
適正な製造方法などを、種々の実験・検討を行うことに
より見い出した。それらの適正範囲は上述したとおりで
あるが、その設定理由についての詳細を以下に説明す
る。
【0011】硬質粒子分散型複合銅合金粉末とその製法 本発明の特徴である硬質粒子分散型複合銅合金粉末にお
ける硬質粒子の分散性、種類およびその製造方法につい
て記述する。硬質粒子はリングを構成する銅系焼結合金
において、摺動面内に微細且つ均一に分散して常温およ
び高温での摩擦摺動時において相手材との凝着発生を抑
制し、耐焼付き性を向上させるとともに、相手材の素地
表面と直接接触して摩擦抵抗を生じさせることで摩擦係
数を向上させる役割を有する。但し、このような効果を
発現するための必要条件としては、上述したように摩擦
摺動時に硬質粒子が焼結材の摺動面素地から脱落しない
ことである。
【0012】これを実現するのに必須である硬質粒子分
散型複合銅合金粉末を経済的に製造する方法として、次
のような粉末の機械的混合・粉砕処理法の適用が有効で
あることを見い出した。つまり、メカニカルアロイング
法やメカニカルグラインデング法、造粒法等を代表とす
る、粉末の機械的な混合・粉砕・合金化処理法を適用す
ることにより、初めて硬質粒子である金属間化合物や金
属粒子を微細に粉砕すると同時に、銅合金粉末の粒内素
地中にこれら微細硬質粒子を均一に分散できることを明
らかにした。なお、この機械的な粉末混合・粉砕・合金
化処理は従来のボールミル粉砕や混合のような湿式法で
はなく、乾式で行う。また、場合によってはPCA(Pro
cessControl Agent) としてステアリン酸やアルコール
などを少量添加することで過度の凝集を防ぐこともあ
る。処理装置はアトライターやボールミルが適当であ
る。前者は粉砕効率に優れていることから高速処理には
適しており、また後者は長時間処理が必要となるが雰囲
気制御が容易であり、投入エネルギーの設定さえ適切に
行えば、短時間で目標とする粉末の組織構造が実現でき
ることから、比較的経済性に優れた製法である。
【0013】上述のような硬質粒子分散型複合銅合金粉
末を作製する別の方法として、硬質粒子を所定の組成を
有する銅合金の溶湯中に攪袢・分散させ、これをアトマ
イズ法により噴霧することで、内部に硬質粒子が分散し
た銅合金粉末を作製する方法も有効である。なお、この
方法では硬質粒子を微細に粉砕できないために事前に細
かい硬質粒子を添加する必要がある。その場合、溶湯内
での硬質粒子の偏析・凝集を防止するために十分な攪袢
工程が必要となるため、経済性の面において多少の課題
が生じる。したがって本発明が対象とする銅系焼結合金
をより安価に創製するためには、機械的な混合・粉砕・
合金化処理法の適用が好ましい。
【0014】次に、硬質粒子の大きさ・添加量に関して
述べる。本発明者らは所定の組成を有する銅系粉末につ
いて上述した機械的な混合・粉砕・合金化処理を行う
際、混合・粉砕処理条件を変更して評価した結果、目標
とする0.15〜0.5の摩擦係数を安定して確保でき
るリング用銅系焼結合金を創製するためには、銅合金粉
末の素地中に分散する硬質粒子の大きさ・添加量に関し
て、以下に記述するような適正範囲があることを見い出
した。すなわち、最大粒径30μm以下、平均粒径15
μm以下の硬質粒子を焼結銅合金全体に対して10〜5
0重量%含有し、且つ銅系焼結合金の素地の旧粉末粒内
部に均一に分散することで、その機械的特性を低下させ
ることなく、安定した摩擦係数が確保できることを確認
した。ここで、適正範囲外で硬質粒子を添加した場合の
問題点を次に記載する。先ず、添加量が10重量%未満
では0.1を越えるような摩擦係数は得られず、更に耐
摩耗性を向上させる効果も得られない。一方、最大粒径
が30μmを越えるか、もしくは平均粒径が15μmを
越えるか、もしくはその添加量が50重量%を越えると
硬質粒子が亀裂発生の起点となりやすく、その結果、銅
系焼結合金の強度・靱性は著しく低下し、また相手攻撃
性の観点からもこのような範囲での硬質粒子の添加は相
手材を激しく摩耗させるために好ましくない。したがっ
て最大粒径30μm以下、平均粒径15μm以下の硬質
粒子を10〜50重量%、粉末素地中に均一に分散させ
ることが有効である。
【0015】本発明の銅系焼結合金において使用する硬
質粒子は、FeMo、FeCr、FeTi、FeAl、
FeSi、FeBの群からなる鉄系金属間化合物粒子の
うち、少なくとも1種または2種以上から構成されるこ
とが望ましい。これらの鉄系金属間化合物は硬いために
硬質粒子に適していると同時に、脆性であるために粉砕
性に優れており、本発明が適用する機械的な混合・粉砕
・合金化処理に際し、硬質粒子の微細化に対して極めて
有効である。なお、上記のような硬質粒子の他にも、A
2 O、SiO2 、ZrO2 等の金属酸化物やSiC、
TiC、AlN、Si34 等のセラミックを利用する
ことで、焼結合金の摩擦係数を向上させる効果は認めら
れたが、これら粒子は鉄系金属間化合物に比べて被削性
に劣るため、経済性の面において多少の問題が生じるこ
ともある。
【0016】次に、本発明の銅系焼結合金の素地(マト
リックス)に関する合金組成を上記のように設定した限
定理由について説明する。なお、各元素の添加量の数値
は、合金の素地領域の組成を100とした場合の各元素
の添加量を重量基準で示したものである。 (1)Sn:SnはCuと共に本合金の素地を形成し、
合金の高温強度および靱性を向上させる作用があり、ま
た、高温での相手材との耐焼付き性を向上させる作用が
ある。よって、摩擦摺動条件がより過酷な場合には合金
素地へのSnの添加は有効である。なお、その添加量が
3%未満では、それらの効果がなく、また20重量%を
越えて添加すると硬くて脆い相が析出するために強度、
靱性を低下させる。従って本発明の合金における適正な
Sn添加量は3〜20重量%である。 (2)Zn、Ni:ZnおよびNiはCuと共に素地を
形成し、合金の耐熱性を向上させると共に、銅合金の耐
腐食性を向上させる効果がある。二輪車ブレーキのよう
に摩擦熱により瞬時にブレーキ表面が高温に上昇するこ
とでブレーキ材が軟化して摩耗や変形を生じる問題や、
雨水や海水等が直接接触する部品では腐食による摩耗損
傷や耐久性の低下といった問題がある。これらの問題に
対してZnあるいは/およびNiを添加することで回避
できることを見い出した。適正添加量としてはZn、N
iのうち少なくとも一方もしくは両方を5〜40重量%
とする。逆に添加量が5重量%未満では耐熱性・耐腐食
性の向上の効果は十分に得られず、また、40重量%を
越えると銅合金の素地が硬化して摩擦摺動時に相手材を
攻撃するといった問題を生じる。 Al:Alは素地のCuと反応してCu6 Al4 等の微
細な金属間化合物を形成して合金の硬度を向上させると
共に、摩擦摺動時の抵抗粒子となることで摩擦係数を向
上させる効果がある。しかし3重量%を越えて添加する
と合金の脆化を誘発し、機械加工性や冷間加工が低下す
るといった問題がある。従って、本発明の銅系焼結合金
において、必要な際に添加するAlの適正量は3重量%
以下である。
【0017】次に固体潤滑剤である黒鉛粉末の特徴なら
びに含有量について説明する。固体潤滑剤はより過酷な
摩擦摺動条件において相手材のブレーキシューに対する
リングの攻撃性および耐焼付き性を改善すると共に、滑
り速度・加圧力等の摩擦摺動条件が変動する場合におい
ても乾式摺動下で、0.1〜0.5の摩擦係数を安定さ
せる効果があり、さらには摺動面間の潤滑性を改善する
ことで摺動時の振動・ひびり等の抑制に対しても効果が
ある。具体的には黒鉛粉末、MoS2 、CaF2 、WS
2 、およびBN粉末等が固体潤滑剤として工業的に用い
られ、特に多量に添加する場合には経済的にも問題の少
ない黒鉛粉末が選択されることが多い。
【0018】しかしながら、本発明者らは、黒鉛粉末の
中でも従来の粉末冶金に用いられてきた球状黒鉛粉末よ
りも優れた特性を有する天然鱗片状黒鉛粉末、あるいは
この天然鱗片状黒鉛粉末を厚み方向に膨張させた膨張化
黒鉛粉末を適用することを試みた。具体的には、従来の
球状黒鉛粉末に比べて、(1)成形性・圧縮性に優れて
いること、(2)潤滑性能に優れてることである。つま
り、従来の球状黒鉛粉末に比べて成形性に優れているこ
とから、より多くの黒鉛粉末の添加が可能となり、その
結果摩擦係数はより安定化できると共に、焼結体の機械
的特性(強度)の低下を抑えることも可能となる。な
お、焼結銅合金全体に対して15重量%を越えてこれら
の黒鉛粉末を添加すると焼結体の抗折力が200MPa
を下回り、摩耗損傷を誘発する。一方、潤滑性能がより
優れていることから、上記のような摺動時のひびり・振
動や鳴きといった問題より抑制できる効果を有すると共
に、摺動初期段階の相手材との馴染み性を改善して摩擦
係数をより安定化させる効果がある。但し、焼結銅合金
全体に対するこれらの黒鉛粉末の含有量が5重量%未満
の場合、上記のような優れた摺動特性を得ることは困難
となる。従って、上記の理由により本発明の焼結銅合金
に添加する鱗片状黒鉛粉末あるいは膨張化黒鉛粉末の量
は5重量%以上15重量%以下であることが望ましい。
また、焼結体中にこれらの黒鉛粉末が分散した場合、黒
鉛粉末の優れた圧縮性を利用することで加圧時の焼結体
自身の圧縮性が向上し、その結果、相手材の摺動面との
局所的な接触を抑制でき、全面接触を可能とすることで
摩擦摺動性能の安定化が図れる。従って、本発明の特徴
である硬質粒子分散型複合銅合金粉末と上記の鱗片状黒
鉛粉末あるいは、膨張化黒鉛粉末、あるいは両方を混合
・固化し得た焼結体は優れた機械的特性と摩擦摺動特
性、特に摺動時の初期段階から安定した摩擦係数を発現
できるといった特徴を有する。
【0019】リングの製造方法(硬質粒子分散型複合銅
合金粉末の固化方法) 本発明が対象とするローラーブレーキについてはすでに
図1について若干触れたが、ガイドケース1の内側に銅
系焼結合金からなるリング3が圧入された2層構体であ
り、ブレーキシュー2がリングの内側に押し付けられる
ことで制動効力を発現して回転する車輪を停止させると
いった基本構体をなしている。ここで、リングはブレー
キ動作時にリング内周部にブレーキシューが押し付けら
れる際に変形および摩耗しないような機械的特性(強
度)が必要である。具体的には、ブレーキシューからの
押し付け力が10〜50kgf/cm2 である場合、リ
ング体に要求される材料強度としては200MPa以上
の抗折力が必要であることを見出した。いうまでもない
が、押し付け力が50kgf/cm2 を越えるときは、
再にリング体に要求される抗折力は大きなものとなる。
【0020】図4は銅系焼結合金製リングの製造方法を
フローチャートで示しているが、以下このフローチャー
トによりその詳細を説明する。 (a)すでに説明した所定の合金組成を有する硬質粒子
分散型複合銅合金粉末と固体潤滑成分、必要であればA
lを添加した混合粉末を準備する。 (b)これらの混合粉末を型押・成形することでリング
形状の圧粉体を作製する。 (c)圧粉体を700℃以上、且つ合金素地の固相線温
度以下の温度に保持し、還元性ガス、不活性ガス、真空
のいずれか管理された雰囲気中で加熱・保持して焼結体
を作製する。
【0021】ここで200MPa以上の抗折力を有する
焼結銅合金を作製するには次の2方法のうちいずれを適
用することが望ましい。 (d)前記焼結体を100℃以上に加熱保持し、閉塞金
型温度を400℃以下として再圧縮する。 (e)前記焼結体を100℃未満に加熱保持し、閉塞金
型温度を400℃以下とし再圧縮し、温度700℃以
上、銅合金の固相線以下で、且つ還元ガス、不活性ガ
ス、真空のいずれかを選んで再焼結する。
【0022】前記(d)の方法では、焼結体を100℃
以上に加熱保持した状態で閉塞金型内で加圧すること
で、旧粉末同士がより強固に結合して200MPa以上
の抗折力を得ることができる。このとき、金型温度は常
温でもよいが、400℃以下の高温に保持されることが
好ましく、さらに200℃以下であることが望ましい。
金型温度が高温であれば、加熱された焼結体の温度低下
が抑制されて旧粉末同士がより強固に結合する。しかし
ながら、加圧の際に金型と焼結体との焼付きを防止する
役割を有する潤滑剤を選択するにあたり、200℃を越
えると黒鉛系あるいはモリブデン系といった黒色系統の
潤滑剤が必要となり、その結果、加圧後の焼結体の外観
は損われる可能性がある。これに対して金型温度が20
0℃未満の場合には、金属石鹸粉末(例えば、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム等)をミリスチン酸や
エタノール等の有機溶媒に溶かした白色あるいは無色透
明の潤滑剤が適用でき、上記のような焼結体の外観を損
うことはない。なお、金型温度が400℃を越えるよう
な高温域で加熱保持しても、再圧縮後の焼結体の特性は
顕著に向上しない故、経済性の観点から金型温度は40
0℃以下で十分である。
【0023】一方、(e)の方法のように、焼結体を1
00℃未満に加熱保持した状態で閉塞金型内で加圧した
場合には、さらに続いて上記のような再焼結工程が必要
となり、その結果、200MPa以上の抗折力を有する
焼結銅合金を得ることができる。但し、前記(d)の方
法において加熱された焼結体を閉塞金型内で加圧した後
に続いて上記のような再焼結工程を施すと焼結体の特性
はさらに向上することは本発明者らは認識している。
【0024】以上の製造方法において、焼結雰囲気が酸
化雰囲気である場合や焼結保持温度が700℃未満の場
合には、焼結現象が十分に促進しないために焼結体の強
度が十分に得られず、焼結体の搬送過程において焼結体
が欠損するといったハンドリング性の問題が生じる。一
方、合金素地の固相線温度を越えて加熱すると焼結時に
圧粉体の寸法収縮量が大きくなり、寸法精度の低下を生
じる。
【0025】次に、得られた焼結体の強度をさらに向上
させるために次工程においては、加熱した焼結体を閉塞
金型内にて加圧するか、焼結体が100℃以上に加熱さ
れた状態で加圧すると焼結体の旧粉末同士の結合が促進
されて200MPa以上の抗折力を有する焼結体を創製
することが可能である。しかしながら前記(e)に記載
のように焼結体が100℃未満に加熱された状態で加圧
した場合には、200MPa以上の抗折力を得ることは
困難となるため、旧粉同士の結合性を向上させるには、
さらに上記のような再焼結工程が必要となる。ここで、
焼結温度が1回目の焼結温度を越えると更に焼結現象が
進み、焼結体の寸法収縮量が大きくなりその結果、リン
グ焼結体の寸法精度の低下を招く。
【0026】以上をまとめると、本発明が対象とする二
輪車用ローラーブレーキに用いられるリングの製造方法
としては、まず、所定の組成からなる銅系粉末と硬質粒
子を、機械的に混合・粉砕・合金化処理を施すことで、
硬質粒子を最大30μm以下、平均粒径15μm以下に
微細に粉砕すると同時に、この硬質粒子を銅合金粉末粒
内(粉末の素地中)に微細に粉砕すると同時に、この硬
質粒子を銅合金粉末粒内(粉末の素地中)に微細且つ均
一に分散させた硬質粒子分散型複合銅合金粉末を作製す
る。そして、このような銅合金粉末に天然鱗片状黒鉛粉
末あるいは膨張化黒鉛粉末を成形・焼結し、さらに閉塞
金型内での加圧・固化による塑性加工を施し、必要に応
じて焼結工程を追加することにより、ブレーキリング材
として十分使用可能な機械的特性と乾式摺動条件下にお
いて優れた耐摩耗性・耐焼付き性、更に目標とする0.
1〜0.5の摩擦係数を発現する焼結銅合金製リングを
創製することができる。
【0027】(ガイドケース)上記の製法により作製し
た焼結銅合金製リングを図1のガイドケースの内周側に
圧入することで、2層構造のローラーブレーキ本体が作
製されるが、ここでガイドケースは機械的特性(特に、
車輪と嵌合するガイドケース中央部のスプライン歯部の
強度)ならびに経済性の観点から通常、鉄基合金、アル
ミ合金、マグネシウム合金、銅合金といった工業用金属
材料で構成される。特に、高い押し付け荷重がリングと
ブレーキシューの間に付与される場合には、両者間に発
生する摩擦熱が大きくなり、これを放熱する必要がある
ことから熱伝導率が大きく放熱性に優れ、且つ軽量化の
効果の大きいアルミニウム合金がガイドケース用材料と
して適している。
【0028】(実施例1)本発明による焼結銅合金(N
o.1〜21)および比較例(No.22〜36)の合
金組成を表1に示す。ここで、焼結銅合金全体を100
%とした際、硬質粒子(鉄系金属間化合物)と固体潤滑
成分を除いたものが素地を構成する銅合金の比率を重量
%で表示した値であり、さらにこの素地の銅合金全体を
100%としたときに合金を構成する各元素の含有量を
重量%で表示しており、残部が銅(Cu)である。ここ
で固体潤滑剤の記号A〜BはそれぞれA;天然鱗片状黒
鉛粉末(平均粒径40μm)、B;天然膨張化黒鉛(平
均粒径150μm)を意味する。また、硬質粒子である
鉄系金属間化合物の記号C〜Gはそれぞれ、C;FeM
o、D;FeCr、E;FeAl、F;FeTi、G;
FeSiを意味する。なお、各焼結銅合金は、その素地
を構成する成分組成を有する銅系粉末と硬質粒子の混合
粉末に対して機械的合金化(メカニカルアロイング)処
理を施した硬質粒子分散型複合銅合金粉末と所定量の固
体潤滑粉末を混合し、成形・焼結過程を経て200MP
a以上の抗折力を有している。(但し、No.36を除
く)
【0029】
【表1】
【0030】表1において、*1は出発原料粉末を機械
的混合・粉砕処理を施すが、その条件を変更すること
で、硬質粒子の最大粒径を60μmとし、これを成形・
焼結した合金。また、*2は出発原料粉末を機械的混合
・粉砕処理を施すが、その処理条件を変更することで硬
質粒子の最大粒径を35μmとし、これを成形・焼結し
た合金。さらに*3は出発原料粉末を本発明による機械
的混合・粉砕・合金化処理を施さずに成形・焼結した合
金。
【0031】各焼結合金中の硬質粒子の最大粒径・平均
粒径、機械的特性(抗折力)摩擦摺動特性(摩擦係数
μ、摩擦材および相手材の摩耗量)の評価結果は表2に
示される。
【0032】
【表2】
【0033】表2において相手材の項中マイナス(−)
は付着による増加を示す。摩擦試験は図5に示すリング
オンディスク式摩擦試験機を用いて乾式大気中にて30
分間連続運転した際の摩擦係数を測定した。相手材には
引張強さ650MPaを有する鉄系焼結材を用いた。な
お摩擦係数が0.7を越える場合は焼付き現象が発生し
たことを意味する。また、図で10は固定側となる焼結
銅合金リングを示し、11は回転側となる鉄系相手材を
示している。 加圧力 :30kg/cm2、速度:2m/秒、摩擦時間:30分 試験片形状:焼結銅合金(固定側)(φ60×φ50×5mm
リンク゛状) 相手材 :鉄系材料(回転側)(φ80×5mm円板状
、引張り強さ650MPa 、焼結材 ) 表2は表1に対応し、No.1〜21が本発明の銅系焼
結合金、No.22〜36が比較材を示している。材料
No.1〜21は本発明が測定する所定の成分を有する
銅系焼結合金であり、表2に見るようにその抗折力は目
標の200MPa以上と有している。また、試験結果に
おいては相手材との焼付き現象や摩耗損傷を生じること
なく、目標とする0.15〜0.5の摩擦係数(μ)を
有しており、リング用材料として十分適用できることが
判った。
【0034】一方、比較例No.22〜36の焼結合金
において以下のような問題が見られた。 22:Snを含有しないため、合金の耐摩耗性が低下
し、最終的に相手材と焼付きを生じた。 23:Sn量が2%と少ないため、合金の耐摩耗性・耐
焼付性が低下し、最終的に相手材と焼付きを生じた。 24:Sn量が25%と多いために素地が著しく硬化し
て相手材を攻撃し、最終的に相手材と焼付きを生じた。 25:固体潤滑成分が0%と少ないために相手材と焼付
きを生じた。 26:固体潤滑成分が3%と少ないために相手材と焼付
きを生じた。 27:固体潤滑成分が2%と少ないために相手材と焼付
きを生じた。 28:固体潤滑成分が18%と多いために焼結体の強度
が低下した。 29:硬質粒子が5%と少ないために十分な耐摩耗性が
得られず、最終的に相手材と焼付きを生じる。 30:硬質粒子が55wt%と多く含むため、焼結体の
強度が低下すると共に、相手材を攻撃した。 31:Zn含有量が45%と多いために素地が著しく硬
化して相手材を攻撃し、最終的に相手材と焼付きを生じ
た。 32:Ni含有量が45%と多いために素地が著しく硬
化して相手材を攻撃し、最終的に相手材と焼付きを生じ
た。 33:Al量が5%と多いために焼結体が著しく硬化
し、焼結体の強度が低下すると共に相手材を攻撃して焼
付きを生じた。 34:硬質粒子の最大粒径が50μmと大きいために焼
結体の強度が低下する。 35:硬質粒子の平均粒径が40μm、平均粒径が32
μmと大きいために焼結体の強度が低下する。 36:機械的粉砕・混合処理を行わず、単に所定成分を
有する各粉末を混合のみした後、焼結したために硬質粒
子と素地との反応層が形成されず、また粗大な硬質粒子
が存在するため、摺動時に硬質粒子が素地から脱落して
相手材と焼付きを生じ、さらに焼結材の強度が低下す
る。
【0035】(実施例2)実施例1に記載した本発明の
銅系焼結合金No.2を外径φ60mm・内径φ50m
mのリングに加工した後、アルミ合金製ガイドケースの
内側に圧入して本発明が規定する2層構造体のローラー
ブレーキ本体を作製した。一方、表3に示すように種々
の引張強さを有する鉄系材料を準備し、これを機械加工
によりリング内径と同一の曲率半径を、リングと接する
外周面に有したブレーキシューに仕上げ、グリス潤滑無
しのローラーブレーキを作製した。これを24インチ自
転車の後輪に装着して速度10km/hで走行した状態
から8kgfのレバー入力(押し付け力による面圧:約
30kgf/cm2 )を付与し、5秒間で停止して再度
速度10km/hとなるように走行することを1サイク
ルとし、合計10000サイクルの耐久試験を行った。
その際のブレーキ効力(制動力)から100、100
0、10000サイクルにおける摩擦係数μを算出と共
に、ブレーキシューおよびリングの損傷状況を調査し
た。その結果を同表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】これに見るように、本発明が規定する形状
(リング内周面と均一に全面で接触するような曲率を外
周面に有する)および引張強さ(400MPa以上)を
有する鉄系材料No.1〜3をブレーキシューに用いた
場合、実車で10000サイクル耐久試験において、ブ
レーキシューとリングの片当たり現象はなく、ブレーキ
シューおよびリング共に摩耗損傷は認められず、0.4
程度の摩擦係数に相当する制動力を安定して発現するこ
とが確認できた。一方、比較例として、引張強さが40
0MPa未満の鉄系材料No.4〜7をブレーキシュー
に用いた場合、レバーからの押し付け力によりブレーキ
シューが変形してリングとの片当たり現象を生じ、その
結果、焼付き現象或いはロック現象(車輪が回転しない
状態)に至ると共に顕著な異音(鳴き)が発生した。
【0038】更に、同様の実車耐久試験において、リン
グにS35C鋼材を用いた場合の結果を同表No.8
に、また、リングにランキサイド材(sic粒子分散型
アルミ合金)を用いた場合の結果を同表No.9に示
す。No.8、No.9共に目標とする摩擦係数を得る
ことはできず、また焼付き現象或いはロック現象が発生
し、これらの材料はリングには適用できないことが判っ
た。また、同表No.10に示すようにリング兼ガイド
ケースおよびブレーキシューを共にS35C鋼材で作製
し、従来品のようにシューとリングの間にグリス潤滑を
施した場合では、焼付き現象やロック現象、さらには異
音等の発生は見られなかったが、摩擦係数は0.09と
低いことが判った。しかしながら、外周面の曲率半径が
リングの内径よりも小さいような形状を有するシューを
同表中のNo.1の材料を用いて作製し、同様の耐久試
験を実施した結果、シューがリングに対して局所的に接
したために焼付き現象が発生した。
【0039】(実施例3)実施例1に記載した本発明の
銅系焼結合金No.2を外径φ60mm・内径φ50m
mのリングに加工した後、表4に示す各種の材料により
作製したガイドケースの内側に圧入して本発明が規定す
る2層構造体のローラーブレーキ本体を作製した。そし
て、650MPaの引張強さを有する鉄系焼結材により
作製したブレーキシューを組み込み、グリス潤滑無しの
乾式ローラーブレーキを作製した。これを実施例2と同
様に、24インチ自転車の後輪に装着して速度10km
/hで走行した状態から8kgfのレバー入力(押し付
け力による面圧:約30kgf/cm2 )を付与し、5
秒間で停止して再度速度10km/hとなるように走行
することを1サイクルとし、合計10000サイクルの
耐久試験を行った。その際、後輪シャフトと勘合して高
い応力が付与されるガイドケースのスプライン歯部の損
傷状況および1000サイクル時におけるブレーキシュ
ーとリング材の間の摩擦係数μを測定した。その結果を
同表4に示す。これに見るようにガイドケース用材料と
して強度・靱性に優れた金属材料を用いることにより、
後輪と嵌合するガイドケースのスプライン歯部にて摩耗
損傷や歯部の欠損といった問題は発生しなかった。一
方、高強度・軽量ではあるが靱性に乏しいセラミック系
材料を用いた場合、歯部の欠損が生じることが確認され
た。
【0040】
【表4】
【0041】(実施例4)表1中のNo.2の配合組成
を有する硬質粒子分散型銅合金粉末と固体潤滑成分(天
然鱗片黒鉛粉末)の混合粉末を真密度比で72%に圧粉
成形した後、これを表5に示す製造条件に基づいて固化
し得た各焼結体の抗折力を評価した。その結果を同表5
に示す。なお、再加圧工程では金型内壁への潤滑剤とし
てステアリン酸亜鉛を有機溶媒に溶かしたものと使用し
た。本表に見るように、本発明の製造条件による銅系焼
結合金No.1〜7では、適正なる焼結条件・再加圧条
件・再焼結条件の基で作製した結果、リング材としての
要求強度(200MPa以上の抗折力)を有する焼結体
が得られた。一方、比較例No.8〜14では、以下の
ような問題が生じた。 No.8;焼結温度が600℃と低いため焼結現象が十
分進行しない結果、再加圧工程へ焼結体を搬送する過程
で欠けが発生。 No.9;焼結時間が5分と短いため焼結現象が十分進
行しない結果、再加圧工程へ焼結体を搬送する過程で欠
けが発生。 No.10;大気中で焼結したため焼結現象が十分進行
せず、その結果再加圧工程へ焼結体を搬送する過程で欠
けが発生。 No.11;素地を構成する銅合金の固相線温度を越え
て1050℃まで加熱した為、焼結体中に液相が発生し
て寸法変化が増大。 No.12;再焼結過程を施さなかった結果、リング材
としての要求強度が得られなかった。 No.13;再焼結工程において第1回目の焼結温度
(800℃)を越えて900℃迄加熱した為、再度焼結
が進行して最終製品において寸法変化が増大。 No.14;再加圧過程での加圧面圧が2t/cm2
小さい為、リング材としての要求強度が得られなかっ
た。
【0042】
【表5】
【0043】(実施例5)実施例1のNo.8に記載し
た本発明の組成を有する混合粉末を本発明が規定する製
造条件のもとで焼結・固化した銅系焼結合金を外径φ7
5mm・内径φ65mmのリングに加工した後、鋳鉄製
ゲイドケースの内側に圧入して本発明が規定する2層構
造体のローラーブレーキ本体を作製した。得られた各焼
結銅合金の抗折力を表6に示す。そして、650MPa
の引張強さを有する鉄系焼結材により作製したブレーキ
シューを組み込み、グリス潤滑無しの乾式ローラーブレ
ーキを作製した。これを実施例2と同様に、24インチ
自転車の後輪に装着して速度25km/hで走行した状
態から同表6に示す種々のレバー入力を付与し、5秒間
で停止して再度速度25km/hとなるように走行する
ことを1サイクルとし、合計1000サイクルの耐久試
験を行った。その際、ブレーキシューとリング材の間の
摩擦係数μを測定した。その結果を同表6に示す。表6
において、No.1〜4に見るように本発明が対象とす
る競技用および汎用自転車でのレバー入力(リングに対
するシューの押し付け力):約10〜100kgf/c
2 が付与される場合では、焼結銅合金製リング材の摩
耗損傷もなく、安定した摩擦係数(制動力)を発現する
ことができる。一方、No.5〜6に見るように150
kgf/cm2 程度の過負荷がレバー入力として付与さ
れると、リング材が摩耗損傷するといった問題が確認さ
れた。
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明は二輪車用ローラーブレーキとそ
の製造方法に関するものである。本発明によるローラー
ブレーキはグリスやオイル等の潤滑成分が介在しないよ
うな、厳しい摩擦摺動条件下において、約10〜50k
gf/cm2 程度の押し付け力が付与された場合、ブレ
ーキを構成するリングとブレーキシューの間で焼付きロ
ック現象や摩耗損傷、異音や鳴き等を生じることなく、
0.1〜0.5の摩擦係数に相当する高い制動力を安定
して発現できる。従って、本発明によるローラーブレー
キでは、運転中にブレーキが焼き付くといったロック現
象を生じることなく、比較的小さいレバー入力により大
きな効力を得ることができ、優れた制動効率を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図は本発明の実施例を示し、(a)は平面図、
(b)は縦断面図である。
【図2】図は従来の二輪車用ローラーブレーキを示し、
(a)は平面図、(b)は縦断面図である。
【図3】(a)は本発明によるリングの硬質粒子分散型
銅合金粉末を焼結材の組織構造の模式図を示し、(b)
は従来の単純混合銅合金粉末を固化した焼結材の組織構
造の模式図を示す。
【図4】図はリング用焼結銅合金の製造工程を示す。
【図5】図はリングオンディスク摩擦試験方法の説明図
である。
【符号の説明】
1 ガイドケース 2 ブレーキシュー 3 リング
4 スプライン歯部 5 粉末粒界 6 素地(銅合金) 7.7′硬質
粒子 8 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 9/02 C22C 9/02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製ガイドケースの内側に圧入した焼
    結銅合金製リングと、該リングの内径に対して同一の曲
    率を外周面に有して該外周面を前記内周面に押し付ける
    ことでブレーキ効力を発現させる金属製シューから構成
    される二輪車用ローラーブレーキにおいて、該シューは
    400MPa以上の引張強さ有する鉄系材料であり、該
    リングに用いる焼結銅合金はその素地を構成する銅合金
    粉末粒内部に硬質粒子が均一に分散する組織を有し、且
    つ200MPa以上の抗折力を有しており、さらに固形
    あるいは/および半固形状潤滑剤が存在しない乾式摺動
    環境下で制動した際に、前記リングとシューの間の摩擦
    係数が0.15以上0.5以下となることを特徴とする
    二輪車用ローラーブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記リングに用いる銅系焼結合金におい
    て、重量基準で10〜50%の硬質粒子と5〜15%の
    固体潤滑成分を含み、残部の素地が銅合金であることを
    特徴とする請求項1記載の二輪車ローラーブレーキ。
  3. 【請求項3】 前記リングに用いる銅系焼結合金におい
    て、素地を構成する銅合金の全体組成を100重量%と
    すると、3〜20重量のSnを含有し、残部が銅および
    不可避的不純物からなることを特徴とする請求項2記載
    の二輪車用ローラーブレーキ。
  4. 【請求項4】 前記リングに用いる銅系焼結合金の素地
    を構成する銅合金粉末内部に分散する硬質粒子は、Fe
    Mo、FeCr、FeTi、FeAl、FeSiおよび
    FeBの群からなる鉄系金属間化合物の中から選ばれた
    1種もしくは2種以上であることを特徴とする請求項2
    記載の二輪車用ローラーブレーキ。
  5. 【請求項5】 前記リングに用いる固体潤滑成分は、天
    然鱗片状黒鉛粉末、あるいは天然鱗片状黒鉛粉末を厚み
    方向に膨張させた膨張化黒鉛粉末であることを特徴とす
    る請求項2記載の二輪車用ローラーブレーキ。
  6. 【請求項6】 前記銅系焼結合金の素地を構成する銅合
    金粉内部に分散する硬質粒子の最大粒径は30μm以
    下、平均粒径は15μm以下であることを特徴とする請
    求項4記載の二輪車用ローラーブレーキ。
  7. 【請求項7】 前記リングに用いる銅系焼結合金におい
    て、素地を構成する銅合金の全体組成を100重量%と
    すると、必要に応じてAlを重量基準で3%以下含有す
    ることを特徴とする請求項3記載の二輪車用ローラーブ
    レーキ。
  8. 【請求項8】 前記リングに用いる銅系焼結合金を構成
    する素地において、素地を構成する銅合金の全体組成を
    100重量%とすると、必要に応じてZn、Niのすく
    なくとも一方、もしくは両方を5〜40重量%含有する
    ことを特徴とする請求項3、もしくは7記載の二輪車用
    ローラーブレーキ。
  9. 【請求項9】 前記ガイドケースは鉄基合金、アルミ合
    金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金から選ばれ
    た金属材料からなることを特徴とする請求項1記載の二
    輪車用ローラーブレーキ。
  10. 【請求項10】 前記シューは溶解・溶製法あるいは粉
    末冶金法により作成し得た鉄基合金であることを特徴と
    する請求項1記載の二輪車用ローラーブレーキ。
  11. 【請求項11】 前記硬質粒子が銅合金粉末の素地中に
    均一に分散する硬質粒子分散型複合銅合金粉末を主原料
    として用い、これに上記の固体潤滑成分である天然黒鉛
    粉末、さらに必要に応じてAl粉末を所定量に配合した
    混合粉末を出発原料とし、これを成形・焼結・固化する
    ことを特徴とする二輪車用ローラーブレーキのリング製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記出発原料をリング形状に成形した
    圧粉体を700℃以上、且つ合金素地の固相線温度以下
    に保持された還元性ガス、不活性ガス、もしくは真空の
    いずれかの雰囲気中で加熱して得た焼結体を、続いて該
    焼結体の温度が100℃以上に保持された状態で閉塞金
    型内にて加圧・固化することを特徴とする請求項11記
    載の二輪車用ローラーブレーキのリング製造方法。
  13. 【請求項13】 前記出発原料をリング形状に成形した
    圧粉体を700℃以上、且つ合金素地の固相線温度以下
    に保持された還元性ガス、不活性ガス、もしくは真空の
    いずれかの雰囲気中で加熱して得た焼結体を、続いて該
    焼結体の温度を100℃未満に保持した状態で閉塞金型
    内にて加圧・固化し、さらに上記の制御された雰囲気内
    で該焼結温度以下に加熱・保持することを特徴とする請
    求項1記載の二輪車用ローラーブレーキのリング製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記硬質粒子分散型複合銅合金粉末
    は、上記の銅合金素地を構成する所定の成分組成を有す
    る銅系粉末と、上記硬質粒子からなる混合粉末を準備す
    る工程と、続いて該混合粉末に対して機械的合金法、機
    械的混合法、もしくは造粒法のいずれかの混合・粉砕処
    理を施す工程により、該硬質粒子を最大粒径30μm以
    下、平均粒径15μm以下に粉砕し、且つ同時に該硬質
    粒子を銅合金粉末の素地内部に均一に分散させることで
    得られる硬質粒子分散型複合銅合金粉末であることを特
    徴とする請求項11記載の二輪車用ローラーブレーキの
    リング製造方法。
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