JPS6040368Y2 - 自動車の接着窓ガラス周縁構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は窓ガラスを接着するタイプの自動車の接着窓ガラ
ス周縁構造に関する。

窓ガラス接着方式の自動車にあっては、窓ガラス周縁の
接着部並に該窓ガラス周縁と車体開口縁パネルとの間を
隠蔽するために装飾モールが取付けられている。

このモールは通常車体開口縁パネルにモール取付用クリ
ップを装着して、このクリップを介して取付けられるも
のである。

これを今、第１，２図によって説明すると、車体開口縁
パネル１に適宜間隔をおいてＴ型スタッド２を溶接し、
このＴ型スタッド２に、モール係止爪４とＴ型スタッド
２に係合する係止片５を有する金属製又は樹脂製のクリ
ップ３を係止し、そして、このクリップ３を介してモー
ル６を取付けるようにしている。

ところが、かかる取付手段では、Ｔ型スタッド２を車体
開口縁パネル１に溶接する際に溶接部にスパッタ７が付
着するため、該スパッタ７部分に塗料が付着しに＜＜、
仮りに十分塗料を施したとしてもクリップ３をＴ型スタ
ッド２に係着する際に、スパッタ７部分には凹凸がある
ためクリップ３で該スパッタ部分の塗料を引掻いて剥離
してしまうことがある。

このように、Ｔ型スタッド２の溶接部分の塗装が十分に
行われず、あるいは塗装剥離があると該部分から発錆し
、この錆の発生が次第にモール６取付部周縁にまで拡が
って車体外観を著しく損なってしまうものである。

そこで、かかる不具合を解消するために、Ｔ型スタッド
によるクリップ取付けに替え、第３図に示す如く樹脂製
のクリップ８を両面接着テープ９を以って車体開口縁パ
ネル１面に接着するような手段も考えられている。

このクリップ８は両面接着テープ９を貼着するベース１
０の上部にスペーサー片１１を延設し、このベース１０
上にモール係止爪１２と一対の脚片１３を突設したもの
で１、該脚片１３がガラスＧ周端面に弾接することによ
りその反力でベース１０を車体パネル１面に押付け、該
パネル１面からのベース１０の剥離を抑止し、またスペ
ーサー片１１がモール６周縁と車体開口縁パネル１間に
介在することにより、モール６周縁でパネル１面の塗装
を擦り取るのを抑えるようにしたものである。

従って、かかるクリップ８によればクリップ８取付部分
の錆の発生は防止できるのであるが、モール６をクリッ
プ８に係着する場合、前記第２図に示した場合も同様で
あるが、モール６の外周縁部をクリップ８の係止爪１２
とパネル１面間に叩き込んで行うため、クリップ８を取
付けてない部分ではモール６周縁が叩き込み時に車体パ
ネル１面に強く干渉し、該パネル１面の塗装を剥離して
しまい該部分から錆が発生してしまうもので、依然とし
て車体開口縁部の発錆の問題が残されている。

そこで、第４図に示す如くモール６の両側縁に渡ってゴ
ム、軟質樹脂等からなるスペーサー１５を装着すること
も試みられているが、この場合モール６取付は時におけ
る車体開口縁パネル１面の擦傷防止は図れるのであるが
、走行中における車体の捩りに依る車体の動きと、モー
ル６の動きとが異なるため、パネル１面とスペーサー１
５間に入った砂塵１６等によってパネル１面を擦って塗
装を剥離してしまい、結局この場合も完全な発錆防止を
行うことはできないものである。

なお、第７図乃至第４図中１４は接着材を示す。

本案はかかる従来の実状に鑑み、車体開口縁パネル全周
にわたってモール係止片を適宜間隔をおいて備えた帯状
のスペーサを接着することにより、モールを取付ける場
合に、該モール外周縁とパネルとの干渉を車体開口縁全
周にわたって接着されたスペーサで防止し、そして、走
行時における車体の捩りによる車体の動きとモールの動
きの変位の差を該モールと帯状スペーサとの間で生じさ
せ、モール装着部分に詰った砂塵等による車体パネル面
のかじりをなくして車体開口縁まわりの錆の発生を完全
に防止し得るようにしたものである。

以下本案の実施例を図面と共に詳述する。

第５，６図において、２２は車体開口縁パネル１の全周
にわたって接着される樹脂製の帯状スペーサ本体で、該
スペーサ本体２２の裏面には両面接着テープ２３を貼着
する段部２１を形成すると共に適宜間隔を設けて表裏貫
通部である切欠き２９（貫通孔でも可）を形威しである
。

２０は前記切欠き２９に嵌合されスペーサ本体２２裏面
に貼着した両面接着テープ２３により取付けられるベー
スで、その表面には先端にモール係止爪２５を備えた係
止片２４を一体に突設しである。

また、このベース２０表面の係止片２４両側には車体取
付状態でガラスＧ周端面に弾接してその反力でベース２
０を車体開口縁パネル１面に押付ける脚片２６が突設さ
れている。

そして、前記スペーサ本体２２裏面の段部２１には一側
面に剥離紙（図示省略）を貼布した両面接着テープ２３
が予め貼着されており、ベース２０はスペーサ本体２２
の切欠き２９部の両面接着テープ２３を介してスペーサ
本体２２に取付は全体としてスペーサを構成する。

なお、該スペーサ本体２２には第５，６図示のように内
周側の側縁に複数個の切欠き２７もしくはスリットを設
けることにより、車体窓開口の複雑な曲面に対して追従
性を良＜シ、スペーサが車体開口縁より外側に突出した
り波打ったりしないようにしである。

従って、ベース２０を備えたスペーサ本体２２を用いて
モールを取付ける場合、帯状スペーサの裏面に予め貼着
した両面接着テープ２３の片側の剥離紙を剥しつつスペ
ーサを車体開口縁パネル１にそのカーブに沿って接着腰
内面周縁に接着剤を塗布したガラスを嵌め込み、そして
、モール係止爪２５とスペーサ本体２２との間にモール
６の外周縁を叩き込むことにより、該モール６をしっか
りと取付けることができるのである。

ここで、このモール６取付けの際にモール６外周縁を叩
き込んでも、該モール６外周縁は車体開口縁パネル１全
周に接着されたスペーサに干渉するだけに止まり、従っ
て、車体開口縁パネル１を傷つけることが全くない。

また、走行時の車体の捩りによる車体の動きと、モール
６の動きが異なっていてもモール６外周縁がスペーサと
摺接するだけであるから、該モール６外周部分に詰まっ
た砂塵１６等によってパネル１面をかじることがなく、
ノって、モール６取付時並に砂塵等のかじりによるパネ
ル１塗装面の擦傷を起すことがなく、車体開口縁まわり
の錆の発生を完全に防止することができるのである。

次に第７図に示す実施例は、スペーサ２２ｂ表面に係止
片２４と脚片２６を一体成形したもので、その他は前記
実施例と同じである。

本実施例にあっては所定長さのスペーサ２２ｂと係止片
２４とが同時成形されるため、成形製が若干大きくなる
という欠点はあるものの、ベースを別に取付けるという
手間が省ける。

なお、スペーサ２３又は２２ｂは車体開口縁パネル全周
に無端状に配設してもよいし、あるいは、車体開口縁の
４隅部で分断されていても、連続的に配設されていれば
よい。

以上のように本案構造によれば、車体開口縁パネル全周
にわたって接着される帯状のスペーサを備えているので
、モール組付は時に係止片の存在していない部位にあっ
ても、モール外周縁と車体開口縁パネルとの干渉をなく
してパネル面の塗装剥離を防止でき、また、砂塵等はモ
ール外周縁とスペーサとの間に詰まるので、走行時の車
体の捩れによって前記砂塵等で車体開口縁パネル面を擦
傷することがなく、のって、モール取付部まわりの塗装
剥離による錆の発生を完全に防止できる。

また、窓ガラス周縁の補修の際、モールを取外す必要が
生じた場合、該モールを工具によりスペーサと係止片と
の係合を外すことで容易に取外すことができ、この場合
も全周にわたるスペーサの存在によってモール端部と車
体パネル面との干渉がなくパネル面を保護できるという
実用上の効果を有する。

更に、本考案スペーサの側縁には切欠きもしくはスリッ
トを設けであるので、複雑な形状の窓開ロバネルに対し
突出、波打ち等が発生することなくきれいに貼着するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外観図、第２，３図は従来のクリップ
を示す説明図で、それぞれＡは第１図■−ｎ線に沿う組
付状態断面図、Ｂは斜視図、第４図はモールにスペーサ
ーを組付けた場合で、Ａは断面図、ＢはＡ図のＢ部拡大
図、第５図〜第６図は本案クリップを示すもので、第５
図は斜視図、第６図はモール組付状態を示す説明図でＡ
は一般部の断面図、ＢはＡ図のＢ部拡大図、第７図は本
案の異なる例を示す斜視図である。 １・・・・・・車体開口縁パネル、２２，２２ａ・・・
・・・スペーサ本体、２２ｂ、２２ｃ・・・・・・スペ
ーサ、２３・・・・・・両面接着テープ、２４，２４ａ
・・間係止片、２５．２５ａ・・・・・・係止爪、２６
，２６ａ・・・・・・脚片、２７・・・・・・切欠き、
２９・・・・・・切欠き（表裏貫通部）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 窓ガラスを接着するタイプの自動車において、窓ガ
   ラス周縁に取付けられるモールと車体との間の車体側に
   、先端部にモール端を係止する係止爪を有する係止片を
   適宜間隔をおいて備えると共に、内周側の側縁に複数個
   の切欠きもしくはスリットを有する帯状のスペーサを車
   体開口全周縁に渡って接着したことを特徴とする自動車
   の接着窓ガラス周縁構造。 ２ スペーサは、表裏貫通部を形成した本体と、この表
   裏貫通部を覆うように本体裏面に貼着される両面接着テ
   ープと、係止片を備え前記表裏貫通部に前記両面接着テ
   ープで嵌合接着されるベースとで構成したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車の接着
   窓ガラス周縁構造。