JPS609228Y2 - 脱揮装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は重合体組成物から揮発性成分を除去するための
脱揮装置に関する。

多量の溶剤あるいはモノマー類その他不純物を含む重合
体組成物から、それらの揮発性成分を除去することは、
塊状重合法あるいは溶液重合法によって成形材料あるい
は押出板の製造プロセスにおいて重要な技術である。

従来、前記したような多量の揮発性成分を含む重合体組
成物から、揮発性成分を分離回収する方法として、重合
体組成物を高温に加熱した後、細孔等を通して減圧下に
維持された脱揮押出機のスクリューに直接吹きつける方
法が提案されている（特公昭５１−２９９１４号）。

前記の方法は、多量の揮発成分を含有する重合体組成物
から揮発性成分を除去する方法としてはすぐれているが
、重合体組成物によっては、重合体組成物を供給するベ
ント部において急激な揮発性成分による発泡が起り、そ
の結果重合体組成物の体積が増大し、発泡体の加熱、溶
融及び移送が困難であった。

本考案は、このような状況に鑑み検討した結果、脱揮押
出機に供給する重合体組成物の注入口を特定な位置に設
けることにより、上記の欠点が解消できることを見い出
し本考案を完成した。

すなわち、本考案の要旨とするところは、脱揮押出機を
用いて重合体組成物から揮発性成分を除去する脱揮装置
において脱揮押出機に、加熱、加圧されて圧入された重
合体組成物を該押出機のパレス内面に直接吹きつるけよ
うに、重合体組成物の注入口を設けてなる脱揮装置にあ
る。

本考案の特徴は、脱揮押出機よりなる脱揮装置で揮発性
成分を除去する際、第１ベント部に供給する重合体組成
物を脱揮押出機のバレル内面に直接吹きつけるように、
重合体組成物の注入口を該押出機に設けるものである。

以下、本考案を図面に基づいて詳しく説明する。

第１図は本考案に係る脱揮装置の１例を示す断面図であ
り、第２図は第１図に示した脱揮装置のＡ−Ａ’視要部
拡大断面図であり、また第３図は本考案の他の例を示す
要部拡大断面図である。

第１〜３図において、１はバレル、２はスクリュー、３
は重合体組成物の注入パイプ、４は第１ベント部、５は
第２ベント部、６はグイ、７は重合体組成物注入口、８
はスクリューフライトを示す。

本考案に係る脱揮装置の重合体組成物の注入ロアは第２
図に示すようにバレル１を貫通せしめて、重合体組成物
がバレル１の内面に直接吹きっけられるように設ける。

この注入ロアをバレル１に設ける方法としては本考案を
実施できる方法であれば特に限定されないが、例えば第
２図に示すようにバレル１の内面近くのみを斜めにして
、重合体組成物をバレル内面に直接吹きつけるようにす
るか、また第３図に示すように注入ロアをバレル１を斜
めにして貫通させるようにしてもよい。

しかし、本考案に係る脱揮装置においては、バレル内面
に重合体組成物を吹きつけさせる注入ロアの向きは、バ
レル内でスクリュー２が回転して、スクリューフライト
８が噴射される重合体組成物に当った際、重合体組成物
がスクリューフライト８の掻取り面に当る方向に設ける
必要がある。

このような方向に注入ロアを設けることにより、バレル
内面に向けて吹きつけられた重合体組成物をうまく掻取
り移送することができる。

本考案装置に設けられる注入ロアは１個でも可能である
が、必要に応じて２個以上の複数個設けてもよい。

またこの注入ロアの押出機に設ける位置は本考案をうま
〈実施できる位置であれば特に限定しないが、バレル内
面に吹きつけられて発泡分離した揮発性成分が該押出機
より除去できよろうに第１ベント部領域、好ましくは第
１ベント部領域のベントロの反対側付近のバレルに設け
るのがよい。

またベント部は減圧もしくは加圧下であってもよい。

バレル内面に設ける注入ロアの大きさは重合体組成物を
バレル内面に急速に吹きつけることができる大きさであ
れば特に限定されないが、注入ロアの大きさは例えば円
形の場合には内径１〜１ｏｒｒａｎ程度が好ましい。

また本考案の装置においては、図示してないが注入口は
スクリューに設けてもよい。

この場合、重合体組成物はスクリュー末端から注入され
、スクリュー軸に貫通された穴を通って流れた第１ベン
トゾーンにあるスクリュー軸からバレルに吹きつけられ
る。

バレルに設ける注入口の形状は特に限定なく、円形のほ
か正方形及びスリット状のものでもよい。

本考案の脱揮装置に供せられる重合体組成物としては１
５〜６唾量％の未反応モノマー、溶剤及び／又は副生成
物などの揮発成分を含むアルキル（メタ）アクリレート
類、スチレン、ブタジェン、イソプロピレン等のビニル
化合物の単独重合体又は共重合体よりなる組成分であっ
て、塊状重合又は溶液重合によって製造された組成分で
ある。

これらの重合体組成物は１８０〜２７０℃、１０〜１０
０ｋｇ／ａｌ！に加熱、加圧して注入口に供給する。

本考案の脱揮装置は一軸もしくは多軸において′も有効
に応用できる。

本考案の脱揮装置は第１ベント領域のみバレルに重合体
組成物を吹きつけることにより大部分の揮発性成分を除
去できるが、必要により、第２ベント領域を押出機の下
流に設けることができる。

以上の如き構造を有する本考案の脱揮装置はバレル内に
重合体組成物を直接吹きつけることにより、揮発分が効
率よく分離すると共に、発泡した重合体もバレルで溶融
してスクリュ一部にかきとられ、ベントアップすること
なしにうまく移送できるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例を示す脱揮装置の断面図、第２図
は第１図に示した脱揮装置のＡ−Ａ′視要部拡大断面図
、第３図は本考案の他の例を示す要部拡大断面図である
。 図において、１はバレル、２はスクリュー、３は重合体
組成物注入パイプ、４は第１ベント部１．５は第２ベン
ト部、６はグイ、７は重合体組成物注入口、８はスクリ
ューフライトを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱揮押出機を用いて重合体組成物から揮発性成分を除去
   する脱揮装置において、脱揮押出機に、加熱、加圧され
   て圧入された重合体組成物を該押出機のバレル内面に直
   接吹きつけるように、重合体組成物の注入口を設けてな
   る脱揮装置。