JPS6030352Y2 - 建築用複合板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願考案は全裏面に防火発泡塗料層を形成し、かつ、樋
状に形成した金属板からなる表面材と、断熱材と、高温
化における嵩上村として機能する間隔保持材とを一体に
形成した建築用複合板に関する。

例えば、建築、構築物の外壁はパネルを用いた、所謂乾
式１法で形成することが多くなりつつある。

特に、軽量化を図った、例えば金属板と合成樹脂発泡体
からなる複合板、サンドイッチ構造板が増加の一途を辿
っている。

しかしながら、この種パネルは、金属面が火炎等にさら
された際には高熱によって金属板が膨腸し、大きく歪み
、これらパネルの連結部がはずれたり、間隙が生じたり
すると共に、この弱点部分から火炎、熱が内部へ侵入す
る欠点があった。

また、この種パネルの断熱材は軽量化と高断熱性の関係
から脅威樹脂発泡体か、これに防火剤等を添加した構成
となっていた。

そのため、高熱下では断熱材が収縮、溶解したり、燃焼
する欠点があった。

本考案はこのような欠点を除去するため、複合板の表面
材と芯材となる脅威樹脂発泡体、間隔保持材間に高熱下
で不燃断熱層を形成する防火発泡塗料層を介して防火層
断熱層を厚く形成すると共に、さらに複合板の目地部か
らの火炎、熱の侵入を胴縁等に直接伝導しないように、
不燃材からなる間隔保持材を目地部裏面に介在させた構
造とすると共に、他部分は軽量で、高断熱性の脅威樹脂
発泡体で形成し、目地部からの火炎、熱気の侵入を阻止
し、かつ、軽量で断熱性にすぐれた建築用複合板を提案
するものである。

以下に、図面を用いて本考案に係る建築用複合板の一実
施例について詳細に説明する。

第１図は上記複合板の一例を示す縦断面図であり、１は
全裏面に高熱下で発泡すると共に、不燃性の断熱層を形
成する防火発泡塗料層１ａを形成した金属板からなる表
面材で断面を凹状とした主体２とその一側端縁を外側方
へ突出した差込縁３と他側端縁を内方へ屈曲し、次ぎに
外方へ屈曲し、そのまま外側方へ延長して逆コ字状の断
面とした差込溝４と延長部５を形成し、また延長部５の
途中に形成した突条６と延長部５の先端を外方へ屈曲し
た舌片７とから構成したものである。

なお、防火発泡塗料層１ａの組成としては、例えば■リ
ン酸アンモニウム、ジペンタエリスリトール、メラミン
、クロロパラフィン、二酸化チタン、ポリ酢酸ビニル樹
脂、水、■珪酸ナトリウム、活性炭、シリカ粉末、水、
ＣＭＣ，酸化チタン、懲戒マグネシア、■リン酸、アル
ミナ、酸化亜鉛、塩化マグネシウム、水等の数種からな
るものである。

また、前記舌片８は差込縁３の先端を外方へ屈曲したも
のであるが、これは必要に応じて形成するものである。

さらに説明すると、主体２は合成樹脂発泡体を充填する
際の型材として機能するものであり、突条６は目地部に
おける係合力の強化と毛細管現象の防止、および雨返し
として機能し、また舌片７は雨返しと下記する断熱材の
裏面の一部と接触してバッキング機能を発揮するもので
ある。

９は合成樹脂発泡体で表面材１の主体２に現料状態で吐
出し、断面をＴ字状に形成すると共に、表面材１と一体
に自己接着性を介して固着するものである。

さらに説明すると、合成樹脂発泡体９は主に建築用複合
板の軽量化を図ると共に、発泡体形歳時の自己接着性を
利用して表面材１と後記する間隔保持材とシート状物と
を一体に固着し、かつ、建築用複合板に高断熱性と強度
を具備せしめるのに役立つものである。

その具体例としては、ポリイソシアヌレートフオーム、
フェノールフオーム等であり、もちろんウレレタン変性
ポリイソシアヌレート、フェノール変性ポリイソシアヌ
レートフオーム、あるいはこの種フオーム内に硼酸塩、
珪酸塩、繊維状物、無機質多孔粒等の１種以上を添加混
在させた発泡体などの１種からなるものである。

また、上記硼酸塩としては硼砂、メタ硼酸ソーダであり
、珪酸塩としては粉末水ガラス、メタ珪酸ソーダである
。

また、無機質多孔粒としてはパーライト粒、バーミキュ
ライトシラスバルーン等の１種以上からなるものである
。

なお、上記添加物は合成樹脂発泡体原料１叩重量部に対
し、５０〜３叩重量部の範囲であり、ＪＩＳ−Ａ−１３
２１号の試験に合格できる防火性能を有する合成樹脂発
泡体である。

１０は間隔保持材で合成樹脂発泡体９の膨出部９ａの一
側面、差込溝の下縁４ａ、延長部５で形成される長方形
状の窪部に接着し、延長部５裏面に剛性、防火性、断熱
性を具備せしめたものである。

すなわち、釘の打設が容易となり、かつ、高熱下でも目
地部において建築用複合板が変形しないことにより、目
地部αからの熱気、火炎の侵入を防止でき、しかも熱伝
導率も低くしたものである。

その形状としては長方形の断面で、長尺であり、厚さｔ
が合成樹脂発泡体９の膨出部９ａと同じで、幅Ｗは差込
溝４の最奥から舌片７よりも突出した寸法である。

これは第２図に示すように目地部αに３つの空隙■、Ｏ
口。

○ハを形成することと、合成樹脂発泡体９と表面材１と
が直線的に接触するのを避けて、より防火性、断熱性を
強化するためである。

その材料としては、フェノール樹脂発泡体（フオーム）
、高密度グラスウール、ロックウール、珪酸カルシウム
板、石膏ボード、可撓性のあるスレート板、塩化ビニー
ルと炭酸カルシウムを主成分とする準不燃クラスの発泡
体等の１種以上からなるものである。

１１はシート状物で合成樹脂発泡体９の裏面の露出した
長手方向の３面を被覆すると共に、一端１１ａを差込縁
３の裏面に、他端１１ｂを間隔保持材１０の裏面に接着
し、合成樹脂発泡体９形戊時の離型材とサンドイッチ構
造により建築用複合板の機械強度を強化するのに役立つ
ものである。

シート状物１１を具体的に例示すれば、一例としてはク
ラフト紙、アスベスト紙、石膏紙、ガラス繊維等、合成
樹脂等の不織布、金属箔（ＡＩ、 Ｐｂ）、発泡シート
（３〜４ｒＭＬ）、アスファルトフェルト等の１種以上
をラミネートしたもの、あるいは高温時に保形性を得る
ために金網を両面からシートでサンドイッチし、これを
底形したシート状物等からなるものである。

なお、シート状物１１は成形体、あるいは断熱材９の注
入時に型内で断熱材９の発泡と同時に底形することもあ
る。

次ぎに本考案に係る建築用複合板の装着状態について説
明する。

第２図において、Ａは銀縁、Ｂは釘、１，２は本考案に
係る建築用複合板であり、銀縁Ａに建築用複合板１を釘
Ｂを介して固着する。

この建築用複合板１の保合溝４に相隣接する建築用複合
板２の差込縁３を挿入し、連結する。

そして壁体を形成するには、このような工程を順次、桁
方向に行えばよい。

この目地部においてはシート状物１１と突条６とが線接
触状で接触し、雨水等の侵入およ火炎の侵入を阻止し、
次ぎに舌片７とシート状物１１、間隔保持材１０の側壁
とシート状物１１とで阻止するものである。

ここで、本考案に係る建築用複合板の防火性について説
明すると、表面材１としては０．２７ｍのカラー鋼板、
防火発泡塗料層１ａとしては前記組成１を３０ミクロン
（ドライ）に形し、断熱材９としては厚さ２４ｍｍ、密
度４０に９／−のフェノールフオームを液状で吐出し形
成するものであり、間隔保持材１０はロックウールで厚
さ９ｗｎの板体、シート状物１１はアルミニウムアスベ
ストからなり、間隔保持材１０の裏面とシート状物１１
の接触部に接着剤（フェノール樹脂）を介して一体化し
た。

そこで、この建築用複合板を連結した、所謂目地有りの
テストピースに対しＪＩＳＡ１３２１による表面試験を
行なった。

また比較例としては上記実施例と表面材１の構成が単な
るカラー鋼板である以外、同じである建築用複合板を上
記と同じように試験した。

その結果は下表のようになった。そして、燃焼試験後の
テストピースを断面してみると、実施例ではフェノール
フオームが表面材１から１０ｍ＋ｙ＋厚まで炭化し、こ
れより深層は通常のフオームのままであり、表面材１と
フェノールフオーム間に２〜３ｍｍの無機断熱発泡層が
形成されていた。

これに対し、比較例ではフェノールフオームの殆んどが
炭化していた。

上述したように本考案に係る建築用複合板によれば、外
部から目地部を介して侵入する熱、火炎は不燃性の表面
材と間隔保持材とシート状物によって形成される３つの
空隙で阻止され、これより内部へへの熱の伝導を抑制す
ることができる特徴がある。

特に表面材の裏面に形成した防火発泡塗料層は高熱下で
約２〜５１ｆｒＩＩ４の不燃性の断熱層を形成するため
発煙、残炎、断熱材の炭化を大幅に改善できる特徴があ
る。

また、表面材と間隔保持材が不燃性であるため、熱、炎
を遮断する層を連続して形成することができる特徴があ
る。

さらに、通常状態においては合成樹脂発泡性にすぐれ、
しかも軽量で、その上、製造が極めて容易であり、かつ
、サンドインチ構造状のため金属板、シート状物のよう
な部材を用いていても強度を有する特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る建築用複合板の一実施例を示す縦
断面図、第２図は上記複合板の連結状態を示す説明図で
ある。 １・・・・・・表面材、４・・・・・・差込溝、９・・
・・・・合成樹脂発泡体、１０・・・・・・間隔保持材
、１１・・・・・・シート状物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面凹状とした主体の一側端縁を外側方へ突出して差込
   縁を形成し、他側端縁を内方に屈曲し、次ぎに外方へ屈
   曲し、そのまま外側方へ延長して逆コ字状断面とした差
   込溝と延長部と、その先端を外方へ屈曲した舌片を設け
   ると共に、延長部途中に突条を配した金属板の全裏面に
   防火発泡塗料層を形成した表面材と、前記主体の凹状部
   に原料状態で吐出し、反応発泡させて表面材を一体に固
   着すると共に、断面をＴ字状に形成した合成樹脂発泡体
   と、該脅威樹脂発泡体の一側面に発泡形成時の自己接着
   性で固着すると共に、差込溝の下縁、延長部裏面に固着
   し、かつ、一側壁を延長部の舌片より突出し、裏面を合
   成樹脂発泡体の裏面と面一に植設した不燃性と剛性と断
   熱性を有する間隔保持材と、前記脅威樹脂発泡体の長手
   方向の露出面と上記間隔保持材の裏面に固着したシート
   状物とから構成したことを特徴とする建築用複合板。