JPS609057B2 - 排煙脱硫石膏アスフアルト混合物の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は各種工場より副生される排煙脱硫石膏（以下排
脱石膏という）を焼成しないでそのま）２水石膏の形態
でアスファルトフィラーとして有効利用する技術に関す
るものである。

一般にアスファルト混合物に使用されるフイラー（微粒
充填剤）には、石灰岩又は火成岩等を粉砕した大部分が
０．０７４側節を通過する非塑性の鉱物質微粉末が使用
され、粗細骨材の間隙を充填するポィドフイラーとして
の働きと、フィラ−とアスファルトが一体となって働き
その性質を改善するスチフナーとしての働きがあり、そ
の使用量こそ少ないがアスファルト混合物にとっては欠
く事のできない材料で、アスファルトの安定性則ち強度
及び衝撃対抗性を増加させ、又その伸長性、粘着性を損
わず感温性を４・さくし、低温時における脆弱化や老化
現象を防止する等の効果を有する。

しかし乍ら上記フイラーは前記したように極めて４・さ
し・鉱物質微粉末でなければならないから、天然には得
難く、石灰岩や火成岩等を麓微粉砕機やチューブミル等
を利用して微粉末となし、節掛け等手数をかけて使用し
なければならず、この為アスファルト混合物がコスト高
となる欠点があった。本発明者等は上記の欠点を解決除
去すると共に、排脱石膏を有効に活用し、経済的でしか
も耐久性、安定性、施工性にも優れたアスファルト混合
物及びその製造方法を提供する事を目的として鋭意研究
を重ね、本発明に到達したものである。

従来の９Ｆ脱石膏の研究では、創生された状態（２水石
膏）の中に含まれている水分を除去することから始めら
れ、２水石膏を焼成する工程を経て半水石膏の状態に置
き換えてから各方面への利用方法が論じられていた。し
かし本発明はこれらのものとは全く異なり、２水石膏に
含まれている水分を有効に利用しようとの方向で研究を
行ったものである。次に実施例を挙げて本発明を更に詳
細に説明する。

則ら、１６０ｑｏに加熱した骨材９１．２重量部と２水
石膏２．８重量部を約５秒間ドライミキシングしたもの
と、１５５ｏ０に加熱したアスファルト６重量部とを約
５硯砂間ウェットミキシングすることにより２水石膏を
フィラ−として使用したアスファルト混合物を得る。

尚、上記実施例以外にも種々の実施例が考えられるが、
いずれの場合も２水石膏／アスファルトの重量比は０．
５未満である事が必要である。

一般にアスファルトにフィラーを混入すると、フィラー
効果によって粘度及び軟化点は高くなり、逆に針入度は
低くなる性質を持っている。例えばフィラ−として石灰
石粉末と２水石膏を用いて別々に混合割合を変えてアス
ファルトに混合し、そのフィラー効果を比較した場合も
上記と同様な性質を示すが、その際２水石膏の効果は石
灰石粉末のそれと比較して２〜３倍も大きい事が確認さ
れている。この事実は、２水石膏を用いて粘度を同じに
する為には、アスファルトの温度を高くして混合しない
と同じ混合状態にならない性質を示すものであり、一方
あまり温度を上昇させるとアスファルト自体の劣化を招
く恐れがある。通常のアスファルト混合物の石灰石粉末
／アスファルトの重量比は１．５以下であるが以上の様
な事実から２水石膏／アスファルトの重量比は０．５未
満に抑える必要が生じたものである。本発明ではアスフ
ァルトの温度を通常のま・で、尚かつ混合状態が損われ
ない様にする為に加熱された骨材の熱と２水石膏に含ま
れている水分とがアスファルトプラントのミキサー内で
混合されて水蒸気となり、その雰囲気中に加熱されたア
スファルトを放出した時に無数の泡が生じ、このことに
よってアスファルトの粘度を一時的に低減させる作用を
利用してアスファルト混合物を製造するものである。即
ち、泡を発生せしめる水分が存在する事が必要な条件で
あるので、排脱石膏を２水石膏の形態でアスファルトフ
ィラ−として使用することによってこの効果を発揮させ
る事が可能となる。また本発明のもう一つの特徴は２水
石膏のフィラ−効果を充分発揮させることができればフ
ィラー／アスファルトの重量比が通常のフィラー（石灰
石粉末）使用の場合よりも相当下げることが可能となり
、同一有効空隙率においてアスファルトの使用量を増大
させる事ができる点にある。このことからも２水石膏／
アスファルトの重量比が０．５未満で充分にそのフイラ
ー効果を満足することも確認されている。これらのこと
からアスファルト量を増大し、混合物の耐久性等を著し
く改善することができる。

この製造方法によるとフィラーとしての２水石膏は、半
水石膏及び無水石膏を使用する方法に比べて、排脱石膏
をそのままの形態で使用できるので焼成工程が省げ、従
って製造工程が著しく簡略化され、経済性においても優
れている有益なる発明である。又、上記の加熱による製
造方法によれば製造工程で２水石膏に含まれている水分
の蒸発が進み、得られたアスファルト混合物の残留水分
が０．０５％以下の好条件下におさまるので物性上も優
れたアスファルト混合物を得ることができる。

このことと組成の面から見れば、２水石膏／アスファル
トの重量比が０．５未満という小さな値であるので、石
膏の粒子をアスファルトが全面にコーティングし、石膏
とアスファルトが安定した状態を保ってその機能を発揮
しているとえる。

尚下表は上記実施例に使用した２水石膏の物理的性状、
化学的性状、並びにＯＡＣ（最適アスファルト量）時の
アスファルト混合物の性状と、従釆使用されているフィ
ラーの物理的性状、化学的性状、並びにＯＡＣ時のアス
ファルト混合物の性状との比較表である。表１ フイラ
−の物理的性状 表２ フイラ−の化学的性状像） 表３ アスファルト混合物の性状 上記実施例を考察する時、２水石膏の含水率が従来使用
されてきた石粉に比較して極めて大であり、アスファル
ト混合物のフイラーとしては不適格であると思われ乍ら
、２水石膏をフィラ−として使用したアスファルト混合
物の性状が従来の石粉を使用したアスファルト混合物の
性状に比し可成り勝り、特に安定度に於て優れているも
のは、ミキシング時のフオームドアスフアルト的作用に
起因するものと考えられる。

フオームアスフアルト工法は米国に於て開発されたもの
で、アスファルト混合物を造る際に加熱アスファルトを
水素気存在の下に泡状にして噴射混合する工法であり、
泡状になったアスファルトは非常に粘度が低くなると共
に附着力が増大して、普通アスファルトでは混合しにく
い紬粒骨村や土壌に対しても良く鯵透被覆し、又少々湿
った骨村にも附着し、しかも泡状アスファルトの粘性の
低下即ら鰍質化は一時的であって、混合、運搬、敷き均
し、締固め、冷却菱性等各作業過程でアスファルト中に
形成された泡は次第に消去し、後に残ったアスファルト
は泡化しない前のアスファルトの性質に戻るという特性
を有するが、上記実施例に於ては２水石膏の形態の８Ｅ
脱石膏が加熱されたアスファルトと混合されて附着水等
を放出し、放出された水が蒸気となって混合物内に無数
の泡を生じ、上記フオームドアスフアルト工法と同機の
効果を得ることができたものと考えられる。

本発明では、排煙脱硫石膏によるフオームド効果を利用
してアスファルトとフィラーの均一的混合を達成し、従
ってアスファルト混合物の製造方法の安定性を高め、し
かも同一有効空隙率においてアスファルトの混合比を増
加させたものであるから、冬期における耐摩耗性あるい
はタイヤチェーンなどに対する抵抗性等に優れた効果を
有し、また供給過剰に困っていた排脱２水石膏の大量有
効利用にも役立ち、その上低コストのアスファルト混合
物を提供できる等極めて有益な発明である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 加熱した骨材と、排煙脱硫石膏を焼成しない２水石
   膏の状態でドライミキシングしたものと、加熱したアス
   フアルトとをウエツトミキシングしてアスフアルト混合
   物を得るに際し、前記２水石膏とアスフアルトの重量比
   が０．５未満である事を特徴とする排煙脱硫石膏アスフ
   アルト混合物の製造方法。