JPS6111390B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電子時計の時合せ方式の改良に関す
る。更に詳しくは、時合せ時に秒針位置が狂わな
いため、時差修正が簡易にできる一方式を提供す
る。

従来巻真を用い、時間標準として水晶振動子、
分周回路、駆動回路、モータ等からなる電磁変換
器、輪列、時、分、秒針等の指示部材からなる周
知の水晶時計において、巻真等の外部操作部材の
引出しによる修正方式は次のものが一般化されて
いる。第１図において、 巻真７の一段目７ａ……中立位置 〃 二段目７ｂ……左右回転で日付・曜日
の修正 〃 三段目７ｃ……針合せ（秒針規正） 但し三段目に引出しと同時に巻真と連動する規
正レバーが輪列を規正するので秒が規正され、輪
列の一部がスリツプして針合せを可能にするとと
もに、前記規正レバーは回路の一部と導通がとれ
るようなピン等と接触し電子回路の一部をリセツ
トする。巻真三段目から一段目に復帰させる押込
み時には、輪列の規正が解除されるとともに、電
子回路のリセツトも解除され、秒針が正確に発進
する。こういつた操作方法をもつ時計に、時差修
正の機能を入れることは困難で実現していなかつ
た。即ち、時差修正を正確に行なうようにするた
めの方式として、例えば、特開昭47−2798に用い
られている方式は機械式時計であるが、電子時計
に置替えて考えて見ると、 巻真一段目……中立位置（ゼンマイ巻き） 〃 二段目……片方回転で日付修正、他方回転
で時針のみ修正 〃 三段目……時分針合せ（秒針規正を附加し
てもよい） この方式では、複雑な部品を多数用意する必要
があり、コスト的に高いことは勿論、時計の切換
部に時差修正用の部品が重なるので厚くなる。又
この方式では日付のみしか附加されず、曜日付の
実用時計には向かない。機械式にこの点を解決す
るには巻真が四段位置をとられるようにして、時
差修正の修正位置を設ける方式も考えられるが、
機構は更に複雑になる。即ち、日付、曜日、秒針
付の時差修正可能で簡単な腕時計はいまだ実現さ
れていない。

これらの方式では更に次の問題点を含んでい
る。日付、曜日の変更しつつある時に、時針のみ
逆転すると、日車又は曜車は通常機械的に一方向
にのみ送られて回転するだけなので、日や曜の表
示が時針の逆転に同期できないという使用上の欠
点もあり、広く実用化されていない。

従来のその他の例として純電気回路的に時計を
早送りする方式が考えられる。例えば別ボタンを
用いて、別ボタンプツシユによりモーターへ通常
時よりはるかに早い32Hzの早送り信号を入れ自走
させ１時間進んだ所で通常の運針にもどすように
するものである。この方式では60分送るのに32Hz
で早送りして約２分かかり、数時間の時差修正の
場合は時間がかかり過ぎて実用にならず、又モー
ターを逆転できるようにしなくてはならず、簡易
にはできない。このため秒針のない時、分針のみ
の時計については日本国特開昭50−39584のよう
に、時針は巻真で修正され、分針は純電気的信号
を入力し早送りする方式が提案されている。第２
図にその回路例を示す。

日本国特開昭52−123668も同様に時、分針付の
修正装置の例として提案されているが、いずれも
時、分、秒、更には日付や曜日のついた一般的な
実用時計として簡易な時分修正を可能にしたもの
は実現されていない。

本発明では従来のこういつた時差修正方式に対
し構造、操作とも簡易な方式で目的を達成できる
一方式を提供するものである。ここで本発明の一
実施例として、巻真を外部操作部材として実施し
た場合の時計の操作方法は次の通りである。

通常の時合せの場合は従来と全く同じである。

巻真一段目……中立状態 〃 二段目……左右回転で日付、曜日の修正 〃 三段目……針合せ（秒針規正） 時差修正あるいは秒針を狂わさないで時・分針
のみ動かしたい場合、 第１の操作として、巻真一又は二段目から三段
目に引出し後０〜数秒以下のできるだけ短時間に
一段又は二段目まで押込む。この操作により時計
に、これから時・分秒を操作するが秒針は正常時
刻とズレないことの指示を与えたことになる。

第１の操作後は通常の時計と同じ操作である。

巻真一段目……中立状態 〃 二段目……日・曜日の修正 〃 三段目……一又は二段目から引出し、時・
分針合せ、秒針は外見上規正されて
いる。

巻真三→一段目押込み、押込直後に、巻真三段
目における時・分針合せに要した時間分秒針が早
送りされ、正規の時間に追つくと、再び正常な運
針にもどる。ここで第３図で具体的に時差修正の
方法を図解すると第３図Ａで上記第１の操作後、
第３図Ｂの９時35分10秒になつた時に巻真を三段
目まで引出したとし、第３図Ｃのように１時間分
進めるとして、10時35分10秒に修正する。巻真三
段目に引出したので秒針は10秒位置で規正されて
いる。このとき分針は一回転後、修正前と全く同
じ位置に合わせればよく合わせた後に第３図Ｄの
ように巻真を復帰し押し込む。

修正に要した時間、例えば20秒かかつたとする
と、秒針はたとえば16Hzで早送りされて１秒ちよ
つとで新しい正しい時刻に一致し、正常な運針に
もどる。通常時差修正に要する時間は１〜２分あ
れば充分なので、記憶回路としても１〜２分の短
いものでよいため回路での負担は少ない。次に、
分針と秒針の位置差は時差修正の時に分針を修正
前の位置を覚えて正確に合わせるか、秒針そのも
のは秒規正され止まつているので、秒針の12時位
置からの回転分だけ、分針も分目盛の間を暗分し
つ合わせれば、秒針と分針の位相差は、時分針修
正以前と全く同じに同期させることができる。即
ち、本発明の時・分修正装置では、従来時針のみ
の単独修正により時差修正をするのではなく、使
用者が自から、時針、分針の針合せをしても秒針
が遅れたり狂わないことと、時差修正の毎き一般
人には使用頻度が多くないもののために大幅なコ
ストアツプや日付、曜日、秒針がなくなつてしま
う欠点をなくし、その代り時のみ修正する操作な
ら、時分を回転修正してもそれ程使用者に負担に
ならないという点を巧妙に加味した新規な時差修
正方式を提供するものであり、数時間の進み、遅
れの修正をするにも、巻真回転に関し通常の針合
せと全く同じなのでなんらとまどうことなく時・
分合せができる。又時・分針を逆転した時に、日
付曜日がズレた場合は、通常操作と同じく巻真二
段目で簡単に日、曜が修正できる。

次に本発明の一実施例で詳細に説明する。第４
図は構成を示すブロツク図、第５図は回路例、第
６図はタイミングチヤート図である。第４図にお
いて水晶振動子等の時間標準からなる発振器１の
たとえば32KHzの信号を分周する電子回路として
MOSIC等からなる集積回路を用いた分周回路
２、分周回路でたとえば１Hzの信号を駆動回路３
で変換器４としてのモータを駆動するための波形
に整形し、コイル、ステータ、ロータ等からなる
モータを回転する。この回転を輪列５に伝え、時
針、分針、秒針、更には日車、曜車等からなる指
示部６で時刻表示を行う。ここまでは一般の周知
の水晶時計と同一である。外部操作部材７の操作
からの信号はタイマー８で比較され、分周回路２
をリセツトするか、あるいはアツプダウンカウン
ターへの作動準備待期をさせ、外部操作部材７か
らの信号により、駆動回路３へはカウントダウン
した信号が出される。本構成の作動を更に詳しく
述べると、外部操作部材として巻真三段目の位置
が、例えばタイマー８の設定時間の１秒より長い
１秒以上の長時間で通常の針合せの場合は、分周
回路２がリセツトされる。巻真三段目の位置が短
時間、例えば、１秒以下の時は、カウンター９に
作動準備信号を送つている。ここで再び巻真を針
合せ状態にした緒にカウンタ９は秒信号をカウン
タ開始する。時・分の針合せ終了後に巻真を三段
目から一段目に押込むとカウンタ９はカウントダ
ウンで分周回路の途中の信号を用いて、早送り信
号を駆動回路に送る。

第５図の具体的な回路図、第６図のタイムチヤ
ートで説明すると、発振部として水晶２２、Ｄタ
イプ−フリツプフロツプ（以下Ｆ・Ｆと略す）、
２３〜３０は1/2分周を行なう。スイツチ機構と
して規正レバーに連動又は一体のレバー３５とス
イツチピン３５、FFで構成されるチヤタリング
防止回路６２たとえば１秒のタイマー又はカウン
タ３７、回路リセツト信号合成ゲート３８、アツ
プダウンカウンタ４４をアツプする信号をつくる
ゲート３９，４１，４３，1/2分周のFF４０，
FF４０のリセツトとカウンタ４４のダウンを開
始させるゲート４６，４７，４８，４９，５０、
駆動波形整形のためのゲート及びインバータ５３
〜５７、コイル５９、ステータ６０、永久磁石か
らなるロータ６１を有している。

次に作動について説明する。

規正レバー３５がピン３６にタイマー３７の設
定時間たとえば１秒程度の短時間以上接した場合
は、タイマー３７はレバー３５のHIGH入力後１
秒間HIGHになり１秒後はLOW出力になる。この
時通常の時計と同様にゲート３８はHIGH出力を
出すので、ゲート３８′をHIGHにし分周段のFF
２６〜３０は回路時にリセツトされる。タイマが
作動中に出力信号が出ても輪列は規正されている
ので秒針は回転しない。規正解除後は、同方向の
出力信号では回転せず、反転信号で１秒後から正
確にスタートする。

次に巻真と連動する規正レバー３５とピン３６
の接触時間がタイマー３７の設定時間１秒よりも
短時間の場合はゲート３８の出力はLOWになり
回路をリセツトしない。しかしながらFF４０、
ゲート３９，４１により、短時間のレバー３５と
ピン３６の接触時間の場合にFF４０の出力を
HIGH信号にして次の規正レバー３５の動作を待
つ待期状態になつている。ここで再び規正レバー
３５がピン３６に接してHIGHになると、ゲート
４１の出力はHIGHになりゲート４３の１Hz信号
でアツプカウンター４４にカウント開始を命ず
る。この間分周段のFF３０はリセツトされてい
ないので信号をゲート５１に送り、モーター駆動
信号をコイル５９に送つているが、モータ又は輪
列が規正されているので秒針は送らない。この間
に外部操作部材により機械的に時針、分針を修正
し、例えば１時間の時差修正を行なう。再び規正
３５を解除すると、ゲート４２はFF４０をリセ
ツトするとともにゲート４６にHIGH信号を発生
する。ここでゲート４７，４８，４９でダウンカ
ウンターのダウンを開始する。既にアツプカウン
ターでは何秒信号の入力があつたかカウントする
ので、時、分合せに何秒かかつたのかカウント
し、ダウンカウンターはそのカウント数をFF２
８の16Hzでゲート４９から早くアウトプツトする
ので、カウント数だけ秒針を早送りすることにな
る。ダウンカウントがすべてLOWになると、ゲ
ート４９からの出力はなくなり、通常時のFF３
０からの出力の正常な秒針送りの時計になる。第
６図において、 期間ａ……通常の送り状態 〃 ａ……通常針合せにおける規正及び回路
リセツト状態 〃 ｂ……規正及びリセツト解除後の状態 〃 ｂ……単時間規正した状態 〃 ｃ……単時間規正後の待期状態 〃 ｃ……時・分合せ又は時差修正をしてい
る間時間を記憶している状態 〃 ａ……針押込み後の秒針早送りにより修
正に要した時間を補完している状態 〃 ａ……通常の運針の状態を示している。

本発明の巻真操作方式を更に複雑にして、たと
えば巻真の引出押込の操作を２回以上繰返した場
合のみ、秒針の停止時間がカウントされるように
回路構成をとることは容易である。

本願の構成によれば、巻真の軸方向の移動に連
動するスイツチ手段の入力継続時間の長短により
リセツト機能か時差修正機能かを選択できるよう
にするとともに、時差修正機能を選択するとき
は、巻真と連動するスイツチ手段の入力継続時間
がタイマーにより設定された時間より短いとき、
秒針が作動した状態で時差修正作動可能状態（待
期状態）設定を行い、再び入力が入つたとき秒針
を規正により停止させるとともに秒針が停止して
いる時間をカウンターによつて計数し、スイツチ
作動解除後カウンターの値に応じて早送り補充す
るよう構成したので以下の如き効果を有する。

ａ 時針、分針、秒針の各々の修正と、秒位置の
狂わない時差修正とがすべて１本の巻真で行な
われるので、アナログ時計のデザインがたいへ
んシンプルにでき、多機能にもかかわらず通常
の時計と何等かわりのない時計を提供できる。

ｂ 時差修正の操作として、巻真と連動するスイ
ツチ手段は短時間の入力動作によつて時差修正
作動可能状態を設定し、秒針が動いている状態
で再びスイツチ手段が入力されたときから秒針
を停止し、その停止時間を記憶するものであ
り、リセツト手段は巻真を移動すると秒針が１
秒後に直ちに停止してしまうものなので両者は
視覚的に明らかな違いがあり、利用者にとつて
自分が選択した手段の確認ができ、使い易い時
差修正装置付時計を提供できる。

ｃ 時差修正手段は時差修正作動設定入力と時差
修正作動用入力の２段階の入力方法としてある
ので、１回目の入力で時差修正可能状態である
ことを確認（秒が動きつづけている）したうえ
で、秒の最適位置（零秒位置）で時差修正作動
開始させることができ、使用者にとつて正確な
時差修正設定を行い易くしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常の実用時計の巻真操作方法の説明
図、第２図は従来の実施例にみられる一方式、第
３図は本発明による時差修正方式の一実施例の説
明図、第４図は本発明の一実施例を示すブロツク
図、第５図は第４図の回路例、第６図はタイミン
グチヤート図、 ７……外部操作部材、３５……規正レバー、３
６……ピン、３７……カウンタ又はタイマー、４
４……アツプダウンカウンタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水晶発振器、前記水晶発振器の出力を分周し
   て駆動周波数信号を得る分周器、前記駆動周波数
   信号により駆動されるステツプモーター、時針分
   針秒針を駆動する輪列、時刻修正を行う巻真、前
   記巻真の軸方向移動に連動して前記輪列を回転規
   制する規正レバー、前記規正レバーと連動して前
   記輪列規正時にリセツト動作するスイツチ手段を
   有する電子時計の修正装置において、前記スイツ
   チ手段に接続されスイツチ入力時に所定の基準時
   間信号を発生するタイマー回路、スイツチ入力信
   号と前記基準時間信号とを比較する手段、前記比
   較する手段からの信号により前記スイツチ入力時
   間が前記基準時間より長いか短かいかを記憶する
   記憶手段、前記スイツチ入力時間が前記基準時間
   より長いとき前記分周器のリセツト信号を出力す
   るリセツト回路、前記記憶手段の出力と前記分周
   器からの単位時間周期信号出力と前記スイツチ手
   段の出力を入力とし、前記記憶手段によつて前記
   スイツチ入力時間が前記基準時間信号より短かか
   つたことが記憶された状態で前記スイツチ手段が
   再度入力されたとき前記単位時間周期信号を通過
   させるゲート手段、前記ゲート手段からの単位時
   間周期信号を計数するとともに、前記スイツチ手
   段がオフされたとき前記計数値と同量の早送り信
   号を前記駆動回路に出力するカウンタ手段とから
   なる電子時計の修正装置。