JPS6116746Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は架空送電線の線下の静電誘導を低減し
た架空送電線路に関するものである。

一般に架空送電線の線下の静電誘導による幣害
を除去するためには、鉄塔間に架設した架空送電
線の下方大地側に裸導体からなる遮蔽線を架設し
ている。

遮蔽線は大地と電気的な接続がなされていない
と静電誘導を低減できないから、遮蔽線は鉄塔に
導通されている。しかし、遮蔽線の両端を鉄塔に
導通した場合には、遮蔽線は大地と閉ループを作
り、架空送電線からの影響により、これに誘導電
流が流れ送電損失が生じるばかりか遮蔽線の線径
も太くなる等の問題がある。

このため近年、遮蔽線の一端側を碍子等の絶縁
体を介して鉄塔に引留めると共に、他端側は鉄塔
に導通させて、遮蔽線を大地と電気的に閉ループ
を作らないように架設する方法が提案された。

しかしながら、このように構成した場合でも、
遮蔽線にクレーン等の対地絶縁抵抗の低い物が触
れた場合には、遮蔽線−クレーン等−大地−鉄塔
−遮蔽線の電気的閉ループを構成してしまう恐れ
があつた。

本考案はこのような欠点を改良したもので、遮
蔽線に絶縁カバーを設けたことを特徴とするもの
である。

これを第１図に示した一実施例に基づき説明す
る。

図において１，２は鉄塔、３は架空送電線、４
は静電誘導の遮蔽線を示し、架空送電線３は公知
の方法で支持してある。

遮蔽線４は、その片端を鉄塔１に引留金具５及
び碍子等の絶縁材６を介した引留め、他端は導通
状態で例えば遮蔽線４端末を固着した引留金具５
を直接鉄塔２に引留め、遮蔽線４が大地と電気的
な閉ループを作らないように架設してある。

また遮蔽線４には絶縁カバー７を設けてある。
この絶縁カバー７はビニール、ポリエチレン、
FRP等のプラスチツク製品からなり、その構成
は第２図に示すように縦割状のスリツト８を有
し、このスリツト８を介して遮蔽線４の略全長に
亘つて遊嵌状に被せてある。

更に絶縁カバー７の肉厚は、遮蔽効果を損わな
い範囲で厚くし、その機械的強度を高くしてあ
る。

またこの実施例においては、第３図に示す如く
遮蔽線４の鉄塔１に絶縁して引留めた部分におけ
る引留金具５、これに接続した碍子金具９にも、
絶縁カバー１０を設け、鉄塔上の人が遮蔽装置に
触れても、電気的シヨツクを受けることのないよ
うにすると共に人を介して大地と電気的な閉ルー
プが構成されないようにしてある。

尚、引留金具５及び碍子金具９に被せた絶縁カ
バー１０は、場合により省略可能であり、また絶
縁カバー７，１０はテープ巻き、押出被覆、塗布
等による単なる絶縁層であつてもよく、要は遮蔽
線４等をカバーした絶縁材であればよい。

しかして本考案架空送電線路によれば、遮蔽線
に絶縁カバーを設けてあるので、遮蔽線にクレー
ン等の対地絶縁抵抗の低い物が触れても、遮蔽線
は大地と閉ループを構成しないので、遮蔽線に誘
導電流が流れる恐れがなくなり所期の目的を達し
得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案架空送電線路の一実施例を示す
正面図、第２図は同要部拡大断面図、第３図は遮
蔽線の引留部を説明する説明図である。 １，２……鉄塔、３……架空送電線、４……遮
蔽線、５……引留金具、６……絶縁材、７，１０
……絶縁カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄塔間に架設した架空送電線の下方大地側に、
   静電誘導の遮蔽線を大地と電気的に閉ループを作
   らないように架設してなる架空送電線路におい
   て、前記遮蔽線には絶縁カバーを設けたことを特
   徴とする架空送電線路。