JPS6114007Y2

JPS6114007Y2 -

Info

Publication number: JPS6114007Y2
Application number: JP2624781U
Authority: JP
Priority date: 1981-02-26
Filing date: 1981-02-26
Publication date: 1986-05-01
Also published as: JPS57139906U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、一眼レフカメラにおけるアオリ撮影
技術の範囲を拡大するとともに、アオリ撮影を簡
便に行える様にしたアオリ撮影用光学鏡胴に関す
るものである。

特に本考案はシフトアオリとテイルトアオリの
両方又は一方のアオリ作用を任意的に行なうこと
ができる撮影レンズ・交換レンズ・中間チユーブ
（アダプター）として好適な光学鏡胴を提供す
る。アオリ撮影には、蛇腹式大型カメラに見られ
る様に、レンズ光軸をフイルム面に垂直な面内に
おいて、上下あるいは左右方向といつた具合に平
行移動させるシフトアオリと、光軸上の一点を中
心として光軸のフイルム面に対する傾動を行なう
テイルトアオリとがある。これらは撮影用レンズ
の光軸を、フイルム面に対して人為的に移動させ
ることによるアオリ撮影技術であるが、これとは
逆に光軸に対してフイルム面を上下左右方向に平
行移動あるいは傾動させることによつてアオリ効
果をもたらすフイルム面のシフトおよびテイルト
アオリの手段があることも既知である。このフイ
ルム面のシフト・テイルトアオリは、俯瞰撮影の
際に生じる遠近感描写の歪を修正するなどの場合
に有効なのであるが、アオリ装置が大型化するこ
となどもあつて、簡易化されたアオリ撮影装置、
特に一眼レフレツクスカメラに対するものでは、
省略されることが多く、レンズ側のシフトおよび
テイルトアオリがアオリ撮影の中心的役割を担つ
てきている。

このレンズ光軸のシフト及びテイルトアオリを
可能とさせる方法として一眼レフカメラにおいて
は、アオリ装置を具備した蛇腹撮影装置をカメラ
本体と撮影レンズの中間に着脱自在に配する方法
が取られている。しかし、従来の蛇腹撮影装置は
一般にかなり大型のものであつて、持ち運びや撮
影の際のカメラの切り廻しに非常な不便を強いら
れることになり、一眼レフカメラの最大の利点で
ある機動性を損うものである。一方、シフトおよ
びテイルトのアオリ機構をレンズ構体内に組込ん
で、アオリ撮影を可能とした交換レンズを用いる
方法もある。しかし、この場合には撮影レンズが
構体内に組込まれている故に、レンズ部分のみの
交換は出きず、数種の異なつたレンズを用いたア
オリ撮影を行なう場合には、それぞれその構体内
にアオリ機構を備えたレンズを揃えなければなら
ない不便さが伴う。またこの種のレンズは一般に
高価なものである。

本考案の目的は上記の様な事情に鑑み、一眼レ
フカメラの機動性を損うことなく、操作が手軽で
あり、また複数の交換レンズに対しても対処する
ことが出来、かつ相対的に安価なアオリ撮影装置
を提供することにある。

第１図および第２図は本考案の実施例で、第１
図はその構成を示すための分解平面図、第２図は
作動状態を示すための平面図である。図中１はカ
メラ本体であり、通常の撮影に際しては直接に撮
影レンズを取付けるためのレンズ・マウント部２
を有している。３はヘリコイドユニツトであり、
一端に、カメラのマウント部２に着脱自在に取付
けるための取付部（本例では締付けリング）４を
持ち、他端にはカメラ１と同様のレンズマウント
部５を有する。６はヘリコイドの繰出し量を調整
するための距離リングである。７は本考案に係る
アオリ撮影用のユニツトであつて、前記４同様の
取付部８およびこの取付部８の構体に対して固定
もしくは光軸を中心として回転可能に取付けられ
た基板９をもつこの基板９は円板状の本体から突
出した腕９ａおよび次のシフト座１０の左端の１
０ｂ部とアリ溝嵌合機構を介してフイルム面に平
行に摺動するアリ部９ｂを持つ。腕９ａにより、
シフト座１０に固定された雌ネジ１１にかみ合う
雄ネジ１２とこれに同軸上で固定されたシフトの
ぶ１３が支持されている。このシフトのぶ１３を
矢印Ａの様に回動させれば雄ネジ１２と雌ネジ１
１の作用により、シフト座１０はアリ溝嵌合機構
９ｂ，１０ｂを介して基板９に対してフイルム面
に平行に移動することになる（第２図矢印Ｂ）。

１５はその前端に一般撮影状態（第１図の状
態）において光軸上の任意の一点を中心とした半
径Ｒの曲面を有するＲ座部材である。その前方に
は、この曲面と摺動すべき同一の曲率を持つた曲
面を、その後端に有するテイルト座１６が配され
ている。ここでは１５，１６の軸断面形状は矩形
となつており、また両者が光通過開口を内部に持
つことは当然である。このテイルト座１６の曲面
部には、内部においてネジ１７により内接歯車１
８が固定されており、さらにこの内接歯車１８に
はＲ座１５に取付けられたピニオン１９がかみ合
つている。ピニオン１９と同軸上にテイルトのぶ
２０が取付けられておりこののぶ２０を矢印Ｃの
如く回動させれば、ピニオン１９と内接歯車１８
の作用により、テイルト座１６は半径Ｒの曲面部
に沿い、かつ摺動部に設けられたレール機構１５
ａ，１６ａの案内により、矢印Ｄの如くＲ座１５
に対して傾動運動を行なう。

Ｒ座１５はその後端においてネジ１４により前
記シフト座１４の前端に設けられた矩形フランジ
部１０ａに固定され、またテイルト座１６の前端
には前記マウント部２および５と同形状のマウン
ト部２１ａ及び矩形フランジ部２１ｂを持つマウ
ント部材２１がネジ２２により固定されている。
２３は撮影レンズであり、前記マウント部２１ａ
に取付可能な取付部２４を有している。なお２５
はフイルム面を示す。

以上の構成から明らかな様に、レンズ光軸をフ
イルム面に直交する面内において平行移動させる
シフトアオリを行なう際には、部材８，９，１
１，１２，１３等から成る第１のユニツトのシフ
トのぶ１３を所定量だけ回動させることによつ
て、基板９とシフト座１０を摺動させてやれば良
く、また、レンズ光軸をフイルム面に対して傾動
させるテイルトアオリに際しては部材１５，１
６，１７，１８，１９等から成る第２のユニツト
のテイルトのぶ２０をやはり所定量だけ回動し、
Ｒ座１５とテイルト座１６間においてレンズ光軸
を傾ければ良いことになる。また、シフトアオリ
とテイルトアオリの組合わせ撮影も可能である。

本実施例においては、距離調節用ヘリコイドユ
ニツト３を、カメラ１と中間鏡胴７の中間に配し
たが、これは撮影用レンズ２３が距離調節のため
の繰出し機構を持たないケースを想定したもので
あつて、この位置はマウント部材２１と撮影レン
ズ２３の中間であつても良く、また中間鏡胴７自
体に組み込まれるものであつても良い。

さらに、シフト座１０のフランジ部１０ａとＲ
座１５の結合はネジ１４による固定であるが、こ
の中間にクリツク機構を設ける等して、シフト方
向とテイルト方向の組み合わせ（本実施例におい
ては、フイルム面からみていずれも左右方向）を
選択的に行える様にすることも可能である。

第３図は第１図のＲ座１５、テイルト座１６よ
り成るテイルトアオリ部の部分に小型、簡易化を
図つた蛇腹装置を組み込んだ場合の平面図であ
り、第４図は、このテイルトアオリ部のみの側面
図である。蛇腹３０はその前端にレンズマウント
部２９ａを有する前板２９に、後端を後板２８に
取付けられており、この後板２８はネジ２６とナ
ツト２７により図１の例と同じく、シフト座１０
のフランジ部１０ａに固定されている。第５図は
やはり後板２８の平面図であり、前板２９と蛇腹
３０を破線で示すことにより、テイルトアオリを
加えたときの作動状態を示している。第４，５図
より明らかな様に、後板２８はＬ字状に折れ曲つ
た支持脚２８ａ及びそこにあけられたレール穴２
８ｂを有している。前板２９もＬ字状に曲げられ
た回転脚２９ｂを持ちここには軸受３２が埋め込
まれている。この支持脚２８ａと回転脚２９ｂは
レール穴２８ｂを介して、先端にネジ部を持つ軸
３１とこれに係合する雌ネジ部を有する締付のぶ
３３とにより結合される。締付けのぶ３３を緩め
れば支持脚２８ａと回転脚２９ｂの結合は緩くな
り、前板２９は後板２８に対し軸３１をその中心
として回転することが出来る。またこの状態では
軸３１はレール穴２８ｂに沿つて前後動可能であ
り、前板２９と後板２８の間隔は任意に選択出き
る。即ち、レンズ繰出し量の粗調整が可能とな
り、接写時など大きなレンズの繰出し量を必要と
するときには非常に有効なものとなる。

以上説明してきた様なアオリ撮影用中間鏡胴を
用にれば簡便・手軽なアオリ撮影が可能となると
ともに小型・軽量であるので一眼レフカメラの機
動性を損うことがなく、また、撮影レンズの交換
が可能なので、一つのアダプターで複数のレンズ
に対して使用可能であり、アオリ撮影技術の範囲
を広げることになり、さらに、相対的に安価であ
るという利点が生じる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るアオリ撮影用光学鏡胴の
実施例の構成を示すための分解平面図、第２図は
その作動状態を示すための平面図、第３図はテイ
ルトアオリ部に小型の蛇腹装置を組み込んだ他の
実施例を示す平面図、第４図、第５図はその構
成、作動状態を示すための側面図および平面図で
ある。１……カメラ、３……ヘリコイドユニツト、７
……アオリ撮影用光学鏡胴、８……取付部、９…
…基板、１０……シフト座、１５……Ｒ座、１６
……テイルト座、２１，２９ａ……レンズ取付部
材、２３……撮影用レンズ、２５……フイルム
面、（２８……前板）、２９……後板、３０……蛇
腹。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

シフトアオリを行なう第１のユニツトとテイル
トアオリを行なう第２のユニツトを有し、前記各
ユニツトに該両ユニツトを結合する第１の結合部
を設けるとともに、該両ユニツトの他端にカメラ
又は他の第３のユニツトと結合するための第２の
結合部をそれぞれ設け、各ユニツトの結合により
シフトアオリとテイルトアオリの両方又は一方を
可能としたことを特徴とするアオリ機構を有する
光学鏡胴。