JPS6125551B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はシリアル方式の印字装置の改良に関す
るものである。

最近、感熱式、放電式、あるいはワイヤードツ
ト等のドツトマトリツクス方式の印字装置は、従
来の活字式印字装置と比較して文字パターンに自
由度があり、数字、記号、文字だけでなくグラフ
等も描けるというメリツトがあり、コンピユータ
の端末器、CRTデイスプレイ、あるいはメツセ
ージ用等の需要が急激に増加してきている。前述
の装置等は、現在、回路部品のLSI化などにより
非常に小型、抵価格になつてきていると同時に、
印字装置も小型・低価格のものが要求されてきて
いる。

シリアル方式の印字装置は、一般的に縦一列の
複数個の印字素子、又はマトリツクス状印字素子
を記録紙幅方向に移動させ、ドツトマトリツクス
による印字を形成するものが多いが、いずれも必
要機能として、(1)印字ヘツドを記録紙幅方向に往
復運動させる。(2)ドツトタイミングを発生させ
る。(3)１行分の記録紙を給送する。(4)印字ヘツド
の記録紙への圧着及び離脱を行なわせる。等の機
能が要求され、これらの機能をできるだけ少数の
構成部品、簡単な構成で製作できることが、小
型、低価格を達成する要点となるが、現在市場に
提供されている印字装置は、構成部品も多く構造
も複雑で大型となり、かつ高価であり市場の要望
を十分満足していない。

現在、比較的簡単な構造で前述の印字装置に必
要な多数の機能を達成できるものに、マングル歯
車の回転運動を利用したものが開発されている。

この種の代表的な機構原理を第１図に示す。こ
れによれば、マングル歯車１の回転力を、このマ
ングル歯車１に一体に形成されたドラム２上に巻
回されたワイヤーロープ３を介してヘツド取付体
４に伝達し、印字ヘツド５を往復運動させる。さ
らに、前記マングル歯車４は、フレーム６に回転
自在に支持された揺動レバー７に回転自在に支持
されており、マングル歯車独特の回転特性により
前記揺動レバー７を揺動させる。この揺動作用と
各機構が係合して、記録紙の送給や印字ヘツドの
記録紙への圧着、離脱を行なわせている。ところ
で、前記のワイヤーロープ３は、第１図に示すよ
うにマングル歯車１上に形成されたドラム２上に
巻回され、ロープ両端はヘツド取付体４上にロツ
クされている。この間に、プーリＡ８、プーリＢ
９、プーリＣ１０、プーリＤ１１間を引き廻さ
れ、マングル歯車１の回転往復運動をヘツド取付
体４（印字ヘツド）の直線往復運動に変換してい
る。

このように、従来のマングル歯車１を応用した
印字装置では、印字ヘツドの往復運動以外の他の
プリンタ機能（紙送り、ヘツド圧着、離脱等）を
達成するために構成が非常に複雑になり、印字ヘ
ツド５の往復運動の伝達手段であるワイヤーロー
プ３の、ヘツド取付体４までの引き廻し距離が長
く、且つプーリ８〜１１等の構成部品も多く、作
業性や保守性が悪く、コスト的な問題やワイヤー
ロープのたるみによる印字精度が悪く、また装置
の小型化により引き廻しプーリやワイヤドラム径
をあまり大きく出来ず、ワイヤ屈曲寿命が短いと
いつた欠点があつた。

本発明の目的は、上記の欠点を除去し、構造が
簡単で小型・軽量、低価格のシリアル式の印字装
置を提供することにある。

以下、本発明の一実施例について図面第２図〜
第４図に基づいて説明する。

第２図に示す印字装置は、記録紙１２の紙幅方
向に印字ヘツド１３を往復運動させ、逐次印字さ
せるシリアル方式である。最初、図の位置に停止
していた印字ヘツド１３は、フレーム１４上に固
定されたモータ１５が回転すると左端まで移動
し、印字ヘツド１３が記録紙１２に圧着すると、
逆方向に運動方向変え、印字が開始される。１行
分の印字が終了し、印字ヘツド１３が右端まで来
ると、反対方向に移動を始めるとともに、印字ヘ
ツド１３が記録紙１２より離脱し、モータ１５が
停止すると印字ヘツド１３の移動は終る。この間
に１行分の記録紙送給が行なわれる。以上のよう
に、本発明の印字装置では、モータ１５の定速回
転に伴つて、印字動作→印字ヘツド１３を記録紙
１２から離す→記録紙１２を１行分給送する→印
字ヘツド１３を高速で戻すといつた各動作を順次
行なう。また本実施例の印字ヘツド１３として
は、縦７ドツトの感熱ヘツドおよび放電ヘツドを
使用している。

次に各部構造について説明する。１５は印字装
置の駆動源であるモータであり、フレーム１４上
に固定されている。モータ１５の回転は、モータ
シヤフト上に固着されたカサ歯車１６から、フレ
ーム１４に回転自在に支持された中継ギヤー１７
へ伝えられる。この中継ギヤー１７の回転軸上に
はピニオン歯車１８と平歯車１９が形成されてお
り、ピニオン歯車１８はマングル歯車２０と、平
歯車１９はフレーム１４に回転自在に支持された
タイミング歯車２１と噛合つている。このタイミ
ング歯車２１の１回転は、マングル歯車２０の１
回転に等しく回転するよう設計されており、印字
ヘツド１３の往復運動、記録紙１２の給送、印字
ヘツド１３の圧着、離脱等のタイミング設計が容
易にできる。前記マングル歯車２０は、フレーム
１４に回転自在に支持された揺動レバー２２上に
回転自在に支持されており、平歯車１８と噛合つ
ている。このマングル歯車２０は、内歯車と外歯
車が連続的に形成されており、平歯車１８が一定
方向に回転すると、マングル歯車２０は正転・逆
転を繰り返す。２３は印字ヘツド取付体で、フレ
ーム１４に回転自在に支持された摺動軸２４を摺
動自在に移動できる、前記ヘツド取付体２３にワ
イヤーロープ２５が保持固定され、このワイヤー
ロープ２５は、フレーム１４に回転自在に支持さ
れたプーリ２６を廻り、マングル歯車２０上に一
体に形成されたドラム上に巻回されている。従つ
てマングル歯車２０の回転運動はワイヤーロープ
２５を介してヘツド取付体２３へ伝達される。前
述のように、マングル歯車２０は正転・逆転運動
を繰り返しヘツド取付体２３は往復摺動運動を行
なう。

次に記録紙送給機構について第３図とともに説
明する。

フレーム１４に回転可能に支持されたゴムロー
ラ２８とローラ２９と圧接させ、ゴムローラ２８
を回転させると両者間にはさまれた記録紙１２は
送給される。ゴムローラ２８とともにゴムローラ
軸３０に固着された紙送り歯車３１は、前記タイ
ミング歯車２１の側面に設けられたウズ巻状歯車
３２と係合し、タイミング歯車２１が１回転する
間に、ウズ巻状歯車３２の半径が部分的に変化す
るため、紙送り歯車３１の一歯角回転し、記録紙
を１行分送る。

次に印字ヘツド１２の摺動機構及び圧着、離脱
機構について第４図とともに説明する。

３４は摺動軸２４に回転自在に支持され、スプ
リング３３によつて引つばられている摺動金具で
ある。この摺動金具３４には、Ｌ型に曲げられた
ヘツド取付体２３の摺動案内用レール３４−ａが
設けられ、ヘツド取付体２３上に回転自在に支持
された滑車３５が前記摺動案内用レール３４−ａ
に係合されている。３６はヘツド取付体２３に固
定され、１端でワイヤーロープ２５のロツクを
し、他端で前記滑車３５を支持している支柱であ
る。この滑車３５はヘツド取付体２３の摺動時に
は、回転をしつつ前記摺動案内用レール３４−ａ
よりスプリング３３の圧力をヘツド取付体２３に
伝え、印字ヘツド１３を記録紙１２へ圧着させ
る。

３７は前記ゴムローラ軸３０に回転自在に支持
されたカムで、一端３７−ａは前記タイミング歯
車２１の側面に設けられた立体カム２１ａと接合
しており、タイミング歯車２１の回転と追随し回
動する。カム３７がａ→ｂへ回動すると、前記摺
動金具３４上の側面に設けられた突起３４−ｂと
カム３７の一端３７−ｂが接合し、強制的に摺動
金具３４をｃ→ｄへ回転させ印字ヘツド１３を記
録紙１２から離脱させる。同様に、カム３７がｂ
→ａへ復帰すると、摺動金具３４はスプリング３
３で引つばられているため、摺動案内用レール３
４−ａ、滑車３５、ヘツド取付体２３を介して印
字ヘツドが圧着する。

以上説明したように本発明の印字装置によれ
ば、印字ヘツドの往復運動以外の他のプリンタ機
能（紙送り、ヘツド圧着、離脱等）をマングル歯
車と同期して回転するタイミング歯車で達成する
ことによつて、非常に構造が簡単な印字装置が提
供出来印字ヘツドの往復運動機構に従来のように
多数の構成部品を必要とせず、マングル歯車と１
個のプーリ間にロープを張るだけの構成で済み、
ワイヤーロープ掛けの作業性や保守性が非常に良
く、コスト的に安価な小型の印字装置が提供出来
るだけでなく、ワイヤドラム、ワイヤプーリ径を
大きく取ることが可能であり、ワイヤ伸び、屈曲
寿命ともに優れ、印字精度の高い高信頼性の印字
装置をも実現でき、その工業的価値は大なるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はマングル歯車を応用した従来の印字装
置の印字ヘツド往復運動機構の斜視図、第２図は
本発明の印字装置の一実施例の全体構成を示した
分解斜視図、第３図は同装置の記録紙送給機構の
動作説明図、第４図は同装置のヘツド摺動機構及
びヘツド圧着、離脱の動作説明図である。 １２……記録紙、１３……印字ヘツド、１８…
…ピニオン歯車、２０……マングル歯車、２１…
…タイミング歯車、２１ａ……立体カム、２２…
…揺動レバー、２３……ヘツド取付体、２４……
摺動軸、２５……ワイヤーロープ、２６……プー
リ、３２……ウズ巻状歯車、３４……摺動金具、
３５……滑車。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フレームに回転自在に支持された揺動レバー
   と、この揺動レバーに回転自在に支持され、印字
   ヘツドの１往復が１往復回転となるマングル歯車
   と、前記マングル歯車と同期して回転するタイミ
   ング歯車と、前記タイミング歯車上に設けられた
   ウズ巻状歯車及び立体カムと、前記マングル歯車
   に一体に形成されたドラムと、フレームに回転自
   在に支持されたプーリと、前記ドラム、およびプ
   ーリに張られたワイヤーロープの一部に固定され
   たヘツド取付体と、前記ヘツド取付体を案内する
   摺動軸、摺動金具及びＨ型滑車により、前記マン
   グル歯車の正転逆転運動を、前記ヘツド取付体に
   往復直線運動に変換するとともに、前記タイミン
   グ歯車の回転により、印字ヘツドの圧着、離脱お
   よび紙送り機能をはたすことを特徴とした印字装
   置。