JPS6121004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ガスコンロ等で魚を焼く場合に使
用する魚焼器の受皿に関するものである。

ガスコンロにかける角形の受皿本体と、この受
皿本体の内側に嵌め合わせる合わせ型アミとから
成り、前記合わせ型アミで魚を保持し、このアミ
をコンロにかけた受皿本体内に載置して魚を焼く
ようにした魚焼器は従来から存在する。

ところで、このような魚焼器で魚を焼く場合、
魚の表面が少し焦げ、蛋白質が固まりだすと、表
面ばかりが焦げつかないよう加熱温度を低くする
必要がある。しかし単にガスの火を小さくするだ
けでは、魚の下側だけが加熱され、上側は低温の
空気にさらされるので、美味のある焼き魚を得る
ことができない。そこで、強火の状態で魚を引き
上げて受皿本体から離すと、魚は比較的高温の加
熱エア雰囲気に置かれるため、魚は四方から均一
な加熱を受け、きわめて良好な焼き魚を得ること
ができる。

しかし、従来の魚焼器では、魚を保持する合わ
せ型アミを受皿本体で支持する構成であるため、
魚を遠火で焼く場合に、合わせ型アミを受皿本体
から分離して手で保持する必要があり、きわめて
不便であつた。

この考案の上記の問題点を解決し、合わせ型ア
ミを近火および遠火の状態で安定よく支持するこ
とができるようにした魚焼器の受皿を提供するこ
とを目的としている。

この考案の構成は、支持棧の両端に脚体を設け
た一対の支持枠を角形の受皿本体内に逆向きに配
置して各支持枠の脚体端部を受皿本体の側壁で揺
動可能に支持し、一方支持枠の脚体には他方支持
枠の脚体に対して交差する一対の係合突部を脚体
の長さ方向に並列して設け、他方支持枠の脚体に
は、係合突部の一方が上下方向に通り抜け可能な
部分を形成し、いずれか一方の支持枠を揺動して
係合突部の一方を他方支持枠の脚体上に位置させ
ると共に、両支持枠の脚体を交差させ、前記一対
の係合突部と、この係合突部間に挿入した脚体と
の係合により脚体を交差状態に保持して支持枠に
おける支持棧の上下方向の位置を調整し得るよう
にしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

図示のように、この考案に係る魚焼器の受皿
は、角形の受皿本体１と、この受皿本体１の内側
に設けられる第１支持枠１０および第２支持枠２
０との組み合わせから成つている。

受皿本体１の底板２には、側壁３に並行して複
数の膨出部４が形成され、その各膨出部４の両側
上部にスリツト状の通気孔５が設けられている。

また、受皿本体１の開口縁には外向きにフラン
ジ６が形成され、その周縁が下向きに折り曲げら
れている。このフランジ６の一部には受皿本体１
の前壁中央部の中途に至る切欠き７が形成され、
この切欠き７に合わせ型アミ３０の柄３１の端部
が嵌合可能になつている。

ここで、合わせ型アミ３０は、詳細に示されて
いないが、柄３１を備えた一対の網枠３２を開閉
可能に連結して柄３１を重ね合わせ可能とし、そ
の一方の柄３１にフランジ６の切欠き７を挾む両
側下面に対して係合可能な係合杆部を設けてい
る。

なお、合わせ型アミ３０は、これに限定され
ず、他の任意のものを採用することができる。ま
た、受皿本体１も図示に限定されず、例えば、本
体１の周壁一部に合わせ型アミ３０の柄３１を支
持可能な把手を設けて受皿本体と合わせ型アミと
を片手で同時に把持できるようにしもよい。

前記第１支持枠１０および第２支持枠２０は、
支持棧１１，２１の両端に一対の脚体１２，２２
を設けたコ字形をしており、第１の支持枠１０の
支持棧１１は第２支持枠２０の支持棧２１より長
くなつている。この第１支持枠１０および第２支
持枠２０は向きも違えて受皿本体１内に配置さ
れ、各脚体１２，２２の端部に設けた支持ピン１
３，２３が本体１の側壁３で回動自在に支持され
ている。

第１支持枠１０の脚体１２には、第２支持枠２
０の脚体２２の下側に入り込む第１係合ピン１４
および第２係合ピン１５が脚体１２の長さ方向に
所要の間隔をあけて設けられている。

一方、第２支持枠２０の脚体２２には、上記第
１係合ピン１４の通過可能な切欠部２４が形成さ
れ、第１支持枠２０の支持棧２１を引き上げて第
１支持枠２０を揺動させると、第１係合ピン１４
が切欠部２４を通り抜けるようになつている。

実施例で示す魚焼器は上記の構造から成り、こ
の魚焼器は、通常の魚焼器と同様に、合わせ型ア
ミ３０で魚を保持し、その合わせ型アミ３０をコ
ンロにかけた受皿本体１内に載置して魚を焼き始
め、魚の表面が少し焦げ、蛋白質が固まり始める
と、合わせ型アミ３０を支持する支持棧１１，２
１の高さ調節を行なつて遠火で焼くようにする。

いま、第２図の状態において、第１支持枠１０
の支持棧１１を引き上げ、その第１支持枠１０を
同図の矢印方向に揺動させると、第１係合ピン１
４が第２支持枠２０の脚体２２を押し上げるた
め、第２支持枠２０も同時に逆方向に揺動する。
第１係合ピン１４と第２支持枠２０の脚体２２に
形成した切欠部２４とが対応する位置まで第１支
持枠１０が揺動すると、第１係合ピン１４は上記
の切欠部２４を通り抜けて第２支持枠２０の脚体
２２の上方に臨み（第３図参照）、同時に第１係
合ピン１４と脚体２２との係合が解除されるた
め、第２支持枠２０は自重によつて上記の逆方向
に揺動し、第２係合ピン１５で支持される位置ま
で下降する。

そこで、第１支持枠１０の支持棧１１の引き上
げを解除すると、第１係合ピン１４が第２支持枠
２０の脚体２２上面に係合し、第１支持枠１０お
よび第２支持枠２０は脚体１２，２２が交差する
状態に保持され、合わせ型アミ３０を支持する支
持棧１１，２１の位置を高くすることができる
（第４図参照）。

なお、第１支持枠１０の脚体１２の端部を屈曲
して支持棧１１を支持枠１０の揺動中心より上方
に位置させ、その支持棧１１の下側に合わせ型ア
ミ３０の先端部が嵌り込むようにしておけば、合
わせ研アミ３０を持ち上げることによつて第１支
持枠１０を揺動させることができるため、便利で
ある。

次に、第４図の状態において、第２支持枠２０
の支持棧２１を引き上げると、第１係合ピン１４
と切欠部２４とが対応したとき、この第１係合ピ
ン１４は切欠部２４を通過し、その結果、第１支
持枠１０および第２支持枠２０のそれぞれを第２
図の状態に戻すことができる。

第１の実施例では、第１支持枠１０の脚体１２
に係合突部に対応する係合ピン１４，１５を設
け、第２支持枠２０の脚体２２には係合ピン１４
の通過可能な部分に対応する切欠部２４を設けた
が、係合ピンと切欠部の形成位置を逆にしてもよ
い。

第５図および第６図は、この考案に係る第１支
持枠および第２支持枠の他の実施例を示してい
る。

第５図は、第１支持枠１０の脚体１２に第１係
合ピン１４および第２係合ピン１５を設けて各ピ
ン１４，１５を第２支持枠２０の脚体２２の上方
に位置させ、一方第２支持枠２０の脚体２２一部
に屈曲部２５を設け、第２支持枠２０の支持棧２
１の引き上げにより第１支持枠１０を同時に揺動
させ、その揺動途中において第２係合ピン１５を
屈曲部２５の外側を通り抜けさせ、第２支持枠２
０の脚体２２の下方に第２係合ピン１５が位置し
たとき、第２支持枠２０の引き上げを解除して、
この第２支持枠２０の脚体２２と、第１係合ピン
１４および第２係合ピン１５との係合によつて両
支持枠１０，２０を傾斜状態で保持するようにし
てある。

なお、係合ピン１４，１５と屈曲部２５との形
成位置を逆としてもよい。

第６図は、第１支持枠１０の脚体１２中央部か
ら内側に向けてコ字形屈曲部１６を設け、この屈
曲部１６の両側杆部を第１、第２係合突部１７，
１８とし、一方第２支持枠２０の脚体２２には上
記屈曲部１６の上方に張り出すコ字形の屈曲部２
６を設け、この屈曲部２６の内側を第１係合突部
１７の通り抜け部分２７としている。

いま、第１支持枠１０の支持棧１１を持ち上げ
ると、第２支持枠２０も同様に逆方向に揺動し、
第１係合突部１７が第２支持枠２０の通り抜け部
分２７に対応したとき、この通り抜け部分２０を
通過して第２支持枠２０の脚体２２の上方に臨
み、同時に第２支持枠２０の脚体２２と第１係合
突部１７とが非係合になるため、第２支持枠２０
は自重によつて上記の逆方向に揺動し、第２係合
突部１８で受けられる。そこで、第１支持枠１０
の引き上げを解除すると、第２係合突部１８が第
２支持枠２０の脚体２２上面に係合し、両支持枠
１０，２０を傾斜状態に保持することができる。

なお、屈曲部１６，２６の形成位置を逆として
もよい。

以上のように、この考案によれば、いずれか一
方の支持枠の支持棧を引き上げる簡単な操作によ
つて、支持枠の合わせ型アミを受ける支持棧の高
さ調整を行なうことができるため、合わせ型アミ
で支持した魚を近火の焼き状態から遠火の焼き状
態に変更することができ、美味のある焼き魚を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る受皿の一実施例を示
す平面図、第２図は同上の縦断正面図、第３図お
よび第４図は同上支持枠の支持棧の高さ調整を段
階的に示す縦断正面図、第５図および第６図は同
上の他の実施例を示す平面図である。 １……受皿本体、１０……第１の支持枠、１１
……支持棧、１２……脚体、１４……第１の係合
ピン、１５……第２係合ピン、１７……第１係合
突部、１８……第２係合突部、２０……第２支持
枠、２１……支持棧、２２……脚体、２４……切
欠部、２７……通り抜け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 角形の受皿本体と、この受皿本体内に配置され
   る一対の支持枠とから成り、前記支持枠は、支持
   棧の両端に脚体を設けたコ字形とし、この一対の
   支持枠を脚体が受皿本体の側壁に並行するよう受
   皿本体の内部に逆向きに配置し、その支持棧の脚
   体端部を受皿本体の側壁で回動自在に支持し、一
   方支持枠の脚体には他方支持枠の脚体に対して交
   差する一対の係合突部を脚体の長さ方向に並列し
   て設け、他方支持枠の脚体には、いずれか一方の
   支持枠を揺動したとき係合突部の一方が脚体の上
   下方向に位置変更可能な通り抜け部分を形成した
   魚焼器の受皿。