JPS6045030B2 - 扉式ロ−タリ−ノズル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、溶湯を入れて運搬したり鋳込んだりするた
めの取鍋や転炉の出鋼口に、溶湯をとり出すために配設
する扉式ロータリーノズルに関するものである。

具体的には固定板支持枠の外周部にベアリングを介して
ローターを設け、このローターにヒンジを介してスライ
ド板支持枠を必要に応じて扉式に開閉可能に取付けるこ
とにより、煉瓦の交換保守等の際に予備セットする必要
がなく容易に作業ができるようにしたものである。さら
にこの発明は、スライド板煉瓦を固定板煉瓦へ押付ける
ためのスプリングを収容しているスプリンフグケースに
スプリングガイドおよびストッパー機構を設けることに
より、湯洩れを防止するようにした扉式ロータリーノズ
ルを提供することを目的とするものである。ロータリー
ノズルを溶湯を入れて運搬したり鋳込んだりするための
取鍋の注出口や転炉の出鋼口に用いて、作業をより安全
にしかも的確に行うこと、また取鍋の大型化や連続鋳造
などが近時の目覚ましい技術の発展に対応し採用されて
いることは周知である。

しかるに、従来のロータリーノズルは使用上では数々の
優れた長所が認められているにも拘らず、取鍋、転炉な
どへの取付時には、予めロータリーノズルとして別の場
所で予備セットしたものを用意しておき、これを取鍋位
置へ運んで交換し、外したものはさらに別の場所へ運ん
でセットし直しているのが実状である。したがつて、煉
瓦交換その他は上述の予備セット時に行われるので、内
部の煉瓦の痛み具合を仔細に点検することなどはセット
を分解しない限り不可能であつた。さらに、この予備セ
ットには場所を要し、またこれの交換は設備が大掛りと
なるばかりでなく、セット時間を含めて多くの時間がか
かるので、結果としてコストに影響を与えていた。また
、従来のロータリーノズルにおいては、スライド板煉瓦
を固定板煉瓦へ押付けるスプリングは、取鍋等のベース
プレートに垂下軸着されたスプリングケースの底板と、
スライド板支持枠の下面との間に弾装される構造になつ
ているため、操作中摺動その他の原因によつて固定板煉
瓦とスライド板煉瓦の貫通孔位置に通常゜゜地金差じと
呼ばれるエッジ部から溶湯の侵入がおこると、極端な楊
合はその差した地金によつて前記の両プレート煉瓦が担
がれた状態となり、一方固定板煉瓦とスライド板煉瓦を
密着させるために設けられている前記のスプリングは、
このスプリングの弾性下！限即ち下死点に至るまでは弾
性が働くので、両煉瓦間に隙間が生じ、湯洩れ事故を惹
起すことがあつた。この発明は、上記の従来のロータリ
ーノズルの欠点を改善するためになされたもので、外周
にギ５ヤを備えたローターを固定板支持枠の外周部に設
けることにより、駆動ギヤとローターギヤとの噛合せを
外さなくても、ローターとスライド板支持枠とをヒンジ
によつて開閉可能とした点を骨子とするものである。
イ次に、この発明の扉式
ロータリーノズルを第１図に示した実施例に基づいて説
明する。２３は上部ノズル煉瓦で、取鍋（図示せず）の
底部注出孔として設けられている。

２４は上部ノズル煉瓦２３の下部に設けられた固定板煉
瓦で、上部ノズル煉瓦２３の貫通孔２３ａに連続する位
置にほぼ同径の貫通孔２４ａを備えており、固定板支持
枠１９に収容されて押え金具２１により固定されてい７
る。

１６はスライド板煉瓦で、固定板煉瓦２４の下面に沿つ
て密着するように、かつ後に説明する回転摺動装置によ
り回転摺動可能に配設されており、この回転摺動の軌跡
上に固定板煉瓦２４の貫通孔２４ａと合致する通常は２
個の貫通孔１６θＡ，ｌ６ａを有する。

１７，１７はコレクターノズルで、中央にスライド板煉
瓦１６の貫通孔１６ａ，１６ａと合致する貫通孔１７ａ
，１７ａを有する。

このコレクターノズル１７はそれぞれ円筒状のコレクタ
ーノズルケース１２の収容され、こ夕のコレクターノズ
ルケース１２はＴ字形円筒状のスライド板支持枠５の下
端部にバヨネツト形式等により固定されている。１３は
スライド板押え金具、１４はこの押え金１３をスライド
板支持枠５に固定する六角穴付ネジで、これらによりス
ライｌド板煉瓦１６、コレクターノズル１７，１７は、
スライド板支持枠５と共働するように構成されている。

なお、スライド板煉瓦１６の回転摺動によつて、固定板
煉瓦２４の貫通孔２４ａとスライド板煉瓦１６の貫通孔
１６ａとを一致させ、または遮断若しくは調節すること
により、取鍋等の溶銅容器内の溶鋼を注出する機構その
ものは従来のロータリーノズルと変るところはない。
この発明の特徴とする機構は、以下の説明によつて明ら
かにされている。

２はローター、１はローター２の周囲に設けたギヤで、
図には両者は上下に分割された構造になつており、その
間を六角穴付ボルト４によソー体に結合してローター機
構としているが、勿論両者を一体に加工したものでもよ
い。

このギヤ１は、駆動ギヤを介してモータｉ 一等の駆
動源（何れも図示せず）に連結されている。１９は固定
板支持枠で、取鍋等（図示せず）の溶鋼容器の底部に固
定されているベースプレート１８に六角穴付ボルト２０
によつて取付けられており、この固定板支持枠１９とロ
ーター２との′， 間にベアリングボール３が回転摺
動装置として配置されている。

なお各ベアリングボール３の中間にはスペーサが挿入さ
れていることは言うまでもない。このベアリングボール
３の材質はＳＵＳ−２７の如き耐熱性鋼を選び焼入する
などの配慮が必要である。この発明の第１の特徴は、こ
のように固定板煉瓦２４の外側部即ち固定板支持枠１９
をインナー金物とし、そこにベアリングボール３を介し
てアウター金物即ちローター２を回転し得るようにした
点である。

この発明の第２の特徴は、第２図の左側に図示す如くス
ライド板支持枠５をヒンジ１５を介して図の下方へ向け
て左開きに開閉可能に取付けた点である。

即ち、リング状のスプリングケース６の，外周に放射状
に複数個のブラケット１１を設け、そのうちの１つと、
ローター２に固定したヒンジ腕１５ａに設けた長穴１５
ｂとをヒンジピン１５ｃで連結したものである。なお、
第１図において、１０はその他のブラケット１１にフッ
クピンー１１ａを介して回動可能に取付けられたフック
で、先端には係止部１０ａが形成されている。次に、こ
の発明の２番目の発明について説明する。スプリングケ
ース６にはほＳ゛等間隔に複数個のスプリング穴６ａが
設けられており、このスプリング穴６ａ内には下端をこ
のスプリング穴６ａの底部に支えられたスプリングが弾
装され、スプリング７の内側にはスライド板支持枠５に
固定されて垂下した上ガイド８ａが設けられている。而
して、この２番目の発明の特徴は、上ガイド８ａと対応
する下ガイド８（第１図の右側）及びストッパー９（第
１図の左側）を、スプリング穴６ａの底部から例えば１
本置きに交互に立設した点にある。この場合のストッパ
ー９の作用は、従来技術で説明したような湯洩れ事故を
防止するために、スライド板煉瓦１６が固定板煉瓦２４
の板面から必要以上に下らないようにするための役目を
するものである。したがつて、その高さ即ち上ガイド８
ａとストッパー９との間隙は、上記の湯洩れ防止のため
適当な値いに調節しておくことが必要である。なお、下
ガイド８は、フック１０をローター２に掛止めする際の
スプリング７の弾程に余裕を持たせる高さとする。つま
り複数個のスプリング穴６ａのうちほぼ半数はストッパ
ー９を装着し、その他は下ガイド８を装着してそれぞれ
スライド板煉瓦１６の押下げ防止と、フック１０の掛止
め時とに有効ならしめてある。また、ヒンジ１５を除く
各ブラケット１１には、第１図に示すようにそれぞれフ
ック１０がフックピン１１ａによつてローター２へ鍵状
に掛止めできるように設けてある。

このフック１０をローター２へ掛止めするには、スプリ
ングケース６の各スプリング７がスライド板支持枠５の
下面に抗して弾発されている状態では、フック１０をロ
ーター２へ掛止めすることは困難であるから、例えば、
スプリングケース６ａの下方（図の下方）から空気圧等
によりスプリング７の弾発力に抗してスプリングケース
６ａを上方に充分押付け、すべてのフック１０をロータ
ー２へ掛止めした後、空気圧を解除することによつて行
われる。スライド板支持枠５を扉式に開く場合は、上記
と逆の手順によつて行えばよい。この発明の扉式ロータ
リーノズルは、上記のように構成したので、溶鋼容器に
装着したま）の状態でローター２を回転させることによ
り、ヒンジ１５を円周上の任意の位置に停止させ、スラ
イド板支持枠５を所望の方向に開くことができる。

したがつて、溶鋼容器の位置、場所、周囲の環境等に制
限されることなく、ローター２を回転してヒンジ１５を
そのときの状態に適合した位置に移動させ、スライド板
支持枠５を扉式に開いてスライド板煉瓦１６の交換や保
守点検を行なうことができるので、従来のように予め予
備セットする必要がなく、省力化が可能であると同時に
、従来必要とされたセット場所も不要であり、時間的に
もスピードアップすることができる。また、スライド板
煉瓦１６の交換や装置の保守点検あるいは修理を行なう
場合は、溶鋼容器を′ほＳ゛水平に傾けてロータリーノ
ズルをほＳ゛垂直にし、この状態でスライド板支持枠５
を扉式に開放するので、この場合は、ローター２を回転
してヒンジ１５をスプリングケース６の中心を通る水平
線位置より下方に、またスライド板支持枠５を閉５じる
ときは、ヒンジ１５を上記水平線位置より上方に位置さ
せることにより、人力や機械力を要することなく、自重
により容易かつ安全に開閉することができる。この場合
、ローター２のギヤ１と噛合つている駆動ギヤ（図示せ
ず）は、スライドＯ板支持枠５の開閉とは関係がないの
で、連結したま）でよい。さらに、第２の発明によれば
、スライド板煉瓦１６が差し湯等によつて押し下げられ
るのを防止できるので、湯洩れ事故を防止することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を説明するための縦断面図、第
２図はそのヒンジピン部分の構成を示す縦断面図てある
。 １：ギヤ、２：ローター、３：ベアリングボール、５：
スライド板支持枠、６：スプリングケース、６ａ：スプ
リング穴、７：スプリング、８ａ：上ガイド、８：下ガ
イド、９：ストツパー、１０：フツク、１１：ブラケツ
ト、１１ａ：フツクピン、１２：コレクターノズルケー
ス、１５ヒンジ、１５ｃ：ヒンジピン、１６：スライド
板煉瓦、１７：コレクターノズル、１８：ベースプレー
ト、１９：固定板支持枠、２３：上部ノズル煉瓦、２４
：固定板煉瓦。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定板煉瓦、該固定板煉瓦を溶鋼容器の底部に固定
   する固定板支持枠、該固定板支持枠の外周にベアリング
   手段を介して配置されたローター、前記固定板煉瓦の下
   面に当接されるスライド板煉瓦を支持しかつ前記ロータ
   ーと一体的に回転するスライド板支持枠、該スライド板
   支持枠の下部に配置され該スライド板支持枠を支持する
   スプリングケース、該スプリングケースを前記ローター
   に回動可能に装着するヒンジ及び前記スプリングケース
   をローターに結合するフックを備え、前記スプリングケ
   ースと前記スライド板支持枠を前記ローターと共に回転
   して前記スライド板支持枠を任意の位置で開閉しうるよ
   うにした扉式ロータリーノズル。 ２ 固定板煉瓦、該固定板煉瓦を溶鋼容器の底部に固定
   する固定板支持枠、該固定板支持枠の外周にベアリング
   手段を介して配置されたローター、前記固定板煉瓦の下
   面に当接されるスライド板煉瓦を支持しかつ前記ロータ
   ーと一体的に回転するスライド板支持枠、該スライド板
   支持枠の下部に配置され該スライド板支持枠を支持する
   スプリングケース、該スプリングケースを前記ローター
   に回動可能に装着するヒンジ及び前記スプリングケース
   をローターに結合するフックを備え、前記スプリングケ
   ースと前記スライド板支持枠を前記ローターと共に回転
   して前記スライド板支持枠を任意の位置で開閉しうるよ
   うに構成し、かつスプリングケースに設けた複数のスプ
   リング穴内にスプリング、スプリングガイド及びストッ
   パー機構を設けてなる扉式ロータリーノズル。