JP3839203B2 - 舗装用アスファルト混合物、その添加剤及びその施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路等の舗装に使用するためのアスファルト混合物を、特により低い温度で製造することができ、舗装現場で良好な施工性を有するアスファルト混合物、その添加剤、及びその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路等の舗装に使用するアスファルト混合物は、そのバインダーとしてアスファルトが使用され、加熱して砕石、砂利等の他の材料と混合して製造されるが、このアスファルト混合物を製造施工する時には粘度が低く十分に混合、締め固めできる必要があり、一方、施工後は温度の低下により高粘性となり、砕石その他の材料を強固に結合するいわゆるバインダーとしての性質を有する必要がある。このアスファルトの粘度は温度によって大きく変化することから、使用する材料や施工方法等によって適切な材料の混合性或いは適切な締め固め性が得られるようにアスファルトの種類と混合時及び施工時の温度条件を選択する必要がある。例えば、一般的なストレートアスファルトを使用したアスファルト混合物の混合温度は160℃前後、施工温度は110℃〜150℃程度であり、改質アスファルト(改質II型)を使用したアスファルト混合物の混合温度は180℃程度、施工温度は170℃〜140℃程度であり、排水性舗装用のアスファルト混合物の場合には、それは混合温度は180℃程度、施工温度は170℃〜140℃程度である。
【0003】
このように舗装用アスファルト混合物の製造及び施工における適切な温度条件は使用するアスファルトの粘度特性によって変化し、製造時の良好な混合性及び施工現場での良好な締め固め等の施工性を発揮するためには、製造時の混合温度或いは施工時のローラ転圧等による締め固め温度を厳密に管理することが重要である。また、このアスファルトは加熱により劣化を起こしやすく、これを避けるためにはできるだけ低温で製造・施工できることが好ましい。
また、近年、地球環境の保護、地球の温暖化防止のために地球温暖化防止条約が締結され、炭酸ガスの排出削減の合意が為され、炭酸ガスの排出量を削減することが各産業の大きな課題となっている。我が国における全産業の炭酸ガス排出量のうち土木事業・建設事業のそれが約23%を占めるともいわれ、土木事業のうちの道路舗装に関連する炭酸ガス排出量が約25%とかなりの割合を占めるといわれている。道路舗装等においては、加熱アスファルト混合物の製造に重油が使用され、その使用量は加熱温度と使用する骨材等の含水量によって変化する。従って、道路舗装における炭酸ガスの排出量を削減するためには、できるだけ含水量の少ない材料を使用するとともに、アスファルト混合物の加熱温度を低下することが有効な手段となる。
【0004】
更に、道路舗装等におけるアスファルト混合物の加熱温度を低下させることは省エネルギーとしても有効であり、また道路舗装においては交通を遮断又は規制して行なうことが多く、このような施工温度の低温化は、早期に交通開放することを可能にするという利点も有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアスファルト混合物の材料の混合温度、舗装施工時の温度を下げる試みは従来から種々行われており、混合時の温度を30℃程度下げることを目標にしたものが多く、いわゆる中温化技術といわれている。このような混合温度や施工温度を低下させることはそのままではアスファルトの大幅な粘度の上昇をもたらし、アスファルトと骨材等の材料との混合が困難となるため、アスファルトの粘度の上昇を防止したり、或いは流動性を高めることが必要となり、種々の検討が行われている。
【0006】
このような従来の中温化技術としては、例えば、加熱アスファルトに少量の水を加え、アスファルトの熱によって添加された水が急激に気化してアスファルトを泡状化し、アスファルトの粘性を低下させる方法がある。この方法は、アスファルトの温度の低下と共に水蒸気による泡が急速に消失し、気泡の持続性が不十分という問題がある。このようないわゆるフォームドアスファルト工法では、発泡量及び泡の持続時間がまだ十分なものが得られておらず、より高い発泡量でかつ気泡が長時間にわたって持続するものが求められている。
また、他の方法として、アスファルトに特殊な乳化剤を添加し、エマルジョン状態としてより低い温度で骨材等と混合する方法がある。この方法は、特殊な添加剤を使用するため原料コストが上昇すると共に、施工温度や施工性の更なる改良が必要とされている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み、前記フォームドアスファルト法において、更に優れた発泡能力と気泡の持続性を有する添加剤について鋭意研究し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤;並びにアルカリ土類水酸化物から選ばれる発泡助剤とを含有する舗装用アスファルト混合物用添加剤である。
【0009】
また、本発明は、アスファルト及び骨材を必須成分とするアスファルト混合物に;1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤;並びにアルカリ土類水酸化物から選ばれる発泡助剤とを添加してなる舗装用アスファルト混合物である。
【0010】
更に、本発明は、アスファルト及び骨材を必須成分とするアスファルト混合物を、1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤、並びにアルカリ土類水酸化物から選ばれる発泡助剤とを添加して発泡アスファルト混合物を形成せしめ、これを路面に敷き均しし、締め固めを行なうことを特徴とするアスファルト舗装の施工方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
舗装用アスファルト混合物は、一般的にバインダーであるアスファルトと砕石、砂利等からなる骨材その他の材料からなる。
本発明で使用することができるアスファルトとしては、石油アスファルトのうち針入度40〜120程度のストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、石油アスファルトにゴム・エラストマーなどの改質剤を加えた改質アスファルト、排水性舗装用高粘度アスファルト、脱色バインダー等が使用することができる。また、アスファルト混合物を破砕したアスファルト再生骨材を使用した再生アスファルト混合物にも適用することができる。再生アスファルト混合物は資源の有効利用とリサイクルの点から有意義である。
【0012】
本発明に使用する骨材は、砕石、砂利、スラグ等の粗骨材;川砂、山砂、砕砂等の細骨材;石粉等のフィラーである。骨材の大きさは種々のものがあり、一般的に2.5mmふるいに止まるものを粗骨材、2.5mmふるいを通過するものを細骨材と分類され、舗装体の必要強度、表層使用か基層使用かという使用する舗装体の部位、透水性の要否等によって適宜選択して使用する。
【0013】
このようなアスファルトと骨材、その他の材料を混合したものをアスファルト混合物と呼ぶが、使用する骨材の大きさにより粗粒度アスファルトコンクリート、密粒度アスファルトコンクリート、細粒度アスファルトコンクリート、開粒度アスファルトコンクリート、密粒度ギャップアスファルトコンクリート、細粒度ギャップアスファルトコンクリート等と呼ばれる。また、その他に砕石マスチック混合物、ロールドアスファルト混合物、排水性アスファルト混合物などと呼ばれるものにも使用できる。
【0014】
本発明においては、アスファルト混合物を発泡させ、得られた気泡を持続させるために、特定の有機発泡剤及び発泡助剤を使用する。
本発明に使用する有機発泡剤は、1,1’−アゾビスホルムアミド(以下「ABFA」と略記する)、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(以下「DPT」と略記する)、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド){以下「OBSH」と略記する}から成る群から選ばれる化合物を有効成分として含むものである。これらの化合物は、いずれも加熱すると160℃〜210℃で分解し、窒素ガスを発生し、この窒素ガスによって気泡を形成することができるものである。また、これらの有機発泡剤に、脂肪酸金属塩、酸化亜鉛等の金属酸化物、尿素系化合物等の分解温度調整剤を併用して、その分解温度を広範囲に低温への調節が可能である。本発明のアスファルト混合物に使用する場合には、アスファルトの混合時の温度近傍に分解温度を調節したものを使用することが好ましい。これらの有機発泡剤の中ではその発泡特性からABFA系発泡剤が最も好ましい。
【0015】
本発明では、前記有機発泡剤とともに、発泡助剤としてアルカリ土類水酸化物を使用する。アルカリ土類水酸化物のうちでも、水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムが好ましい。発泡助剤はアルカリ土類水酸化物単独でも有効であるが、これに更に、発泡助剤として炭素数14〜18の飽和脂肪酸、例えばステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸を併用して使用することが好ましい。これらの発泡助剤を使用することによってアスファルト中での発泡能力を著しく増強することができると共に、発生した気泡を長時間にわたって安定にアスファルト中に保持することができる。これらの発泡助剤のうちでは、水酸化カルシウムが最も泡立ちの増強効果と発生した気泡の安定性に優れ、発生した気泡を長時間にわたって安定にアスファルト混合物の中に保持することができる。更に、これらの発泡助剤に加えて、発泡剤の添加初期の発泡の立ち上がりを良くするために炭酸カルシウムを加えることができる。
【0016】
本発明の舗装用アスファルト混合物においては、有機発泡剤をアスファルトに対して0.5〜4.0重量%の割合で添加して使用する。
また、本発明においては、前記有機発泡剤とともに発泡助剤を使用するが、発泡助剤の使用量は、有機発泡剤100に対して重量比で約10から約500の割合で使用すると良い。
【0017】
本発明の方法によれば、アスファルトを所定の温度に加熱し、同様に加熱した砕石等の骨材その他の材料とともに、前記有機発泡剤と発泡助剤をこれに添加し、その温度を維持しつつこれらをミキサー等で混合して、アスファルト混合物とする。この時に、この加熱温度においてアスファルトの発泡が始まり、このために短時間でアスファルトの容積が200%から600%程度まで増加し、気泡の混入したアスファルト混合物が得られる。これは当初のアスファルトの容積の数倍の容積の微細な気泡を含むため、粘度が低く流動性が良好であるので、ミキサー等で混合して容易に骨材その他の材料と均一に混合することができ、アスファルトを骨材等の表面を十分に被覆するように混合することができる。このようにして加熱されたアスファルト混合物を必要に応じてトラック等で施工現場に運搬し、敷きならしを行ない、所定の温度でロードローラー等で締め固めを行って舗装体を形成する。
前記有機発泡剤及び発泡助剤は、アスファルトと骨材等を加熱混合するアスファルト混合物の製造時に全量を一度に添加しても良いが、アスファルト混合物の製造時に一定量、例えば全使用量の半分程度を添加し、残量を一定時間毎に分割して添加する方法でも良い。
【0018】
この場合に、アスファルトの混合温度と締め固め温度が重要であるが、たとえばストレートアスファルト60/80の場合には、従来の方法では混合温度が160℃前後、締め固め温度が140℃前後であったものが、本発明の方法ではそれぞれ130℃前後、110℃前後となり、改質アスファルト(改質II型)の場合には、従来の方法では混合温度が180℃前後、締め固め温度が160℃前後であったものが、本発明の方法ではそれぞれ150℃前後、130℃前後となり、混合温度で約30℃、締め固め温度で約30℃の低い温度で行うことが可能となる。
【0019】
本発明の方法によれば、発泡によってアスファルトの容積が200%から600%程度まで増加し、この気泡は混合時から3時間以上も安定にアスファルト中に保持できるので、例えばある製造プラントで発泡したアスファルト混合物の製造を行い、これを運搬時間が2時間程度もかかるかなり長い距離離れた舗装工事の現場までダンプカー等で運搬することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。尚、実施例中、%、部とあるのは特に別の記載のない限り重量基準である。
【0020】
【実施例】
実施例1:
アスファルトとして改質アスファルトを使用し、舗装工事に準拠して以下のようにしてアスファルトの発泡試験を行ない、発泡剤を評価した。
【0021】
(試験条件)
アスファルト:改質II型、(メーカー推奨最適混合温度178℃)
加熱温度 :150℃
有機発泡剤 :ABFA系発泡剤
発泡助剤 :下記表1に記載のもの
【0022】
(試験方法)
一定量のアスファルトを目盛り付き容器に入れ、150℃に加熱する。これにアスファルトに対して1.5%の有機発泡剤及び、発泡助剤等の添加剤として表1に示すものを表1に示す割合となるように加え、1分間150℃で混合し、150℃の恒温槽内に静置する。アスファルトは混合と同時に発泡をはじめるので、一定時間毎のその容積を測定し、発泡倍率(アスファルト容積)を次の式によって求めた。
【0023】
【数1】
【0024】
これらの発泡試験の結果を表2に、またグラフに表わしたものを図1に示す
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
アスファルト混合物の製造においては、アスファルトの骨材等との十分な混合と骨材への被覆を達するためには、発泡によって増加したアスファルト容積(発泡倍率)が200%以上、好ましくは300%以上必要である。
上記の結果から分かるように、発泡助剤として水酸化カルシウム又はこれとステアリン酸の混合物を使用したものは短時間で急速に発泡し、アスファルト容積も400%以上となり、かつこの状態を180分以上という長時間にわたっても維持することができ、極めて優れた発泡性能を示す。これに炭酸カルシウムを加えたものも特に発泡初期において優れた発泡性を有する。これに対して、ステアリン酸のみ、炭酸カルシウムのみ、又はこれらの混合物を発泡助剤に使用した場合はほとんど発泡効果がが得られず、発泡も短時間で消滅する。
【0028】
実施例2:
有機発泡剤に対する発泡助剤の配合割合を変えて、実施例1と同様にして発泡試験を行ない評価した。
【0029】
(試験方法)
一定量のアスファルトを目盛り付き容器に入れ、150℃に加熱する。これに1.5%の有機発泡剤と、この有機発泡剤に対して表3に記載の各種の割合の発泡助剤を添加し、実施例1と同様に1分間150℃で混合し、150℃の恒温槽内に静置し、一定時間毎のその容積を測定し、発泡倍率(アスファルト容積)を求めた。
これらの結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
上記の発泡試験の結果から明らかなように、有機発泡剤のみでは十分な発泡が得られないが、発泡助剤として水酸化カルシウムを加えたものはいずれも良好な発泡性を示し、特に、発泡剤100に対して重量比で50以上の割合で使用した場合は発泡倍率が300%以上の優れた発泡性能を示し、かつこの発泡状態を180分以上にわたって持続させることができる。
【0032】
実施例3:
仕様するアスファルトの種類を変えて、実施例1と同様にして発泡試験を行ない評価した。
(試験条件)
アスファルト:表4に示す
加熱温度 :150℃
有機発泡剤 :ABFA系発泡剤
発泡助剤 :水酸化カルシウム、ステアリン酸、及び炭酸カルシウムの1:1:1の混合物
【0033】
(試験方法)
各種アスファルトの一定量を目盛り付き容器に入れ、150℃に加熱する。これに1.5%の有機発泡剤と、この有機発泡剤に対して重量で3倍の発泡助剤を添加し、実施例1と同様に1分間150℃で混合し、150℃の恒温槽内に静置し、一定時間毎のその容積を測定し、発泡倍率(アスファルト容積)を求めた。
これらの結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
これらの結果から、バインダであるアスファルトの種類が変わっても、何れも優れた発泡性とその持続性を有する。
【0036】
実施例4:
以下の条件及び方法により、実際の道路での現場舗装試験を行うことによって、本発明を評価した。
【0037】
▲1▼供試材料:
【0038】
▲2▼アスファルト混合物の調製:
前記アスファルト5.4重量部と骨材94.6重量部を用い、中温化添加剤を使用する場合はアスファルトに対して更に5.0重量%の割合で使用して、これらを混合し、下記の表5に示す3種類のアスファルト混合物(密粒度アスファルト・13)を調製した。
【0039】
【表5】
【0040】
▲3▼試験施工条件及び施工方法:
幅3.5m、長さ60mの試験施工ヤードに、下記の表6に示す施工条件で標準混合物、温度低減混合物、及び中温化混合物をそれぞれ20mの長さで試験舗装した。尚、施工は以下の方法によって行なった。
(イ) 標準混合物
ミキサーから排出された混合物をダンプトラックに積み込み、混合物の温度を表6の管理温度としたものを施工箇所に運搬し、次いでアスファルトフィニシャーにより1.5m/分で速やかに敷均しを行ない、次いでマカダムローラー(8トン級)の2往復による初期転圧、及びタイヤローラー(15トン級)の3往復による2次転圧により舗設を行なった。各工程での温度の測定は熱電対を埋設して行なった。
(ロ) 温度低減混合物、中温化混合物
ミキサーから排出された混合物をダンプトラックに積み込み、シートで約1時間放置した(ダンプによる運搬を想定した)。この加熱混合物をショベルに受け、温度測定を行ない、表6の管理温度としたものをそれぞれの施工箇所に運搬し、その後は(イ) と同様に敷均し、初期転圧、2次転圧により舗設を行なった。
【0041】
【表6】
【0042】
▲4▼現場施工品の評価
(イ) ホイールトラッキング試験
3種類のアスファルト混合物を用いて施工した施工現場から切り取った供試体について、その耐流動性(轍ぼれ)を評価するために、以下のようにしてホイールトラッキング試験を行なった。即ち、30cm×30cm×5cmの前記供試体上を70kgfに荷重調整をした小型のゴム車輪を42回/分で60分間往復させ、この時の45分から60分の間の圧密による変形量を測定し、動的安定度を求めた。これらの結果を表7に示す。
尚、動的安定度は下記の式によって求めた。
【0043】
【数2】
【0044】
ただし、
d60 :試験開始60分後の変位量(mm)
d45 :試験開始45分後の変位量(mm)
15 :15分
42 :1分間のタイヤの走行回数(回)
【0045】
【表7】
【0046】
(ロ)供試体(コア)密度と締め固め度
同様に前記3種類のアスファルト混合物を用いて施工した施工現場から切り取った6個の供試体について、そのコア密度を測定し、その平均値と基準品の密度との比較から、これらの締め固め度を求めた。尚、締固め度は下記の式によって求めた。
【0047】
【数3】
【0048】
但し、
これらの結果を表8に示す。
【0049】
【表8】
【0050】
アスファルト舗装においては締め固め度が96.0%が必要とされているが、温度低下混合物では十分な締め固め度が得られない。これに対して、中温化混合物を使用した場合は、混合温度、施工温度を低くしたにもかかわらず、標準混合物と同等の締め固め度が得られる。
【0051】
(ハ) 交通開放時間
各アスファルト混合物を使用した施工箇所の中心部に、埋設深さ5mmの位置に熱電対を埋め込み、施工時からの経時的な温度変化を測定した。その結果を図2に示す。
この温度が50℃以下になれば交通開放が可能となるが、この結果から分かるように、本発明の中温化混合物では標準混合物に比べて約90分早く交通開放が可能となった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、従来行われているアスファルト舗装において、アスファルト混合物の混合時の温度と舗装施工時の温度を約30℃下げることが出来、このように低温化しても従来のアスファルト舗装と同等のものが得られる。このように低温化することによって、道路等の舗装時の二酸化炭素の排出を削減することができ、省エネルギー効果もある。また、低温で施工できるため、従来の方法に比べて短い時間で強度が得られて、早期の道路の通行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1の発泡試験の結果を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例4のアスファルト舗装の舗装部の温度変化を示すグラフである。
Claims (9)
- アスファルト及び骨材を必須成分とするアスファルト混合物に;1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤;並びに水酸化カルシウムからなる発泡助剤とを添加してなる舗装用アスファルト混合物。
- 有機発泡剤の添加量が、アスファルトに対して0.5〜4.0重量%である請求項1記載の舗装用アスファルト混合物。
- 発泡助剤の添加量が、重量比で有機発泡剤100に対して10〜500である請求項1又は2記載の舗装用アスファルト混合物。
- 発泡助剤として、更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸のいずれかを含むものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の舗装用アスファルト混合物。
- 1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤;並びに水酸化カルシウムからなる発泡助剤とを含有する舗装用アスファルト混合物用添加剤。
- 発泡助剤の添加量が、重量比で有機発泡剤100に対して10〜500である請求項5記載の舗装用アスファルト混合物用添加剤。
- 発泡助剤として、更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸のいずれかを含むものである請求項5又は6に記載の舗装用アスファルト混合物用添加剤。
- アスファルト及び骨材を必須成分とするアスファルト混合物に、1,1’−アゾビスホルムアミド、N、N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、及び4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)から成る群から選ばれる有機発泡剤、並びに水酸化カルシウムからなる発泡助剤とを添加して発泡アスファルト混合物を形成せしめ、これを路面に敷き均しし、締め固めを行なうことを特徴とするアスファルト舗装の施工方法。
- 発泡助剤として、更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸のいずれかを含むものである請求項8記載のアスファルト舗装の施工方法。
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