JPS6117168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、引戸を、その閉じ状態においてそれ
に隣る引戸あるいは固定壁に面一あるいはそれに
近い状態で連ねるために、全閉位置と全閉直前位
置にわたつて戸面に垂直な分方向を有する方向に
移動すべく吊下げ支持すると共に、前記引戸の下
部に対する案内機構を設けた引戸装置に関する。

上記装置は、引戸でありながら、閉じ状態にお
いて外観が美麗な面一状態に戸を位置させること
ができると共に、下部に戸のガイド溝が無いよう
にして、掃除を容易に行わせることがで、さら
に、前記案内機構の作用によつて、戸のガタツキ
を防止できると共に、戸の開閉を容易にかつ戸の
損傷が無い状態で行える等の利点を備えている。
しかしながら、この種の従来の引戸装置は、例え
ば、実開昭53−85322号公報に示されているよう
に、引戸の下端側を戸面に垂直な分方向を有する
方向に移動させるための案内機構の下部分が家具
底部の床面上に露出した状態で設けられ、かつ、
その案内機構は、床面の裏側で家具底部に固定さ
れているため、前記引戸を取外して掃除を行う際
に、露出する案内機構の掃除の邪魔になる許りで
なく、案内機構の存在によつて物品を損傷した
り、怪我を招く虞れがある等の不都合を避け難い
ものであり、また、案内機構を取外すには、床面
を構成する家具底部を分解する必要があつて、容
易に動かし難い家具、あるいは、据付けの収納部
では、その分解そのものが困難であるという不便
さを避けられないものであつた。

案内機構の床面上に露出することを避ける手段
としては、例えば、実開昭53−94823号公報に示
されているように、案内機構のうちの、引戸下端
面の案内溝に係入するガイド体のみを床面上に突
出させ、残りの部分は床面の裏側に取付けること
も従来より知られているが、このような手段によ
れば、ガイド体が床面に沿う方向で移動すること
を許す長孔を床面に穿設しなければならず、この
長孔を介してゴミや虫類が床面下に入り込み易く
なり、非衛生的となる不都合があり、また、床面
下に前記案内機構を内装できるだけの空間を形成
するに足る底部厚さを有した家具や、床構造のも
のでなければ適用できないものであつた。

本考案は、案内機構を床面に対して固定するた
めのホルダーに改良を加え、床面下に案内機構を
内装する空間的余裕のない収納部においても、引
戸を取外したとき床面上に案内機構や、長孔等が
残ることを避け、掃除の容易化を図れ、しかも、
その案内機構の床面上からの取外し、および、取
付けを簡単に行うことのできる引戸装置を提供す
ることにその目的がある。

上記目的を達成するための本考案の特徴とする
構成は、引戸を、全閉位置と全閉直前位置にわた
つて戸面に垂直な分方向を有する方向に移動べく
吊下げ支持すると共に、前記引戸の下端面に対向
する床面側には、前記引戸の下部に対する案内機
構と、その案内機構を床面に対して固定するホル
ダーとを設けた引戸装置において、前記案内機構
を、前記引戸の下端面に形成した案内溝に係合し
て戸面に沿う方向での引戸の移動を案内するガイ
ド体と、前記ガイド体を前記戸面に垂直な分方向
を有する方向に移動させて引戸を戸面に垂直な分
方向を有する方向に移動案内するガイド部材とか
ら構成するとともに、この案内機構を前記床面に
対して固定するためのホルダーを、床面の上側に
付設し、さらに、前記ホルダーを、前記床面上に
固定された第一取付部材と、その第一取付部材に
対して床面に沿う方向で係脱自在に構成された第
二取付部材とから構成し、かつ、前記係脱自在な
第二取付部材に前記案内機構を装置した点にあ
り、かかる構成から次の作用効果を奏する。

すなわち、ホルダーを、床面側に固定された第
一取付部材と、その第一取付部材に対して着脱自
在な第二取付部材とに分割して構成し、自在に取
外すことのできる第二取付部材に対して案内機構
を装着したものであるから、引戸の取外しに伴つ
て第二取付部材を取外せば、複雑な形状となる案
内機構を床面上から除くことができ、床面上には
比較的単純な形状および構造となる第一取付部材
が残るだけとなるので、掃除の容易化を妨げた
り、掃除の際に引掛つて怪我をする虞れを避け易
い利点がある。

また、第一取付部材は床面上に設置するもので
あるから、収納部の床面下に案内機構装用の空間
を形成するなどの要なく、あらゆる種類の収納部
に対して適用できる利点があるとともに、第一取
付部材と第二取付部材との係脱が、床面に沿う方
向で行われるものであるため、第二取付部材と、
それに装着された案内機構と、案内機構のガイド
体に対して案内溝を係合させる引戸とを、一体的
に組合せた状態で第一取付部材に対する係脱を行
うことができ、引戸や案内機構の着脱操作が簡便
となる利点もある。

以下に、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、下駄箱等の収納箱１の開
閉口を左右一対の横移動自在な引戸２で閉じるよ
うに構成すると共に、閉じ状態において両引戸２
が面一あるいはそれに近い状態になるように構成
してある。

前記引戸を取付けるに、第２図及び第３図に示
すように、収納箱１に開閉口の上部に位置させて
溝形成材３を埋設し、引戸２の上端に連設した左
右一対の吊下部材４を溝形成部材３内に挿入した
状態で受止める支持板５を収納箱１に取付け、引
戸２を吊下げ支持するように構成してある。前記
支持板５は、中央部の第１支持板部分５ａ、両端
部の第２支持板部分５ｂ、第２支持板部分５ｂに
わたる第３支持板部分５ｃ、及び、第１及び第２
支持板部分５ａ，５ｂ，にわたる第４支持板部分
５ｄから成り、第１及び第２支持板部分５ａ，５
ｂの夫々に、屈曲した吊下部材挿通用切欠６を備
えさせると共に、第３支持板部分５ｃと第１及び
第４支持板部分５ａ，５ｂとの間に、切欠６に連
なる吊下部材挿通用間〓７を形成してある。前記
溝形成部材３は、第１支持板部分５ａの切欠６に
対応する形状の溝を備えた第１部分３ａ、第２支
持板部分５ｂの切欠６に対応する形状の溝を備え
た第２部分３ｂ、及び、吊下部材挿通用間〓７に
対応する溝を備えた第３部分３ｃから成る。

すなわち、溝形成部材３及び支持板５の作用に
よつて、第４図イに示すように、引戸２が全閉位
置において平面的に並列され、その全閉位置から
第４図ロに示す全閉直前位置への移動に伴つて、
開き操作された引戸２が他方の前方向に移動し、
第４図ハに示すように、全開位置において引戸２
が前後に並列されるように構成してある。

前記第１部材３ａに、一対の経路切換部材８を
支軸９周りで揺動自在に設け、吊下部材４が確実
に所定の方向に移動するように構成し、また、第
２部材３ｂに、中央部分が溝内に突入するように
屈曲した線状あるいは板状のスプリング１０を両
端係止状態で設けて、引戸２を、全閉位置で安定
保持すると共に、全閉位置及び全閉直前位置に押
圧するように構成し、さらには、開閉操作に伴つ
て第２部材３ｂとスプリング１０の衝突音が発生
するように構成してある。

前記第１及び第２支持板部分５ａ，５ｂの切欠
６端部夫々に、前記吊下部材４を挿脱するための
大径切欠部分６ａを設けると共に、吊下部材４の
大径切欠部分６ａへの移動を阻止するストツパー
１１を、支軸１２周りで揺動操作自在に前記第１
及び第２部材３ａ，３ｂに設けて、引戸２の着脱
を容易に行えるように構成してある。また、スト
ツパー１１を、それに突曲形成した凸部１１ａを
第１あるいは第２支持板部分３ａ，３ｂに形成し
た凹部に嵌入させることによつて、移動阻止作用
位置に安定保持できるように構成してある。

前記収納箱１の下部に、開閉口の左右中央に位
置させて、第５図及び第６図に示すように、案内
機構１３とホルダーＡとを設けて、引戸２の前後
方向への揺動を阻止すると共に、引戸２の全閉位
置と全閉直前位置にわたる移動を円滑に行わせる
ように構成してある。

つまり、床面Ｆの一例である収納箱１の内底面
にホルダーＡを取付け、このホルダーＡに対して
案内機構１３を装着するものであるが、前記ホル
ダーＡは、床面Ｆの上側に固定状態で設けられる
第一取付部材１９と、その第一取付部材１９に対
して係脱自在に構成された第二取付部材１４とか
ら構成してあり、前記案内機構１３は、係脱自在
な第二取付部材１４に対して装着されている。よ
り具体的には、第一取付部材１９に、引戸２の戸
面に垂直な切欠２３を形成するとともに、第二取
付部材１４に付設したボルト２０を前記切欠２３
に係合させた状態で前記ボルト２０に蝶ナツト２
１を螺着して、両取付部材１９，１４どうしを一
体化してある。そして、前記第二取付部材１４
に、その下面に突設した支軸１５周りで揺動自在
に、前記案内機構１３の左右一対のガイド部材１
６を取付け、そのガイド部材１６の遊端側に付設
され、引戸２の下端面に形成した案内溝１７に係
合するガイド体１６ａを第二取付部材１４の切欠
１４ａから上方に突出させ、引戸２の全閉位置か
ら全閉直前位置にわたる移動に伴つてガイド部材
１６が揺動されるように構成すると共に、ガイド
部材１６を案内溝１７に常時係合するように構成
してある。つまり、第７図に示すように、Ｔ字状
工具２２等で引戸２の下端側を手前に引出すと共
に第一取付部材１９から第二取付部材１４を外し
た状態で、案内溝１７にガイド部材１６を係入
し、その後第一取付部材１９に第二取付部材１４
を連結する事によつて、容易に引戸２の組付けを
行えるように、かつ、第一取付部材１９から第二
取付部材１４を外す事によつて容易に引戸２の取
外しが行えるように構成してある。さらに、ガイ
ド部材１６のガイド体１６ａを上面視において長
方形や楕円形等の細長い形状に形成し、案内溝１
７の大部分をガイド体１６ａの横巾l₁に近い巾L₁
に形成すると共に、案内溝１７の端部のうち全閉
状態でガイド部材１６が係合する側１７ａを、ガ
イド体１６ａの長手方向寸法l₂に近い直径L₂のほ
ぼ円形状に形成し、引戸２が全閉位置にある時に
はガイド体１６ａの長手方向が案内溝１７の長手
方向に交差し、かつ、引戸２が全閉直前位置にあ
る時にはガイド体１６ａの長手方向が案内溝１７
の長手方向に向かうように、ガイド部材１６の揺
動に伴つてガイド体１６ａの方向転換が行われる
べく構成し、もつて、引戸２を開き操作する時に
ガイド部材１６にその揺動のための外力が効率良
く作用するようにしてある。

尚、本考案による引戸装置は、建物のドアや間
仕切等の各種用途に適用でき、また、引戸２を固
定壁に対して面一状になると共に重なるように構
成してもよい。

また、引戸２の全閉位置と全閉直前位置にわた
る移動方向は自由に設計変更でき、要するに、戸
面に垂直な分方向を有する方向に移動させるよう
に構成してあればよい。

また、ガイド部材１６の具体的構造は自由に変
更でき、さらに、引戸２の吊下げ支持構造も各種
変更自在である。

また、第一取付部材１９に対して第二取付部材
１４を弾性的に嵌着する等、第一取付部材１９と
第二取付部材１４の連結構成は自由に変更でき
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る引戸装置の実施例を示し、
第１図は収納箱の斜視図、第２図は引戸上部構造
の分解斜視図、第３図は溝形成部材の一部省略水
平断面図、第４図イないしハは引戸開閉状態を示
す説明図、第５図は引戸下部構造の一部省略平面
図、第６図は引戸下部構造の縦断面図、第７図は
引戸取付方法の説明図である。 ２……引戸、１３……案内機構、１４……第二
取付部材、１６……ガイド部材、１６ａ……ガイ
ド体、１７……案内溝、１９……第一取付部材、
Ａ……ホルダー、Ｆ……床面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引戸２を、全閉位置と全閉直前位置にわたつて
   戸面に垂直な分方向を有する方向に移動すべく吊
   下げ支持すると共に、前記引戸２の下端面に対向
   する床面Ｆ側には、前記引戸２の下部に対する案
   内機構１３と、その案内機構１３を床面Ｆに対し
   て固定するホルダーＡとを設けた引戸装置におい
   て、前記案内機構１３を、前記引戸２の下端面に
   形成した案内溝１７に係合して戸面に沿う方向で
   の引戸２の移動を案内するガイド体１６ａと、前
   記ガイド体１６ａを前記戸面に垂直な分方向を有
   する方向に移動させて引戸２を戸面に垂直な分方
   向を有する方向に移動案内するガイド部材１６と
   から構成するとともに、この案内機構１３を前記
   床面Ｆに対して固定するためのホルダーＡを、床
   面Ｆの上側に付設し、さらに、前記ホルダーＡ
   を、前記床面Ｆ上に固定された第一取付部材１９
   と、その第一取付部材１９に対して床面Ｆに沿う
   方向で係脱自在に構成された第二取付部材１４と
   から構成し、かつ、前記係脱自在な第二取付部材
   １４に前記案内機構１３を装着してあることを特
   徴とする引戸装置。