JPS6125160Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁接触器、電磁継電器等の電磁機
器に係り、特にその電磁コイルの端子構造に関す
るものである。

第１図は従来の電磁接触器の電磁コイルの部分
の斜視図であり、図において１は電磁コイル、２
はコイル端子、３はコイル口出線、４は電磁コイ
ル１の定格名板である。

上記のような従来の電磁コイルにおいては、電
磁コイル１の導体端部とコイル口出線３との接続
及びコイル口出線３とコイル端子２との接続を必
要とし、かつこの電磁コイル１を電磁接触器の本
体に組み込んだ際、コイル端子２を外部との接続
のため本体に設けられれた中継端子と接続する必
要があるが、コイル口出線３が線状であるため、
いちいち中継端子へ接続するのに人の手をわずら
わして位置決めをし、接続していた。また、電磁
コイル１の定格を知るには、電磁コイル１に設け
られたプラスチツク等の透明窓に用いられている
部材が経年変化等により不透明になつた場合や、
多数の器具とともに配置されてこの電磁接触器が
使用された時に、他の器具が邪魔をして透明窓を
とおして電磁コイル１の定格名板４を見るのが困
難になつた場合は、電磁コイル１の定格を確認す
ることが非常に困難となる欠点があつた。

この考案はかかる従来の欠点を除去するために
なされたもので、電磁コイルの導体端部とコイル
口出線との接続およびコイル口出線とコイル端子
との接続を省略できる端子構造つまり長尺の板状
導体とし、この板状導体の一端を電磁コイルに固
定し、他端に長手方向と直角方向をなして電磁コ
イルの定格電圧を表示される旗状部を設けたこと
を特徴とするものである。

以下第２図から第５図に基いてこの考案の一実
施例を説明すると、７は取付台５とベース６より
なる電磁接触器本体で、この内部には電磁コイル
１，固定鉄心８、可動鉄心（図示せず）などが収
納されており、上記取付台５の対角線上の隅部に
は上記電磁コイル１と外部との接続用の中継端子
９が取付けられる。そして、上記電磁コイル１に
電圧が加えられると固定鉄心８および可動鉄心が
励磁され、可動鉄心は固定鉄心８に吸引され、可
動接触子（図示せず）が固定接触子に押圧されて
接点回路が閉路される。また、電磁コイル１の電
流が切れることにより固定鉄心８および可動鉄心
は無励磁状態となり可動鉄心を固定鉄心８から引
きはなし、可動接触子が押し上げられ接点回路が
開路されるもので、従来の電磁接触器と同様な構
造である。

次にこの考案の要点である電磁コイルの端子構
造及び端子の取付けについて説明すると、１０は
上記中継端子９と上記電磁コイル１の導体端部と
を接続する長尺の板状導体で、一端は第５図に示
すように上記電磁コイル１のコイルスプール１１
のツバ部１２に設けた溝１３に一方、即ち第５図
ｂでは右方向から圧入状態に挿入固定され、ま
た、他端には上記中継端子９に端子ネジ１４で固
定される穴１５が予め設けられている。なお溝１
３の中には板状導体１０の端部をより確実に固定
する目的で接着剤を充填しても良いが、この実施
例ではそのような接着剤を用いてはいない。１６
は上記板状導体１０の穴１５のある端部に長手方
向と直角方向に設けられ、上記電磁コイル１の定
格電圧が刻印等の表示方法で表示された旗状部、
１７はこの旗状部を本体７の外部から前面より見
える状態に置くよう上記取付台５に設けられた設
置部、１８は上記中継端子９の両側で上記取付台
５に設けられた凹部で、この凹部の中に上記中継
端子９と板状導体１０がおさめられ、このため凹
部を形成する周囲の凸壁によつて中継端子９と板
状導体１０の回り止めと位置決めが行われてい
る。なお上記凸壁は上記旗状部１６が上記設置部
１７に載置されたときこの旗状部１６と衝突しな
いよう旗状部１６の近くまでの長さにしてある。

したがつて、板状導体１０を電磁コイル１の導
体端部と接続し、溝１３に挿入固定して、電磁コ
イル１を固定鉄心８の中央脚に挿入すれば、板状
導体１０の穴１５のある端部は中継端子９の位置
にくるので、外方と接続可能に端子ネジ１４を欠
１５に挿入することによつて中継端子９に固定で
き、また旗状部１６は設置部１８に載置されるの
で旗状部１６が少々長くてもたわむことはない。
板状導体１０は、第３図及び第４図に示すよう
に、一端部がねじ１４により他端部は溝１３によ
りそれぞれ固定されており、中央部は前後方向に
撓むことができるよう構成されているため、板状
導体１０に衝撃が加わつたとしてもそれを板状導
体１０自身により吸収することができる。

この考案は以上に説明したとおり、取付台に設
けられた中継端子と電極コイルの導体端部とを接
続するための長尺状の板状導体を設け、この板状
導体の一端をコイルスプールに設けた溝に固定す
るとともに他端に中継端子を接続するようにし、
さらにこの板状導体の一端から他端をコイルスプ
ールの一辺に沿つて長く延在させるようにしたの
で、従来のものに比べ電磁コイルの導体端部とコ
イル口出線との接続およびコイル口出線とコイル
端子との接続が省略でき、接続部における折損、
断線のおそれもなく、そのうえ、電磁コイルを電
磁機器本体に組みこむことだけで板状導体の位置
決めができるため組立が容易である。また板状導
体の中継端子を接続する側の端部に長手方向と直
角方向をなし、電磁コイルの定格電圧が表示され
た旗状部を設けるとともに、取付台にはその旗状
部を本体の外部から前面より見える状態に置くよ
う設置部を設けたので、電磁機器を組立後、旗状
部の載置によることによりたわんだままになるこ
とがなくなり、しかも多数の器具とともに使用さ
れても電磁コイルの定格電圧が本体の外部から前
面より確認でき、誤電圧印加による電磁コイルの
焼損、動作不良による事故等の欠点を未然に防げ
るという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁コイル部分の斜視図、第２
図はこの考案の一実施例を示す正面図、第３図は
同じく第２図のベース部を取除いた図、第４図は
同じく電磁コイル部分の斜視図、第５図は第４図
の要部断面図で、第５図ａは正面側からの縦断面
図、第５図ｂは側面側からの縦断面図である。 図において、１は電磁コイル、５は取付台、１
０は板状導体、１３は溝、１６は旗状部、１８は
設置部である。なお各図中同一符号は同一または
相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイルスプールを有する電磁コイルと、この電
   磁コイルを収納する取付台と、この取付台に設け
   られた中継端子と、この中継端子と上記電磁コイ
   ルの端部とを接続する長尺の板状導体とを備え、
   この板状導体は一端が上記コイルスプールに設け
   られた溝部に固定され、他端が上記中継端子に接
   続され、かつコイルスプールの一辺に沿つて一端
   から他端が長く延在しており、さらに上記板状導
   体の両端のうち中継端子側端にその長手方向に対
   し直角に延びて設けられ、上記電磁コイルの定格
   電圧が文字により表示された旗状部と、この旗状
   部を本体の外部前面より見える状態に置くよう上
   記取付台に設けられた設置部とを備えた電磁機
   器。