JPS6115510B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転記録媒体に映像信号等の情報信号
を記録再生する装置における信号変換器移送機構
に係り、信号変換器移送台とラツク移送台とを同
軸的に同一の案内部材に嵌合させ、特に移送台に
設けたラツクを駆動ピニオンに押付けた状態で噛
合させる構成とすることにより、ラツク移送台の
移送変位を信号変換器移送台に高精度に伝達せし
める一方、ピニオンとラツクとの間でのバツクラ
ツシユを無視しうる程度に小として変換器を正確
なピツチで移送し得、更には摩耗等の経時変化に
よる移送への影響を無くして長寿命を達成し得る
よう構成した回転記録媒体記録再生装置における
信号変換器移送機構を提供することを目的とす
る。

従来の回転記録媒体（デイスク）に螺旋状又は
同心円状のトラツクを形成して映像信号等の多数
の情報を記録再生する装置において、磁気ヘツド
はヘツド送り用モータにより駆動されるベルトを
介してデイスクの半径方向に移送されるよう構成
してある。このヘツド移送機構においては、ベル
トとプーリとの間でのスリツプ、ベルトの緊張側
と弛緩側とでのテンシヨン差の変化、ベルトの経
時変化、温度特性等の影響がヘツドの移送ピツチ
に誤差として表われ、ヘツドの移送ピツチを常に
正確に確保することが非常に困難となる欠点があ
つた。このため、デイスク上のトラツクパターン
が装置を長期に亘つて使用することにより異な
り、デイスクの互換性が得られずデイスクをフア
イリングすることが出来ない欠点があつた。この
トラツクパターンの変動は磁気ヘツドが映像信号
に同期して間歇的に移動しヘツドの停止期間に記
録再生する装置において顕著となる。

本発明は上記欠点を除去したものであり、以下
図面と共にその１実施例について説明する。第１
図は本発明になる信号変換器移送機構を適用しう
る回転記録媒体記録再生装置の概略構成を示す。
同図中、磁気円板１はモータ２により映像信号に
同期して高速回転する。一方、ヘツド移送モータ
３の回転がピニオン４とラツク５とを介して直線
運動に変換され、録画再生用磁気ヘツド６がラツ
ク５の運動に応じて高速回転する磁気円板１に添
接しつゝ装架台７に沿つてその半径方向（矢印
Ａ，Ｂ方向）に間歇的に移送される。このとき、
磁気ヘツド６は電子回路（図示せず）に制御され
て、磁気円板１上にその１回転毎に１フイルード
又は１フレームの単位で映像信号を記録再生す
る。

次に本発明になる信号変換器（ヘツド）移送機
構の１実施例について第２図及び第３図を併せ参
照して説明するに、第２図は磁気円板を取り除い
て示すヘツド移送機構の平面図、第３図は第２図
に示す機構の側面図を示す。

装架台７は磁気円板１の下側に配設してあり、
一対の円柱形状のガイドロツド８及び９が互いに
平行状態で磁気円板１の半径方向に延在して装架
してある。ヘツド移送モータ３は装架台７にネジ
止め固定してあり、このモータ軸にピニオン４が
固定してある。

ヘツド移送組立体１０は一方のガイドロツド８
に嵌合して案内されるヘツド移送台１１と、この
ヘツド移送台１１と中心を同じくしてこのヘツド
移送台１１に対して回動自在にガイドロツド８に
嵌合して案内されるラツク移送台１２とを適宜組
合わせて大略構成してある。

ヘツド移送台１１は一端側をガイドロツド８に
嵌合されて矢印Ｃ，Ｄ方向にヘツド移送台１１に
固定されたブツシユ１３を介して所定角度範囲で
回動可能に保持され、その他端側についてはヘツ
ド移送台１１に設けられた係止部１５によりガイ
ドロツド９の上側面に当接して位置決めされてい
る。また、ヘツド移送台１１の上面側所定位置に
磁気ヘツド６がネジ止め固定してある。

ラツク移送台１２は第３図中ヘツド移送台１１
に関して矢印Ｃ，Ｄ方向に所定角度範囲でヘツド
移送台１１のブツシユ１３に嵌合されたベアリン
グ１４を介して回動可能に嵌合保持してある。所
定長さのラツク５はガイドロツド８と平行に位置
決めされてラツク移送台１２の所定位置にネジ止
め固定してあり、ピニオン４と噛合している。な
お、ピニオン４及びラツク５はモジユールを小さ
くして形成してあり、両者は比較的多数の歯で相
互に噛合している。

ラツク移送台１２の一端側には板バネ１６がネ
ジにより固定してあり、この先端側に設けた摩擦
係数の小なるポリテトラフルオロエチレン（商品
名テフロン）製のチツプ（以下チツプという）１
７がガイドロツド９の上側面に当接している。こ
の板バネ１６の弾撥力により、ラツク移送台１２
はガイドロツド８に関して矢印Ｃ方向の回動力を
附与される。ここで、ラツク５はガイドロツド８
に対して板バネ配設側に距離Ｌだけ偏位した位置
に取付けてあるため、ラツク移送台１２の上記回
動力によりピニオン４の軸心方向即ちピニオン４
に噛合する第３図中矢印Ｓ方向の力を作用された
状態でピニオン４に積極的に噛合する。なお、板
バネ１６はラツク５がピニオン４に対して所定の
力で噛合するようにその形状及びバネ定数が予め
適宜定めてある。

１８及び１９はコイルスプリングで、ラツク移
送台１２とヘツド移送台１１との間に設けられて
これらを矢印Ｔ方向に付勢し、ヘツド移送台１１
の係止部１５をガイドロツド９に当接せしめてい
る。なお、コイルスプリング１８，１９は板バネ
１６よりなる力で働くようにその形状及びバネ定
数が予め適宜定めてある。

また、ヘツド移送台１１とラツク移送台１２の
ベアリング１４との間には波形バネ座金２０が矢
印Ｉ方向に付勢されて設けられており、ヘツド移
送台１１は座金２０にてラツク移送台１２に対し
て位置決め保持されている。なお、座金２０は、
ヘツド移送台１１がラツク移送台１２に対して所
定の力で位置決めされるようにその形状及びバネ
定数が予め適宜定めてある。これにより、ヘツド
移送台１１はラツク移送台１２の矢印Ａ，Ｂで示
す移送方向の変位に関しては一体的に変位する
も、ヘツド移送方向以外の変位、例えばラツク移
送台１２の矢印Ｃ，Ｄ方向の回動変位に対しては
追従することなく静止した状態に保持される。

また、ガイドロツド９の一端部には第４図に示
す如く正面図上凹形の凹状部９ａが設けられてお
り、ヘツド移送台１１の係止部１５が凹状部９ａ
に落ち込んだ位置にあると、ヘツド移送台１１は
ガイドロツド８を中心として下方向に回動変位し
て磁気ヘツド６は円板１から離れる。

次に上記構成機構の録画再生モード時の動作に
ついて説明する。

録画再生モード時、ヘツド移送モータ３は磁気
円板１の回転に同期して間歇回転駆動され、ピニ
オン４とラツク５とが噛合してラツク移送台１２
がガイドロツド８に案内されて磁気円板１の半径
方向に移送され、これと略一体的にヘツド移送台
１１がガイドロツド８，９に沿つて移送され、磁
気ヘツド６が磁気円板１の下面に添接してこの半
径方向に移送される。なお、チツプ１７及び係止
部１５とガイドロツド９との間の摩擦係数は相当
小となり、チツプ１７及び係止部１５はガイドロ
ツド９上を円滑に摺動する。

この際、ヘツド移送台１１とラツク移送台１２
とは共にガイドロツド８に同軸的に嵌合されてい
るため、これらを確実に連結し得、これにより、
ラツク移送台１２の移送変位をヘツド移送台１１
へ高精度に伝達し得る。

また、ラツク５はピニオン４に積極的に噛合し
ているため、ピニオン４の反転時の両者間のバツ
クラツシユはトラツクパターン許容誤差を勘案し
た場合に無視しうる程度に小となり、磁気ヘツド
６は矢印Ａ，Ｂ方向に正確なピツチで移送され、
磁気円板１上にはヘツド往路、復路移送時に形成
される同心円状のトラツクが交互に且つ同一ピツ
チで形成される。また、ヘツドの往路及び復路移
送時に磁気ヘツド６は所定位置でふらつくことな
く間歇的に停止され、真円トラツクを形成する。
また、上記構成とすることにより、必要に応じて
送りピツチを極端に小さくでき、その分だけ磁気
円板１の記録容量を増大させることが可能とな
る。

また、磁気ヘツド６が円板１中情報信号がない
最外縁周部分にある時、ヘツド移送台１１の係止
部１５のガイドロツド９の凹状部９ａへの落ち込
みにより磁気ヘツド６は円板１より離れてるた
め、機器の輸送時等の円板１、磁気ヘツド６の損
傷を未然に防止し得る。又、磁気ヘツド６が円板
１に当接したまま長時間放置しておくと、磁気ヘ
ツド６と円板１１との当接部分に湿気を生じて円
板１を酸化させてしまうが、本発明機構のように
ヘツド６を円板１から離すようにしておけばその
虞れはなくなる。

ここで、上記機構に組立誤差があり、ピニオン
４が偏心回転したり、ガイドロツド８と９との間
の平行度が充分でなく両者が不平行となつている
場合の動作について説明する。まず、ラツク移送
台１２については、板バネ１６が上記組立誤差に
応じて屈曲変形することにより矢印Ｃ，Ｄ方向に
回動変位し、ラツク５は常にピニオン４に対して
圧接してバツクラツシユを無視しうる状態で噛合
する状態に保持され、送りピツチは変化せずに所
定の値に保たれる。

一方、ヘツド移送台１１については、ラツク移
送台１２の上記回動変位をコイルスプリング１
８，１９により吸収されてこの回動変位により何
ら影響されることなく、ラツク移送台１２と一体
的にデイスク半径方向に移送される。また、ガイ
ドロツド８，９の平行度等に関する組立誤差は板
バネ１６の屈曲変形、コイルスプリング１８，１
９により吸収され、ヘツド移送台１１はガイドロ
ツド８に常時添接されたまゝ移送される。これに
より、録画再生用磁気ヘツド６は磁気円板１に対
する接触角度を一定に保ちつゝ、即ちヘツド面が
一様に磁気円板１に添接した状態で移送され、接
触角度の誤差変動に因る画質の劣化等の不都合を
防止しうる。

次に上記回転記録媒体記録再生装置を長期に亘
つて使用し、ピニオン４及びラツク５に摩耗が生
じた場合の動作について説明する。ラツク５は板
バネ１６の弾撥力により矢印Ｓ方向の力を常時附
勢されてピニオン４に積極的に押付けられてこれ
と噛合しているため、ピニオン４及びラツク５に
摩耗が生じた場合においても両者はバツクラツシ
ユの原因となる隙間を生ずることなく緊密に噛合
する状態に維持される。このため、磁気ヘツド６
は、装置の長期間の使用に亘つて、磁気円板１の
外周から内周方向へ及び内周から外周方向へ所定
のピツチで正確に且つ停止位置でふらつくことな
く移送される。これにより、ピニオン４及びラツ
ク５の摩耗の有無及び摩耗の程度に影響されるこ
となく、即ち装置の使用年数に関係なく、磁気円
板１には同一のトラツクパターンが形成され、磁
気円板１の互換性が得られ、磁気円板のフアイリ
ングが可能となる。

また上記摩耗により、ラツク移送台１２は矢印
Ｃ方向に僅かに回動変位した状態で移送されるこ
とになるが、ヘツド移送台１１はラツク移送台１
２の上記回動変位に影響されることなくガイドロ
ツド８，９に案内されて移送されるため、磁気ヘ
ツド６の磁気円板１に対する接触角度は変化せず
に一定に保持され磁気ヘツド６のヘツド面が磁気
円板１に一様に添接する。

また更には録画再生時において、ピニオン４と
ラツク５との噛合時の衝撃により、ラツク移送台
１２に衝撃振動が生ずる。しかし、ラツク移送台
１２の衝撃振動は板バネ１６、コイルスプリング
１８，１９により吸収され、ヘツド移送台１１に
は影響を与えず。磁気ヘツド６のトラツク方向
（第３図中矢印Ｇ，Ｈ方向）の横ゆれが防止さ
れ、再生画面へのジツタの発生を抑制しうる。

また、上記ヘツド移送機構によれば、板バネ１
６の屈曲変形やコイルスプリング１８，１９によ
り一対のガイドロツド８，９間の平行度に関する
誤差、ラツク５の取付誤差、及びピニオン４の偏
心等を吸収して磁気ヘツド６の磁気円板１に対す
る接触態様を一様に維持するように構成してある
ため、ヘツド移送機構は厳密な精度を要求される
ことなく製造される。

なお、上記実施例ではガイドロツド８にヘツド
移送台１１のブツシユ１３を嵌合させ、ブツシユ
１３にベアリング１４を嵌合させてラツク移送台
１２をベアリング１４を介してヘツド移送台１１
に対して回動させる構成とされているが、ガイド
ロツド８にラツク移送台１２に固定されたブツシ
ユを嵌合させ、このブツシユにベアリングを嵌合
させてヘツド移送台をこのベアリング１４を介し
てラツク移送台１２に対して回動させる構成とし
てもよい。

又、ガイドロツド８にはブツシユ１３やベアリ
ング１４を設けることなく、ヘツド移送台１１及
びラツク移送台を直接設け、これらの間に座金２
０の如き移送方向の変位のみ伝達して移送方向以
外の方向の変位を伝達しない部材を設けるように
してもよい。

更に、板バネ１６のチツプ１７やヘツド移送台
１１の係止部１５はガイドロツド９の上側面より
当接する構成とされているが、板バネ１６やスプ
リング１８，１９の弾性を変更してガイドロツド
９の下側面より当接する構成としてもよい。この
場合、ガイドロツド９の一端には係止部１５が乗
り上がるための凸状部を設ければよい。

上述の如く、本発明になる回転記録媒体の回転
に応じて信号変換器を移送させて記録媒体に情報
信号を記録再生する装置における信号変換器移送
機構によれば、信号変換器を有する移送台に設け
たラツクを記録媒体の回転に応じて回転駆動され
るピニオンにその軸心方向に押付けて噛合させた
構成としてあるため、ピニオンとラツクとの間で
のバツクラツシユを両者の摩耗の有無及び摩耗の
程度に関係なく記録媒体上のトラツクパターン許
容誤差を勘案した場合に無視しうる程度に小さく
し得、これにより長期に亘つて記録媒体上に同一
のトラツクパターンを正確に形成し得、記録媒体
の互換性が得られて記録媒体のフアイリングが可
能となり、更には必要に応じて送りピツチを小さ
くして記録容量の増大化を図り得、また送りピツ
チの経時変化がなく装置を長寿命とすることが出
来、また更には上記移送台を信号変換器を有する
信号変換器移送台とラツクを有するラツク移送台
とに分離し、信号変換器移送方向変位については
両者が一体的に変位し、両者は信号変換器移送方
向以外の変位については互いに独立であるように
構成してあるため、記録再生時にラツク移送台に
生ずる衝撃振動による信号変換器に対する影響を
無くすことが出来、従つて再生画像のジツタの発
生を防止し得、更には信号変換器の記録媒体に対
する接触態様を常時一定に保持し得、接触態様の
変動により画質が損われる等の不都合が生ぜず、
更には組立てを比較的容易に行ない得、又、信号
変換器移送台及びラツク移送台は共に第１の案内
部材に同軸的に嵌合案内されて移送されるため、
ラツク移送台と信号変換移送台とを確実に連結し
得、これにより、ラツク移送台の移送変位を信号
変換器移送台へ高精度に伝達し得、更に、第２の
案内部材の一端には凹状部或いは凸状部が設けら
れているため、装置が非作動時にある時、信号変
換器移送台の一部が凹状部或いは凸状部に落込み
或いは乗上げることにより信号変換器を記録媒体
より離間せしめ得、これにより、輸送時等の記録
媒体及び信号変換器の損傷や記録媒体の酸化等を
未然に防止し得る等の特長を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明になる信号変換器移送機構を適
用しうる回転記録媒体記録再生装置の概略構成を
示す図、第２図は本発明になる信号変換器移送機
構の１実施例の平面図、及び第３図は第２図に示
す機構の側面図、第４図は第２図に示すガイドロ
ツド９の正面図である。 １……磁気円板、２……モータ、３……ヘツド
移送モータ、４……ピニオン、５……ラツク、６
……録画再生用磁気ヘツド、７……装架台、８，
９……ガイドロツド、９ａ……凹状部、１０……
ヘツド移送組立体、１１……ヘツド移送台、１２
……ラツク移送台、１３……ブツシユ、１４……
ベアリング、１５……係止部、１６……板バネ、
１７……チツプ、１８，１９……スプリング、２
０……波形バネ座金。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転記録媒体の回転に応じて信号変換器を移
   送させて該記録媒体に情報信号を記録再生する装
   置において、該信号変換器を有し第１の案内部材
   に嵌合案内されると共にその一部を第２の案内部
   材に摺動案内されて該回転記録媒体の半径方向に
   移動可能に設けた信号変換器移送台と、該回転記
   録媒体の回転に同期して回転駆動するピニオンに
   噛合するラツクを有し該第１の案内部材に該信号
   変換器移送台を同軸的に嵌合案内されると共にそ
   の一部を該第２の案内部材に摺動案内されて該回
   転記録媒体の半径方向に移動可能に設けたラツク
   移送台と、該ラツク移送台の移送方向変位を該信
   号変換器移送台に伝達し該ラツク移送台の移送方
   向と異なる方向の変位を該信号変換器移送台に伝
   達しないように該ラツク移送台と該信号変換器移
   送台とを連結する手段と、該ラツクを該駆動ピニ
   オンの軸方向に押付ける手段と、該信号変換器移
   送台を該第２の案内部材に押付ける手段とにより
   なることを特徴とする回転記録媒体記録再生装置
   における信号変換器移送機構。 ２ 上記第２の案内部材中、上記信号変換器移送
   台の移送方向上の一端に凹状部或いは凸状部を設
   けてなり、上記信号変換器移送台の一部が該凹状
   部或いは凸状部に落込み或いは乗上げることによ
   り上記信号変換器を上記回転記録媒体より離間す
   るよう構成したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の回転記録媒体記録再生装置における
   信号変換器移送機構。