JPS60527B2 - 飛出し付勢されたプランジヤの組付装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は常に飛出し方向に付勢されているプランジャの
付勢力を容易に抑止且つ解放させる絹付装置に関する。

従来、飛出し付勢状態で用いられるプランジャは分解し
て飛出し付勢力を除去して運搬するか又は容器内に押し
込めて運搬し、他の機器に装着する際にはプランジャを
人手で押し込めた状態を保持しながら行っているが、例
えばエンジン用タイミングチェーンのテンシヨナーのよ
うに、エンジン組立の最終工程においてエンジンケース
の外部よりテンショナーをエンジンに組付ける際には、
テンショナー本体をエンジンケースに挿着したのちにお
いてプランジャの飛出し付勢力の阻止を解除しなければ
ならないので、前記従来の装着操作ではエンジンへのテ
ンショナー組付は困難である。テンショナーは第１図に
示すようにテンショナー本体１に両端開口のプランジャ
室２を貴設し、該プランジャ室２の一端関口内周にバネ
圧縮用ネジ３を刻設し、プランジヤ室２内に回動不能で
鞄方向に沼動自在にプランジャ４を装入し該プランジャ
４の母線方向一部周面に形成した平面部に円周方向の多
数の係止歯５を刻設するとともに、該係止歯５に係止し
てプランジヤ４の飛出し方向への摺動を許すようにスプ
リング６で係止方向に付勢され且つしプランジャ４の押
し込め方向、すなわち飛出し方向の反対方向への摺動を
阻止する爪部材７をテンショナー本体１に枢支し、プラ
ンジャ４の飛出し先端にはタイミングチェーン（図示せ
ず）に押接してタイミングチェーンに一定の張力を与え
るテンショナーシュ−（図示せず）が取付けられており
、プランジャ４の軸方向に穿設した有底円孔８内に該孔
の長さよりも長大な付勢バネとしてコイルバネ９を袋入
し、ガスケット１０を介して前記バネ圧縮用ネジ３に螺
合するネジ部分１１を有するボルト１２をテンショナー
本体１に螺着して、前記コイルバネ９をプランジャ４と
ボルト１２の間に圧縮状態でプランジャ室２内に封入す
る。したがって、プランジヤ４は圧縮状態にあるコイル
バネ９によって常にプランジャ室２より飛出する方向に
付勢されており、プランジャ４の飛出しを人手等によっ
て押えておかなければプランジヤはコイルバネ９によっ
てプランジャ室２外へ飛出してプランジャ室２より離脱
して了う。したがってＬ前述のようにエンジンケース内
に取付けられたタイミングチェーンへの絹付けは困難に
なる。特にオートバイのエンジンにはエンジン組立て後
にエンジンケース外よりテンショナーを挿着するもので
あるから、プランジャの飛出しを抑止しなければ挿着不
能である。そこで、テンショナーの紙付けを容易にする
ため次の提案がなされている。‘１）先づ、第１図に矢
印方向で示すようにプランジャ４を装入したテンショナ
ー本体１のみをエンジンケースＥに挿着してテンショブ
ーシューをチェーンに当接し、次にコイルバネを装入し
てボルト１２をテンショナー本体１に螺着しコイルバネ
９を圧縮してプランジャ４を飛出し方向に付勢して前記
テンショナーシューをチェーンに押嬢せしめる紐付方法
。

（２｝ 第２図に要部を示すようにプランジャ４に側方
ピン１３を突設し、該ピン１３に係脱するフック１４を
テンショナ−本体１に回動自在に枢着し、該フック１４
を側方ピン１３に係止してプランジャ４の飛出しを防止
した状態でエンジンケース則こ挿着し、タイミングチェ
ーンのバタッキ振動によってプランジヤ４が矢印イ方向
に後退することにより側方ピン１３はフック１４のテー
パカム面１５を押下げて側方ピン１３より外され、プラ
ンジヤ４はコイルバネ９の付勢力により飛出し、タイミ
ングチェーンを押接して該チェーンに一定の張力を与え
る手段。

‘３ｌ 第３図に示すように、テンショナー本体１にプ
ランジャ室２に貫通する螺孔を設けて該螺孔にボルト１
６を螺入してプランジャ４を押圧綿着させてプランジャ
４の飛出しを防止し、粗付後において該ボルト１６を螺
脱することによりプランジャ４の飛出しを解除する手段
。■ 第４図に示すように、テンショナー本体１に設け
た爪部村７の回動を阻止するストッパ１７を爪部材後部
に挿入して、プランジヤ４が飛出さないように爪部材７
を係止歯５に起立係止させ、組付後にストッバ１７を外
してプランジャ４の飛出しを可能にする組付手段。

しかし、前記｛１｝の方法はテンショナー本体を縄付後
にボルト量２をバネ９の力に抗して圧縮しながらテンシ
ョナー本体のバネ圧縮用ネジ３に螺着させねばならぬの
で、ボルトのネジ部１１をテンショナー本体のバネ圧縮
用ネジ３との螺着位置に合せる作業がバネ９の圧縮反力
に妨げられて容易に行えない。

また前記【２ーの手段はプランジャ４と共に側方ピン１
３がエンジンケースＥに挿入されるので「エンジン側に
側方ピン１３の挿入空間を必要として設計の自由度を制
限し且つ余分の空間を確保しなければならず、更に重要
なことはテンショナ−本体挿着後にチェーンの振動によ
ってフック１４が側方ピン１３より外れたか否かの確認
ができない欠点があり、外れない場合はタイミングチェ
ーンに所定の張力が付与されないで、チェーンを懸回し
ているスプロケットホィールより該チェーンが噛みはず
れるおそれがあり、きわめて信頼性に乏しい。更にまた
前記｛８｝の手段はテンショナ−本体１をエンジンケー
スＥに挿着後にボルト１６を螺脱しなければならないの
で、少くともボルト長に相当するボルト引抜き空間を余
分に確保しなければならぬ欠点があるばかりでなく、プ
ランジャ４の飛出し付勢力を抑止する力がプランジヤの
側面より作用するため極めて弱く、テンショナーに用い
られるコイルバネはその弾性が大であることが一般であ
るから、確実にプランジャ４の飛出しを抑止することは
困難であり確実性に乏しい。前記｛４｝の手段は組立後
のエンジンケースＢ内に手又は道具を入れることができ
ないのでテンショナー本体をエンジンケースに挿着後、
ストッパー７を外すことは不可能である。上述の如く、
夫々提案は信頼性および挿着作業の困難性等の点‘こお
いて多くの問題点を含んでいる。

本発明は従来の欠点を除去し上記提案の問題点を解決し
、運搬および挿着が簡便で組付操作が容易且つ確実な飛
出し付勢されたプランジャの粗付装置であって、以下そ
の実施例をエンジンケースに挿着されるタイミングチェ
ーンテンショナーについて第１〜４図記載のものと同一
の構成は同一の符号を用いて説明すると、第５図ａ，ｂ
，ｃおよびｄは本発明の第１実施例であって、ボルト１
２には図ａに示すようにバネ圧縮用ネジ３に螺入するネ
ジ部分１１のほかに該ネジ部分ｉｌの逆ネジ部分２０、
すなわちネジ部分１１が右ネジの場合は逆ネジ部分２０
は左ネジ、ネジ部分１１が左ネジの場合は逆ネジ部分２
川ま右ネジが刻設され、またプランジヤ４の有底孔８の
関口端部内周には図ｂに示すように前記逆ネジ部分２０
が螺入するプランジャ飛出し防止ネジ２１が刻設されて
いる。

したがって、バネ圧縮用ネジ３とプランジャ飛出し防止
ネジ２１とは相互に逆ネジである。そこで先づ図ｃの如
くエンジンケースＥにテンショナー本体１を挿着する前
にプランジヤ４の飛出しを押え乍らテンショナ−本体１
のバネ圧縮用ネジ３にボルトのネジ部分１１を螺合し、
ボルトの逆ネジ部分２０がプランジャ４に刻設したプラ
ンジャ飛出し防止ネジ２１に押接した時点においてボル
ト１２を逆回動させると、ボルト１２はテンショナー本
体１に対して螺脱方向に移動するが、一方逆ネジ部分２
０は回動不能のプランジャのプランジャ飛出し防止ネジ
２１に螺入してプランジャ４とボルト１２とはコイルバ
ネ９を圧縮封入した状態において締結一体化される。し
たがってプランジャ４とボルト１２との締結後はプラン
ジャ４の飛出しを外力により押えなくてもプランジャ４
がプランジャ室２より飛出すおそれはないから、この状
態においてはテンショナー本体は図ｄに示す如く一塊の
物品として自由に運搬及び他の機器に挿着することがで
きる。そこで、プランジャ４とボルト１２とが締結一体
化されたテンショナー本体１をエンジンケースＥ‘こ外
部より挿着したのち、テンショナー本体のバネ圧縮用ネ
ジ３にボルトのネジ部分１１が螺入する方向にボルト１
２を回動させると、ボルトの逆ネジ部分２川まプランジ
ャ４のプランジャ飛出し防止ネジ２１より螺脱する方向
に回動せしめられてプランジャ４とボルト１２との締結
は解除せしめられるから、プランジヤ４はコイルバネ９
によってプランジャ室２より飛出す方向に移動し、一方
ボルト１２はテンショナー本体１に螺着締結されてコイ
ルバネ９を一層押圧する方向に移動する。

したがって、テンショナ−本体１はエンジンケースＥに
挿着する時にはプランジャとテンショナー本体とが一体
化されて挿着しやすく、挿着後にボルトを回動させるこ
とによってプランジャはコイルバネの付勢力によって飛
出すと同時に、コィルバ私まボルトによって圧縮されて
テンショナーシユーを確実にタイミングチェーンに押接
して該チェーンに所定の張力を付与することができるも
のである。

また第６図は本発明の第２実施例であって、第５図ａに
おける逆ネジ部分２０をボルト１２の中心部軸万向に突
設したコイルバネ９の案内村１２′を長くしてその先端
部外周に逆ネジ部分２０‘として刻設し、該逆ネジ部分
２０’に螺合するプランジャ飛出し防止ネジ２１‘をプ
ランジャ４に穿設した有底孔８の底部に更に穿設した螺
孔８′に形成したものであって、第１実施例の場合と同
様にしてプランジャ４の飛出しを外力によって押え乍ら
ボルト１２をテンショナー本体１に螺入し、ボルトに突
設した案内村１２′の先端に刻設した逆ネジ部分２０′
がプランジャの有底孔の螺孔８′のプランジャ飛出し防
止ネジ２１′に押接した時点で「ボルトを逆回動してプ
ランジャ飛出し防止ネジ２１′とボルトの案内杵に刻設
した逆ネジ部分２０〆とを螺合して、プランジャ４とボ
ルト１２とをコイルバネ９がプランジャの有底孔８内に
圧縮された状態で締結一体化しＬ しかるのちエンジン
ケースＥ内に挿着して第１実施例の場合と同様にボルト
を回動してプランジヤ４のボルトとの螺合締結を釈放解
除してプランジヤ４を飛出し作動させるものである。

なお、ボルトに刻設した逆ネジ部分はプランジヤ４を螺
合係止すれば足りるものであるからネジ部分の長さは短
かくてもよい。以上の如く、本発明は同一のボルトを正
逆回動することによってコイルバネを圧縮しプランジヤ
を飛出させるか又はコイルバネの圧縮状態を維持させな
がらプランジヤの飛出しを阻止するかの選択がきわめて
容易に操作できるので、プランジヤの飛出しを阻止した
状態では運搬および取扱操作が簡便となり、この状態で
たとえば組付後に触れることができないような挿着孔内
又は壁の反対側等にプランジヤが位置する場合において
もボルトを逆回動させることにより容易にプランジャの
飛出し阻止状態を解除することができるから、エンジン
組立の最後工程でエンジンケースの外からテンショナー
のプランジャをエンジンケース内に位置するように挿着
する組付作業が容易に行うことができ、またボルトを逆
回動させて螺着しているプランジャを、ボルトを正回動
させコイルバネを圧縮しながらプランジャを螺脱させる
ので、目視不能の場所においてもプランジャの螺脱は確
実に行われ、更に全体が小型になって絹付けスペースも
節減される等のすぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は従来のエンジン用タイミングチェ山ンのテ
ンショナーを示し、第１図は分解組立正面図、第２図は
要部正面図、第３図および第４図は正面断面図であって
、第５〜６図は本発明の第１，第２実施例であるエンジ
ン用タイミングチェーンのテンショナーを示し第５図ａ
はボルト正面図、ｂはプランジャ要部正面断面図、ｃは
プランジヤ飛出し可能時の正面断面図、ｄはプランジャ
飛出し阻止時の正面断面図、第６図はプランジャ飛出し
可能時の正面断面図である。 １…・・・テンショナー本体、２・・・…プランジヤ室
、３・・…・バネ圧縮用ネジ、４・…・・プランジャ、
９・・…・付勢バネ、１１・…・・ネジ部分、１２・・
…・ボルト、２０，２０′……逆ネジ部分、２１，２１
′・・・・・・プランジャ飛出し防止ネジ。 第１図第２図 第３図 第４図 第６図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両端を開口したプランジヤ室の一端開口内周にバネ
   圧縮用ネジを刻設し、他端開口より飛出し自在で且つ回
   動不能に前記プランジヤ室に装入されたプランジヤに前
   記バネ圧縮用ネジと逆ネジのプランジヤ飛出し防止ネジ
   を刻設し、前記バネ圧縮用ネジに螺入するネジ部分とプ
   ランジヤ飛出し防止ネジに螺入する逆ネジ部分とを有す
   るボルトを前記プランジヤ室並びにプランジヤに螺着し
   、該ボルトとプランジヤとの間にプランジヤ飛出し付勢
   バネを圧縮状態でプランジヤ室内に封入した飛出し付勢
   されたプランジヤの組付装置。