JPS604078Y2 - ルツボ型金属溶解炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主にアルミを被溶解原料とするルツボ型金
属溶解炉に関するものである。

従来のルツボ型金属溶解炉は、ルツボ本体を下方から加
熱するのみで、ルツボ本体内の被溶解原料を溶解してい
たので、溶解効率が低かった。

そこで、この考案の目的とするところは、熱の有効利用
を図り、溶解効率を向上することのできるルツボ型金属
溶解炉を提供することにある。

上記した目的を達成するためのこの考案は、炉体１内に
はルツボ本体３を設置し、その炉体１とルツボ本体３と
の間に燃焼空間４を形成し、炉体１の下端部にはガスバ
ーナ５をその火炎がルツボ本体３の外周を旋回し得るよ
うに設け、ルツボ本体３の上端部にはガイド筒体６を連
続状に設け、このガイド筒体６にはスリット７〜７を開
口し、スリット７〜７の上側には前記の燃焼空間４を閉
塞しうるフランジ８を環状に形成し、しかも、前記スリ
ット７〜７はその外側より内側へ前記の燃焼空間４にお
けるガスバーナ５の火炎の旋回方向に沿うような傾斜状
に形成するとともに、同スリット７〜７をその外側より
内側ヘルッポ本体３の中心下方に向って傾斜状に形成し
、かつ前記のフランジ８の下側面をスリット７〜７の上
側の傾斜面に連続した傾斜面に形成せしめたことを要旨
とするものである。

上記した構成によれば、ガスバーナ５の火炎がルツボ本
体３の外周を旋回しながら熱焼して同ルツボ本体３をそ
の外側から加熱し、さらに燃焼空間４を旋回しながら上
昇してきた排気ガスは、ガイド筒体６のフランジ８の下
側の傾斜面に当たり、同ガイド筒体６のスリット７〜７
からルツボ本体３内へ前記の旋回を続けながらかつ同ル
ツボ本体３内の被溶解原料の液面に向って流入したのち
、同ルツボ本体３内を旋回しつつ上昇して、同ルツボ本
体３内へ落下投入される被溶解原料の予熱に供されるこ
とになる。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明する
。

図中、１は炉体で、熱容量の極めて小さい断熱材、たと
えば、セラミックファイバーで形成されている。

この炉体１の底面上にはカーポランダム製の相合２が固
定されている。

３は前記相合２上に設置されたルツボ本体で、通称、黒
鉛ルツボと呼ばれているもので、その外周と前記炉体１
の内周との間には燃焼空間４が形成されている。

５はガスバーナで、前記燃焼空間４の下部に対しその火
炎が前記ルツボ本体３の外周を本例では平面において左
廻り（反時計廻り）に旋回し得るように設けられている
。

６は窒化硅素を主体として成形された円筒状のガイド筒
体で、前記ルツボ本体３の上端に連続状に設けられてい
る。

このガイド筒体６には適数個（本例では４個）のスリッ
ト７〜７がほぼ等間隔で開口されている。

このスリット７〜７はその外側より内側へ前記の燃焼空
間４におけるガスバーナ５の火炎の旋回方向に沿うよう
な傾斜状に形成されているとともに、同スリット７〜７
はさらにその外側より内側ヘルツボ本体３の中心下方に
向って傾斜状に形成されている。

ガイド筒体６のスリット７〜７の上縁外周にはフランジ
８が前記燃焼空間４の上方を閉塞し得るように環状に突
設されている。

このフランジ８の下側面は、前記スリット７〜７の上側
の傾斜面に連続した傾斜面に形成されている。

９は前記炉体１上面を閉塞した炉蓋で、その中央部には
前記ガイドτ望６の上面を開口する開口孔１０が開口さ
れて 。

１１は前記炉Ｍ９の開口孔１０の口縁上に取付けられた
円筒状の排気筒である。

引き続いて、上記のルツボ型金属溶解炉についての作用
および効果を述べる。

ガスバーナ５の火炎は、ルツボ本体３の外周を旋回しな
がら燃焼しつつ、ルツボ本体３を加熱し、ルツボ本体３
内のインゴットおよびリターン材などの被溶解原料を溶
解する。

そして、前記燃焼空間４を旋回しながら上昇してくる排
気ガス（燃焼中のガスも含む）は、ガイド筒体６の各ス
リット７〜７からルツボ本体３内へ第２図に矢印で示す
ように旋回しながら流入し、同ルツボ本体３内を旋回し
つつ上昇し、同ルツボ本体３内へ投入される被溶解原料
１２の予熱に供されたのち、排気筒１１の上方へ排出さ
れる。

したがって、上記のルツボ型金属溶解炉によれば、ガス
バーナ５の火炎がルツボ本体３の外周を旋回しながら燃
焼するので、ルツボ本体３の加熱に熱を長期にわたり利
用し得、しかも、その排気ガスがルツボ本体３に旋回し
ながら流入し、被溶解原料１１２のすみずみまでゆきわ
たり同被溶解原料１２の予熱に利用されるので、従来の
ものに比し、ガスバーナ５から発生される熱を有効に利
用し、溶解効率を向上することができるのであ；る。

また、本例では炉体１に熱容量の小さいセラミックファ
イバーが使用されているので、炉体１外への熱の放熱を
防止することができる。

また、ガイド筒体６のスリット７〜７がルツボ本体３の
中°心下方に斜向しているので、排気ガスを第１図に矢
印で示すようにルツボ本体１内の被溶解原料１２の液面
に向かって流入させることができ、被溶解原料１２の補
助的加熱をすることができる。

これらは、いずれも、溶解効率の向上に貢献し得る。

また、実施例のルツボ型金属溶解炉の溶解効率を測定し
たところ、約３０〜４０％であり、一方、従来のものの
溶解効率を測定したところ、約８〜１０％であった。

よって、実施例の溶解効率が良好であることが認められ
た。

なお、ルツボ本体３にガイド筒体６を一体状に形成して
もよい。

すなわち、この考案は前述した構成を要旨となすもので
あるから、ガスバーナ５の火炎がルツボ本体３の外周を
旋回しながら燃焼して同ルツボ本体３をその外側から加
熱し、さらに燃焼空間４を旋回しながら上昇してきた排
気ガスは、ガイド筒体６のフランジ８の下側の傾斜面に
当たり、同ガイド筒体６のスリット７〜７からルツボ本
体３内へ前記の旋回を続けながら同ルツボ本体３内の被
溶解原料の液面に向って流入したのち、同ルツボ本体３
内を旋回しつつ上昇して、同ルツボ本体３内へ落下投入
される被溶解原料の予熱に供されることになる。

したがって、ガスバーナ５の火炎の燃焼熱およびその燃
焼による排気ガスの熱を被溶解原料の加熱に有効に利用
することができ、溶解効率が向上されるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１図は縦断
面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線断面図である。 １・・・・・・炉体、３・・・・・・ルツボ本体、４・
・・・・・燃焼空間、５・・・・・・ガスバーナ、６・
・・・・・ガイド筒体、・・・スリット、８・・・・・
・フランジ。 ７・・・

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体１内にルツボ本体３を設置し、その炉体１とルツボ
   本体３との間に燃焼空間４を形成し、炉体１の下端部に
   はガスバーナ５をその火炎がルツボ本体３の外周を旋回
   し得るように設け、ルツボ本体３の上端部にはガイド筒
   体６を連続状に設け、このガイド筒体６にはスリット７
   〜７を開口し、スリット７〜７の上側には前記の燃焼空
   間４を閉塞゛しうるフランジ８を環状に形成し、しかも
   、前記のスリット７〜７はその外側より内側へ前記の燃
   焼空間４におけるガスバーナ５の火炎の旋回方向に沿う
   ような傾斜状に形成するとともに、同スリット７〜７を
   その外側より内側ヘルツボ本体３の中心下方に向って傾
   斜状に形成し、かつ前記のフランジ８の下側面をスリッ
   ト７〜７の上側の傾斜面に連続した傾斜面に形成せしめ
   たことを特徴とするルツボ型金属溶解炉。