JPS6120951Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、合成樹脂製窓枠を木造建屋に簡単
に取付けるための固定枠に関するものである。

木造建屋に取付けられる窓枠はそれに収容され
る建具の種類のいかんによらず、窓開口部を形成
する窓木枠に対する固定部の構造がほぼ同一であ
る。これに対して、建具収容部の構造は窓枠に収
容される建具の種類により異なる。この点に着目
して、窓枠を窓木枠に対して固着される窓木枠と
建具を収容する建具収容枠とに分割形成するとと
もに、固定枠と建具収容枠に嵌合接続手段を備え
ることにより、固定枠は建付けられる建具の種類
に係りなくすべての建具収容枠に対して共通のも
のを用い、建具収容枠は建付ける建具の種類に適
応したものを選択して用いるようにし、もつて、
窓枠の組立て及び建屋に対する取付けを容易にし
た技術思想がすでに提案されている。

しかし、これまでのこの種の窓枠は、建具収容
枠と固定枠との接続が充分強固でなく、強風によ
り接続部が振動して騒音を生じたり、接続部から
隙間風が入り込むなどの欠点があつた。

そこで、この考案は合成樹脂製窓枠を簡単に、
しかも充分な強度をもつて、かつ、高い気密性を
もつて木造建屋に取付けることができる固定枠を
提供することを目的とする。

次に、この考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

１は建具収容枠の上枠、２は同じく下枠、３，
４は同じく左右の縦枠であり、いずれも合成樹脂
製形材で作られており、ブロツク状のＬ形コーナ
継手（図示せず）を用いて、方形に連結されて建
具収容枠を構成している。

上記各枠１〜４はいずれも同一の断面形状を有
している。すなわち、室内側壁５と、室外側壁６
と、外周側壁７と及び内周側壁８とを一体に有
し、かつ、室内側壁５を窓内側に突出させるとと
もに、室内側壁に補強壁９を接続させることによ
り、枠全体の断面形状がほぼ中空Ｌ字形にされて
いる。室内側壁５と補強壁９とによつて補強され
た中空部１０を形成している。１１は補強壁であ
り、前記補強壁９，１１と外周側壁７及び室内側
壁８とによつても中空部１２が形成されて大きな
強度を備えている。

また、各枠は第３図に示すように前記外周側壁
７の外周側に延出する突壁１３，１４，１５、１
６，１７，１８を有しており、隣接する突壁１
３，１４、１４，１５の間及び突壁１６，１７、
１７，１８の間に、それぞれ外側に開口する嵌合
溝１９，２０、２１，２２が形成されている。２
３は突壁１５，１６の中間部において架設された
ねじ受け部である。

上述の各枠１〜４は隣接する前記中空部１２に
ブロツク状のＬ形コーナ継手の各端部を圧入し、
前記ねじ受け部２３及び外周側壁７を貫通させた
ねじ（図示せず）を前記コーナ継手にねじ込ん
で、方形に連結され建具収容枠を構成している。

２４は固定枠の上枠、２５は固定枠の下枠、２
６，２７は固定枠の縦枠である。これら各枠２４
〜２７は、全体的形状においては互いに相違する
が、それぞれ同様に対応する部材を有している。
すなわち、各枠２４〜２７はまぐさ２８、窓台２
９、及び柱３０，３１などの窓木枠の屋外側面に
釘３２等で固着される第１の取付縁部３４と、前
記窓木枠の内周面にねじ３３等で固着される第２
の取付縁部３５と、前記両取付縁部を接続する基
板部３６と、この基板部の室内外両端部において
窓中心に向けて突出されて第１の一対の中空状差
込み部３７，３７と、前記第１の中空状差込み部
の間において同様に窓中心に向けて突出された第
２の一対の差込み部３８，３８と、及び前記基板
部３６の中央部に形成されたねじ止め部３９とを
一体に有している。

そして、第１の取付縁部３４はいずれの枠にお
いてもほぼ同一であるが、第２の取付縁部３５は
上枠２４においてはほぼ水平状であるのに対し、
下枠２５においては床材４０の見切り受けのた
め、及び雨仕舞いを向上させるためＬ字形に形成
されている。

また、前記第１の一対の中空状差込み部３７，
３７は、前記建具収容枠の各枠における室内外両
側端の嵌合溝１９，２２と位置的及び寸法的に合
致し、前記第２の一対の板状の差込み部３８，３
８も前記建具収容枠の各枠の内側の嵌合溝２０，
２１と位置的及び寸法的に合致するように形成さ
れている。さらに、前記ねじ止め部３９も、その
形状及び大きさが前記各枠の前記ねじ受け部２３
と重合合致可能とされている。

こうして、前述のように方形に組立てられた建
具収容枠を建屋に取付ける場合は、建具収容枠の
各枠１〜４の外側に、それぞれ前記固定枠の各枠
２４〜２７を次のようにして嵌合接続する。すな
わち、固定枠の各枠の第１の一対の中空状差込み
部３７，３７を建具収容枠の各枠の外側の嵌合溝
１９，２２に、第２の一対の差込み部３８，３８
を内側の嵌合溝２０，２１にそれぞれ位置を合致
させ、固定枠の各枠を建具収容枠の各枠に対して
強く押して、各差込み部を各嵌合溝に差込む。差
込み部と嵌合溝の嵌め合いにより、固定枠を建具
収容枠の外周に接続する。この場合、前記第２の
一対の差込み部３８，３８を鋸歯状に形成し、嵌
合溝２０，２１の内壁面も鋸歯状に形成しておけ
ば、差込みは容易にでき、一旦嵌合すると離脱不
可能になる。また、第１の差込み部は中空状に形
成されてそれ自体で強度を有し、これに加えて、
突壁１３、差込み部３７、突壁１４、差込み部３
８、突壁１５が、突壁１６、差込み部３８、突壁
１７、差込み部３７及び突壁１８が相互に何重に
も嵌合し、かつ、内側の突壁１５，１６はねじ受
け部２３によつて互いに近づくことを阻止されて
いるから、固定枠と建具収容枠が非常に堅固に嵌
合する。このような嵌合状態において前記ねじ止
め部３９からねじ４１が挿入され、前記ねじ止め
部３９にねじ込まれている。従つて、固定枠と建
具収容枠がきわめて堅固に接続されて窓枠を構成
する。

上述のようにして構成された窓枠は、窓木枠に
より形成された窓開口部に屋外側から嵌合され、
前記第１及び第２の取付縁部３４，３５をそれぞ
れ窓木枠に釘３２、ねじ３３等により固着して建
屋に取付けられる。

４２はその後に窓枠内側に取付けられた開き戸
であり、同一断面形状を有する合成樹脂製框材４
３を方形に結合し、框材の突縁４４と框材に嵌着
した押縁４５との間にガラス板４６をビード４７
を介して固定してなつている。

第４図及び第５図に示す実施例は建具収容枠の
構成は先の実施例と同一にして、固定枠の各基板
部３６を二重にし、かつ、補強壁を設けて強度を
より増大し、また、固定枠の上枠２４には疵兼外
装見切縁４８を、固定枠の下枠２５には水切り兼
外装置見切縁４９を、さらに固定枠の縦枠２６，
２７には防風兼外装見切縁５０を一体に設けた例
である。

以上のように、この考案によれば、建具収容枠
の外周に簡単に固定枠を嵌合接続し、固定枠を建
屋に固着することができるから、窓枠を木造建屋
に対して簡単に取付けることができる。

また、基板部はねじ止め部において建具収容枠
に連結されるが、基板部はそのねじ止め部の屋内
外両側の二対の差し込み部を建具収容枠に設けて
ある嵌合部に嵌合して連結されるから、強固に連
結され、さらに一対の差し込み部は中空状である
から、それ自体強度を有し、かつ、他の一対の差
し込み部の嵌合部への嵌合時の逃げを阻止するの
で連結強度が一層増大され、しかも他の一対の差
し込み部は板状であるから、嵌合が困難になるこ
とがなく、さらに、建具収容枠が強い風圧により
固定枠に対して振動して騒音を生じたり、接続部
から隙間風が吹き込むこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す窓の縦断面
図、第２図は同じく横断面図、第３図は上枠部の
分解端面図、第４図は他の実施例の窓の縦断面
図、第５図は同じく横断面図である。 １……建具収容枠の上枠、２……建具収容枠の
下枠、３，４……建具収容枠の縦枠、２４……固
定枠の上枠、２５……固定枠の下枠、２６，２７
……固定枠の縦枠、２８〜３１……窓木枠、３４
……第１取付縁部、３５……第２取付縁部、３６
……基板部、３７……第１の一対の中空状差込み
部、３８……第２の一対の差込み部、３９……ね
じ止め部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 窓木枠の屋外側面及び内周面にそれぞれ固着さ
   れる第１及び第２の取付縁部と両取付縁部を接続
   する基板部とを有し、前記基板部には、その基板
   部を建具収容枠の各枠と締結されるねじ止め部、
   そのねじ止め部の屋内・外両側において内向きに
   突設されて前記建具収容枠の外周面に設けられた
   嵌合部にそれぞれ嵌合される各一対の中空状差込
   み部及び板状差込み部を有していることを特徴と
   する合成樹脂製窓枠用固定枠。