JPS6112018Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は空気圧送式の電気ポツトに関し、その
目的とするところは、構造が簡単でしかも組立加
工が容易な電気ポツトを提供するにある。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

電気ポツトＡは金属製真空二重の容器１と、容
器の上端に装着する中央開口の水切部材２と、こ
の水切部材の中央開口に着脱自在に装着する中蓋
３３と、水切部材の上端に着脱自在に装着する上
蓋３と、容器の下端に装着する底部材４と、容器
内液体を吐出しかつ液量表示を備えた吐出部材５
と、容器内の液体を加熱、保温するヒーター６並
びにヒーターへの通電を制御する通電制御部材７
とから構成されている。

容器１はステンレス等の金属製内壁８、外壁９
及び底板１０とからなつている。

内壁８は円筒型の内壁胴部１１と、この内壁胴
部の上端より内方に湾曲して上部を内壁胴部の径
よりもやや小径とした口元部１２とを備えてい
る。

内壁胴部１１は下部外周に後述のヒーター用の
環状溝１３を設けると共に下端を内方に折り曲
げ、その先端に上方に突出する第１環状フランジ
を設ける一方、上端に外方に突出する第２環状フ
ランジを設けている。

口元部１２は下端に第２環状フランジと接合し
うる外方に突出する第３環状フランジを設ける一
方、上端に上方に突出する第４環状フランジを設
けている。

外壁９は内壁８と所定の間隔を隔ててほぼ同型
に形成されており、円筒型の外壁胴部１８と、こ
の外壁胴部下端の折曲部１９とを備えている。

外壁胴部１８は上部を内壁の口元部１２に沿つ
て内方に湾曲して、この外周壁に後述の水切部材
２を装着する環状の雄ネジ２０を設けると共に、
この雄ネジの上端を内方に折り曲げ、その先端に
口元部１２の第４環状フランジと接合しうる第５
環状フランジを設ける一方、下端に外方に突出す
る第６環状フランジを設けている。

折曲部１９は一端を上方に折り曲げてその先端
に外壁胴部１８の第６環状フランジと接合しうる
外方に突出する第７環状フランジを設ける一方、
他端を上方に折り曲げて、その先端を内壁胴部１
１の第１環状フランジと接合しうる第８環状フラ
ンジを設けている。

この折曲部１９には後述のヒーター６のリード
線引出部材３４用の透孔を穿設している。

底板１０は円板状に形成されており、外周端に
折曲部の第８環状フランジと接合しうる上方に突
出する第９環状フランジを設け、この円板状の所
定位置に後述の吐出部材の中空ジヨイント２６と
容器１内とを連通する接続管２７を溶着してい
る。

この底板１０は外壁９と一体成形してもよい。
容器１は内壁胴部１１の環状溝１３にヒーター６
を固定し、折曲部１９の透孔にヒーターのリード
線引出部材３４を固定、透孔を密封した後、内壁
胴部１１の第２環状フランジと口元部１２の第３
環状フランジとを接合、外壁胴部１８の第５環状
フランジと口元部の第４環状フランジとを接合、
更に外壁胴部の第６環状フランジと折曲部１９の
第７環状フランジとを接合、それぞれの接合個所
を大気圧下、溶着し、次に内壁胴部１１の第１環
状フランジ、折曲部１９の第８環状フランジ及び
底板１０の第９環状フランジを順次接合、真空
下、内壁８、外壁９間の真空引きと共に溶着して
いる。

水切部材２は下部内壁に外壁胴部１８の雄ネジ
に螺着する雌ネジ２８と、この雌ネジの上端に口
元部１２と内径をほぼ面一となる内方に突出する
肩部２９と、この肩部の上端に後述の上蓋３を螺
着する上蓋用雄ネジ部３０とを一体成形してお
り、肩部２９の外周壁に後述の吐出部材５の上部
を装着する環状溝３１を設けている。

３２は容器１の口元と水切部材の肩部２９との
間に介在するパツキンである。

中蓋３３は水切部材の肩部２９に着脱自在に装
着し、後述の上蓋３のベローズポンプ３６と連通
する中央に開口を設けた円筒型の中蓋本体３７
と、この中蓋本体の下端にビス止めされかつ、中
蓋本体の開口と連通する中央を開口した覆板３９
とを備えている。

この覆板３９はステンレス等の金属材料にて、
中央の開口を除いて容器内の蒸気と直接接触する
肩部２９開口の全面を覆つており、この覆板の外
周に肩部２９と当接する環状パツキン４０を張設
している。

上蓋３は上、下、中央を開口するベローズポン
プ３６と、ベローズポンプの上部開口に遊嵌する
プツシユ弁４１と、ベローズポンプ内よりプツシ
ユ弁を押圧するスプリング４２と、ベローズポン
プ上面に載置するガイド板４３と、ベローズポン
プ、ブツシユ弁、スプリング、ガイド板を内蔵す
る中央開口の蓋体４４と、蓋体の上部中央開口を
上下摺動する押板４５と、押板の上下摺動を規制
するストツパ装置４６と、ベローズポンプの下部
開口と連通し、蓋体４４の下端内壁に装着する下
板４７と、下板の中央開口と中蓋本体３７とを連
通するゴムプツユ４８とを備えている。

吐出部材５は容器内の液体を吐出する吐出パイ
プ４９と、この吐出パイプと連通した液量表示管
５０と、液量表示管と容器の接続管２７とを連通
する中空ジヨイント２６と、吐出パイプ、液量表
示管を覆うカバー体５１とを備えている。

液量表示管５０はガラス等の透明な中空パイプ
にて形成されており、下端を内部空胴の中空ジヨ
イント２６を介して接続管２７と連通し、上端を
吐出パイプ４９に接続している。

この液量表示管の背面には液面を鮮明に示す鮮
明板を張設している。

中空ジヨイント２６の両端には耐熱、耐蝕性の
中空の弾性部材５２，５２、を装着しており、こ
の弾性部材５２，５２にて液量表示管５０と中空
ジヨイント２６及び接続管２７と中空ジヨイント
２６とをそれぞれ連通している。

吐出パイプ４９は後端を液量表示管５０上端に
連接し、他端を吐出口５３としている。

カバー体５１は液量表示管５０の前面に位置す
る個所をきりかいており、下端を後述の底部材４
上端前面に装着し、上端の後部にリング体６９を
一体又は別体に設け、このリング体を水切部材２
の環状溝３１に装着して、液量表示管、吐出パイ
プを固定している。

カバー体５１の前面下端には吐出パイプの吐出
口５３が外部に突出するための透孔５４を穿設し
ている。

底部材４は容器の下端を覆う中央開口の底カバ
ー５５と、底カバーの中央開口を覆う平板５６と
を備えている。

底カバー５５の背面には外部電源用のプラグ５
７を挟持している。

平板５６は容器１の底板１０外壁と所定の間隔
を保持してビス５８止めされており、このビス５
８の螺締によつて底カバー５５上端を容器底部に
押圧している。

ヒーター６は湯沸し用及び保温用のヒーターと
を備えており、この各ヒーターは容器の内壁８の
環状溝１３内に固定され、外壁の折曲部１９の透
孔に固定されたリード線引出部材３４を介してプ
ラグ５７に接続している。

通電制御部材７は湯沸し用ヒーターが所定の温
度に達するとこのヒーターをオフするサーモスタ
ツト６６と、容器内の液体温度を感知して保温用
ヒーターへの通電を断続的にオン−オフするサー
マルリードスイツチ６７と、温度ヒユーズ６８
と、このサーモスタツト、サーマルリードスイツ
チ、温度ヒユーズをプラグ５７に直接又は間接的
に接続する各リード線とを備えており、このサー
マルリードスイツチ、温度ヒユーズ、サーモスタ
ツトは容器の底板１０の裏面に固定されている。

以上の如く、本考案に於いては容器の前面に液
量表示管を設け、この液量表示管の後端を容器内
と連通し、先端に吐出パイプを備え、この液量表
示管、吐出パイプを覆うカバー本体を設け、この
カバー体を容器前面に装着しているので、液量表
示と液体吐出とを別個の機構にて行うことがない
ために構造が簡単で、しかも単一機構にて液量表
示、液体吐出を兼備でき部品点数を大巾に削減す
ることができると共に組立加工が容易となる。

又、カバー体のリング体を水切部材の環状溝に
嵌合するだけで容器の前面に簡単に装着すること
ができる。

更に、容器内と液量表示管とを一重壁の底部で
連通しているので、組立てが極めて容易であり、
通常組立てに際しては電気ポツトの容器、水切部
材、底部材等の各部品のほとんど全てを逆位にし
て組立てるので容器の底部が上面となつて見易
く、しかも確実かつ簡単に液量表示管の下端を容
器に取付けることができ、更にこの液量表示管と
容器との接続部での液漏れの恐れを全くなくすこ
とができて安全性の高いものであります。更に
又、保温効率が非常に良好で消費電力も少く経済
的なものであります。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例を示す側面図、第２図は
本考案実施例を示す縦断面図である。 Ａ……電気ポツト、１……容器、２……水切部
材、３……上蓋、４……底部材、５……吐出部
材、６……ヒーター、７……補助熱源、３１……
環状溝、３６……ベローズポンプ、４９……吐出
パイプ、５０……液量表示管、５１……カバー
体、５３……吐出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製の容器の下端に熱源を設けて容器内の液
   体を加熱、保温すると共に、容器の上端に水切部
   材を装着し、この水切部材上端にベローズポンプ
   を内蔵した上蓋を設け、このベローズポンプの押
   圧によつて容器内の液体を外部へ吐出する空気圧
   送式の電気ポツトであつて、上記容器を底部のみ
   を一重壁とし胴部並びに口元部を真空二重壁に成
   形し、胴部下端の真空二重壁内に発熱体を張設す
   る一方、容器内の液温を感知して発熱体をON，
   OFFする通電制御部材を一重壁の底部に設ける
   と共に容器の前面に容器内の液量を表示する液量
   表示管を設け、液量表示管の下端を一重壁の容器
   底部にて容器内と連通し、液量表示管の上端に容
   器内の液体を吐出する吐出口を備えた吐出パイプ
   の後端を接続したことを特徴とする電気ポツト。