JPS6123394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は芳香消臭容器用積層材に関するものであ
る。

近年ゲル状芳香消臭剤が市場に多数出まわつて
いるが、これらの容器としてはポリピロピレン製
の射出成型品等プラスチツク製のものがほとんど
である。

また、これらの容器は流通用の容器としてだけ
でなく使用時の容器としての機能、外観を備えて
いる必要のある場合が多い。

しかしてプラスチツク製のものは廃棄物公害等
の問題や美麗を印刷することが困難である。その
点紙を主材料とした容器は上記の問題を容易に解
決することができる。

しかして、その際要請されることとして、紙の
端面が容器内部に露出していないことやある程度
の強度が必要なこと、又香料に容器内面が犯され
ないことなどがある。これらの機能を満足させる
には、シート材料を射出成型樹脂により射出成型
と同時に一体に接合する複合容器の使用が極めて
有効である。

本案は以上のような観点に立つて複合容器を芳
香消臭剤容器として用いるためのものであつて、
内容物たる香料、ゲル成分等に犯されず、又射出
成型樹脂との接着が可能な積層材を提供すること
を本案の目的とするものである。

すなわち、本案の積層材は、紙層とアルミ箔層
とエチレン−酢酸ビニル共重合体（以下単に
「EVA」と言う）層及び／又はポリ塩化ビニリデ
ン層と延伸ポリプロピレン層とが順に積層されて
なるものである。

ゲル状芳香消臭剤の主成分は水分、ゼラチン、
香料からなり、香料は通常oilyな状態である。し
たがつて、これらの成分に対し充分な耐性を容器
に与えるために本案の成型樹脂としてはポリプロ
ピレンを用いる。また、積層材は印刷効果と容器
剛性を与えるために紙層を用い、香料に対するガ
スバリヤ性、または水分（水蒸気）に対するバリ
ヤ性を与えるためにアルミ箔を用いる。また、油
分、香料に対する耐薬品性を付与するために塩化
ビニリデン及び／又はEVAを用いる。さらに射
出成型樹脂との接着のため最外層に上記ポリプロ
ピレンを配し、この層が最内面になるようにして
使用するものである。

本案に係る積層材は基本的には第１図に示す如
く、紙層１、アルミ箔層２、EVA層３、ポリ塩
化ビニルデン層４、延伸ポリプロピレン層を順に
積層した構成を有する。上記EVA層とポリ塩化
ビニルデン層とはどちらか一方を省略することが
できるが、両方用いることが好ましく、これらは
三層以上とすることもでき、その積層順は任意で
ある。又さらに上記各層間には必要に応じて接着
層を介在させることができる。

一般に複合容器の構造は、先ず原紙に印刷を施
してからその表面にラミネートを施し、しかる后
容器形状に合せてブランクを打抜き、これを射出
成型金型へ供給して雄型と雌型とで挾み、ブラン
クと金型とで構成される型孔内へプラスチツクを
注入して成型し、次いで型開きして製品を取り出
している。

本案の積層材を使用する容器としては、例えば
第２図に示すように底板６と壁板７とからなるブ
ランク８を用い、壁板７には窓状の切り込み９を
設けておくもので、これを用いて第３図に示すよ
うな容器本体１０を成型し、これに底蓋１１を嵌
合又は接着して芳香消臭剤用容器を形成するもの
である。

芳香剤は上部の充填口１２から充填し、充填後
充填口１２を密封し、使用時には切り込み９部に
指を当てて開口部を作り、ここから芳香剤を発散
させるものである。

なお、本体と嵌合する底蓋１１を用いる代りに
超音波シールにより成型品を接着したり、又は上
記ブランクの積層材と同様のシートをヒートシー
ルして密封してもよい。

次に、以上のような複合容器に用いる本案に係
る積層材の好ましい実施例を挙げる。

この積層材は第４図に示す如き９層構成からな
り、図中１３乃至２１はそれぞれ260g／m²の
紙、20μのポリエチレン、７μのアルミ箔、無延
伸ポリプロピレン、EVA、塩化ビニルデン、
EVA、無延伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピ
レンを示すものである。

以上の積層材のうちのポリエチレン層１４はエ
クストル−ジヨンコーテイングによるもので、紙
層１３とアルミ箔層１５の接着層であり、これは
他の接着剤を用いてもよい。

１６乃至２１の６層のうちの１６乃至２０は共
押し出しにより、又２１を２０に熱接着により貼
り合せる。

これは１６乃至２１の各層が共押し出しにより
非常に薄く作れる（各３〜５μ）が、射出樹脂と
の接着にはポリプロピレンの厚さが薄すぎるの
で、２１層を熱接着で貼り合す必要があるからで
ある。

以上何れにしても、これらのフイルムの接着は
内面のポリプロピレンが油分、香料、水蒸気等を
透過してしまうための通常のラミネート方式では
接着層があり接着剤がそれらに犯される危険があ
るが、上記積層材によれば接着剤を用いずに比較
的強いラミネート強度が得られ、貼り合せ部が剥
離することがない。又、１５と１６の間の接着層
には１７，１９層により油分が到達しにくいので
問題はない。

本案は以上の如く、印刷効果と容器剛性を与え
るために紙層を用い、香料に対するガスバリヤ
性、水分（水蒸気）に対するバリヤ性を与えるた
めにアルミ箔を用い、耐薬品性を付与するために
塩化ビニルデン及び／又はEVAを用い、さらに
射出成型樹脂との接着のため外層には延伸ポリプ
ロピレンフイルムを用いているから、芳香消臭剤
用容器に用いた場合適切な性能を有する。

したがつて、本案の積層材を使用して形成され
る複合容器は紙の端面を露出しないから、芳香消
臭剤用容器としてきわちて好適であるという特徴
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案に係る積層材の切断面図、第２図
はブランクの展開図、第３図は芳香消臭剤用容器
の斜視図、第４図は本案に係る積層材の一実施例
の切断面図を示す。 １……紙、２……アルミ箔、３……エチレン−
酢酸ビニル共重合体層、４……塩化ビニルデン、
５……延伸ポリプロピレン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁板を底板に部分的に連結せしめたブランクを
   雌雄両金型間に挾み、ブランクの端縁間に合成樹
   脂を射出して端縁同志を接合して形成された複合
   容器のブランクに用いる積層材であつて、紙層と
   アルミ箔層とエチレン−酢酸ビニル共重合体層及
   び／又はポリ塩化ビニリデン層と延伸ポリプロピ
   レン層とを順に積層してなる芳香消臭剤容器用積
   層材。