JPS6120654A - ダイカスト方法及びダイカスト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダイカスト方法及びダイカスト装置に関し、例
えばアルミニウム合金の合金製のダイカストに用いて有
効であり、使用用途は特に限定されてないが、本発明方
法及び装置によって鋳造されるダイカスト品はディスト
リビュータハウジング等に使用できる。

〔本発明の成立過程〕

従来のダイカスト方法は第６図に示すような手順により
行われる。即ち、可動型を固定型より開いた状態で、チ
ップ潤滑剤を射出スリーブ内に塗布し、次いで固定型及
び可動型の双方に離型剤を吹きつけ、その後可動型を固
定型へ当接させて型空間を形成し、次いで射出スリーブ
内に溶湯を充填し、その溶湯を射出プランジャにより型
空間内へ射出し、型空間内で溶湯が凝固した後可動型を
固定型より引き離し、凝固量を取り出すという工程で行
われていた。

このような工程において、本発明者等はチップ潤ｌｈ剤
が凝固量を可動型より押出す際の離型力に大きな影響を
及ぼすことに着目した。このチ・７プ潤滑剤とは主に射
出スリーブ内において射出スリーブと射出プランジャと
の摺動を容易におこなわせるためのものであるが、この
チップ潤滑剤が固定型と凝固量との間及び可動型と凝固
量との間の結合力を緩和するという効果もあわせて有し
ているということに本発明者等は着目した。

第７図は本発明者等が行った実験結果を示すグラフであ
るが、この図より明らかなようにチップ潤滑剤の塗布を
やめた場合には離型力が回数を重ねることに大きくなり
、ダイカスト方法を５回繰り返すとついには凝固量が型
空間より外れなくなるということが確かめられた。

このように、チップ潤滑剤は離型力に大きな影響を及ぼ
すものであるが、本発明者等がこのチップ潤滑剤の離型
力効果について種々の検討を加えたところ、チップ潤滑
剤を塗布した後、可動型を固定型に当接させるまでの時
間が上記離型力効果に大きな影響を与えるものであるこ
とが認められた。

このことについて本発明者等が行った実験結果を第８図
に示す。第８図中横軸はチップＷＩ４滑剤を塗布した後
、射出スリーブ内に溶湯を供給するまでの時間、縦軸は
可動型を固定型より引き離すのに要する力を示す。この
図より明らかなように上記時間が短ければ離型力は小さ
く時間の経過に伴ない離型力が大きくなるという傾向が
ある。

なお、第７図及び第８図の実験は共に離型剤の吹きつけ
をともなわないダイカスト方法について行ったものであ
る。又、チップ潤滑剤の塗布は噴射プランジャ内に高圧
空気とともにチップ潤滑剤を吹き込むことにより行った
ものである。

〔発明の目的〕

本発明は上記点に鑑みて案出されたもので、チップ潤滑
剤の離型力低減効果を最も効果的に発揮させることを目
的とする。

〔発明の構成〕

従来のダイカスト方法ではチップ潤滑剤を吹きつけた後
、さらに離型剤を可動型及び固定型に吹きつけ、その後
に可動型を固定型に当接させていたが、本発明方法では
前記射出スリーブから前記型空間までの間に向けて、ノ
ズルからチップ潤滑剤を噴射させるという構成を採用す
る。そのため、本発明によれば離型剤吹きつけに要した
時間が短縮される。この離型剤吹きつけ時間は型空間の
大きさに応じて変動するが、平均ＩＯ秒程度は要してお
り、その分離型剤塗布後の時間が短縮される。

〔実施例〕

第１図は本発明によるダイカスト装置の一例を示す。

図中２は固定ベースで、図示しない埋め込みボクト等に
より工場の床に固定される。３はこの固定ヘースに固定
された固定プラテンで図には１つのみ示されているが、
対向する位置に一対設けられている。４はこの一対の固
定プラテン間に配設された可動プラテンでタイバー５に
沿って図示しない油圧ピストンの駆動力を受は往復動す
る。

６は固定プラテン３に固定された固定型、７は可動プラ
テン４に固定された可動型で、固定型６と可動型７との
当接によ６両型６．７間に型空間８を形成する。９は型
空間７内に摺動自在に配設された押し出しビンで、型空
間８内で凝固した凝固品を型空間８より押し出すもので
ある。１０はこの押し出しビン９を駆動する押し出しプ
レートで、図示しない油圧ピストン駆動力を受けて往復
動する。

固定型６には射出スリーブ１が配設されており、この射
出スリーブ１内には射出プランジャ１１が嵌合している
。そして、射出プランジャ１１は図示しない油圧ピスト
ンの駆動力により往復動する。

１ｂは射出スリーブの上面に開口した注入口で、この注
入口１ｂよりアルミニウム合金の溶湯が射出スリーブ１
内に注入される。

又、前記型空間８と前記射出スリーブ１とを結ぶランナ
ー部２０にはチップ潤滑剤を吹きつける吹きつけノズル
１３が開口している。この吹きつけノズル１３には４〜
５ｋｉｒ／ｃｎの高圧空気が供給され、この高圧空気中
にチップ潤滑剤を巻き込むようになっている。即ち、潤
滑剤槽１７内のチップ潤滑剤１４はポンプ１５により通
路１６迄汲み上げられ、そこで高圧空気に巻き込まれ吹
きつけノズル１３より射出スリーブ１内へ吹きつけられ
る。また、このノズル１３は前記可動型７を貫通して延
長され、カンブリング２１を会してシリンダ２３内に収
納されたピストン２２に連結されている。そして、ピス
トン２２の摺動によりノズル１３も前後に摺動する。

第２図は前記ノズル１３の先端詳細図である。

この図からもわかる様に、前記可動型７の前記ランナー
部２０に対向する位置にはテーパ形状の弁座部７ａが形
成されており、この弁座部７ａに前記ノズル１３のテー
パ状先端部１３ａが当接、解離することにより、前記通
路１６の開口端１６ａが開閉される。この開口端１６ａ
は前記射出スリーブ１に向けて開口している。

尚、第１図からもかわる様に、前記ノズル１３はその途
中で分岐管１３ａが形成されており、この分岐管１３ａ
より高圧空気が通路１６内に送られる。

またチップ潤滑剤としては油性のものと水溶性のものと
があるが、本例では離型力低減効果の大きい油性のチッ
プ潤滑剤を使用している。

次に上記装置を用いたダイカスト方法の一例を説明する
。まず、可動型７が固定型６より離れた状態でバルブ１
３を固定型６側に前進させ、バルブ１３の先端部１３ａ
を弁座部７ａより解離させる。そしてポンプ１５を作動
させて潤滑剤槽１７内のチップｉ滑剤１４を汲み上げる
。この汲み上げられたチップ潤滑剤１４は、分岐管１３
ａより送られる高圧空気に巻き込まれ、通路１６内を通
って開口端１６ａより前記射出スリーブ１内に噴射され
る。この際、潤滑剤の塗布両は約２．５　ｃｃ程度とな
っている。

チップ潤滑剤１４の噴射が完了すると、前記バルブ１３
は後退し、先端部１３ａが弁座部７ａに当接して開口端
１６ａを閉じる。ついで、可動プラテン４を駆動し、可
動型７を固定型６に当接させ、型空間８を形成する。本
例では約２．７秒でこの工程を行なう。その後、搬入器
（省図示）により注入口１ｂから溶湯を射出スリーブ１
内に給湯する。この給湯時間は本例では５秒程度となっ
ている。

次いで、射出プランジャ１１を前進させるのであるが、
溶湯が型空間８へ充填されるまでは比較的低速（０，２
ｍ／５ｅｃ）で射出プランジャ１１を前進させ、溶湯が
型空間８に達した後は比較的高速（１，３ｍ／５ｅｃ）
で射出プランジャを前進させる。そして、射出プランジ
ャの加圧力により型空間内の′／８湯が約１２６０ｋｇ
／ｃｎｌ程度の高圧に保持される。

この際、本発明者等の考察によれば、溶湯の前進に先立
ち、霧化したチップ？ａ沿剤が吹きつけ時のエネルギー
により型空間８内に流入し、それにより予めチップ潤滑
剤が固定型６及び可動型７の内面に付着し、その後に溶
湯が固定型６及び可動型７に接するものと考えられる。

もしくは、溶湯の射出時のエネルギーにより、霧状のチ
ップ潤滑剤が型空間８内へ吹き込まれるものと考えられ
る。

このようにして、チップ潤滑剤１４と溶湯の射出を行っ
た後、その状態をしばらく保持し、溶湯を型空間８内で
凝固させる。本例によれば、この射出から凝固に至るま
での時間を０．５秒程度としている。次いで可動プラテ
ン４を移動させて可動型７を固定型６より引き離し、又
、押し出しプレート１０を移動させて、押し出しピン９
により凝固層を可動型７より押し離す。本例によれば、
可動型の変位に約３．２秒要し、押し出しピン９の移動
に約９．６秒要する。このようにして、本例のダイカス
ト方法の一サイクルが終了する。このサイクルを第３図
に示す。

尚、上述の例では可動型７と固定型６とを開いた状態で
の基でチップ潤滑剤１４を射出スリーブ１内に噴射させ
たが、第４図に示す様に、可動型７と固定型６とを当接
させて型空間８を形成させた後、チップ潤滑剤１４を噴
射してもよい。

なお、第５図は凝固層の一例を示し、本例の凝固層は自
動車用ディストリビュータのハウジングとして利用され
る。又、本例の凝固層では主要部の肉厚ｔが比較的薄肉
（１，５ｍ程度）となっている。本発明者等の実験検討
によれば、この肉厚ｔも型開き時の離型力に影響を与え
、肉厚１−１）＜薄いほど小さな離型力ですむことが確
かめられた。従って、凝固層の肉厚ｔが薄い場合にはチ
ップ１ｆｉＩ滑剤の使用量は少なく、逆に肉厚ｔが厚い
場合にはチップ潤滑剤の使用量を多くする必要がある。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明方法を用いればチップ潤滑剤
の離型力低減効果を最も効果的に引き出すことができ、
離型剤吹きっけを廃止したにもかかわらず、良好に可動
型を固定型より引き離すこと、及び凝固層を可動型より
押し出すことができる。

特に、離型剤吹きつけ工程を廃止したことによりダイカ
スト方法のサイクルタイムが短縮でき、単位時間当たり
のダイカスト工程を多く取ることができる。又、離型剤
の吹きつけに伴なう凝固層の湯じわ及び湯境が防止でき
る。

この場じわ、湯境防止効果について次に説明する。離型
剤を可動型７及び固定型６に塗布したものでは、その離
型剤により型６．７の表面が冷やされ、その結果溶湯が
型６．７に接した際その表面で凝固層が発生しやすくな
り、その凝固層の発生により凝固層の表面に湯じわが生
じるものと考えられる。また、離型剤が高温の溶湯に触
れた際、離型剤が熱分解し、ガス状となって溶湯内に巻
き込まれ、溶湯中に鋳巣を発生させるものと考えられる
。さらに、熱分解した離型剤のガスが溶湯の流れを阻害
し、その結果型空間内での溶湯の流動性を低下させ、型
空間８内で溶湯が衝突する部位に湯境を発生させるもの
と考えられる。

また、本発明のダイカスト装置を用いれば、本発明方法
を容易に遂行させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の実施例を示す断面図、第２図は第
１図装置の部分詳細図、第３図及び第４図は本発明方法
の実施例のサイクルタイムを示す図、第５図は凝固層の
一例を示す断面図、第６図は従来のダイカスト方法のサ
イクルタイムを示す図、第７図は離型力とチップ潤滑剤
との関係を示す図、第８図は離型力とチップ潤湯剤塗布
後の時間との関係を示す図である。 １・・・射出スリーブ、６・・・固定型、７・・・可動
型、８・・・型空間、９・・・押し出しピン、１１・・
・射出スリーブ、１３・・・ノズル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　固定型と、この固定型と当接して型空間を形成する
   可動型と、前記型空間に一端が開口し、型空間内へ溶湯
   を導く射出スリーブと、前記型空間より凝固品を押し出
   す押し出しピンとを用い、前記射出スリーブと前記型空
   間とを結ぶ位置に開口するノズルによって前記射出スリ
   ーブから前記型空間までの間にチップ潤滑剤を噴射させ
   る第１工程と、 前記可動型を前記固定型に当接させて型空間を形成する
   第２工程と、前記射出スリーブ内に溶湯を供給する第３
   工程と、前記射出スリーブ内の溶湯を射出プランジャに
   より前記型空間側へ射出する第４工程と、前記型空間内
   の溶湯を凝固させる第５工程と、前記可動型を固定型よ
   り引き離し前記型空間内の凝固品を型空間内より押し出
   す第６工程とを経時順に行ない、前記第１工程終了後た
   だちに前記第２工程を行なうダイカスト方法。 ２　固定型と、この固定型と当接して型空間を形成する
   可動型と、前記型空間に一端が開口し、型空間内へ溶湯
   を導く射出スリーブと、前記型空間より凝固品を押し出
   す押し出しピンとを用い、前記可動型を前記固定型に当
   接させて型空間を形成する第１工程と、前記射出スリー
   ブと前記型空間とを結ぶ位置に開口するノズルによって
   前記射出スリーブ側に向けてチップ潤滑剤を噴射させる
   第２工程と、前記射出スリーブ内に溶湯を供給する第３
   工程と、前記射出スリーブ内の溶湯を射出プランジャに
   より前記型空間側へ射出する第４工程と、前記型空間内
   の溶湯を凝固させる第５工程と、前記可動型を前記固定
   型より引き離し前記型空間内の凝固品を型空間内より押
   し出す第６工程とを経時順に行なうダイカスト方法。 ３　固定型と、この固定型に当接して型空間を形成する
   摺動自在な可動型と、前記型空間内に溶融金属を導くた
   めの射出スリーブと、この射出スリーブ内に摺動自在に
   配され前記溶融金属を前記型空間内に押し出す射出プラ
   ンジャと、前記射出プランジャと前記型空間とを結ぶラ
   ンナー部に開口し、チップ潤滑剤を前記射出スリーブ側
   に向けて噴射させるノズルとを備えるダイカスト装置。 ４　前記ノズルは前記チップ潤滑剤噴射後、その開口部
   を閉じるバルブ構成を有する特許請求の範囲第３項に記
   載のダイカスト装置。