JPS604388B2 - 高速回転用減速装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えば入力軸の軌道面の周速が８０〜１００米
／秒則ち約８４，０００〜１０５，００仇．ｐ．ｍとい
ったきわめて高速であつ例えば３ゆｓといった大馬力の
入力を減速して例えば１／１４．３３といった比較的大
きい減速比で大きいトルク出力で出力することができ、
しかも騒音が少くその上下型の減速装置を提供すること
を目的とする。

一般に大きい減速比を要求される減速装置では複数段階
の減速機を組合わせて順次減速して行く方式がとられて
いるが、減速機を数段にすることにより装置全体として
大型になることが避けられない。

一般に用いられる歯車減速機は伝達トルクが大であるが
、高速回転からの減速に歯車減速を用いることはきわめ
て困難で騒音も大きい。そこで本発明では高速からの第
１段減速には伝達トルクは小さいが騒音が少く高速に有
利な遊星ころ摩擦減速機を用い、第２段減速には伝達ト
ルクに優れた歯車減速機を用い、両減速機の短所を捨て
、長所のみを絹合せることにより小型で騒音が少〈しか
も超高速から大きい減速比で減速することが可能となっ
た。次に本発明の実施例を図面について説明すると、第
１図及び第ｌａ図において、１は第１段減速機である遊
星ころ摩擦減速機の入力軸で、ころがり摩擦軌道面ｌａ
が設けられており、ケース２０内に鉄着された外輪２の
ころがり摩擦軌道面２ａとの間に複数個の中空の遊星こ
ろ３が挿入されている。

遊星ころ３は伝達トルクに応じて予め半径方向に予圧さ
れており、キャリャ４のポケット穴４ａ内に回転自在に
保持されている。キャリヤ４はラジアル玉軸受５、円筒
ころ軸受６によりケース２１内に回転自在に支持されて
おり、遊星ころ３の公転により回転し、遊星ころの公転
回転数の出力軸となっている。キャリヤ４の外周面には
第２段減速機用の小歯車７が一体に形成され、或はキー
により固着されている。入力軸１の自由端はキャリャ４
を越えて延在しかつ本体に鰍持されている。小歯車７に
は第２段減速機である歯車減速機の大歯車８ａ及び９ａ
が噛み合っていて、キヤリャ４の回転数は大歯車８ａ，
９ａで減速され、大歯車の軸８，９から軸８軸９にそれ
ぞれ取付けられた電磁クラッチ８ｂ，９ｂとクラッチ板
３２，３２ａを介し軸３５，３５ａより出力される。

電磁クラッチのソレノイドコイル３１はケース２１に薮
入固定されたコイルケース３０１こ一体的に装着されて
いる。軸３５と一体的に結合された軸受リテーナ３４と
クラッチ板３２は円周方向に等分割に配置された３枚の
板ばね３３を介して互に接合され、これによりクラッチ
板３２は軸受リテーナ３４に対し軸方向には移動可能で
あるが、回転方向には固定されるように装着されている
。キャリャ４の小歯車７と噛み合う大歯車は１つでもよ
いが、本実施例のように大歯車を２個以上とし、それぞ
れの大歯車８ａ，９ａの歯数を異にすることができる。
次に第１図及び第ｌｂ図において、入力軸１の１端には
スリーブ状の部材ｌｂが固着され、その外周面には複数
個の窪みまたは突起ｌｃが等分割に設けてあり、この窪
みまたは突起に近接して電磁ピックアップ１１ａがケー
スに取付けられている。

また、大歯車８ａの端面にも複数個の窪みまたは突記８
ｃが等分割に設けられ、この窪みまたは突記に近接して
同様に電磁ピックアップ１１ｂがケースに取付けられて
いる。窪みまたは突記８ｃは大歯車の端面に設ける代り
に、入力軸１の窪みまたは突記ｌｃのように大歯車の軸
８の外周面等に設けてもよい。これらの電磁ピックアッ
プは図示しない無表示回転比率計に電気的に連結されて
いる。本発明の減速装置は上に述べたように第１段減速
機として遊星ころ摩擦減速機を用いているので、入力軸
１の軌道面ｌａの周速が８０〜１０の＊／秒則ち約８４
，０００〜１０５，００仇．ｐ．ｍといった超高速でか
つ例えば３０ｐｓといった大馬力の入力を減速して例え
ば１／１４．３３といった比較的大きい減速比で高トル
クで出力する場合も、ころがり摩擦によるため、小さい
騒音で作動することができ、大馬力でも高速回転である
ため伝達トルクは少なくてすむので、小型で滑りのない
、しかも寿命の長い減速装置を容易に設計することがで
きる。

この点において、もし遊星歯車方式を用いたとすれば、
速度の点からきわめて困難であり騒音も著しく大きいと
いう欠点を解決することができた。次に第２段速では、
伝達トルクは第１段の伝達ト′レクＸ霞齢鯛灘で示され
るよう‘渋くなるので、一般に行われているように、第
２段減速機を遊星ころ摩擦減速機にすると寸法が非常に
大きくなり、必要なころがり摩擦面の寿命を長くするこ
とができない等の欠点がある。

すなわち、遊星ころ摩擦減速方式ではぜ茎トルク 入力軸軌道面の伝達力＝軌動半径 であり、トルクを伝達するための遊星ころ１個に必要な
垂直力は伝達力／遊星ころ数である。

牽引牽引係数係数を０．０４とすれば伝達力の２３音の
垂直力をころがり面に負荷する必要がある。

また、ころがり面の疲労寿命はこの力の３／１項鷲こ比
例するので、伝達トルクの大きい場合にころがり摩擦減
速方式を採用すると寿命の点で不利である。ところが本
発明のように、第２段減速機を歯車減速機にすると、伝
達トルクの点では問題はなく、遠速も第１段で減速され
た回転数を入力こするため、歯車減速も容易こでき、騒
音も少ない。しかも第１段減速機の出力軸であるキャリ
ャ４そのものに小歯車７を形成した第２段減速機の入力
用の歯車としてあるので、さらに付加の部品や軸受、ス
ベーサ等を必要とせず、きわめてコンパクトな構造にで
きる。以上のように本発明では第１段減速機に高速、低
トルクに適した遊星ころ摩擦減速機を用い、第２段減速
機に低、中速、高トルクに通した歯車減速機を用いしか
も上記のように第１段の遊星ころ摩擦減速機の出力軸で
あるキャリャ４に第２段の歯車減速機の入力用小歯車を
一体（的）に形成してあるので、全体を歯車減速機ある
いは遊星ころ減速機で構成したのでは非常に困難な超高
速回転入力から低、中途回転出力を効率よく、かつ静粛
に取り出すことができる。

また実施例の如く小歯車７を噛み合う大歯車を複数個に
すると、出力軸を１以上として取り出すこともできるの
である。本願発明者の実験結果によると、従来製品では
６０．００仇．ｐ．ｍ以上の超高速回転よりの比較的に
大きし、減速比の減速はきわめて困難であり、このこと
は格別に強調されるべきことである。例えば発明者は比
較のため、従来品である最高級品質の一段遊星歯車減速
機と、一段遊星摩擦こ．ろ減速機（本発明の一段目に相
当）で入力回転数８６，００仇．ｐ．ｍ入力馬力３仮ｓ
、入力軸の軌道面の直径２肌（周速９血／ｓ）、減速比
３．８５のものと、を製作しテストを行なった。ほぼ同
寸法の最も高級と考えられる前記一段遊星歯車減速機（
以下ここでは歯車式という）は約６０，００仇．ｐ．ｍ
以上の回転は音、振動等の問題でそれ以上の回転試験が
不可能であったのに比べ、一段遊星摩擦ころ減速機では
８６，００仇．ｐ．ｍの回転は何等問題がなかった。さ
らに一段遊星摩擦ころ減速機（以下ここでは摩擦ころ式
という）は入力軸の回転数の低い領域を除くと、９６％
と高い機械効率を示した。摩擦トルクは入力軸が６０，
００仇．ｐ．ｍでは摩擦ころ式は歯車式に比べ約半分で
低い。さらに騒音レベルは摩擦ころ式８７ｄｂに対し歯
車式９１ｄｂ（いずれも各減速機からｌｍの点で測定）
であった。また各減速機本体に設置したピックアップに
よる振動レベルを測定した処、入力軸回転が４０，００
仇．ｐ．ｍ以下では歯車式の方が振動レベルが低く、同
４５，００仇．ｐ．ｍから６０，００伍．ｐ．ｍの間で
はほぼ同じで、６５，００仇．ｐ．ｍ以上では極めて急
カーブ歯車式の振動レベルの上昇がみられた。以上のよ
うに約６０，００仇．ｐ．ｍ以上といった極めて減速の
困難な領域では摩擦ころ式が良好な結果を示すが、この
減速比は比較的に小さいので、本発明はこれに二段目と
してギャトレーンを追加したものであり、本発明者は例
えば入力軸の軌道面の周速が８０〜１００米／砂即ち約
８４，０００〜１０５，００仇．ｐ．ｍといったきわめ
て高速で入力馬力３０ｐｓ、減速比１／１４．３３とい
った比較的大きい減速比の本発明に基づく減速装置を製
作した処、小型で機械効率がよく騒音振動が少く極めて
良好な結果を得た。

しかも製作コストは前記最高級遊星歯車装置の１′沙〆
下であった。次に遊星ころ摩擦減速機では、一般に規定
の伝達トルクに対して過大な滑りを生ずることなしに、
トルクを伝達できるように、ころがり摩擦面にそのトル
クに応じた垂直予荷重を与えてあるが、規定外の過大ト
ルクが負荷された場合、ころがり摩擦面には過大な滑り
を生じ、発熱や焼付の原因となる。

その入力回転数が高速の場合はこの現象は特に著しい。
この過大滑りを防止する安全装置として本発明の実施例
では第１図繁ｌａ図の実施例に示すように、入力軸１の
外周面に等分割の窪みまたは突起ｌｃを、又、大歯車８
ａの端面等に等分割の窪みまたは突起８ｃを設け、それ
ぞれに近接させて電磁ピックアップ１１ａ，ｌｉｂから
なる検知手段を対置させたので、それぞれの回転数に比
例したパルス信号を発生させ、この入力信号を図示しな
い無表示回転比率計にインプットすることにより予めセ
ットした回転比まで達し、遊星ころ摩擦減速機に滑りを
生ずると、図示しないリレー回路を作動させて、コイル
３１への電流を遮断して出力軸８，９に取付けてある電
磁クラッチ８ｂ，９ｂを切り、軸３５，３５ａに対して
出力軸８，９を軸受３６，３６ａを介して空転させるこ
とにより減速部への負荷トルクを除き、遊星ころ摩擦減
速機の過大な滑りの発生を防止することができる。

第２図に示す実施例では過大な滑りの防止手段として電
磁ピックアップに代えて、トルク制限器１０を用いたも
のである。（第１図と均等の部分には同じ符号をつけて
ある。）ここでは大歯車８ａ，９ｂは軸８、軸９とは別
体になっており、大歯車とその軸との間にトルク制限器
１０が鉄着されている。このトルク制限器は外輪１体、
内輪２つ割りの単列ラジアル玉軸受に類似した構造を有
し、軌道面の曲率半径を鋼球のそれとほぼ等しく所定の
トルク以下では鋼球と内外論間の摩擦により内外輪は一
体になって回転するが、設定値以上のトルクがかかると
内外輪と鋼球の間に滑りを生じ、内輪と外輪との間の回
転力の伝達が遮断されるものである。２つ割り内輪を鞠
方向に締めて、予圧を与えることにより任意のトルク値
に調整することができる。

第２図では、大歯車８ａ，９ａとそれらの軸８，９の間
に各々２個のトルク制限器１０が装着されていてナット
１０ａで設定トルクの調整を行うようになっている。そ
して遊星ころ摩擦減速機の伝達トルクよりもトルク制限
器の制限伝達トルクを僅かに少なく調整しておくと、一
時的に規定の伝達トルクより過大なトルクが負荷された
場合、トルク制限器の内外輪と鋼球がころがり滑りして
、遊星ころ摩擦減速機に過大なトルク負荷がかからない
ように保護する安全装置となる。トルク制限器の内外輪
、鋼球のころがり滑りは減速された大歯車に取付けられ
ているので周速は低くなっており、適正な潤滑を行えば
、支障なく作動することができる。勿論過大負荷トルク
が規定の伝達トルク以内に戻れば、トルク制限器の内外
輪、鋼球の滑りは停止し、常態に復するのである。本発
明は上述のように伝達トルク容量は小さいが騒音が少し
、遊星ころ摩擦減速機を高速の第１段減速機として用い
、伝達トルク容量に優れた歯車減速機を第２段とし、し
かも前者のキャリャに後者の小歯車を一体に設けたので
、高速回転の入力を比較的大きい減速比で、低則音で減
速することができ、しかも装置全体として小型化できる
。

一般に遊星ころ摩擦減速機は高速時特に過大な滑りを生
じ故障が生じ易いが、本発明ではかかる欠点がより少い
中空筒状ころを選択したため、第２段と組合わせた時に
高トルク出力に適するきわめて良好なものとなり、さら
に入力軸の自由端はキヤリャを越えて延在しかつ本体に
軸持されているために片持ちでなく本体に振動が起らぬ
ように軸持したので、高速回転入力に通し、６０．００
仇．ｐ．ｍ以上といった超高速でありながら高トルク出
力が可能となり、かつ低騒音で小型といった極めて困難
な問題を解決した減速装置を提供するものとなった。以
上本発明を減速装置に適用した実施例について詳述した
が、本発明は入出力を逆にすれば高速回転用の増速装置
としても使用できるものであり、従って特許請求の範囲
に記載の減速装置なる語には増速装置として使用する場
合をも含むものとする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の縦断面図、第ｌａ図は第１図
のＡ−Ａ断面図、第ｌｂ図は第１図のＢ−Ｂ断面図、第
２図は他の実施例の縦断面図である。 １・・・入力軸、ｌｃ・・・窪み、２・・・外輪、３・
・・摩擦ころ、４・・・キャリャ、７・・・４・歯車、
８，９・・・大歯車の軸、８ａ，ｇａ・・・大歯車。 豹７ｏ図 ※′ｂ図 菊′図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定外輪と、高速回転する入力軸と、前記固定外輪
   および入力軸にそれぞれ設けられたころがり軌道面に接
   すると共に半径方向の予圧を与えられて回転する複数個
   の中空円筒状摩擦ころと、摩擦ころをポケツト穴内に回
   転自在に支承し摩擦ころと共に公転するキヤリヤとを具
   えた遊星ころ摩擦減速機を第１段減速機とし、前記キヤ
   リヤに固着またはそれと１体の小歯車と、小歯車に噛合
   って回転する大歯車と、大歯車の軸を出力軸とする歯車
   減速機を第２段減速機として、前記キヤリヤは前記入力
   軸と同軸に配置された中空輪状をなし、かつ入力軸の自
   由端はキヤリヤをこえて延在しかつ本体に軸持された高
   速回転用減速装置。