JPS6117900B2 - - Google Patents

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JPS6117900B2
JPS6117900B2 JP26043084A JP26043084A JPS6117900B2 JP S6117900 B2 JPS6117900 B2 JP S6117900B2 JP 26043084 A JP26043084 A JP 26043084A JP 26043084 A JP26043084 A JP 26043084A JP S6117900 B2 JPS6117900 B2 JP S6117900B2
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JP
Japan
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weight
rust layer
content
cast iron
delamination
Prior art date
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Expired
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JP26043084A
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English (en)
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JPS616250A (ja
Inventor
Akya Suzuki
Katsuhiro Shibata
Kimiharu Kawamura
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Honda Motor Co Ltd
Asama Giken Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Asama Giken Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐食性鋳鉄、特に摺動摩耗する自動車
部品の構成材料として最適な、錆層の層状剥離抵
抗性を向上させた耐食性鋳鉄に関する。
例えば厳冬期に融雪剤或は凍結防止剤として路
上に塩(NaCl等)を散布する地域においては、
鋳鉄製ブレーキデイスクは前記塩および水分によ
る腐食環境下にあり、また摩擦パツドとの摺動に
より摩擦熱を発生するためブレーキデイスクの腐
食は著しく増大し、表面に錆層が形成される。こ
の錆層は或一定厚さに生長すると、部分的または
全面的に剥離するためブレーキデイスクの摺動面
に段付きを発生することになる。ブレーキデイス
ク摺動面の平坦度は通常10μm以下であることを
要求されるが、前記錆層が約200〜1500μmに生
長すると錆層の層状剥離現象が発生するため、摺
動面に段付きを生じ、その振れが大きくなつて制
動時フイーリングを損なうという問題がある。
この問題に対処するためには錆層の生長が遅
く、その層状剥離を抑制し得る鋳鉄が要求される
が、このような鋳鉄は現在までに開発されていな
い。
そこで、ブレーキデイスクの発生熱を吸収させ
て腐食反応の進行を阻止するため、ブレーキデイ
スクの熱容量を必要以上に上昇させるべく、ブレ
ーキデイスクの重量を増大させることが行われて
いるが、この手段は車両の軽量化を図り、燃料消
費量を節減するという現在の要請に逆行するもの
であり良策とはいえない。
上記錆層の層状剥離現象に伴う問題は、前記塩
等による腐食環境下にあるブレーキデイスクばか
りでなく、他の部品、例えば水分による腐食環境
下にあるプレツシヤデイスク、フライホイール等
のクラツチ部品、ガソリンおよびオイル中のSを
含む塩、オイル中のClを含む塩および水分によ
る腐食環境下にあるエンジンブロツク、エンジン
スリーブ等のエンジン部品についても同様に発生
する。
本発明は上記従来の不具合に鑑み、キユポラ溶
解等で得られる比較的低コストな鋳鉄に所定量の
Cu、CrおよびNiを添加することにより各種腐食
環境下における錆層の生長を大幅に遅らせ、また
錆層の酸化増量を抑制し、さらに錆層の層状剥離
抵抗性を向上させた耐食性鋳鉄を提供することを
目的とする。
即ち、炭素当量3.8〜4.5重量%の範囲で、C2.8
〜4.0重量%およびSi1.5〜3.0重量%を含有し、さ
らにMn0.3〜1.2重量%、P0.20重量%以下、S0.06
〜0.25重量%、Cu0.15〜3.5重量%、Cr0.05〜0.5
重量%、Ni0.05〜0.5重量%および残部としてFe
と不純物を含有することを特徴とする。
上記各構成元素の含有量を限定した理由は下記
の通りである。
(a) C、Siについて C、Siは鋳鉄を構成する基本的元素であり、
それらの量的組合せにより黒鉛形態、鉄生地の
組織が変化する。一般には炭素当量(C重量%
+1/3Si重量%)が4.5重量%を上回ると、初晶
黒鉛の晶出、遊離フエライトの生成が多くな
り、鋳鉄の抗張力および硬度の低下を来たす。
一方炭素当量が3.8重量%を下回ると、白鉄化
して鋳鉄の硬度が過度に高くなり、切削加工性
を損なう。したがつて、炭素当量3.8〜4.5重量
%の範囲でC2.8〜4.0重量%およびSi1.5〜3.0重
量%と限定される。
(b) Mnについて Mnは鋳鉄中のSと結合して微粒状のMnSを
生成し、摺動摩耗する自動車部品にとつては、
その潤滑特性の向上が図られ、相手材を含めた
摩耗抑制効果がある。ただし、Mnの含有量が
0.3重量%を下回ると、S量にもよるが、MnS
の生成が少なく、前記効果を得ることができな
い。一方Mnの含有量が1.2重量%を上回ると白
鉄化傾向が増大し、鋳鉄の硬度が高くなるので
切削加工性を損なう。したがつてMnの含有量
は0.3〜1.2重量%と限定される。
(c) Pについて Pの含有量が0.20重量%を上回ると、溶湯の
流動性を向上させる効果があるが、一方鉄生地
中にリン化酸を生成し、鋳鉄を脆弱にするの
で、上記含有量に限定される。
(d) Sについて Sは前記(b)項で述べたMnSを生成するため
に必要であるが、Sの含有量が0.06重量%を下
回ると、MnSの生成が少なく、一方0.25重量%
を上回るとMnSの生成量が増大し、その結果
Mn添加量の増加を来し、白鉄化傾向を増大し
て鋳鉄の切削加工性を損なう。したがつてSの
含有量は0.06〜0.25重量%と限定される。
(e) Cuについて Cuは鉄生地中に完全に固溶することにより
パーライト組織を緻密化してFeイオンの溶出
を抑制し、特にNaCl、O2を含む環境下におけ
る鋳鉄の錆層の生長を大幅に遅らせると共にそ
の錆層の層状剥離現象を抑制して耐食性を向上
させる効果がある。またCuは遊離フエライト
の生成を抑制し、その上黒鉛化を促進する効果
もある。Cuの含有量が0.15重量%を下回ると
前記諸効果が得られず、一方3.5重量%を上回
ると、鉄生地および錆層の硬度が過度に上昇
し、摺動特性を劣化させるので錆層の部分剥離
現象が発生する。したがつてCuの含有量は
0.15〜3.5重量%と限定される。
(f) Cr、Niについて CrおよびNiを単独で添加した場合、鋳鉄の
腐食増減量、特に酸化増量を抑制する点におい
ては効果があるが、錆層の層状剥離現象を抑制
する点においては全く効果がない。しかし
Cr、NiをCuと共に添加すると、前記酸化増量
抑制効果に加えて錆層の部分的層状剥離現象を
抑制する効果がある。ただし、Cr、Ni含有量
が0.05重量%を下回ると前記部分的層状剥離現
象抑制効果がない。またCr含有量が0.5重量%
を上回ると、クロム炭化物の発生が増大して材
質を脆弱にし、且つ硬度も増大して切削加工性
を損ない、一方Ni含有量が0.5重量%を上回る
と、Crの場合と同様切削加工性を損なう。し
たがつてCrおよびNi含有量はそれぞれ0.05〜
0.5重量%と限定される。
第1図はCr0.06重量%、Ni0.07重量%とし、
Cu含有量を変えた種々のサンプルを鋳造し、そ
れらについて錆層発生テストを行つた場合のCu
含有量に対する錆層の初回層状剥離発生確率を示
すものである。
錆層発生テストはサンプルを250±50℃で60分
間、酸化炉で加熱し、次いでサンプルを浴温20〜
90℃の過飽和NaCl浴槽に2分間浸漬し、その後
サンプルを1〜10時間屋内曝露した。
第1図から明らかなようにCu含有量が0.15重
量%以上では錆層の層状剥離現象は発生しない
が、0.15重量%を下回ると錆層の層状剥離現象が
急激に増大する。
第2図はCr、Niを含まずCu含有量が0.15重量
%を下回る鋳鉄について前記錆層発生テストを行
つた場合の錆層の厚さに対する剥離確率を示すも
ので、錆層の厚さで0.3〜0.4mmに生長すると、そ
の層状剥離現象が発生し、錆層の厚さが1.2mmに
生長すると錆層が100%剥離することが判る。
本発明において、Cu含有量を0.15重量%以上
とすることにより、パーライト組織の強化が行わ
れるためFeイオンの溶出が抑制され、錆層の生
長が大幅に遅れて剥離に至る厚さまで生長しな
い。テストの結果、Cu0.67重量%、Cr0.06重量
%、Ni0.07重量%を含有する鋳鉄では錆層の厚さ
が平均0.15mm以下であつた。
またCr、Niを含みCu含有量0.15重量%以上の
鋳鉄においては錆層が緻密に生成されるため、腐
食の進行が遅れ、前記テストを繰り返した場合
Cr、Niを含まずCu含有量0.15重量%以下の鋳鉄
においては錆層の層状剥離現象が3〜6回発生し
ても、前記Cu含有量0.15重量%以上の鋳鉄にお
いては錆層の層状剥離現象が全く発生しなかつ
た。
第3図は各サンプルについて前記テストを1サ
イクルとして、これを94サイクル(135日経過)
行つた場合のCu含有量に対する腐食増減量の関
係を示したものである。
AはCu0.67重量%、Cr0.06重量%、Ni0.07重量
%を含有する本発明と同一のサンプルの場合を示
し、Aにおいては錆層の層状剥離現象が発生しな
いため錆層は酸化増量の過程にあるがその増量分
は僅かである。
BはCu含有量が1.11重量%のサンプル、Cは
Cu含有量が1.24重量%のサンプルの場合を示
し、両サンプルにおいてCu含有量は本発明範囲
に含まれるがCrおよびNiを含有しないため酸化
増量分がAに比べて多い。
D〜HはCrおよびNiを含まず、またCu含有量
を0.15重量%以下、即ちD……0.1重量%、E…
…0.14重量%、F……0.03重量%、G……0.02重
量%、H……0.01重量%にした場合を示し、これ
らについては、3〜6回の錆層の層状剥離現象が
発生しているので大幅に腐食減量することが判
る。またD〜Hについては初回層状剥離現象が16
サイクルで発生しているので、単純比較でも、A
はD〜Hに対して5倍以上も優れているといえ
る。
以上のように本発明によれば、キユポラ溶解等
で得られる比較的低コストな鋳鉄に所定量の
Cu、CrおよびNiを添加することにより、各種腐
食環境下における錆層の生長を大幅に遅らせ、ま
た錆層の酸化増量を抑制し、さらに錆層の層状剥
離抵抗性を向上させた耐食性鋳鉄を提供すること
ができ、摺動摩耗する自動車部品、例えばブレー
キデイスク、ブレーキドラム、クラツチ部品(プ
レツシヤデイスク、フライホイール)およびエン
ジン部品(エンジンブロツク、エンジンスリー
ブ)等の構成材料として有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図はCu含有量に対する錆層の初回層状剥
離発生確率の関係を示すグラフ、第2図は錆層の
厚さに対する剥離確率の関係を示すグラフ、第3
図はCu含有量に対する腐食増減量の関係を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 炭素当量3.8〜4.5重量%の範囲で、C2.8〜4.0
    重量%およびSi1.5〜3.0重量%を含有し、さらに
    Mn0.3〜1.2重量%、P0.20重量%以下、S0.06〜
    0.25重量%、Cu0.15〜3.5重量%、Cr0.05〜0.5重
    量%、Ni0.05〜0.5重量%および残部としてFeと
    不純物を含有することを特徴とする、錆層の層状
    剥離抵抗性を向上させた耐食性鋳鉄。
JP26043084A 1984-12-10 1984-12-10 耐食性鋳鉄 Granted JPS616250A (ja)

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JPS616250A JPS616250A (ja) 1986-01-11
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