JPS6122894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はベルトを用いたコンベヤー装置にお
ける走行ベルトの蛇行を修正する装置の改良に関
する。

この種のベルト蛇行修正装置として、これまで
のものは検出部を修正ローラーに直結させてこの
検出部を蛇行ベルトで押して修正ローラーを直接
抉じ回すものであるため、走行ベルトと摩擦接触
している修正ローラーを回動させるには非常に大
きな力が必要であり、その力の抵抗がベルト側辺
部と検出部との接点に表われてベルトの側辺部を
傷めベルト全体の耐久性を妨げる。

また、従来の装置として検出部を走行方向に沿
つて修正ローラーの下流に臨ませて、走行中にお
けるベルト蛇行の動向を修正ローラーを通り過ぎ
てしまつた下流で探知して修正ローラーに伝えて
回動させ、その修正を図るものであるが、既に修
正ローラーを通り過ぎて蛇行幅およびその押力が
より大きくなつて検出部との摩擦抵抗が大きくな
つてしまつた状態での修正稼動であるため、修正
ローラーを回動させるのに非常に大きな力と時間
がかり、迅速且つ確実にベルト蛇行を修正するこ
とが極めて困難であつた。

しかも、これら従来の蛇行検出部のローラー
は、その外周面が扁平であるため、ベルトの走行
中左右側辺部が蛇行押力により検出ローラーに対
し立上がり状に押付けられて折曲してベルト側辺
部を傷め、且つその蛇行押力を修正ローラーに正
確に伝えることができない等種々の次点があつ
た。

この考案は上記のようなベルト蛇行修正装置に
おける不備を改善するために為されたもので、エ
ンドローラーに装架せるエンドレスベルトの走行
方向に対して直角に交わる状態で水平状に回動す
べく装備してベルトを受支さる修正ローラーに、
検出ローラーを設けて修正ローラーの上流に当る
ベルトの左右側辺に検出ローラーを臨ませたコン
ベヤー装置において、検出ローラーを設けた左右
の肘腕部を修正ローラーを受支させる台枠上に枢
着して頚部をロツドで連結し、該肘腕部の肘片で
修正ローラーを蛇行側方向に掛動させるべくした
ことを特徴とするベルトコンベヤー装置における
蛇行修正装置の改良に係るものである。

次に、この考案の実施例を図面を用いて具体的
に説明する。

第１図はコンベヤー装置の側面略図、第２図は
同平面略図、第３図は同要部の拡大平面図、第４
図は同側面図、第５図は同要部を分離して示した
修正ローラー部と台枠部との正面図、第７図はベ
ルトの蛇行修正状態を示す要部の平面略図、第８
図は肘腕部の実施例を示す要部の平面図、第９図
は検出ローラーの実施例を示す要部の平面図にし
て、Ａはコンベヤー装置に取付けられた蛇行修正
装置で、台枠１上の中央に承穴ａを設け、修正ロ
ーラー２の支持枠３の下面中央の突設した回動軸
ｂを前記承穴ａに嵌受させて修正ローラー２の支
持枠３を台枠１に対し水平状に回動すべく装着
し、支持枠３の両端下辺に設けた前後方向に滑動
する転子Ｃ，Ｃで台枠１の左右端上に回動自在に
支持する。４は肘腕部で、幹部を内向きのＬ字類
似形に屈折形成して肘部ｄを有する肘片とし、先
端部ｅのは検出ローラー７を装着して成り、この
肘腕部４を前記台枠１上の左右端近くのいずれか
に水平状に回動すべく肘部ｄを支軸ｆで枢着し、
他端近くには肘片を設けない切り放し状の肘腕部
４の幹部を支軸f′で枢着して、その互いの頚部を
ロツド８で連結して連動させる。このように台枠
１と支持枠３との間に装備した肘腕部４，４のう
ち肘部ｄを有する肘片の導孔ｉに、同じく台枠１
上に隣接して枢着させ作動杆５外端の下向き突子
ｈを掛合し、該作動杆５内端の導溝ｊに修正ロー
ラー支持枠３の下面に設けた被導突子ｋを掛合し
て、ベルト６が蛇行しようとする際の外側へ寄ろ
うとする側の検出ローラー７をベルト側辺部で外
向きに押し寄せることにより、肘腕部４の肘部ｄ
を回動させて導孔ｉおよび突子ｈにより連掛軸支
された作動杆５の内端を前または後方向に振り動
かせ、導溝ｊを被導突子ｋにより修正ローラー２
を支持枠３と共に回動させ走行ベルトに対し支持
角度を変化させる。回動して斜めになつた修正ロ
ーラー２に対しベルト６が90゜の角度で走行しよ
うとする現象を利用して、ベルト６の片寄り走行
Ｘを修正Ｙさせその蛇行を防止するものである
（第７図参照）。

この考案の左右肘腕部４として第６図に示すよ
うに肘部ｄを設けた肘腕部４を片方だけに設けて
いるが、左右双方を肘部ｄを設けた肘腕部４，４
としそれぞれに掛動する作動杆５，５を設けて修
正ローラー支持枠３を回動させることもできる。
また、修正ローラー２を回動させるべき連動機構
において、肘腕部４を第８図に示すように肘部ｄ
に導溝（導孔）j′を設けてその肘片部を支軸ｆで
枢着し、この導溝（導孔）j′に修正ローラー支持
枠３の被導突子ｋを掛合させ、作動杆５を省略す
ることができる。これら肘腕部４の導孔ｉおよび
作動杆５の導溝ｊはいずれも連動運動の際の伸縮
を充分吸収できるよう横長に形成する。

この考案において、検出ローラー７の外周中央
部を凹状に窪ませて糸巻状に形成することによ
り、検出ローラー７がベルトの側辺部を上下から
挾持した状態で接するため、蛇行による押圧力で
ベルト側辺部が上方に立上がつて折れ曲がること
を防止して、その押圧力を修正ローラー２に忠実
に伝えて回動させることができると共に、ベルト
の耐久性にも役立つ。

また、第９図に示すように二個一組の検出ロー
ラー７，７を連結杆１０で結合し、この連結杆１
０の中央を肘腕部４の先端ｅに枢着して首振り状
に装着することにより、二個一組の互いの検出ロ
ーラー７，７に加わるベルト６の側辺部の蛇行押
力を利用して前後にシーソー状に接面を変化させ
てベルト６側辺部の変位に即応して受けることが
できる接面自在性を付与すると共に、ベルト６側
辺部からの押圧力を二個の検出ローラー７，７に
等分してベルト６側辺部を局所的に傷めることも
なくする。

さらに、検出ローラー７を修正ローラー２の上
流に遠ざけることによりその修正効果が大きくな
ること勿論であるが、これら蛇行修正装置Ａとコ
ンベヤー装置との関係において、その設置場所に
よりその修正効果に差異のあることを見出した。
即ち、第１図および第２図に示すように対峙して
設けたベルト装架用のエンドローラー（駆動ロー
ラー９および従動ローラー９′）において、ベル
ト６の蛇行修正を必要とする場所はエンドローラ
ー部の時点であるけれども、この附近はベルト６
全体の緊張力（荷重）および駆動力が集中し最も
抵抗力が強く及ぶ場所であり、特に搬送作動面に
おける駆動ローラー９部ではその影響が強い。そ
のためこの場所でのベルト６の蛇行修正には非常
に強い力が必要であり、仮りに無理に大きな力を
加えてみても蛇行修正どころか、ベルト６自体が
破損するため実際には不可能である。この緊張力
（荷重）および駆動力はベルト６と駆動ローラー
９または従動ローラー９′との強い摩擦抵抗とな
つて、この部分に強く及びその影響範囲はそのベ
ルト６の幅と密接な関係にあることを発見した。
それはエンドローラー（駆動ローラー９、従動ロ
ーラー９′）の支点からベルト幅Ｍの二倍乃至三
倍程度M′上流の点が最も有効な設置場所である
という結論に達した。よつて、エンドローラーの
すべてには、またはその一部について装備するも
ので、この地点ではより小さな力でベルト６の蛇
行を適確に修正することができ、しかも、これら
の緊張力（荷重）および駆動力との関係から駆動
ローラー９または従動ローラー９′までに再蛇行
の発生する虞れがないことなどから有効である。

このような構成から、走行ベルトの左右側辺部
に臨設させた検出ローラーを回動自在に軸支した
修正ローラーに結合して、蛇行ベルトの押力で検
出ローラーが押寄せられて修正ローラーを回動変
位させ、その修正ローラーに対するベルトの走行
角度の原理を利用して蛇行を修正する装置である
が、この考案にあつては、検出ローラーを装着す
る部材である肘腕部に肘部を有せしめ、この肘腕
部を修正ローラー支持枠を軸支せる台枠上に枢着
してその肘片または肘部を修正ローラー支持枠に
掛合させて修正ローラーを回動せしめものである
から、この肘部が挺子となつて強い摩擦抵抗に接
している修正ローラーを軽快に回動させることが
でき、円滑な角度変更が得られる。従つて、ベル
ト側辺部での摩擦抵抗を小さくし、この部分の損
傷を可及的少なくしてベルトの耐久性を増大させ
ると共に、挺子作用により修正ローラーの回動変
位角度を増幅させて大きな蛇行修正角度が得ら
れ、これが修正過程を極めて迅速に遂行させる等
の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施せるコンベヤー装置の側
面略図、第２図は同上の平面略図、第３図は同上
要部の拡大平面図、第４図は同上の側面図、第５
図は蛇行修正装置の修正ローラー部と台枠部とを
分離して示した要部の正面図、第６図は同上の台
枠部のみの平面図、第７図はベルトの蛇行修正状
態を示す要部の平面略図、第８図は台枠部におけ
る肘腕部の実施例を示す要部の平面図、第９図は
検出ローラーを二個一組として枢着した肘腕部要
部の平面図である。 Ａ……蛇行修正装置、１……台枠、２……修正
ローラー、３……支持枠、４……肘腕部、６……
ベルト、７……検出ローラー、８……ロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ エンドローラーに装架せるエンドレスベルト
   の走行方向に対して直角に交わる状態で水平状
   に回動すべく装備してベルトを受支さる修正ロ
   ーラーに検出ローラーを設けて、修正ローラー
   の上流に当るベルトの左右側辺に検出ローラー
   に臨ませたコンベヤー装置において、左右検出
   ローラーを設けた肘腕部を修正ローラーを受支
   せる台枠上に枢着して頚部をロツドで連結し、
   該肘腕部の肘片で修正ローラーを蛇行側方向に
   掛動させるべくしたベルトコンベヤー装置にお
   ける蛇行修正装置の改良。 ２ 上記検出ローラーの外周中央部を凹状に窪ま
   せて成る実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   ベルトコンベヤー装置における蛇行修正装置の
   改良。 ３ 上記検出ローラーを二個一組として肘腕部に
   枢着して成る実用新案登録請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載のベルトコンベヤー装置におけ
   る蛇行修正装置の改良。 ４ 上記修正ローラーの臨設位置を、コンベヤー
   装置のエンドローラーがベルト幅の二倍乃至三
   倍の距離をおいた位置とした実用新案登録請求
   の範囲第１項乃至第３項のいずれか１項に記載
   のベルトコンベヤー装置における蛇行修正装置
   の改良。