JPS6040585Y2 - 高温物体冷却用マツフル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高温度にある物体を冷却するマツフル装置に関
するものである。

例えば、被処理物を加熱処理するコンベアベルト炉にお
いては、被処理物をコンベアベルト上に載せて連続的に
加熱炉内及び冷却用マツフル装置内を移送することによ
り、被処理物を所定温度に加熱してから冷却することが
行なわれている。

この場合、被処理物は均一に加熱し、また冷却するとと
もに、急速な冷却が必要となる。

このために、従来から例えば第１図に示したように、ベ
ルトコンベア１のベルト１ａが貫通する加熱炉２の出口
側にベルト１ａを囲む水冷マツフル装置３を設け、被処
理物をベルト１ａ上に載せて加熱炉２及び水冷マツフル
装置３内を移送して、所要の加熱及び冷却を行う装置が
用いられている。

上記の水冷マツフル装置３としては、例えば第２図に示
したように、金属製マツフル４を外套５で覆ったジャケ
ット構造として、送水口５ａより冷却水を送水し排水口
５ｂより排水するようにしたもの、または第３図に示し
たように、冷却水通水銅管６をアルミ板？ａ、７ｂで挾
んで金属製マツフル４の外壁に被着したもの、あるいは
第４図に示したように、金属性マツフル４の外壁に通水
銅管６を巻き付けて、マツフル４と銅管６の隙間を埋め
るように熱伝導充填剤７を充填したもの等がある。

しかしながら、第２図のように構成したものは、（１）
水洩れ事故を起こし易い、（２）排水口側の外部圧力即
ち背圧が高くなるような場合には使用できない、（３）
冷却水がマツフル４の周囲を平均に流れにくく、冷却作
用が不均一になる、（４）製造が難しく高価になる等の
欠点があった。

また、第３図あるいは第４図のように構成したものは、
（１）異なる部材同士が接触する部分の接触熱抵抗及び
マツフルの熱抵抗が高いので冷却効率が悪＜、急速冷却
ができない、（２）従ってマツフルの長さを長くせねば
ならず、製置の占有面積が大きくなり、価格も高くなる
等の欠点があった。

本考案は効率の良い冷却及び均一な冷却を容易に行ない
得るようにして上記の欠点を改善した高温物体冷却用マ
ツフル装置を提供したものである。

本考案に係る冷却用マツフル装置は、マツフル本体の内
側に冷却管が熱伝導性の良好な金属体でモールドされて
配設され、前記のモールド金属体の内側の冷却対象物に
対向する表面に赤外線吸収剤がコーティングされている
ことを特徴とするものである。

次に、本考案の実施例を図面により詳細に説明する。

第５図及び第６図において、４は金属材からなるマツフ
ル本体、６はこのマツフル本体の内側に熱伝導性の良好
な金属体８でモールドされて配設された冷却管としての
通水鋼管である。

前記のモールド金属体８としては、例えば低融点で熱伝
導性の良いアルミニウム又はアルミ合金等が用いられる
。

上記の通水銅管６をモールドするには、例えば第５図に
おけるマツフル本体４の底部側にアルミニウムを溶融さ
せて流し込んで底部側の銅管６をモールドし、次にマツ
フル本体４を上下逆にして上記と同様にして他の側の銅
管６をモールドすればよい。

９はモールド金属体８の内側の冷却対象物に対向する表
面にコーティングされた赤外線吸収剤である。

この赤外線吸収剤としては、例えばベンガラ（Ｆｅ２０
３）を水硝子で混煉したものが用いられる。

１０はマツフル本体４の一端側に設けられた取付用フラ
ンジである。

上記のように構成したマツフル装置においては、該装置
内に挿入された冷却対象物から放散される熱が赤外線吸
収剤９に効率良く吸収され、吸収された熱エネルギは熱
伝導性の良好な金属体８及びこの金属体と緊密に結合さ
れた銅管６を介して該管内の冷却水に良好に伝達される
。

従って、冷却効率が極めて良く、均一な冷却が行なわれ
、急速冷却も可能となった。

これにより、第３図及び第４図に示したような従来の冷
却用マツフル装置に比し、マツフルの長さを１ｎ程度に
短くすることができるようになった。

なお、第５図の実施例の構成に加えて、マツフル本体４
の両側壁４ａの内壁に熱伝導性の良い金属からなる板材
を着設して該板材の両端をそれぞれ上、下のモールド部
に埋入きせるようにするのも効果的である。

上記のように本考案の冷却用マツフル装置は、マツフル
本体の内側に冷却管を熱伝導性の良好な金属体でモール
ドして配設し、該モールド金属体の内側の冷却対象物に
対向する表面に赤外線吸収剤をコーティングしたので、
冷却対象物を極めて冷却効率よく均一に冷却することが
でき、急速冷却を行うことができる。

従って、対象物を移送しながら冷却するような装置に用
いる場合にも、従来のものよりマツフルの長さを比較的
短くすることができ、装置の占有面積を縮小できるとと
もに価格をも低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷却用マツフル装置を併設したコンベアベルト
炉の概要を示す説明図、第２図Ａ、 Ｂ〜第４図Ａ、
Ｂは従来の冷却用マンフル装置の異なる３例を示す図面
で、各図のＡは縦断面図、ＢはＡのＡ−Ａ’線断面図で
ある。 第５図Ａ、Ｂは本考案の実施例を示す図面で、Ａは縦断
面図、ＢはＡのＡ−Ａ’線断面図、第６図は同実施例の
針視図である。 ４・・・・・・マツフル本体、６・・・・・・冷却管と
しての通水銅管、８・・・・・・熱伝導性の良好な金属
体としてのアルミニウム、９・・・・・・赤外線吸収剤
としてのベンガラと水硝子との混練剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マツフル本体の内側に冷却管が熱伝導性の良好な金属体
   でモールドされて配設され、前記モールド金属体の内側
   の冷却対象物に対向する表面に赤外線吸収剤がコーティ
   ングされていることを特徴とする高温物体冷却用マツフ
   ル装置。